

白き鳥たち
V字を作り
北東へ向かった
お弁当を作ることができず
食パンと納豆二つを持って
出かける
野島さんたちの
野草観察に
参加する
「これは食べられます。卵とじにして食べます」
野島さんたちの手に野草が握られ
「このままだと苦いですよ」
と言うけれど
少し食べてみる
しばらくしたら
グッと苦みがきた
けれど
これを卵とじで炒めて食べれば
おいしいと言う
草を摘み
「ここにもある」
と指をさしては
冬の日本で
生息する
野草と戯れ
日は暮れる
今日は野島さんの
誕生日だという
白きシクラメンの鉢植え
を
自転車の前かごに入れ
夏至に向かって
陽は長くなり
夕暮れの川沿い道を
帰ってゆく