千の天使がバスケットボールする

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大富豪のGPウィーク

2005-06-03 23:23:25 | Nonsense
南フランスの先端に、面積197ヘクタール、国を横断するのに1時間もかからない世界で2番めに小さな立憲君主制の王国、モナコが浮かぶ。気候が温暖で年間の日照は300日、治安もよく清潔で、設備の整った大病院もあり、まるで夢のような国。但し、あなたが長者番付の常連になれたら、の話である。

雑誌「選択」にモナコで主催されるFIモナコ・グランプリのレポートが載っていた。あの独特のエンジン音が不快で、F1なるものにはいたって関心がなかったのだが、大富豪のためにその独特の優雅でリッチな極上の時間が本当にこの世に存在することを知った。

モナコでのグランプリがはじまる一週間前から、プライベートジェット機でニース空港から乗り継いできたお客を乗せて、次々とヨットの看板にヘリコプターが舞い降りる。王室、FIチーム、スポンサーたちが招待してゲストたちは、高級ホテルのオーシャンビューホテルに泊まる。GPウィーク中の一流ホテルでは、一週間という単位でのみ予約になるが、部屋代だけで1万ユーロ、負担はすべてホスト。船上パーティでは特別ワイン、閉鎖された一般公道は特別な通行許可書をもっているロールスロイス、フェラーリーが行き交うだけである。カジノだって韓国ドラマ「オールイン」でのように手に汗を握る勝負はない。ただのゲームなのだろう。
そして美しい女優が華を飾る頃には、坂道を疾走するF1マシンの轟音とともにロイヤルファミリーの祝福を受けるためにザ・グランプリがはじまる。

日本でも一流大企業の社長よりも、小さな企業のオーナー社長の方がずっと多くの資産をもっていることは珍しくない。器が小粒でも自分の裁量で自由にできるお金がある方がずっとよい。国の年間予算の半分を故レーニエ三世が個人的に出費していたというこの国は、まさに大富豪のためにある。そんな庶民とはかけ離れた時間が優雅に流れる。もしも天文学的な確率で宝くじが当選し3億円を手にしても、私がモナコの洋上でディオールのドレスを着て、シャンパン片手に風に吹かれているという光景はないだろう。そんな”貧しい”小市民の車には、通行許可書ははられない。もっとも叶姉妹のような勝負服(肉体)をもっていないということもあるが。けれども、ZETTONでビールを呑みながら味噌おでんと親しむ私が、グレース・ケリーより不運で不幸とも断定できない。

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