ダフタウンは主要な通りが三本ほどしかない小さな町である。中心に1836年に建てられた時計塔がある↓
歴史を読んでいると、ナポレオン戦争から帰還した兵士たちが1817年に新しく建設した町なのだそうだ。19世紀にも、ローマの軍団兵の入植のような話があったのを知る。
ここはスコッチ・ウィスキーの故郷、スペイ川近く。町中にウィスキーの宣伝がある。醸造所も近くにたくさんある
お茶に入った店では、ウィスキー樽を再利用した家具を販売していた↓
「天使の分け前」と名付けた、こんなお土産があるのも、ウィスキーの町ならでは↓
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すぐ近くのグレンフィディック醸造所を見学に行く。グレンフィディックは1887年の創業者ウィリアム・グラントの作り方を受け継いでいる。世界で初めてシングルモルトの製品を世に問うた会社。
キルト姿のガイドさんが、製造過程を追いながら熱を込めて語ってくれた↓
いちばん驚いたのが、モルトをつくるのに、泥炭を焼いた煙をつかっていないこと。なんと、ウェールズ産の石炭を焚いていた↓
「スコッチウィスキーというのは、スペイ川周辺の泥炭を焼いてモルトをつくるからこそ、そう呼ばれる」と、思い込んでいた。グレンフィディックは冷静に味を追求して、このやり方に行きついたのだろう。
シングル・モルトの製品をはじめて売り出したグレンフィディック社にして、こういう思い切った改革をしていたのか。たいしたもんだ。
「いちばん重要なのは、あの山ロビードゥーの(と指差す)水を使うこと」とガイドさん。製造のあらゆる過程で使う水を、同じこの山からのものを使っているのだそうだ。これが、グレンフィディックの今のいちばんのこだわり、と理解した。
泥炭を焼く煙を使わなくても、泥炭地をながれてくる茶色の水を使っていれば、スコッチらしいウィスキーに仕上がるということなのかもしれない。
「水」を守るために、グレンフィディックは1200エーカーという土地を購入したのか。社の敷地もこんな↓
モルトの原料を運び込んでいた↓
****さて、試飲。
四種類をためさせてくれた↓
熟成年の違いではないのが、一番右のIPA。これは(シェリーでもバーボンでもなく)ビールの樽をつかって熟成させたもの。ウィスキーの味はよくわからない小松でも、このIPAは違って感じられた