kotoba日記                     小久保圭介

言葉 音 歌 空 青 道 草 木 花 陽 地 息 天 歩 石 海 風 波 魚 緑 明 声 鳥 光 心 思

9時間半

2013年12月31日 | 生活


伊東静男なんて
何十年ぶりに
話題になったことだろう
川崎長太郎なんて
誰が知っているのだろう
いや
今日の二人は読んでいた
僕は名前だけは知っていた
「村上春樹の「ドーナツ・穴」は
空(くう)であり仏教的である
それをドーナツという西欧が
囲んでいて
村上春樹の作品は西洋と東洋の両方がある」

テレビで
フランス人の末ニの
女性が言っていて
横にいた
綿谷りさが反応する

そんな話題が
チベット密教の修行僧が
地面に接吻して唇から血を流す
そんなところまで
急速度で
どんどん進み
テーマを決めて話さないと
収集がつなかい
お昼から9時間半も
話し続けて
3人寄れば
4人目の意見が出るというが
はて
4人目の意見は
あったのだろうか?
終盤に
山之口獏の
「方言札」の話をしたが
すでに
みな脳を駆使し過ぎて
話は延びず
ただ
わたしたち
彼の本棚を
眺めていた

一休みすると
また誰かの話を
「遮えぎって良い?」
と一応言っては
あふれる思いを
それぞれが
発語する
バスの時間を気にしたのは
わたしだけ
放っておけば
朝まで話し続けてしまう
勢いを
絶ち
9時間半も話せば
弛緩する

最終バスに乗って
地下鉄に乗って
大晦日の夜を
帰ってゆく
ああ
今年も終わるなあ
と思いながら
地下鉄の中で
年賀状を書いた
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トランジスタラジオ(茶色)

2013年12月30日 | 生活
60円のねぎを三束
合計180円
あと
大根も買って
たくさん野菜を買って
家に帰る

夕のドラッグストア
ャCントが
来年無効になってしまう前に
商品カタログを持って
目当ての商品を注文したら
カタログが6月末までのものだと言う
しょうがない
最新の
カタログを見て
数分間
この世にあふれる
あらゆる物品
決めた商品は
トランジスタラジオ
「今は年末なので来年になりますけれど」
来年になったら
電話を待とう
トランジスタラジオを
手に入れたら
聞こう
台所で
人参を切りながら
公園で
お弁当を食べながら
寝床で
小さな音で
聞こう
トランジスタラジオ
話す人の声を聞く
話す事柄を
思おう
目を閉じて
小さな
スピーカーから
聞こえる
小さな声に
耳を近づけ
手軽に携帯できる
欲しかった
僕のラジオ
歌も聞く
天気予報も聞く
たまには
葉書を書いて
読まれるのを
待つなんて
最高に素敵
そうしよう
来年は
良い番組を探して
葉書を書こう
リクエスト曲も書こう
書いた葉書が
読まれた日には
そっと誰かに
伝えよう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年はどうだった?

2013年12月29日 | 生活
3階で用事を済ませ
エスカレーターで
おりてみる
あの場所で
本に目を落としていた
何を
読んでいたのだろう
知らぬまま
時は過ぎ

わたしたち
冬至の過ぎた
だんだん
日暮れがながくなってゆく
坂道を
ゆっくり下り
店に入る

金目鯛を見て
何事かを言い
「今年はどうだった?」
「とくにないね」
と応答するが
そのうち
3人
話が繋がるわけじゃなく
誰かが何かを言って
誰かが何かを言って
気がつけば
みな
話を聞かず
好きなことを
しゃべっている
そんなつき合いが
すでに20年も続いている
半年ぶりに会ったのに
まるで昨日会ったみたいで
好き勝手
歌を歌えば
誰も聞かず
みな
好きな歌を
歌っている
「じゃあねまた来年」
「よいお年を」
とかなんとか
よそ事を思いながら
バイバイの代わりに言ってみて
違う地下鉄に乗って
家に帰る

よい
お年を


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いびき

2013年12月28日 | 生活
雪は少しだけ
降って
やんだ

雪は
ふたたび
少しだけ
降って

初雪

もっと降ればいいのに

思ったのは
わたしだけじゃない

みんな
冬のすることを
待っている

積もったり
交通機関が乱れたり
そんなことを
わずかな粉雪でも
期待し
想像する

何故って
雪が白いからだ
やわらかいからだ
空から降ってくるからだ
景色を真っ白にして
街を静かにするからだ

冷たい石に座って
わたしたち
暮れのグレイの空の下で
お尻が冷たくなって
立ちあがって
歩き出す

今年最後の労働日に
雪が降るなんて
やあ素敵
ねじ釘を口にくわえた
大工さん
やはり言うのだ
「雪か」


わたしたち
大通りを渡って
夕飯を食べ
ワインを買って
灯り道を歩き
夜が更けるまで
話して
彼は
酔っぱらって
座ったまま
眠りはじめた

階下から
いびきが聞こえる
彼の故郷の
おとうさんは
彼のいびきが
聞こえるだろうか
いや
遠くはなれた空の下
彼のおとうさんも
今頃
とうに眠っているだろう
不肖な息子の
いびきは
彼の体で
ゴウゴウ鳴って

子供の時
奄美の海を
何キロも
泳いだあと
彼は広い畳の上で眠った
その夜にも鳴っただろう
小さな寝息
その寝息を
彼のおとうさんは
聞いただろうか

今は
寝息ではなく
この世に
もの申す如くの
憤怒の呼吸
ゴウ
ゴウ
と鳴っている

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気がつくと

2013年12月27日 | 生活
窓の外で
風が鳴っている
今年もあと少し

手帳に記す
スペースはとっくに
なくなり
手帳に付録してある
アドレス帳に
言葉を書く

風が音を出して
強く吹いている
明日は雪かもしれない

うれしいこと
たのしいこと
歌を口ずさんでいたなら
最高だ

秋から
ずっと
歌が鳴っている
気がつくと
歌っている
それが
本当に
うれしい
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

めまい

2013年12月26日 | 生活
風邪のせいか
めまいがして
動くと
ふらっとなり
遠近がとれない

山は雪だというのに
めまいがして
平常になったかと思えば
また
軽度のめまいがして

夜は雨が降り
わたしたち
雨に濡れ
ふらふらしながら
自転車を漕ぎ
家について
布団に入った

めまいがどこから
くるのか
判らない
おそらく
疲れているのだろう
だから
眠った
たくさん
眠った
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレゼント

2013年12月25日 | 生活
世界中が
愛で
満たされますように

花の数だけの愛が
咲きますように

たくさんの愛が
光を出す
それを
見れますように

1000円
募金した

ここにこそ
生きる意味があり
来年の
目標が決まった

最高の
クリスマスプレゼント


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きれいな声

2013年12月24日 | 生活
田のくぼみに溜まった水が
氷になった

山に雪が積もり

藁に霜がおりる

夢に抱かれて眠りたい

胃腸風邪をひき
帰ってから
ラジオを聴いて
眠っていた
目を開けると
天井が回った

声は美しく
夜まで
聞こえていた



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この街

2013年12月23日 | 生活
朝早い電車は
急行も準急もなく
普通電車

降りたことがない
駅を
電車は停まり
過ぎてゆく
ある駅で
盲人
立ち

ロータリーを過ぎると
今朝の寒さが
じん
と来る
それでも
朝日が照れば
その恩恵に
ほころぶ

この街は静かで
品もある
いいところだ

トミタさん

赤い電車は
東西を走っている
青い電車は
南北を走っている
その
交差するガードを
見てみた

青と白のバスも来た

やっと
胸で音楽が鳴る

郵便ャXトに
徒歩の人が
郵便ャXトに
車で乗りつけ
そうか
年賀状だ
もうそんな時期

ゆっくりと
癒えてゆく



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

螺旋階段

2013年12月21日 | 生活
螺旋階段を
見ている
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シベリア

2013年12月20日 | 生活
漢方の館
そのバラック
朝日
暖房の音
大型トラック

川の上の方
丸い山
三つ
バッティングセンター
ネットの緑

山の上の
石の家

北へ
北へ

黄と赤の家
キャンピングカー
幟(のぼり)の列
緑色の歩道橋
瀬戸155
鉄塔

フェンス

カラス
ブルーロード

映画館
小川

地蔵
柿の実の東北

シベリア
高橋さん

みんな凸凹の
雨水がたまった道を
歩く
夜は冷たく
声はなく
黙々と歩く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音の鳴る信号機

2013年12月19日 | 生活

あがる

ピンク色の服を着た
小さな男の子
まだ走ることに
足がついてゆかない

見る物が光り輝いているように
映るのだろうか
歓喜を放って
東へ走っていった

公園の前には
郵便ャXトがあり
バス停があり
まだ
傘をさしている人々が
バスを待っている

白杖も汚れ
交差点を渡り

小雨
ぱらぱら

おじいさんが
三段積まれた
ブロックの上に
座った
緑色の箱から
煙草を出して
吸っていた

音の鳴る
信号機
東西は【カッコウカッコウ】
南北は【ピッピッピッ】
この2種類の音で
東西南北を知る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

甘い実

2013年12月17日 | 生活


柿の木に

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裸木の道

2013年12月16日 | 生活


陽光の中
羽虫
飛ぶ

ラジオを持った
おじいさんが
裸木の道を
西へ向かった

枯葉
舞う
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手帳

2013年12月14日 | 生活



静穏である
それが貴重だ

スコップで
土を掘り
小さな電灯をすえる職人
「山芋掘りだ」
と自らの労働過程を言う
「山芋掘り」
と復唱する

寒い時
以前
「こんなに寒い時は胸に猫を3匹入れておけばいい」
と言った
確かタイル屋さん

その話が好きで
時々
想像して
中猫を3匹
胸の中に入れて
ジャンパーで囲んで
みゃーみゃー
鳴くだろうが
きっと
あったかいだろうな

牧歌的に思う

胸ャPットから
ビスケットを取り出し
風が通らない場所を探し
食べてみる

手帳とともに
今年も
あと少し
そろそろ
来年の
目標を立てよう


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする