【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

市川崑監督「どら平太」(115分、2000年)

2017-11-13 21:03:33 | 映画

                  
 山本周五郎原作です。

 或る小藩。町奉行が不明瞭な辞職を繰り返していました。江戸から望月小平太という新任がやってきました。振る舞いの不埒さから「どら平太」という渾名で呼ばれていました。着任するはずの期日を10日も過ぎても、彼は奉行所に顔をださない始末です。しかし、それはどら平太本人が友人で大目付の仙波義十郎に頼んで、わざと流させた悪評でした。

 実は、彼は密輸、売春、賭博、殺傷などが横行する「壕外」と呼ばれる治外法権と化した地域の浄化にやってきたのです。早速、遊び人になりすまし壕外に潜入した彼は、壕外の利権を分け合っている3人の親分の存在をつきとめます。密輸業を仕切る大河岸の灘八、売春業を仕切る巴の太十、賭博を仕切る継町の才兵衛です。そんな彼らに、腕っぷしの強さと豪快な遊び方を見せつけ圧倒するどら平太。

 遂に、彼は誰もがなし得なかった3人の親分をこらしめることに成功します。彼が奉行として彼らに下した罪状は、死罪ではなく永代当地追放でした。どら平太の本当の目的は、彼らと結託して私腹を肥やしていた城代家老・今村掃部を初めとする藩の重職たちの不正を正すことでした。

 灘八たちに藩と結託していた証拠を無理矢理作り出すことを命じ、それをもって重職たちを退陣に追い込むどら平太。しかし、藩の重職たちと3人の親分の間で私腹を肥やしているもうひとりの人物がいた。それは、義十郎でした。そのことを知ったどら平太の前で義十郎は自害してしまいます。

 どら平太は一度も奉行所に姿を現さないまま役目を全うしました。そんな彼にも苦手なものがありました。7年来の馴染みで、先般、江戸から彼を追いかけてやってきた芸者のこせいです。江戸に連れ帰ろうとする気の強い彼女に捕まってなるものかと、どら平太は次なる赴任地へ駄馬を走らせます……。


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