六本木の国立新美術館で「オルセー美術館展2010[ポスト印象派]」が開催されています。パリのオルセー美術館は今、改築を行っているそうで、その間多くの絵画が東京にきています。8月16日(月)までです。8月2日までに入場者が60万人を超えたそうです。
ポスト印象派と銘打っています。従来、後期印象派と呼ばれたりしましたが、それでは印象派のなかの「後期」と受けとられるので、そうではなく「印象派」の後にくる画家集団という意味をもたせたるために「ポスト印象派」にしたそうです。
国立新美術館訪問は初めてです。千代田線の乃木坂駅で降り、6番出口にはこの美術館に接続していて便利です。先日でかけた折も、大変な人出でした。展示会場に入るまでに20分ほど並んで待ちました。
全体は10のコーナーに分かれています。「第一章:1886年ー最後の印象派」「第二章:スーラと新印象派」「第三章:セザンヌとセザンヌ主義」「第四章:トゥールズ=ロートレック」「第五章:ゴッホとギーギャン」「第六章:ポン=タヴェン派」「第七章:ナビ派」「第八章:内面の眼差し」「第九章:アンリ・ルソー」「第十章:装飾の勝利」。要するに、ドガ、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、ロートレック、スーラ、シニャック、ルソーなど日本ではおなじみの画家の作品を見ることができるわけです。全部で115点です。
最初のドガの「階段を上がる踊り子」も印象的でしたが、「ロジェ・シャルダン夫人」’アルベール・ベザール)、「ヴァルテス・ド・ラ・ビーニュ夫人」(アンリ・ジェルベウス)、「ラ・カルメンシータ」(ジョン・シンガー・サージェント)の大きなカンヴァスに描かれた三人の女性の画に存在感がありました。
やはり人気はゴッホです。「自画像」「星降る夜」「アルルのゴッホの寝室」などよく画集で見る生の画を鑑賞することができました。ゴーギャンの「タヒチの女」も今回、来ています。ロートレックは3枚ですが、「女道化師シャ=ユ=カオ」がありました。わたしはセザンヌが昔から好きでした。理由はよくわかりません。何となく落ち着くというだけです。「サント=ヴィクトワール山」「たまねぎのある静物」、いいですね。
異彩を放っていたのは、ルソーの「戦争」と「蛇使いの女」です。この2枚の絵は、ちょっと別格の迫力でした。絵も大きいし、テーマが奇抜、構成も常識外れで、鑑賞者が鑑賞するというより、鑑賞者と画家とが対峙する感じの緊張感を強いられます。
このほか、ドニ、ボナール、ルドンなど、おなじみのいい画が展示されています。ナビ派というのは知りませんでしたが、問題敵的なあるいは内省的な画が多く、いわゆる印象派とは異なった画風で、展示会全体のアクセントになっていました。
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