旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

平戸島をめぐる 平戸切支丹資料館、宝亀教会

2017-07-31 17:57:51 | 国内

平戸というと隠れ切支丹をイメージする方も多いだろう。現地を訪れると確かに、関連する場所も展示物も多い。しかし、きれいな展示がされている大きな博物館よりも、小さな集落の人があまり訪れないような場所の方が、信仰の切実さや強さが感じられる。

「平戸市切支丹資料館」は、生月の博物館に比べると大きくない。展示室は一部屋だけだし、ボランティアガイドさんも待っていない。それでも、この村に伝わってきた「よく時代が分かっていないモノ」が、その時代の雰囲気を伝えている。

 

いちばん大きな展示物は、この「納戸」。信仰を公に出来なかった時代、キリスト教関連の像はこういった家具の一角に隠されて、「納戸神」と呼ばれていた↓

 

 

実際に柱をくりぬいて隠されていた高さ三センチほどの木彫↓

 

 

十二単を着ているが、「まりやさま」なのだそうだ。

 

秘匿され続けて、いつの時代に誰がつくったのかも、研究はされていない。

 

「オラショ」とラテン語起源で呼ばれる祈祷文書も、誰かの家に伝わっていたモノが展示されている。それは江戸時代のものなのではなく、ノートに書き留められたカタカナ。戦後か?いずれにしてもそれほど古いものではないようだ↓

↑左上に「神ヨセ」として書きはじめられる。「キリストさま」に続いて、「ナカエのサン・ジョアン」様、「ヒラセのパブロー」様、「ヤスマンダ家のオクノイン」様と続いている。聖人たちの名前が多神教の神々のように並べられているわけだ。とても日本的である。

展示品が古い事が価値ではなく、受け継がれてきた信仰のカタチが、ありありと感じられる、こうした新しい(と思われる)展示の方がおもしろい。


博物館のすぐ裏には、17世紀はじめに処刑された遺体を積み上げてあったという場所があり、「おろくにん様」と呼ばれている。この石碑の場所を入って二十メートルほど行くと、石積みの小さな一角があり、空気が違って感じられた↓


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夕方になり、閉まる直前に、「宝亀教会」を訪れた。

 

※こちらに写真を載せました

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平戸島をめぐる

2017-07-30 17:28:21 | 国内

九州本土から橋でつながった平戸島から、さらに橋でつながっている生月(いきづき)島が見える。昼食の場所に選んだ店からの眺め↓

「母々の手」と書いて「かかのて」と読む、漁師の奥さんたちがやっているお店↓どんな鄙びた店かとおもいきや↓

外国のお客さんを満載にしたバスも着いていた。

「その日の朝、定置網で取れた地魚を漁師の母ちゃんたちが調理してバイキング形式で提供。お刺身がどんっとやってきて手づくりおかずを自由にとっていただきます。お刺身もおかわりできます。」と、ホームページに書かれている↓

席に着くと、さっそく「どんっ」とやってきました↓

おかずバッフェ↓

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橋を渡って生月島へ入る。山田教会は20世紀初期に教会建築の大家・鉄川与助によって建設された。ところが、実際に訪れてみると、そのファサードは新しくて、身廊部分の赤レンガとなんだかちがっている↓

内部に入ると(撮影禁止)、身廊部分がオリジナルであることがはっきりわかった。木造で小ぶりのゴシックのアーチ天井が連なっている三廊バジリカスタイル。びっくりしたのは、中央廊の装飾が、色とりどりの蝶の羽コラージュでなされていたこと。きれいといえばきれいだけれど、好みの分かれる部分だ。


外観ファサードがもともとどんな形だったのか? 生月の博物館に展示してあった一枚の写真でようやく理解した。1970年ごろまではこんな木造の入り口だったのである↓

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生月の博物館のメイン展示は捕鯨について↓入り口にもこんな像がある↓

内部の空間にも巨大なクジラの骨↓数年前にアメリカ東海岸で見た世界最大の捕鯨博物館を思い出した。この博物館をつくった人もあそこを見たのかしらん⇒こちらからごらんください ※ジョン万次郎は捕鯨船の船長に助けられ、彼自身も優秀な捕鯨船員となっていった

鯨をさばくためのこんな道具も展示されていた↓それだけ昔から鯨漁は身近だったのである

 


 

 

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トゥーンの酒屋にある不思議な風景写真

2017-07-26 06:49:26 | スイス

 


トゥーンで宿泊したホテルのすぐ近くで、地元スイスワインを買おうと近くの店に入った。


お勧めを訊ねると、個性的な髪型がかっこいい彼が熱心に対応してくれた↓



↑ふとレジの後ろをみると、どこかで見たような風景写真が大きく掲げてある。


「ええっと、どこだっけなぁ」としばらく考えて思い出した。


そうだ、これはスコットランドの城! 来月20日からから《手造の旅》で訪れるのでいろいろ調べた。中でもこのアイリーン・ドナン城は印象に残る姿で、行程に入れた場所である。こんなところで出会うなんて…でも、どこか違うような…↓


 



湖にぽつんと浮かぶ姿が特徴で、スコットランドで屈指の「絵になる城」とされている。…でも、なにか違う。あんな城だったかなぁ?? 


検索して写真を出すと、やっぱり違う↓でも、橋は同じに見える



訊ねてみると、にやりとして彼はこう言った。


「そう、あそこだよ。でも、城はトゥーンの城に換えてあるんだ(笑)」


トゥーンの城の写真こちらから


それから、背景もブドウ畑にしてある」


おお、そういえば、背景もスコットランドではあり得ないブドウ畑になっているではないか。


この店、スコッチウィスキーの品ぞろえがワイン以上に豊富で、彼自らがスコットランドへ何度も足を運んでいるのだとわかった


スコッチウィスキーと地元のワインを愛するあまり、二つの酒を同時に表すこんなコラージュ写真をつくって、さりげなく店頭に掲げてあったのだ。それも、なぁんの説明もなしに。こういうこだわりのある店、信頼できます(^.^)


 

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《手造の旅》スイス2017 六日目トゥルンメルバッハは地下の滝

2017-07-12 13:52:41 | スイス

★トゥルンメルバッハの滝は、道路からはけっしてみえない。バスを降りて、こんな道をゆく↓



↑写真の左に写っている図のような乗り物が地下に建造してあり、それに乗れば十か所ある見学箇所をわりに楽に訪れることができる。


滝の様子は、口で説明できない。下の写真の場所から、岩の割れ目の奥へ奥へと道がつくられている↓






轟々と轟く滝の音。水量が多ければしぶきもかかる↓




いちばん上の見学場所までくると、岩の割れ目から太陽の光が降りてきている。おお、これって、アメリカ西部の「アンテロープ・キャニオン」で見た光の帯に似ている↓



アメリカの「アンテロープキャニオン」は、砂によるもの。こちらは水によるもの。


※アンテロープ・キャニオンの写真日記、こちらからごらんください



外へでました(^.^) ここだけはどんなに天気が悪くても楽しめる場所です


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《手造の旅》スイス2017 六日目シルトホルンへ

2017-07-12 11:08:35 | スイス
ラウターブルンネンの谷↑その奥からシルトホルンへ登るゴンドラがでている↑
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ユングフラウ地区の観光は、定番のユングフラウヨッホ鉄道以外にもたくさんある。今日はシルトホルン展望台(2970m)と、地下の大滝トゥルンメルバッハを見に行くことにした。崖にとりつけられた「スリル・ウォーク」楽しめます(^.^)↓



***トゥーン旧市街の建物向こうに、青空にアルプスがくっきり↓ホテルから徒歩五分でトゥーン駅





インターラーケン・オスト駅行の列車に乗る↓この車両はそのままイタリア語圏のドモドッソラの方へ行くようだ↓



インターラーケン乗換の時からはどっと観光客が増える↓



ラウターブルンネンで大団体と一緒に降りるが、我々はバスにのって谷の奥へ向かう。定番コースを外れるとぐっと人が少なくなる。


↓ラウターブルンネンには、ゲーテも見た滝が崖から落ちている※右の崖から水量は少ないけれど、滝が見えます↓


この滝の裏までも歩いて登れる道があるのだが、今日は谷の奥へすすもう↓



↓右の崖の上にはミューレンをはじめとする小さな村がいくつもある↓



我々はそのさらに上にあるシルトホルンへ上がるロープウェイに乗るために谷の奥をめざしている↓下の絵図で、右下から左下方向へ進むバスに乗っている↓



ミューレンの村(上の地図で③番)で乗り換えて、②のBrigでまた乗り換えて・・・


高度はぐんぐんあがってゆく↓




②のBrigに到着する直前で、冒頭写真の、崖にはりついた「スリル・ウォーク」が見えた⇒


「あ、これ、ぜったいおもしろい!晴れていたら戻り道で行ってみよう」と思った。


***ロープウェイの中にはこんなハンバーガーの宣伝↓



シルトホルンの展望台は、映画「女王陛下の007」で、悪役のアジトとして登場していた場所なのだ。見えてきたあの丸い建物がそれ↓



1969年の映画だから、もう半世紀近くまえの作品だが、シルトホルンはこれをずっとウリにしているのであります


↓トイレも「BONDS」と「BOND GIRLS」になっております↓



男性用のところにはこんなサインも↓



こちらも男性用トイレより⇒


****シルトホルン頂上の展望台↓




望遠鏡をのぞくと、山の名前が表示される最新のもの↓左が「アイガー」右が「メンヒ」↓



多くの観光グループはここで時間をとって、途中では乗り継ぐだけ。しかし、先ほど見た「スリル・ウォーク」は、もしかしたら、ここの展望台よりも面白いのではないだろうか?早めに移動することにした↓下のBRIG駅が見える↓



BRIGの標高は2677m、しかし、アイガー、メンヒ、ユングフラウの峰々はより迫ってくる位置にある。降りて、乗り継ぐ人々からはずれて、テラスに出た↓




さっそく「スリル・ウォーク」へ↓



雲が出ていれば、歩いていてもこわくない?↓



こんなふうにしてあったり↓



なかなか楽しめるシカケをつくってくれている道(^.^)



昼食の予約もないので、ゆっくり楽しみました


さて、再び谷におりて、




バスに乗って地下の滝を見に行こう

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