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ミタル・スチールがアルセロールを買収

2006-07-23 22:02:00 | Nonsense
日本鉄鋼連盟の馬田一会長(JFEスチール社長)は21日の定例会見で、鉄鋼世界最大手のミタル・スチール<MT>がアルセロール<CELA>を買収することについて、日本の鉄鋼業も大規模なM&A(合併・買収)が起こり得ることを念頭に置いて対応を考えるべき、との見解を示した。
ミタル・スチールは、アルセロールの買収に必要な株式を確保したことを明らかにしている。実際の取得株式数は7月26日に発表される予定だが、馬田会長は、合併会社「アルセロール・ミタル」の発足が確実となったことを受けて「最後は、合意の上で(の合併)ということになったが、やはり敵対的な部分が多かった」との見方を示した。
そのうえで、巨額の資金を使う敵対的M&Aに対して「日本の鉄鋼業としても、各社はこうした事態が起こり得ることを念頭において、各経営レベルでどういう手を打つべきかを考えていくべきだ」との認識を示した。馬田会長は「日本(の鉄鋼業)が脅かされる可能性があることをわれわれは前提に考えているし、各社も考えているだろう」と述べた。(06/7/21東京ロイター)

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最近よく聞くこの名前、ラクシュミ・ミタル会長(一部”ミッタル”と呼ぶ記事もあり)とこのお顔。⇒
ミタルって知ッテル?ミタルって何だろう、と調べたら世界で5番目の大富豪(総資産235億㌦)で「にわか成金」と伝えられるこの方の半生は、グレイな謎に包まれていた。
グループ粗鋼生産6300万㌧を誇る鉄鉱業界世界最大手のミタル・スチール。豊富な個人資産による買収を繰り返し、30年で規模が100倍に成長。起源はインドネシアだが、父から譲り受けた「イスパット・インターナショナル」はロッテルダムに本社をおいてNY証券取引所などで株式上場。(”イスパット”とは、ヒンズー語で”鋼”を意味する。)一方では、LNMホールディングスという非上場会社をロンドンに設立。法律が甘いオランダと、ブレア首相と親しい英国とふたつの拠点を並行させていたが、昨年米国3位の大手鉄鋼メーカーのISGを45億ドルで買収したことをきっかけに、二社を統合させて、現在のミタル・スチールが誕生した。

ラクシュミー・ナーラヤン・ミタル氏は、1950年6月15日、インド北部の砂漠地帯の小さな農村に生まれた。商人として名高いマールワーリー・アグルワール集団を出自とするが、カースト制度で卑しい身分とされ、幼少時代は厳しい生活を送ったと巷間伝えられる。聖ザビエル・カレッジを優秀な成績で卒業後、父親の経営する鉄鋼会社に入る。当時のインドは、厳しい社会主義的な国家統制経済下にあり、76年インドネシアに移る。そこで、経営不振のトリニダード・トバゴの国営企業の再建を果たし、買収&再建という後の快進撃の手法をかたちづくる。この頃、旧ソ連崩壊により放出された武器などを大量にスクラップしていた。

ところが、国内部門を担当する堅実な父や弟と、マネーゲーム的なミタル氏は対立するようになり、国際部門を「のれん分け」というカタチで分離していく。以後、彼らの交流はない。家族内対立をタブーとするアグルワール集団の出自にも関わらず、父と弟との絶縁による反動であろうか、ミタル氏はふたりのこどもを溺愛している。同社の取締役である娘のバニシャ・ミタルさんが一昨年結婚した時は、ベルサイユ宮殿を借りきり、披露パーティに6000万㌦をつぎこんだ。まさに成金の結婚式だ。大学生にしかみえない息子のアディチャ・ミタル君は、アルセロール買収の発表時も父親と並んで記者会見におさまる。なにしろ、彼はパパから社長兼CFOに任命された。

ロンドンの豪邸に住むミテル氏が、親しいブレア首相の労働党へ12万5千ユーロの政治献金をした後に、首相がルーマニア政府に買収に関する好意的な手紙を送ったことが判明して、最初のスキャンダル「ミタルゲート事件」がまきおこる。また夫人とこどもたちで88%の株式を保有するファミリー経営に対する経営の不透明さの不審もまぬがれない。そしてミタル氏は個人資産をタックス・ヘブンのカリブ海にあるオランダ領アンチル列島に移転済み。やっぱりダーティなイメージがただよう。
ミタル・スチールのクズ鉄を集めてスクラップする直接還元製鉄法による生産と同様、クズ同然だった会社を買収して再建する辣腕が、今度は日本の優良企業である新日鉄にまでのびる可能性もないではない。ミタルは世界規模だが、所詮クズの会社の寄せ集めにより設備は老朽化して、1トンあたりの平均単科は450㌦と品質が劣る。新日鉄の680㌦とは、そもそも品質が違う。だから高級分野に強いアルセロールの株式を買い占めているのだ。

ミタル氏の出自、アグルワール集団は家族の絆を誇り、インド文化や言語を大切にする敬虔なヒンドゥー教徒が多い。
またミタル氏の名”ラクシュミー”とは、ヒンドゥー教最高神であるヴィシュヌ神の妃の名であり、富と幸福の女神として広く信仰されているという。

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