山種美術館で、「【特別展】生誕140年記念 川井玉堂-日本のふるさと・日本のこころ-」が開催されていた。最終日、4日(日)に朝早くに出かける。
川井玉堂は1837年に生まれ、57年に亡くなった。生誕140周年である。
四季に彩られた自然、そこでの人々の暮らし。大きな自然と、小さな人間との対比。自然とともに、身をゆだねて暮らす平穏のしあわせ。玉堂の絵のまえにたたずむと、また画集をひろげると、いつもそう思う。
美術館には、最終日だったので、それも日曜日だったので、かなりの人がきていた。構成は以下のとおり。
「第1章:研鑽の時代(青年期から壮年期へ)」
「第2章:玉堂をめぐる日本の原風景」
「第3章:玉堂のまなざし」
「焚火」という作品がよい。気品があり、寒気のなかの焚火のあたたかさ、そこに老夫婦と若い女性がいる。焚火の煙が大きな空間にたちのぼっていく。まきをくべる女性。身をよせあって暖をとる老夫婦。さりげない日常のひとこまだ。
「早乙女」は有名。広い田んぼで稲を植える乙女達。これも、ひとつの、農村の点景である。腰をおって労働にいそしむ女性たちのなかで、ひとり腰をのばして休憩する女性がいる。あどけない表情だが、生きるための毎年の作業への希望の想いが表情に浮かんでいる。
15歳ぐらいに描いた画帖、デッサンが並んでいたが、その画力、観察眼に驚かされる。小さいころから長良川の鵜飼いをみていたようで、それを描いた作品にも注目した。
山種美術館の創立者だった山崎種ニ生前、玉堂と親交があり、この美術館には多くの玉堂作品が所蔵されている。ふたりの往復書簡も展示されていた。
玉堂の作品以外にも、横山大観、川端龍子などの作品も作品も展示されていて、しばし日本画の世界を逍遙した。
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