千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

「2007年 日本はこうなる」三菱UFJ&リサーチコンサルティング

2006-12-30 11:28:19 | Book
この1年をふりかえり、感慨にふけるまもなく年末だ。これでいいのか、自分。反省しなかったら猿と同じではないか。
そんなことがちらりと脳裏によぎるのだが、職場のチームを異動する打診が上司よりあり、また面倒なことにまきこまれる予感とともに気持ちははや2007年へ。
ブルーな年末最後をしめるにふさわしいブログは、希望をもちたい「2007年 日本はこうなる」。
来年はいったいどうなるのだろう、そう考える方へのこうなるんだけどというよきテキストとガイドブックが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングより上梓された本著である。

経済の流れを読み解くための指標が20、更に新聞・雑誌の話題になる関心の高い単語の来年の動きを知るためのキーワードが80項目。
すべて見開き2ページ分のトピックス形式になっている。左のページの下半分には、見やすいチャートや図、統計データーがおさまっている。読みやすく、ポイントがわかりやすい。第1部の部分は、毎週月曜日の会議の資料を思い出して懐かしい。自分の興味のあるところだけ読むこともできるが、就職活動をむかえる大学3年生には、すべてに目を通すことをお薦めしたい。やはり小さなトピックスのすべてを拾うことによって、全体を俯瞰することがこの国の流れと運命をともにするイタイ喜びとともに社会人デビューする覚悟ができるだろう。それに多くのキーワードは、ビジネスマンとして知っておくべき一般常識でもあるので、ここをおさえておけばシューカツにも役にたつ。

同じく日本を代表するシンクタンクの野村総合研究所が「2010年の日本」において、数年先をマクロな視点で「雇用社会から企業社会」への”組織を活用していくという「人間主義」そのもののパラダイム”を提唱しているに比較して、「2007年 日本はこうなる」では、幅広い分野で今のリアルタイムでの日本をとらえている。情報提供とはいっても、NRIのように大上段にかまえて総力結集というのではないが、最後にさりげなくそえられた執筆者のコメントが、希望にむかうあるべき潮流の方向を見いだしているのが特徴だ。来年も、来年こそは良い年を迎えたい。
ちなみに巻頭言として、中谷巌氏は日本文化、「日本ブランド」への評価の高まりという現象をとらえ、これからの経営者はアメリカ流の経営ロジックやカリスマ性だけでなく、日本文化を自らの言葉で語れる教養豊かな存在であることを述べている。私は常々思うのだが、デキル人は多いが、教養のあるビジネスマンは少ないのではないだろうか。頭脳が優秀で仕事ができても、教養の深さに欠けているのは仕事で人生を消耗されているのか、そもそもこどもの頃から勉強ばかりしてきたのか。「美しい日本」をつくるのは、安倍首相ではなくひとりひとりの国民であることを忘れたくない。

*経済に関して展開されている議論の「見巧者」としてマニアックな本をご紹介されているブログ「日々一考」のecon-economeさまも、本書に執筆しております。
毎日のTOPIXの動きに目を光らせるのではなく、シンクタンクでのリサーチというお仕事からアカデミックよりの記事が多いです。

それでは、みなさま良いお年を。。。