著者は多くの日本の現代文学を読んでいる人だと思います。
「性愛」という観点から何か書きたく、その形を大分類して本にしたようです。
「女の魔性に跪く男の愛‐谷崎文学の世界‐」
「発禁書と猥褻裁判」
「エロス・官能・まぐわいの歌」
「少年少女から男と女への変容」
「官能する文学」
「お洒落なエロス・共感するエロス」
「凄絶な生きざまの愛と性」
「ちょっと危ない愛と性」
「男も骨灰になるまで」
「死ぬほど愛して」
以上のの各章。この分類そのものと、それぞれにどの小説のどの文章を配置するかに努力のあとが・・・。
しかし、それだけに止まっているので深みがなく、評論としても貢献がないように思えました。
「これはこれで<性と愛>の観点から見た、ひとつの日本近代文学史となりえているのではないか」(p.273)と著者は書くが、表面的になぞっているといった感じは否めません。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます