旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ルーアン大聖堂横の建物取り壊し中

2011-08-31 20:47:49 | フランス

今月はじめ、しばらくぶりにルーアンを訪れた。モネが描いた連作で有名な大聖堂。 以前からその向かってすぐ左に現代風のモダンな建物があって気になっていたのだが、ついにそれが取り壊されている様子であった。

以前ガイドさんきいたところによると、この建物は1970年代ごろ建設されたそうである。そうか、この時代にあってもルーアン旧市街の景観を昔のままの美しさに保とうなどという考えはなかったということなのか。

同時代1979年にマルシェ広場に建てられたジャンヌ・ダルク教会の奇抜なスタイルをみてもそれははっきり分かる。美しい木組みの家並みを抜けると、突然風変わりな尖った屋根が姿をあらわす。あきらかに異質な建物である。

このマルシェ広場にもともとあった市場の建物を壊し、そこにこの教会を建設するという行為は「ヨーロッパの人は古い建物を大事にする」という我々の思い込み概念を真っ向から否定している。そう、ヨーロッパ人だってつい最近までは古いものをそのまま遺そうなんてそれほど思ってはいなかったようだ。

ただ、この教会の内部には、こんな16世紀のステンドグラスがはめ込まれている。

セーヌ川沿いにあった聖ヴァンサン教会のステンドグラスだったのだが、第二次大戦でステンドグラスだけ取り外して避難させてあったあいだに、本体は爆撃で壊されてしまった。

行き場をなくしたステンドグラスをこのようにはめ込み、再生を果たしていたのだ。

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本物のモッツァレッラ

2011-08-23 22:11:18 | イタリア

《手造の旅》イタリア三都市めぐり6日目。小松が信頼する達人ガイドさんとともにローマを歩く一日。

午前九時に開館するトラステベレ地区のファルネジーナ荘へ。念願の初訪問が叶った。ここはラファエロの代表作のひとつ「ガラテアの勝利」があることで知られている。下の写真、右側のフレスコ画。フレスコ画なのでここへ来なければ見られない。

二階の「遠近法の間」は本当に緑色の角柱や赤大理石の円柱のテラスがあるような気分になる。

★このファルネジーナ荘については、また別のところに書きます。小さな館だけれど、ルネッサンスの宝箱とでも表現したい場所。

シスト橋でテベレ川を渡り、同じくシスト四世が巡礼用に通したペッティナリ通りを通りファルネーゼ宮殿(現フランス大使館)、カンポ・デ・フィオーリ、ボロミーニの遠近法を駆使した回廊のあるスパーダ宮殿、ナボナ広場、パンテオン、カラヴァッジォの「聖マタイのお召し」のあるサン・ルイ・フランチェージ教会、そして、午後一時少し前。どこで昼食にしようか迷った末に行ったモッツァレラ・チーズの専門レストラン。

この五種類すべてがモッツァレッラ。それぞれにすばらしく美味しい。これまで食べてきたのは何だったのだろうと思わせる。

さらに、夏にふさわしいトマトの冷たいスープ。

香ばしく少し焦がしたパンと新鮮なモッツァレッラを入れて食べる冷たいトマトペーストのスープ。こんなのどこでも食べた事ありません。

**

夕食は軽く、滞在ホテルのルーフレストランへ行く事にした。

明日は帰国便に乗る。最後の夕焼けがローマの町へ沈んでいった。

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ローマでもおいしく食べよう

2011-08-22 17:56:56 | イタリア

フィレンツェよりバスでローマへ。11時半ごろ到着し、駅前のホテルへチェックイン。駅で軽食をすませ、再びバスに乗り込みローマ半日観光。トレビの泉やスペイン広場は明日徒歩でいくので今日は省く。17時前にホテル帰着。19時から夕食へ。駅近くのホテルだからレストランはたくさんある。しかし、こちらもフィレンツェと同じよう「ここへいこう」と思っている店ほど、夏休み一ヶ月休業てな店が多い。

お目当て三軒目、ナポリ風ピッツァがウリモノのお店へ。

前菜いろいろ。ズッキーニと茄子を焼いてオリーブオイルでつけたもの

アーティチョークはローマの名物料理と言われる。

三センチぐらいのたまねぎをさっぱりした漬物にしたもの

ズッキーニサラダは松の身がアクセントになっている

他にはパプリカを焼いて皮を向いてオリーブオイルにつけたものがお気に入り

最後はもちろんナポリ風ピザ

ふわふわで香ばしい生地がなによりおいしい。トッピングでチーズでごてごてのピザではない。よく日本人がイメージするイタリア風のパリパリクリスピーでもない。ナポリ風というのはこういうものなのです。

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ルッカでおいしく食べよう

2011-08-21 16:43:14 | イタリア

《手造の旅》イタリア三都市、四日目。フィレンツェからローカル列車でルッカ日帰り観光へ。

二階建てローカル列車の二階部分なので天井が低くなっている。設備はわりによい。

日本の団体さんはあまり訪れないが、中世の見所あふれるルッカについてはまた別のところに書きます。今回は、ルッカ在住の方にアレンジしていただいたランチをご紹介。あまり量が食べられない日本人にあうように、考えてオーダーしていただきました。十人少しという人数なのでこういう少量ずつ皆の皿に盛ってもらうアレンジが可能になる。**

①マグロの燻製肉

②ポルチーニ入りリコッタチーズの小ケーキ

③スペルト小麦と豆のスープ新鮮なオリーブオイルをかけると、味わいがさっとかわる。

④ポルチーニのリゾットとズッキーニのラビオリ

⑤栗のジェラート

⑥フルーツのカラメルあえキウイ、洋梨、オレンジの皮、ライムなど多彩

★★それにしても、今日は暑かった。ルッカから帰路の列車内にあった温度計は、車外気温41度。車内30度でも、湿度が少ないので日本での三十度よりはよほど過ごしやすい。

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一等列車でフィレンツェへ

2011-08-20 23:37:50 | イタリア

《手造の旅》イタリア三都市、三日目。ヴェネチアから列車でフィレンツェへ。到着後サン・ロレンツォ教会付属のメディチ家礼拝堂、花の聖母大聖堂、ウフィッツィ美術館見学。

**

少しゆっくり列車の旅をしたいと思って一等車を選ぶ。

いつもならそれほど混んでいないのだが、夏休みはほぼ満席状態であった。二時間半のいわば新幹線乗車時間で(円高の昨今)八千円程度なら利用価値は高い。

車両は三列配置で大き目のテーブルに電源も各座席用のライトもついている。飛行機みたいに飲み物にスナックサービスもある。スーツケースを持っている場合にはその置き場所もまだ見つけやすい。

***

昼12時半フィレンツェ駅到着。駅構内から地下道を使って歩いていけるB(頭文字)ホテルを利用。スーツケースをごろごろ転がしていけばバス一台手配する代金を節約できる。列車は一等でも、こういう場面を少し頑張ればよいのである。時間は早かったが、ホテルの部屋へも入ることができた。

ランチは車内でサンドイッチ程度ですませていたので、13時過ぎには早速観光へ出発。

 

すぐ近くのサン・ロレンツォ教会に付属したメディチ家礼拝堂へ。

色大理石を組み合わせて作られた豪華な空間が美しい。しかし、結局最後のメディチ家マリア・ビアンカが死ぬまで完成してはいなかった。兄は後嗣無く没し、自分にも跡取りはない。名家メディチ家の最後の直系として、未完の礼拝堂をそのままにして没するのはどんな思いであっただろう。

 

***

メディチ家礼拝堂はもうひとつ小さめの部屋が奥にある。ここにミェランジェロ作の有名な二対の作品がある。だいぶ以前に来た時に来た時には「ミケランジェロの作品だ」ぐらいしか分かっていなかったが、今回は優秀なガイドさんに解説をお願いしているので、いろいろ面白い話がきけた。

★曙と黄昏

 ★昼と夜

この、叔父と甥二人のメディチのために作られた祭壇は向かい合って配置されている。そして、その墓碑の上にある像は首をめぐらせて、同じ方向を凝視している。なるほど、指摘されてはじめて認識した。

その視線の先には聖母子の像が置かれていて、ミケランジェロは実はこちらの聖母子像の方を立派にしたかったのだそうだ。 なぜならその祭壇の下には無名の若きミケランジェロの才能を見出し庇護してくれたロレンツォ豪華王(通称)と、その弟で暗殺されたジュリアーノが葬られていたからである。

 

2006年から始まった「プロジェクト・メディチ」ではこの墓も開けられた。暗殺された弟のジュリオの頭骨は刀傷によって割られており、まさに本物である事がわかた。兄ロレンツォもその鼻骨の特徴が肖像画と一致した。有名人の墓というのはこれまでにも数度開けられており、その度に遺骨も含めたいろいろなものが行方不明になっている。だから、墓から出てきた骨であっても、まずは本人確認が必要なのである。

 

****

午後三時前、花の聖母大聖堂入場。近頃は入場に一時間も並んだりするという話をきいていたので幸いだった。*****

ウフィッツィ美術館は15時半の入場予約。二時間ゆっくり話をうかがう事ができた。

 

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19時半、ホテル近くのレストランへ。夏の時期、多くの地元レストランは長い長い休暇に入ってしまうので、選択肢は限られる事にはなる。それでも、おいしい肉とおいしいポルチーニははずせない。この時期にはもう新鮮なものがでまわっているのです。

 これが調理されて・・・こんな風に登場!

さらに、ビステッカ・フィォレンティーナ(フィレンツェ風ビフテキ)。「最低でも八百グラム以上で焼くこと」というのが本来のレシピだそうな。だから、これぐらいは当然強火で焦げ目がしっかりつくように焼いて、ちゃんと血が滴るぐらいがおいしい。★写真、拡大してご覧下さい。

 

 

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