kotoba日記                     小久保圭介

言葉 音 歌 空 青 道 草 木 花 陽 地 息 天 歩 石 海 風 波 魚 緑 明 声 鳥 光 心 思

  『芸術の誕生』

2024年06月18日 | 生活詩
    『芸術の誕生』 



その人は泣いていた
涙は流れず
叫びのように泣いていた
1ヶ月 泣いていた

その人は泣いていた
悲しみで苦しみで
寂しく誰にでも
顔を合わせれば
その人は泣いていた

食べることも
座っている時も
大声で泣いて
大声で叫んでいた

誰彼に助けてくれ
誰彼に救済を求めた
それでも
ずっと泣いていた
泣き始めて
時に大声で泣く

風がやんて
泣かない時がある
今朝 その人の前を
通ってみると
二十四色の色鉛筆

誰かに
与えたのかもしれない
色鉛筆で
描いていた

自分はどうしたらいいのか
答を
ください

その人は
誰かにも自分にも
答を求めている

その人の中に
流れている
水の音

その人は
胸の中に聞こえる音に
色鉛筆で
描く

その人はすぐまた
泣くのだけれど
描くときは
静かです

私がまだ絵を見ていない
まだ始めたばかりの心には
たくさんの色がある

その人が半日中
泣いた時は
力があるはず
人がマイナス感情で
泣いたあと
ある時
確実に来る

泣き声は消え
プラス感情が来た時
その人は
本当の力を示すのだ

良くも悪くもどっちでもいい
人は流れの中
芸術によって
生きる糧になって
生きてゆける

たくさんの人と同じ
芸術は
孤独であっても
苦しみであっても
寂しさであっても
侘しさでもあっても
あなたの指に
色鉛筆を繋ぐ

どんな人
みんなでも
私でも
みんな
芸術ができます

泣く人は
みんなに
泣く言葉で
教えてくれます

その色
その形
叫ぶ泣き声は
確実に
芸術に変わって
その人は生きていく

見ていた人に
力を与える

芸術とは
色鉛筆を使うだけではない

息をすること
それが芸術

一点を見ていること
それが 芸術

考えていること
思うこと
手を自分の手を握ること
これが芸術です

話すことも黙ることも
生きていることが 芸術

あなたは
わたしは
あれだけ泣いた力は
同じだけの力で
笑うこともできる

あなたに
出会えてよかった















コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«     『今日』 | トップ |    『湖を見ている』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿