旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

近江孤篷庵のウグイス

2024-04-18 09:24:04 | 国内
ろうけつ染めの鶯が白梅の枝で鳴いている。

近江孤篷庵は小堀遠州ゆかりの庭も見ものだが、皆川月華(1892-1987)最後の襖絵群を観ていただきたかった。
十日前3月22日に下見をしてそう思っていた※その時のブログにリンクします

公共交通機関では訪れにくい立地

↑素盞烏命神社(スサノオノミコトじんじゃ)の参道を左に、細い道を入った行き止まり。

枝垂れサクラが開きはじめている。

小堀家と家臣の墓を左に見て緩い坂道をのぼると

突き当りに↑劇場入り口のように門がある。

18代目の住職が迎えてくださる。

ただ見て味わうのもよいが解説していただくと得心する。

二面の庭↑

「奥の三つの石が三尊像、手前左の先が上がった石が船。「蓬」は舟を意味しているのです。あの船に乗って西方浄土へ向かっているのかもしれません。」

昭和40年に江戸時代の庭を上手に復元されている。

十日前より花も開き、茶室の軸も架け替えられていた。


お願いして、それぞれの部屋の襖を閉じていただいた。

↑茶室の隣、いちばん奥の「松の間」この空間があることで庭も生きる。

「月華」の署名↑
皆川月華が90才最晩年に全力を注いだ空間。

次は「竹の間」 面によって季節が変えてある

生き生きと飛び集うスズメたち

筆勢が風のよう 空気を感じさせる



玄関に近い「梅の間」
冒頭写真のウグイスはここにいる。

この三室のほかにも、仏間祭壇の横や下に

趣向を違えて描かれている


襖絵が部屋から外されて美術館の展示室で公開されているのを見ても
その場所を演出しようとした描き手の意図は見えてこない。
皆川月華の晩年の仕事を知りたければ、ここに足を運ぶしかない。

****
門を出て駐車場までの道、

高台にある小堀遠州一族の墓まで送ってくださった。

見晴らしの良い場所に枝垂れサクラ

見下ろすと家臣団の墓がずらりと並んでいる。

↑領主・小堀家の墓の真ん中に初代遠州とその妻の墓↑

↑となりは「織部灯篭です。キリシタン灯篭とも言います」

↑横に張り出した部分から十字架に似せている、というのだ。
小堀遠州の師・古田織部はキリシタン大名だった?

↑家臣団の墓の中に三角形の墓標がある

「これもキリシタンの墓かもしれないんです」
近江孤蓬庵にはまだまだ分かっていないことがたくさんある。

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