kotoba日記                     小久保圭介

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どぶ川

2015年05月31日 | 生活
ここは昔どぶ川だった
緑の藻が張りついて
自転車が落ちていた
深さは二十センチ
瓶やプラスチックの容器が落ちていた
土手は芝で
草の背も高かった

ここは昔どぶ川だった
橋は細く
手すりはなく
落ちたら
どぶの匂いが
体につくだけ
それでなくても
どぶの匂いは
辛いぐらいで
夕日は土手に落ちたけんど
どぶ川には落ちなんだ

ここは昔どぶ川だった
風は吹かず
吹くときは
全部飛ばした
おとんは言った
「糸ミミズとってこい」
おとんはランチュウやら
エンゼルフィッシュやグッピーを買っては
すぐに水が濁り
全滅した
熱帯魚を飼う資質がなかったけんど
餌になる糸ミミズを
おれは取りにいった

ここは昔どぶ川で
糸ミミズは
ぬめりとしたどぶ川に
スコップを入れれば
たくさんいたけん
バケツに泥ごと入れて
持って帰った

バケツの泥に水を入れ
泥が下にたまって
上は水になり
そこで
糸ミミズは
そよそよと
美しく泳いでいたんだ
けんど
せっかく泥から
糸ミミズを抽出したのに
犬が糸ミミズを食うてもうた
しやけん
またどぶ川にバケツを持って
ランチュウの餌を
取りに行った

ここは昔どぶ川だった
えらい匂いがして
何かが腐っておった
魚はおらん
蛙がおった
傘の骨が落ちていた
土手には
干からびたエロ本も落ちていた
ごみとがらくたは
全部このどぶ川に捨てられた
おれらはエロ本をめくって見た
バリバリになったエロ本は
頁をめくるのが困難で
それでも
おれら子供は
飽く事なく
エロ本を探しては
めくってみた
女の乳房に息を飲んだ

ここは昔どぶ川だった
雨が降ると
増水して
立ち寄れなんだ
川にゆくには
このどぶ川を渡らねばならない
川よりもっと
たくさんのものが
ここには落ちていた
薄緑のコーラの壜は
酒屋か駄菓子屋に持ってゆけば
10円になった

ここは昔どぶ川だった
緑の藻が張りつき
臭かった
草が生えていた
犬が吠え
シャツは泥の色でところどころ汚れ
膝小僧は転んで擦り剥け
血が出れば
つばをつけた
それでもあかんときは
赤チンを塗って
膝小僧やひじは
赤チン色か
血が出て
かさぶたになって
それがめくれ
おれらはわけわからず
走ったり
困った顔したり
飯食うたり
朝からうろついた

ここは昔どぶ川だった

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氷の親分

2015年05月30日 | 生活
暑い天気の話
すると
「風もぼうずも十時から」
と誰かが言い
「え」
と何度も訊く
意味判らず
言った人も
説明できず
はてな
帰って調べてみると

風が吹くのは10時から
お坊さんが檀家まわりをするのも10時から
という
そのままの意味で
いわきの言葉らしい

さて
いつ
この言葉を使用しようか
どんなふうに
言ってみようか

兎にも角にも
33度
五月でこの暑さ
凍らせたペットボトル4本と
氷を入れた
水筒
ビニール袋に氷を入れて
毎年の熱中症予防
脇を氷袋で冷やす習わし

おかげて
炎天も楽しき
とは盛り過ぎ
正して
炎天も
氷でしのげる

籠を持った男
東へ向かった
打ち水

亀が
無性に
草を食う
夢を見た

夏である
氷の親分

ベランダは
盛んになってきて
成長率が著しく早い
オクラの葉がでかい
ミニトマトの実もでかい
人参の花は白い
楽しい!



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銀の鎖 黄の紐は解いて

2015年05月29日 | 生活


最中(もなか)入りの
お菓子の袋詰めをいただく

銀の鎖
黄の紐は解いて
銀の鎖
黄の紐は解いて


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ねむるねむる

2015年05月28日 | 生活
今日
生き抜くことが
大事

盲導犬について



素敵な歌の歌詞を
胸に入れたくて
動画を二度見て
歌詞を食べて
ねむるねむる
夜のリセット
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涼風

2015年05月27日 | 生活
今日は雲ひとつない
いい天気だわー

盲いる人と
同伴の方々から
コンビニの場所を
訊かれたので
答えた
彼女たちは
空腹だったのか
情熱的に
説明を聞いていた
彼女たち
今頃
おにぎりの歌や
チョコボールの歌を
歌うのかもしれない


涼風
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三つ良いこと

2015年05月26日 | 生活
9時間眠り
アイスクリーム「ピノ」の歌

その人は
ブルーのシャツを着て
脇に黒いシミがあるので
訊くと
「インクをこぼした」
と言った

体の不具合を
悪いコトバで聞かされたとき
黙り
空を見た

ミスド
川の話

頭痛
夜におさまる
肩こりから頭痛になっていることが
判明
いやはや

以前
寝る前に
三つ良い事を思い浮かべること
うんぬん
を友に発したらしい
友はそれをおぼえていて
「寝る前に三つ良い事を思い出してみると、眠れるようになった」
と言う
「どうして三つなんだろう? って思うんだけど?」
三という数はなんたらかんたら
と適当に答えておいた
それにしても
ありがたいお言葉をいただいた

わたしも時々
三つ良い事を思い出して
寝てみる時がある
良くない日でも
三つくらいは
あるもので
たとえばね

1 アンパン食べた
2 雨降らなかった
3 5円拾った

幸せは
小さな
三つ



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鶴を折る

2015年05月25日 | 生活
ビスケットの歌
朝は涼し

苦しみなくして
幸せはなし

色紙をいただいたので
折り鶴
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カレー

2015年05月24日 | 生活
久しぶりにカレーを作り
人参
なす
たまねぎ
しいたけ
ニンニク
鳥の胸肉
の具

弱火で時間をかけて
煮たため
ニンニク
たまねぎは
形なく

食すると
手前みそ
すこぶる美味の
日曜の午後


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宮澤賢治

2015年05月23日 | 生活
門の横で
五円拾う
ということ
それは募金箱の歌を歌わずにはいられない

十字架にミノムシがぶら下がっていたので
その糸を
指で切って
北東角の
黄色い花の園に
ミノムシを移動
だから
ミノムシの歌を歌わずにはいられない


猫と猫の喧嘩が起きて
コーヒーはこぼされるわ
もう部屋がめちゃくちゃなったのだそう
彼らを叱っても
彼らは大喧嘩なので
耳貸さず
勢い走り回り
うなって
噛みつき
コーヒーはこぼれ

黄色のカバー
栞は選挙投票所で
もらうやつ
神道と儒教と仏教の本
仏教の日常茶飯の言葉集
その2冊の本を
腹に宿し

「とらわれない」

あの人が言った

車椅子
押す

車椅子
戻って
自動車の運転席に
彼は渡る
手助けは無用なので
そばにいて
ボストン美術館のこと
絵の道具を忘れたので
取りに戻ったこと
そんな話
財布
ケータイ
ボストン美術館のチラシ

宮澤賢治
アメニモマケズ

県立図書館
古本屋


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大根 第二弾

2015年05月22日 | 生活
山深きJRの駅
そこで降りると
直結しているのが
温泉
へえ
こんな駅もあるんだな
って
温泉に入った
そして
図書館にあるような
小さな机で
本を読んでいると
向かいにあの人がやってきて
ニコッと笑い
仏法の古書と
地元のお菓子の袋を破って
珍しい本の頁をめくった
表紙も
そんな夢

サンドイッチ!!


お弁当に入れる
細い大根
もう上に葉しかないので
試しに
鉢植えの隙間に
指で土に穴を掘って
捨てるはずの
大根を植えてみる
肝心の葉は
黄緑に変色し
すでに力尽きる寸前
水と土と光の力を頼りに
朝っぱらから
そんなことをして
お弁当を持って
労働場に
向かう

名古屋駅周辺の
昭和の写真集
名古屋駅は
蒸気が以前あふれ
温泉があったのだという

夢の暗示だ

―――

太陽の傘

彼は
べらんめえ
仏さまのように
笑う

たくさんの
錆びた十字架を吊る

人間を元気にする人間

豊橋からのちんちん電車

自分の手を引いて

---

浄心にて
私たち
植え込みに座り
アイスコーヒーを飲んで
行き交う人や
群れる高校生の脇にいて
くだらない話で笑い
東の先
弁天通りをまっすぐに
そのずっと先
山が見える
青いというけど
青くない
グレイというが
グレイでもない
山の色は近くに行けば
緑色に違いない
遠くからは
色はなく
寒色ではあるのだが
形は山
間違いなく
ここで
見るのは
山なのだ
「何山だ?」
とは互いに発せず
「あ、山だねえ!」
と小さく感じて
声に出す
背後は
おそらく
夕暮れの色



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ことばのごちそう

2015年05月21日 | 生活

道は雨の匂い

さびしい

昨日
帰り道に
一円玉を拾った
募金箱に入れるため
左のャPットに
入れておいた

今日はさびしい
さびしさは
ことばのごちそう

さびしい を
ゴロゴロ転がして
家に帰った





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涼しき西門

2015年05月20日 | 生活
涼しき西門
静かな鳥

募金の歌
銀色の一円玉
金色の五円玉
銅の十円玉

伊予の国からの
便り

抹茶ロールの美味しさ

北東角の木は
光に向かって

川沿いの草草の
美しさ
自転車に乗って
草に触りながら
労働場に向かう朝
草に触る
折れぬ程度に
草は大迷惑
テラテラと
触って
チャリでgo

裸族だった

五月でこの暑さ
いやはや

「アイスバー当たり‼」
その人はまさしく飛んで喜び
当たりの文字を見てみると
木のバーに
文字は茶色で
当たり
と確かに書いてある
うれしさは
伝染する
無邪気であれば
あるほどに
夏日 炎天にて

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夏が来る

2015年05月19日 | 生活
雨あがり
ドイツ人が
空を見て
笑った
それを見ていた

長距離トラックのフロントガラスの内側
ユニセフと書かれ
「きれいな水がなければ 生きることができない」
と縦に書かれ

青い空

青い車の上
モンシロチョウ
飛ぶ



頭痛 なので
睡眠 して
軽い 熱中症
それでもです
大好きな
夏が来る

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彼の場所

2015年05月18日 | 生活
布池教会のゆくえ
トルテビスケット 3枚
そして命に水

「本日もよろしくお願いします」

あじさいを持った女性
西に向かった

曳航されて港に来る
大型貨物船から
十字架

吊られて
降ろされ
立てられた
永久的に
ここに立つ十字架

昭和の写真集
路面電車
電柱の多数
鼻水をたらした子供たち

バナナスャ塔Wケーキをいただき
あっ
夕の色

夜の雨
オクラの芽
人参の花
ミニトマトの緑の家
深夜
雨の音

夕方
路地を歩いていた
一年前にあった公園は
今は駐輪場
一年ぐらい前
まだ暑い時
公園の脇で
彼は座っていた
洒落た立ち飲み屋の
斜め前
お昼休みだったので
彼は
そこで
座って
わたしにはにかんで笑った

彼ももういないのだけれど
その場所に
彼はいた
そこに
彼は座って
一人の時間で安らぎ
お昼休み
12時45分か50分か55分まで
そこに座って
一人でいた

そんな路地を通って
思い出す
あの美しい人

笑顔

---

車谷長吉さんが
終えたという記事を
ネットで
新聞で知った
『赤目四十八滝心中未遂』
は二度、三度読んだ
映画も一度以上見た
大女優は
原作者の車谷長吉さんに
主演はわたしがやりたい
と熱烈な手紙を寄せたという
その女優は
中上健次原作『千年の愉楽』の映画にも
オリュウノオバとして
出演した

花に水

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2015年05月17日 | 生活
その人たちは
プリンを持って
夕方にやってきた
西日を遮るカーテンの内で
わたしたち
喜んで
楽しんで
話して
夜 遅くまで
レトルトのカレーと
キウイフルーツの夕食
コーヒーを飲み
喜んで
楽しんで

寝る前に
ひっそりとした
ベランダを見てみると
静かで
オクラは巻いた種の数だけ
いくつもいくつも
芽を出し
葉を広げ
上へと
伸びて

脇のミニトマト
アロエ群
人参の葉、花
室内の観音窒窿Tボテン
ユッカやアフリカの植物は
みな
電気信号を送っている
同種は送受信可能だが
多種においては
送受信はまだ定かではなく

しかし
緑同士は
たとえば
折られた
もがれたことを
覚えていて
その信号を出している
聡恚@の音におびえるのだそう

だから声鰍ッ運動
優しい言葉を選んで
都度に
彼らに声をかける
おはよう
えらいね
きれいだね


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