kotoba日記                     小久保圭介

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朝ドラを見る武者小路君

2020年01月12日 | 生活
最近
武者小路君と湯屋に行くことが多い
昨日も行ってきた

カツ定食を食べたあとに
バス停に向かう
武者小路君と馬鹿話をしながら
歩いていると
いろいろやらかす
まずわたしは自転車をカツ屋に忘れたことを思い出し
取りにいく
それでまた馬鹿話をしていると
バス停を通り過ぎる
何をしてんだか。。。

武者小路君はバスの中でも寝ていて
きっと疲れているのだと思う
湯屋でも
相変わらず
座り湯で眠っていて
そのままにしておいた

天然温泉のかけ流し
その噴出口の下で
地下からくみ上げた
湯のしぶきを
背中にあて
小さな湯の滝の音楽を聞きながら
岩で作られた湯船から
湯気が立ち
それが揺れているのを見ていた

陽光は今日もさし
今年は暖かい
去年は最高気温が10度をしたまわる日々が続き
雪も降り
小雪は毎日降っていた
ところが
今年は寒くない
防寒グッズを着用すればそれがわかる
去年はカイロ3枚
今年は一枚
去年はスエットを履いていたけれど
今年はなし
それだけで
暖冬だとわかる
きっと
夏は暑いだろう

弱炭酸と天然温泉を混ぜた湯船で
武者小路君となんでもないことを話し
今日は足が悪い人が三人
露天風呂に体を沈めにきていた
一人は親子でおとうさん
子は無造作に湯船に入る
足の悪いおとうさんは
ゆっくり慎重に湯船に入る


時々
片足がない人がエレベータに乗るのを
見る
その時
自転車を漕ぎながら
「がんばって」
と胸で言う

武者小路君の額から汗が流れ
顔が緩む
体を温めるということは
まず血行を良くして
筋肉をほぐし
兎にも角にも
体を芯から温める
「小久保さん、今日は帰ったら凄く眠れそうです」
「そうだね」
とわたしは言う

日光は今日も強く
露天風呂に出られるほど
気温が高い
それはありがたい
武者小路君に言う
「確か先週も太陽の光が強かったね」
「そっすね」

露天風呂にはわずかに
木が植えられていて
枝に雀が二羽
とまっていた

武者小路君と文の話をしていたと思うのだけれど
その内容がどんなだったか記憶にない
きっと
血が体にまわって
脳に行き届いていないかも(笑)

武者小路君は朝ドラを見ているという
「スカーレット」
「え。そうなの?」
「はい。俺、、しがらき焼きとか陶撃煖サ味あるんで。あれ見てると陶撃フ創作過程とか楽しいっすよ」
「じゃあ武者小路君も陶撃竄驍フ?」
「いや俺はしねえっす。あんなろくろまわしてたら目がまわってぶっ唐黷ソまいますわ。どっちかつーと蹴り唐オまくりたい方ですわ。冗談です」
武者小路君が言うと
マジに聞こえる
少なくと
まわりの人たちは。

いつだったか
本屋の中で
般若のスタジャンを着た武者小路君が
「あ、村上春樹。俺も知ってます」
と村上春樹の本を手にとって
「これじゃ。これがそうなんじゃのう」
と広島訛りでぶつぶつ言うものだから
武者小路君と同世代くらいの若者が
そそくさとその場を離れたのを目撃したことがある
「あんときはあの人に済まねえと思いました。これからはコスチュームに気をつけます」
なんだかよくわかんないけれど、
武者小路君はやくざ映画が好きで
網走とか渡哲也とかの話をする
「やくざ映画って面白いよね」
とわたしが言う

そんなこんなで湯船に浸かり
バスに乗って帰ってゆく
帰りのバスの中でも
武者小路君は眠っていて
わたしは橋をバスが渡る時
貨物列車を見て
悦に入る

じゃあまたね
どうもありがとうございました
とわたしが言うと
「いやいや俺こそ、ありがとうござんした」
と武者小路君は言った
ありがとうございました
ですよ
武者小路君


コメント
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