【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

加山郁生『性と愛の日本文学』河出書房新社、1997年

2012-04-17 00:24:43 | 文学

             

 著者は多くの日本の現代文学を読んでいる人だと思います。

 「性愛」という観点から何か書きたく、その形を大分類して本にしたようです。

「女の魔性に跪く男の愛‐谷崎文学の世界‐」
「発禁書と猥褻裁判」
「エロス・官能・まぐわいの歌」
「少年少女から男と女への変容」
「官能する文学」
「お洒落なエロス・共感するエロス」
「凄絶な生きざまの愛と性」
「ちょっと危ない愛と性」
「男も骨灰になるまで」
「死ぬほど愛して」

 以上のの各章。この分類そのものと、それぞれにどの小説のどの文章を配置するかに努力のあとが・・・。
  
 しかし、それだけに止まっているので深みがなく、評論としても貢献がないように思えました。

 「これはこれで<性と愛>の観点から見た、ひとつの日本近代文学史となりえているのではないか」(p.273)と著者は書くが、表面的になぞっているといった感じは否めません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿