旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ブリュッセルは美しい

2019-11-11 22:30:37 | ベルギー


帰国便は(成田への直行便ではなく)夕方発のミュンヘン経由羽田行きにした。その方が一日多く楽しめる。

今日は休日。ホテルをゆっくり出発し、早めのブランチ。
ブリュッセルの南部、カンブレ―の森にあるシャレー・レストランを地元の方にお勧めいただいた。

小さな池の中の島に位置しているので、専用のボートに乗ってゆく


11:30からの二時間制バッフェ。

選ばれた食材がたっぷり並んでいた


レストランを出ると雨になっていた。

往路には跳ねまわる犬と子供たちがいっぱいだった森が静かに濡れている。

ブリュッセルという街のほんとうの美しさはこういうところにある。
魅力的なお店が立ち並び、観るべき美術館と味わうべきレストランがいっぱいで、世界遺産の街並みに世界中からの観光客がシャッターを切る、そんなブリュッセルも悪くはないのだが。

日程表に予定されているガイドブックの写真でインスタントな予備知識をあたえられた場所を訪れても、そこに本当の「旅する喜び」はあるのだろうか?

名前も知らなかった森をこんな風に歩く時間が、「ブリュッセルという街は美しいなぁ」と、記憶に留めてくれるのだ。

**

EUの本部ビルもちょっと見て、ブリュッセル空港へ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベルギー国立美術館と街歩き

2019-11-10 20:20:00 | ベルギー
ベルギー国立美術館というと

まず、ブリューゲルやルーベンスなどを観にいくことになる。
ガイドブックに載っている程度でない、あたらしい研究結果の話をふまえた解説が聞けるのがうれしい(^.^)

↑「イカロスの墜落」は、ずっとブリューゲル(父)の真筆と思われていたのだ。
が、近年X線検査をしてみると、下絵の段階で描かれた点々がたくさんみつかった。
そういう点々は、模写・複製をするときに描かれるものだから、「これはコピー作品?」と疑われるようになってしまった。
※ベルリンにあるレンブラントの「黄金の兜の男」もそんな作品だったっけ



この美術館は地下でつながった新館があって、そちらに近現代の作品が収蔵されている。
一見に値する作品が膨大に所蔵されているのだが、新館はたいていそんなに混んでいない。
そこへ行く途中でやっていた「ダリとマグリット展」は大混雑

そこを抜けると、いつものようにゆっくり楽しめる空いた新館にたどりついた。

ベルギー象徴主義を代表する●ジェームス・アンソールを覚えてもらえたらと思ってお連れした。
彼は、旧ベルギー・フラン紙幣にも載せられていたほどの画家

↑紙幣にも描かれている仮面が彼のトレードマーク

今回の旅で訪れたブルージュから電車で三十分もかからない北海に面した街オーステンデの出身
※今回の旅のブログにリンクします
子供のころから両親と共に住んだ海岸に近い家では、旅行者向けのお土産としてきれいな貝殻も売っていた。十数年前に訪れた時にこんな貝殻が確かにあった。

↓ちょっと不気味に見える仮面なのに、鮮やかな色なので惹きつけられる

↓これはいったい?

※こちらに解説書きました



**昼食の時間を王立美術館のカフェでとった


午後、ブリュッセルの中心部を歩く。
↓世界最初のガラス天上ショッピングアーケード

チョコレート屋さんがたくさん並ぶなかで
↓このワッフル(ゴーフル?)を勧めてくださったのはさすが

ベルギーに近いフランス領リールが本店

砂糖のシャリシャリ感が絶妙なクリームをやわらかいワッフル?生地にはさんであります。
栗のクリーム、ヘーゼルナッツクリームがこの時期限定発売でした。

↓昔のビール「ランビック」を飲ませてくれる地ビール店

いちおう定番の場所も

***
夕食は食堂街から角を曲がってすぐにある老舗レストランへ

入口には肉がさがっておりますが

ホタテのクリームも変わらずおいしかった(^.^)

サカナのカルパッチョムール貝のチーズでオーブン焼き
肉のカルパッチョも
肉ももちろん

デザートに「フランベ」を

定番のダム・ブランシュ↓


ホテルへの帰路、ライトアップされたグラン・プラスへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブリュッセルの夕食、翌日はオルタ邸へ

2019-11-10 08:21:22 | ベルギー
ブリュッセルは高低差がある町。

中心のグラン・プラスは下の町にある。今回のホテルはそこから徒歩一分。

少し休憩してから予約していただいてたレストランへ行くと、二階奥にろうそくが灯っていた


ワイン・バーという名前のとおり、お好みしだい


**
翌朝、休日で空いた道。
最高裁判所のある高台から下の町を見晴らす場所に設置された観覧車でストップ

テラスから遠くに「アトミウム」が見える↓高さ103m

↑1958年の万博モニュメント。
当時、ベルギーのみならず文明を牽引していた鉄という物質の分子構造を巨大化している

↓昨夜のレストランはこのテラスの下あたり

地元民のナビゲートがないとなかなか行けない店だった。
***
オルタ邸のプライベートツアーを予約してもらっていた。

1861年生まれの建築家ヴィクトール・オルタの自邸。アール・ヌーヴォー様式が美しい。
十三年前に訪れた時には内部写真も撮れたのだが、今はきびしく制限されている。
↓十三年前の写真を少し

四十代のオルタはようやく自分の思うような仕事ができるようになった頃だっただろう。
自分が思うような仕事場を、家を、カタチにできてうれしかっただろう。

十代になった娘のために増築したと思われる最上階のウィンター・ガーデン↓

2019年の内装は、よりオルタが住んでいた時代に近づけようとしているが、
後にいろいろな人が住んで改修していったので、オリジナルの様子が分からない部分が多いのだそうだ。

次は王立美術館へ向かいます
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワーテルロー~ナポレオン百日天下の終わり

2019-11-09 16:00:00 | ベルギー
1815年6月18日、ブリュッセルの南十五キロほどのこの場所でナポレオンの百日天下が終わった。

この緑の丘は五年後の1820年にオランダ王が(当時ベルギーという国はオランダの一部だった)建設させた人工のもの。

↓頂上にはナポレオン軍の大砲を溶かしてつくったライオンが立つ。

英語で読めばウォータールー

二百年前にすでに、激戦を偲ぶ人々が訪れる場所として整備されていたのだ。
二百段ほどの階段でライオンの足元まで登ることができる
頂上から下を見下ろす


白い円形の建物は1911年に完成。
激戦の様子をわかりやすく見せてくれるパノラマ絵画館↓

高さ十二メートル、長さ百十メートルの巨大油絵である。




**
2015年、この地下に最新の博物館が建設された。
アンシャン・レジウム、フランス革命からナポレオンの登場、順を追って解説される

トラファルガーの海戦
ロシア遠征
1814年の4月に退位させられ地中海の島に幽閉されたが、一年後に脱出しパリを目指す
↓カンヌ近くに上陸してからパリまでの日々が、日を追って解説されている↓

パリのルイ十八世(ルイ十六世の弟)は討伐軍を派遣するが、グルノーブル近くのラフレーの野で討伐軍がそっくりナポレオン側に寝返ってしまう↓戦わずして悠々とグルノーブルに入城するナポレオン↓

ルイ十八世はゲントに逃亡し、世に言う「ナポレオンの百日天下」がはじまったのだが…
それにまったをかけるイギリス、プロイセンなどの勢力と、ここワーテルローで最終決戦となった。
↓戦いの前夜、合議するナポレオン側の将軍たち↓


激戦は実質三日間で終わった。

2012の発掘調査によって発見された一兵士の骨↓

装備などからイギリス側だったと判明。戦いのはじめごろにフランス側の弾によって倒れ、友軍が埋葬した形跡があったそうだ。
身元を調べる努力もされたがわからなかった。
彼の骨をこうして博物館に展示するべきか、議論はあったが結局このかたちになった。


ブリュッセルに向かおう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FOLON財団美術館②

2019-11-09 14:00:00 | ベルギー
フォロンが日本文化に興味津々だったことは、彼が日本から出したこの葉書をみればわかる↓

↓どこにでもあるもので、他のどこにも存在しないものをつくりだしている

フォロンの造形は晩年になるほど多様化していった。
どこにでもころがっているモノに別の価値をあたえていく様は、晩年のピカソをおもいださせる

何度も同じモチーフを繰り返す


↓アトリエの様子が再現されている↓


うずくまるネコ

ネコ派だったな、フォロン

↓二つの建物を移動する時には一度外にでなくてはならい
↓すぐ外にこんな人が↓

入場する時にもらったパスコードを入力してもう一つの建物に入る

↓フォロン自身が語っている映像

↓最後の方で真っ暗な部屋に入ると、ゆっくりと人が梯子の上に倒立する↓

↑「出初式」と誰かが言ったけれど、日本で見たのかもしれませぬ
↓売店にあったクレヨン

**
この棟には「青い男」という名前のレストランが併設されている↓今日はここに席だけ予約をしてもらっていた



↓すぐ近くのリンゴから絞ってきたような新鮮さ


「青い男バーガー」は肉の美味しさたっぷり




ワーテルローに向かいます


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする