千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

サッチャー元首相が認知症、長女が回想録で明らかに

2008-08-27 22:24:57 | Nonsense
【ロンドン】英国のサッチャー元首相(82)の長女キャロルさんが近く出版する回想録の一部が、24日付の英紙メール・オン・サンデーに掲載され、元首相が認知症を患い、記憶力も減退していることが明らかになった。

記事によると、元首相を公私にわたって支えた夫のデニスさんは2003年に死去したが、元首相はデニスさんが亡くなったことを忘れがちで、キャロルさんが繰り返し言い聞かせているという。
キャロルさんが元首相の記憶の異状に気づいたのは2000年。昼食時に、90年代に旧ユーゴスラビア・ボスニアで起きた紛争と、在任中の82年に自ら指揮をとったフォークランド紛争とを混同したのがきっかけだった。その一方で、第2次世界大戦のころの配給食料の調理法について、10分間も話し続けるほど元気な時もあるという。
元首相は昨年9月、ブラウン英首相の招待で、古巣のダウニング街の首相官邸を訪れたが、公衆の前への登場はまれになっている。(2008年8月25日読売新聞)

***************************************
民主党の大統領候補選挙戦で、ヒラリー・クリントン氏とバラク・オバマ氏が歴史に残る激しい闘いは記憶にまだ鮮明であるが、女性初の首相としてだけでなく、その辣腕ぶりでも歴史に”残った”首相、サッチャー元夫人の回想録が、長女のキャロラインさんの手によって出版されるそうだ。
一昨年亡くなった新自由主義の経済学者、ミルトン・フリードマンに弔意を表した以降、すっかり世間から遠ざかった感のあるサッチャー氏。昨年2月、貴族院とも言われる英上院の本会議で、従業員が工場などで死亡した場合、企業に注意義務違反の故殺罪を問えるとしたブレア政権提出の「法人故殺法案」の審議が、淡々と進められる中、同僚の貴族(サッチャー夫人は、バネロスの称号がつく)の議論に静かに傾聴する姿には、沈みゆく大国を見事に復活させた「鉄の女」の面影はすっかり消えてしまっていたと伝えられる。それもそのはず、サッチャー夫人はすっかり老いたのだ。

1979年から11年間から続いたサッチャー革命は、1980年代のこと。「小さな政府」、市場原理主義がすっかり世界の主流になって、サッチャリズムも浸透した。その業績には、功もあれば罪も大きいのは、英国の貧富の拡大を見れば明らかであろう。
しかし、私はこの老いた女性を嫌いになれない、というよりもむしろ尊敬している。日本の最近の首相たちの無能ぶりと腰砕け状態を考えれば、サッチャー夫人の政治の力はりっぱだといえる。さすがに、英国の選挙を勝ち抜いた政治家である。
そんなサッチャー元首相が、レーガン元大統領のようにアルツハイマー病ではなく老人性の認知症というのも悲しいものがある。夫が亡くなったことを何回も説明され、その度に悲しみにくれる母を見るというのも娘の立場としてもつらいことと想像する。
サッチャー元首相の回想録出版が記事のメインにも関わらず、「認知症」という症状がトップに出るのも、首相時大の大きな業績ゆえに隔世の感を記者たちが感じているためだろうか。ネットで検索すると、今のサッチャー氏の写真を見ることができるのだが、その童女のような笑顔と老いた様子が痛々しくて思わず目をそらしてしまった。

■ひとりごとのようなアーカイブ
・「老いたサッチャー夫人」
・「ハードワーク」ポリー・トィンビー著
・「インタビューズ!」・・・こんな時もあったのね。