kotoba日記                     小久保圭介

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『シノダン』 詩試作

2024年05月27日 | 生活詩







『シノダン』詩試作

何ヶ月も前に
空に帰ったと聞いた
49歳ってふざけるな
どうしてちゃんと病院に行かなかったんだよ
薬飲めば良かったじゃないか
その金も全部てめえのせいじゃなくて
自分のせいじゃなくて
送っちまったんだろう 頭にくる

どうして生き直さなかったんだ
生きている時はあんなやつ
鬱陶しいと思っていたのに
死んでしまったら
綺麗な人になってしまう
幻想ばっかりで
いい人になってしまう
何でも美化にしやがって

ほんの少しのことも
思い出すとどんどん 思い出す

あんなやつのために
私は 気落ち になって
冗談じゃないと思って
お前みたいなやつの
悪いことばっかり考えていた
お前なんかには絶対 幻想はしないよ

だいたい 存在がうるさいし
高圧的 だし
みんなから陰口で言われて
みんな ニコニコするけど
お前のためにみんな 気を使って
鬱陶しいと思ってるんだ
俺の中で その1人でもなる

でもお前は
どうして俺が気落ちするんだ
頭に来る
お前まだ生き直すチャンスはいっぱいあった
お前は弱かったんだよ
だからと言って
俺は絶対許さんぞ
お前が死んだからと言って
絶対俺は許さんぞ
お前の弱さも全部
俺が 張り返してやる

お前みたいなやつはどうでもいいんだ
でもお前は俺を助けちまった
バカなことを言って
緊張する 俺を笑わせた

お前みたいなやつ
みんなに嫌われていたんだ
俺みたいに腹の中で笑える 悪人にもなれれないし
善人にもなれない 中途半端なやつだ

そんなお前なのに
どうしてあんなに目が綺麗なんだ
それが本当に頭にくるんだ

俺は一生お前を許さんぞ
お前の分まで 俺は生きてやる
よく見とけ
お前みたいな 弱いやつは
酒に
逃げたらいいんだよ
お前の分まで 俺が強く やってやるよ
絶対許さん

お前のために書いた詩があるのに
自転車に乗って朝から夕方まで
橋を越えて
探し回ったんだよ
それでも家に帰って
酒を飲んだんだ
翌日も
探したんだ
必死に探してたんだ
そういう詩を書いたのに
お前は全然幸せにはならなかったじゃないか

お前のために絶対言わなかったのに
それがどこにあったのかわかんなくなっちまった
なんでお前はそこまで 寂しかったんだ
てめえ いい加減にしろよ 頭にくるんだよ 今でも頭にくるんだ

お前なんか本当に嫌いなんだよ
本当なんだよ
だが お前は俺を助けちまった
結局俺はお前を助けることもなくて
借りがあったまま お前は行っちまった

来世にあっても 絶対もう会わないからな
お前なんか 会いたくないからな
どうしてお前に会っちまったんだ
本当にそれも15年前の話なのに
お前が俺を助けてしまった
まだお前のことを
頭にくるんだよ

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