旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

知らなかった函館へ

2014-07-10 16:29:53 | 国内
台風8号の影響を心配しながら、07:50発の函館行きの飛行機に乗り込んだ。「札幌に降りるか、羽田に到着する事もあります」との事だったが、低い雲の下に五稜郭が見えてきた。

今日は、9月27・28日のための下見。二十年続いている旅の同窓会。幹事役が、最年少の自分にもついにまわってきた。
目的地として函館を選んだものの、実際に自分がどのように案内できるのか、イメージを固める必要があった。来たことがある街であっても、グループ旅行となるとまたちがった視点からの準備が必要になる。小松がやるのならば、一般的な安売り旅行とは違うモノにしたい。個人旅行で突然行っても知らないで行き過ぎてしまうような・しかし知れば魅力がある場所を、選びたい。

今日はたった四、五時間の滞在だが、信頼できる国内の人脈を通じて、個人タクシーの運転手・Mさんに案内をお願いした。結果、Mさんといっしょでなければわからなかっただろう場所をたくさん知る事が出来た。

先ずは、これも紹介していただいた、9月の旅をお願いしているバス会社へ御挨拶ほんの三十分でも直接担当者とお話しする事は意味がある。ネットや電話だけでは得られないお互いへの信頼感・責任感はとても重要なのだ。

Mさん曰く「大沼公園はここからなら30分もかからずに行けるし、今は有料道路が仮開通で無料だよ」との事。行ってみましょ。途中に変わった地名の場所を通る。

「七飯」と書いて、「ななえ」とはなかなか読めない。今は海まで見渡せる広い土地がひろがっているが、再来年に開通する新幹線の駅はこのあたりに出来るのだそうだ。

「函館の中心からはちょっと遠いよねぇ、札幌行く途中にちょっと降りて函館観光していこうという人は降りてなぁんにもなくて、めんくらうだろうねぇ」と、Mさん。
2016年の新幹線開通するまでには函館駅までの第三セクター鉄道が開通されるとのことだが、さて、どのぐらいの輸送力があるものになるのでしょうか。

この七飯に今ある観光施設は…日高昆布会館ぐらいか。あ、それから「ラッキー・ピエロ」という地元限定のバーガーショップがあるそうな。ふむ、ちょっと気になる。と、思っているうちに大沼・小沼が見えてきた。沼という名前がついているが、登録上はりっぱな湖になるとか。「水深4メートル以上で湖なんだそうですよ」とMさん。
なるほど。

●大沼公園の中心はこの軽井沢をまねたという駅駅前のインフォメーションにある手書き込みのある地図がわかりやすい。

おや?「千の風」にゆかりの地だったのか?
きけば、新井満さんがあの訳詩と曲を発案した別荘が近くにあるのだそうです。

9月27日の集まりのあと、28日に大沼に宿泊される方にお勧めしたのが●クロフォードインというヨーロピアン・ホテル
大沼公園の周辺は天気が良ければ歩いて楽しめそう。今日は雨ですが、それでも近くのアジア諸国からたくさんの観光客が訪れてた。
地ビールも賞をとったほどのものがあって、長ーいカウンターがある直販ビアホール

函館市内へ戻る途中で、さっき気になった函館でしか食べられないというラッキー・ピエロのハンバーガーを試してみる。店に入ってビックリ!このカラフルさは香港かシンガポールのタイガーバームガーデンのよう
奥にはお好み焼き屋さんも併設世界中の言葉で「愛している」と書かれていたりする。
Mさんのおすすめはチキンのから揚げを挟み込んだ●「チャイニーズ・チキン」なるほど、おいしいです(^^)
Mさんによると、ここのオーナーは神戸からやってきたワンさんという華僑の方だそうな。そうか、それでこういう嗜好になっているのに納得。ご当地バーガーのコンテストで優勝したにもかかわらず、函館の外へ出店しようとしないというのが良いですね。
ラッキーピエロのある函館では、マクドナルドもそう簡単店舗をふやせますまい。

**9/27の会食に使う店を探す。
旅先で、どんなふうにおいしい食事場所を探すかは、どれだけ長く旅行業界にいてもいちばんの課題。ガイドブックに載せられた有名店で人気メニューを選ぶだけでは物足りない。Mさん推薦のとっておきのお店、ひと目でピンっときて、すぐ予約。当日が楽しみ(^^)
観光をするにしても、ケーブルカーとそのふもとの一角を歩くのは定番。以前、外国人墓地の方に行った時、旧検疫所だった建物をティーハウスにしたという場所があったので、そこを入れてみたいとおもって再訪。しかし、夏のシーズンがはじまったというのにひっそりしている張り紙に、オーナーである埼玉県の会社の連絡先が書かれていたので、後日電話した。「今、店長をやとう審査をしているんです」との事。9月に間に合うかわからないそうな。

大きな寺があって、そこには遊女たちの墓もある。見事な木彫
Mさんに教えられてはじめて気づいたが、かつて●置屋だった建物がこれ。二階の窓のところに面影がかんじられる
「夕暮れには、三味線を抱えた女性たちが、この坂を下りていったそうですよ」とMさん。●姿見坂と名前がつけられている

函館は19世紀末には捕鯨の港として栄えた。捕鯨船に助けられてアメリカへ行ったジョン万次郎がやってきて、アメリカ式の捕鯨を教えたのだそうだ。昭和32年に建てられたという●「鯨供養碑」が住宅街にぽつんとある四半世紀にわたり鯨をとりつづけた天野太輔という人物が、83歳の時に建立したとある。

立派な商家もその一部が●土蔵カフェになって残っていたりする

港に復元されていたのは、日本で初めての様式帆船●「函館丸」黒船来航の翌年、函館と下田が開港し、安政四年1857年に日本人の設計によりお上の船として建造された。昭和六十三年に行われた「青函トンネル開通記念博覧会」のために復元されたものを寄贈されたのだと書かれていた。

そのすぐちかくに、自衛隊?と見えた●練習船があったMさんが「これは少年院の子たちを更正させる教育のひとつとして使われているのですよ」とおしえてくれた。

この●旧桟橋は、20世紀前半までの函館港の主要な場所はこちら側であったことを思い出させる今は、ちょうど対岸となるあたりになってしまった。

江戸時代の終わりごろ、ここに停泊していたアメリカの船に密航して日本を離れた若者が居た。明治になってから彼が創立した大学が、彼の波乱の人生のはじまりとなるその密航を記念して、こんな碑を建てていた英文で書かれた部分に、日本語名として知られているのとはちょっと違う、彼の英語名が書かれている。

彼については、また別のところに書きます。

●赤い靴の少女の記念碑横浜だけではないのです。

ここがラッキー・ピエロの本店だそうな


**
空港へ戻る道、海沿いに「土方歳三記念館」があった。土方の終焉の地はもちろん函館なのだが、わざわざこの海岸に彼を記念する建物があるのは不思議。
Mさん曰く「海産物加工をやってるここのオーナーが『歳ちゃん』の大ファンで、個人的に集めていたいものを公開するためにつくった」のだそうな。受付に海産物を販売しているのは、そういうわけ(笑)


実質五時間程度の函館下見だったが、自分一人では得られない情報をいただいた。
これで、9月の旅の質を大きくかえることができる気がする。
足惜しみをしないで、自分の目で・足で、確かめることは大事である。
コメント
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