千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

終わらない「ヒルズ黙示録」

2006-08-18 23:58:42 | Nonsense
「ヒルズ黙示録」が刊行されたのが、今年の4月。その頃、村上世彰氏は親しい知人に「オレ逮捕されちゃうのかな」と冗談めかして言っていたそうだ。
本書でも明らかにされているように、堀江貴史氏にニッポン放送株の買占めをそそのかしながらも最後に高値で売り抜けていたという話が事実だとしたら、6月5日にインサイダー取引規制違反嫌疑で逮捕されたことに、本書の影響をあげる読者もいる。

しかし上記の嫌疑は、事件の闇のほんの入り口に過ぎないというのが、捜査関係者の意気込みである。40億円でスタートした通称「村上ファンド」も、”儲け過ぎちゃった”成果の果実の甘い蜜に誘われるかのように、現在はスタンフォード財団、ハワード・ヒューズ財団、そして我が国では日銀の福井総裁の可愛いお小遣いも投資され、運用資産も100倍に成長。なかには、海外から迂回した様々な資金がケイマン諸島籍のファンドに流れていることから、検察はさらにマンデーロータリングや脱税という次のシナリオも準備している。

これまで政治献金、個人資産の利殖のお手伝い等、政治家とのお付き合いに気をつかってきた村上氏のことだから、村上ファンドへの出資者は国会で糾弾されてなんだかかっこ悪い福井総裁だけではない。
日本振興銀行への出資で大株主になったり、多くのスポンサーをこれまで紹介するなど濃密な日々をともに過ごして来た木村剛氏。
本書でもとりあげられていたが、村上氏に甘くささやかれTBSを攻略中の楽天の三木谷浩史氏は、精神的に追い詰められているという噂もある。なにしろ1000億円が張り付き、家族会議まで開いたそうだから。
そして理工系学生アルバイトの人材派遣業、ドリームキャリアの社長、植島幹九郎氏はヒルズ族たちと美人?女子大生との合コンを取り仕切るという夜の斡旋業にも励んでいた。
そして最後の大物俳優は、勿論オリックス会長の宮内義彦氏。福井総裁が出資していた匿名性の高いファンド「第一回統合アクティビスト投資事業組合」の出資募集者や運用報告書の作成をオリックス投資銀行本部が代行するかわりに、年1%の管理手数料を受け取っていた。しかもオリックスに特化した特別ファンドすら存在していた。オリックスでは村上ファンドの詳細な取引情報を入手して、オリックス自身が運営しているファンドの投資先選定の参考資料にしていたという疑いも浮上している。

「オリックスから離れ、独り立ちしようとする村上さんに追いすがるように拘束して、好成績をしいていたのが宮内さん」
そう説明する村上ファンドの関係者もいる。さすがに、純投資しているファンドのひとつに過ぎないという、オリックス側社長室の木で鼻をくくったようなコメントは通用しないだろう。「時代」のけじめをつけ、象徴的な事件を断罪するのが国策だとしたら、規制緩和を存分に利用してビジネスに直結させたのが宮内氏だった。
Xデーは9月。まことしやかな噂が流れている。
なんとも、この愉快なオペレッタの幕は降りていない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿