kotoba日記                     小久保圭介

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歌うたい、音楽家の文学性

2021年10月27日 | 文学
  




夜9時まで労働
鯨と一緒に
時々
鯨は鳴く

以前
名古屋に
『caravan』
という凄いバンドがあった
活動は短かったけれど
知り人ぞ知る
伝説のバンドです

そのバンドの録音物(1979年、天王寺野外音楽堂、最後の春一番)
でのステージを録音したものです
欲しいという方が何人かいて
今でも「送って!」と言う人も

そのテープ(現在はCDに変換され所持)と
吉増剛造のサイン入りの詩集
ペケ(いとうたかお氏)の多数のライブ録音物は
わたししか持っていない
宝もの

いずれ保管可能な誰かに
寄贈したいと思っています

何度も聞いたそんなcaravanのライブ音源を
口で奏でながら
歌いもしながら
夜の9時まで
飽きることなく
楽しく労働

いろんなことを思い出しては
ペケのライブを見にいった最初の会場であったり
どれだけの場所で
ペケを聞いたんだろうと
場所を指折り数えては
鯨とともに
夜が
ゆき

忍び武士から
ジュースとビスケットと最近買った本の差し入れ
ありがとうございます
また読ませて頂きます

帰路
家の近くで
すれ違う
三人の家族
幼い子供が
「パパはどうしてママと結婚したの?」
と聞いていた
答はすれ違ったあとに
発されたのかも知れないけれど
父と娘
そのあとを母がゆく

あの質問の答は
万の数ほどあるだろう
そしてどれも正解はないだろう
不正解もない

だから子供の質問は
文学そのものなのです

---

平沢進の『FGG』鳴る


  『FGG』   歌、作詩作曲 平沢進



 風に競えよ なお行く鳥 陽は落ちて
 遥かアニマの 声なき声 いまに来て

 
 家を想わす 牡鹿の群 宵は来て
 老いてなお行く アャ高フ火は 今燃えて


この歌を聞いたのは東京在住の時で
はて? アニマとは?
と調べると
そうか
と納得
同時に八木重吉を耽読していた時期で
いっきにその後の方向が決定してゆく道程

体を悪くして
帰名したある日
新聞のコラムで
『アニミズムの風景』という題で
山折哲雄先生が書いていた記事
当時は山折哲雄という
名前を知らず
良い記事だったので
切り抜いて
今でもスクラップしています

それほど

アニマという言葉と
アニミズムという言葉があることに
衝撃を受けた

結局
平沢進の歌詞の『アニマ』から
広い世界に出ることができた

さらに帰名して
シンガーソングライターの
ペケの歌詞を聞く

これが平沢進よりも
もっと奥深くて
判ったような気になっては
もっと判るまで
何年もかかった

ペケもまた
文学以外
何物でもない

高橋悠治の『カフカの時間』
武満徹の『時の園丁』

これらも音楽家の言葉だけど
小説家が書く言葉よりも
優れた言葉であるという
凄いことが
他分野でこそ
起きている
これは凄いことです


いつ
どんな言葉と出会うかで
わたしたちの
人生は
決まる



---

帰宅
バッグにチョコ
あ、Joeさんからだ
と思い
まったく知らずに帰ってきた
明日
お礼を言おう
ありがとうございました






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2 コメント

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インパクト大 (大同ダイダイ )
2024-05-13 03:34:07
名古屋といえば真福寺本の古事記も思い出しますね。
返信する
スサノオのミコトよりおこりける (和歌特殊鋼関係)
2024-05-14 14:31:33
私などは伯耆と出雲の堺、比婆山が安来にあってイザナミノミコトの御神陵があることを最近しった浅学者です。
返信する

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