きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

日本ウイスキー@パリの「ウイスキー・ライブ」

2014年10月06日 11時14分26秒 | Weblog

9月27日、パリ出張に偶々日程が重なっていた、「ウイスキー・ライブ」というイベントに参加。2日間、サンジェルマンにあるビル一棟を借り切って、世界各地のウイスキーやスピリッツ(蒸留酒)をテースティングさせるイベント。今年が11回目の開催。



一人50ユーロ也のチケットは、当日分は既に売り切れだったが何とか入手。行ってみると押すな押すなの盛況。入場者は95%がパリジャンで、パリジェンヌ5%。私のような外国人ツーリストは稀。



これは「グローバル・ブランド・ウイスキーのホール」の50社の出展者のリスト(文字が小さくて恐縮です、拡大してみてください)。スペイサイド、ハイランド、アイラ島、アイリッシュなどに加ええて我がジャポン(日本)もあって、ニッカとサントリーの2社の名前がある(指先)。尚、手首に巻かれるバンド(「9月27日」と書かれている)が「ウイスキー・ライブ」の入場証です。




ニッカは、「通常ブース」とは別に、5階の一部屋を借り切って「竹鶴80周年記念ブース」を出されていました。普段,並べて飲むことはなかなかかなわない、「竹鶴21年」、「竹鶴21年・ノンチルフィルター(冷却フィルターなし)」、「竹鶴21年・マデイラ樽仕上げ」、「竹鶴21年・ポート樽仕上げ」を飲み比べ。どれも共通した深い余韻だがそれぞれ違う。「マデイラ樽仕上げ」が印象的でした。




これは、「竹鶴80周年」のフランス語リーフレット。竹鶴政孝さんはキリッとして絵になる顔立ち。若かりし頃のリタ婦人の横顔が美しい。(「リタ」という30年もののアップルブランデーも出されている。)




次に、3階におりてきて、「グローバル・ブランド・ウイスキーのホール」のジャポンのコーナーにて。こんなグラスを持って、それぞれのブースでテースティングしたいものを注いでもらう。




これはサントリーのブース。「山崎」や「白州」を注いでもらう順番待ちの人たちでごった返して、大盛況。なかなか近づけない。テースティングだけでなく、熱心に質問する人が多いのに驚きます。




これはニッカのブース。「コフィー・スチル」というクラッシックな連続蒸留機で蒸留したもの単独で造った珍しい商品。「コフィー・モルト」と「コフィー・グレーン」を飲ませてもらいましたが、個性ある味わい。(注:通常、連続蒸留したものは単独では商品化せず、ポットスチルとのブレンドに使う。また、モルトを連続蒸留するのも稀だと思う。)




日本の2社の後、アイラやハイランドをいくつか試飲。少量ずつとはいえ、すべてストレートで飲むのですっかりいい気分。ほかに、「(今のところリージョナルだが)グローバルブランドを目指しているウイスキーのホール」(フランス、ニュージーランド、スウェーデン、台湾(!)、インド(!!)など11社)、「マイクロ蒸溜所のホール」(アメリカ中心に7社)、「コニャックやラムなどのホール」(39社)もあって、どれも興味はあったのですが、エール・フランスのストで予定便に乗れず、前夜遅く日本からたどり着いたばかりの時差ぼけもあるし、酔ってパリで倒れては困るので他のホールは断念。フレッシュな外の空気を求めてイベント会場を後にしました。



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パリ市内観察1: さて、イベント会場を離れてパリ市内でジャパニーズウイスキーを観察。これはオデオンにあるウイスキー専門店「メゾン・ド・ウイスキー」。サントリー、ニッカに並んで置かれていた「イチローズ・モルト」。フランスのウイスキーファンの間では、いまや大手二社にならぶ知名度でしょう。




パリ市内観察2: その日の夜、なかなか予約の取れない人気の某レストラン(ミシュラン一つ星、日本人シェフ)にて。メニューのウイスキーの部分を観察。サントリーウイスキーが10種類。価格は「白州12年」や「山崎12年」の18ユーロから始まって、一番高いのは「山崎25年」が120ユーロ。いずれも60mlの価格です。




パリ市内観察・おまけ: 今回は実は、醸造機器・用品の業界の方を中心とした視察ツアーに合流するのが主目的。翌日、ツアーの皆さんと、パリのSPOEXA本部(日本のJETROに近い組織、ただし3年前から民営化)でフランスのアルコール事情のレクチャーを受けました。これはそのスライドの一枚。フランスではワインに比べて蒸留酒ジャンルのシェアが伸びている(量としては減っているがシェアは伸びている)。その蒸留酒中のトップシェア(円グラフでもっとも大きいところ)がウイスキーで38.4%。2位がアニス酒(ペルノ・リカールの本業)で26.6%。フランスではいつからこんなにウイスキーが人気になったのか、、、37年前に初めてパリに来たときにはウイスキーを飲む人など見たことがなかったのに、、、時代は変わるものです。




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PCに残していた写真データから関連情報、その1: 先月、北海道のニッカ余市蒸溜所に行きました。これはそのときのスナップ写真。ポットスチルに「紙垂(しで-神をまつるため、神棚などにつける白い紙の飾り)」が掛けてあるのに驚きました。竹鶴さんの時代から欠かさず飾り、蒸留中も外さないということでした。




PCに残していた写真データから関連情報、その2: こちらは、去年サントリー山崎蒸溜所を見学したときの写真。左右に6基づつの初留釜と再留釜、合計12基という壮観。ニッカ余市の初留釜4基、再留釜2基はそれぞれほぼ同じ形状(スワンネックの角度が違う程度)なのに対し、山崎ではスチルの形はすべて異なる。なお、サントリー山崎はその後、新しい釜を増設されているので、是非また近いうちに見に行きたいと思っています。




少し前、「日本ウイスキーは世界5大ウイスキーの一つ」と聞いても実感がありませんでしたが、今や日本ウイスキーは本当にグローバルブランドになったと感じる今日この頃です。



代表取締役 喜多常夫


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