ドイツでは、そろそろクリスマス用品が店頭に並ぶ頃。クリスチャンでなくてもクリスマスが気になる行事となるのは、クリスマス商法にのせられているからだろうか。グッチ、プラダ、ブルガリ、フェラガモ、、、ついつい目がひかれてしまうのだが?イタリアを代表とするこれらの高級ブランドが、実はメイド・イン・イタリー・・・だが、実態はバイ・チャイニーズにぬりかわっているという「選択」でのお話である。
イタリア経済を支える高級ブランドは、洗練されたデザインと伝統を支えていたのがイタリア人工芸職人の技だったのだが、現在は、中国の下請け製造業者に依存することが多くなってきた。ファッション、車、陶磁器などのブランド品の製造する中心地にひろがっているのが、チャイナタウン。その数、数千~数万人規模の中国人居住地が出現しているという。それらの中国人居住区には、スーパーマーケット、食堂、就職斡旋所などを含めて、必要な都市機能はすべてそろっている。フェラガモやグッチなどの高級ブランド各社の製造は、工賃の高いイタリア人職人から、割安価格の中国人下請けにシフトしている。わざわざ中国まで依頼することなく、同じ地域に住む、格安の中国人業者に下請けにだせば済むのだ。中国にとっても、贋作を作る必要はなく、本場イタリアでブランド各社と契約を結び製作をすればよいという、まさにWINWINの関係になる。
問題は、メイド・イン・イタリーが、イタリア人が作ったのか、中国人が作ったのかの違いではなく、中国人居住区を仕切るのが中国マフィアであることだ。たとえば、プラトでは犯罪が発生しても地元警察は殆ど手をだせず、また、人口20万人で5万人いる中国人(合法的な移民は1万人)たちの過酷な労働現場では、最低賃金、就労時間、児童労働、安全基準などのイタリアの法律規則は適用されていない。イタリアのもうひとつの”伝統”は高級ブランドだけではなく、”マフィア経済”であるが、彼らとはシチリア島出身で南部を統治する彼らとは、地域ごとにうまく棲みわけて上手に共存して根をはっている。
おりしもユーロ危機が世界経済を不安に陥れている中、10月23日にブリュッセルで開催されたEU首脳会議では、ギリシャ問題以上にイタリアに議論が集中したのだが、ベルルスコーニ首相はまるでやる気がなかったそうだ。これには、イタリア経済界も怒って「緊急経済対策」を首相に求めたところ、「お金がない」との回答で一蹴した。確かに、首相はカラヴァッジョの「聖パウロの回心」を狙えるほどのとんでもない資産家だが、イタリアの国が傾いていていてお金がないのは事実。しかし、ベルルスコーニ首相が呑気でいられるのは、すっかりイタリアを侵食している中国に、政府系ファンド「中国投資(CIC)」に国債や借金を引き受けてもらうよう交渉中だからだという説もある。
危うし、イタリア!それにしてもイタリア在住の経済記者の次の言葉には、泣かされる。
「すでにイタリア経済は中国にのみこまれつつあり、製造業では運命共同体である」
そういうのを亡国って言うのではないだろうか。あっ、今年の春に買ったフェラガモのバックももしかしたらメイド・イン・イタリー・バイ・チャイニーズなのか。それも大きな問題だっ。
イタリア経済を支える高級ブランドは、洗練されたデザインと伝統を支えていたのがイタリア人工芸職人の技だったのだが、現在は、中国の下請け製造業者に依存することが多くなってきた。ファッション、車、陶磁器などのブランド品の製造する中心地にひろがっているのが、チャイナタウン。その数、数千~数万人規模の中国人居住地が出現しているという。それらの中国人居住区には、スーパーマーケット、食堂、就職斡旋所などを含めて、必要な都市機能はすべてそろっている。フェラガモやグッチなどの高級ブランド各社の製造は、工賃の高いイタリア人職人から、割安価格の中国人下請けにシフトしている。わざわざ中国まで依頼することなく、同じ地域に住む、格安の中国人業者に下請けにだせば済むのだ。中国にとっても、贋作を作る必要はなく、本場イタリアでブランド各社と契約を結び製作をすればよいという、まさにWINWINの関係になる。
問題は、メイド・イン・イタリーが、イタリア人が作ったのか、中国人が作ったのかの違いではなく、中国人居住区を仕切るのが中国マフィアであることだ。たとえば、プラトでは犯罪が発生しても地元警察は殆ど手をだせず、また、人口20万人で5万人いる中国人(合法的な移民は1万人)たちの過酷な労働現場では、最低賃金、就労時間、児童労働、安全基準などのイタリアの法律規則は適用されていない。イタリアのもうひとつの”伝統”は高級ブランドだけではなく、”マフィア経済”であるが、彼らとはシチリア島出身で南部を統治する彼らとは、地域ごとにうまく棲みわけて上手に共存して根をはっている。
おりしもユーロ危機が世界経済を不安に陥れている中、10月23日にブリュッセルで開催されたEU首脳会議では、ギリシャ問題以上にイタリアに議論が集中したのだが、ベルルスコーニ首相はまるでやる気がなかったそうだ。これには、イタリア経済界も怒って「緊急経済対策」を首相に求めたところ、「お金がない」との回答で一蹴した。確かに、首相はカラヴァッジョの「聖パウロの回心」を狙えるほどのとんでもない資産家だが、イタリアの国が傾いていていてお金がないのは事実。しかし、ベルルスコーニ首相が呑気でいられるのは、すっかりイタリアを侵食している中国に、政府系ファンド「中国投資(CIC)」に国債や借金を引き受けてもらうよう交渉中だからだという説もある。
危うし、イタリア!それにしてもイタリア在住の経済記者の次の言葉には、泣かされる。
「すでにイタリア経済は中国にのみこまれつつあり、製造業では運命共同体である」
そういうのを亡国って言うのではないだろうか。あっ、今年の春に買ったフェラガモのバックももしかしたらメイド・イン・イタリー・バイ・チャイニーズなのか。それも大きな問題だっ。