黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ふたりの本棚 ナリコとノリコの往復書簡』近代ナリコ、市川慎子(出版芸術社)

2013-02-03 | 読了本(小説、エッセイ等)
毎月出されるお題について、そして本や食べ物、徒然のことなど……福島でネット古書店『海月書林』(現在閉店中?)をされている市川慎子さんと、京都でミニコミ誌の編集などをされいてる近代ナリコさんの間で、交わされた往復書簡。

毎月一往復、おふたりがお手紙をやり取りするという形式で書かれているエッセイ。
このネット時代に往復書簡、という古めかしい響きが良いですね♪
それぞれの個性が出ていて、微妙にずれた感じもありつつ、それはそれでちょっと楽しげ(笑)。

<13/2/2,3>


『佐渡の三人』長嶋有(講談社)

2013-02-03 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京吉祥寺駅近辺。祖父母の家の隣に住んでいた『おばちゃん』(大叔父の妻)が亡くなった。納骨をする気もなく、骨は海にでも撒けばいいという『おじちゃん』(大叔父)。
そんな発言に怒った祖母みつこの命令で、ひきこもりの弟と古道具屋の父ヤツオとともに、新幹線とジェットフォイルを乗り継ぎ、一族の墓のある佐渡へと向かうことになった、作家の『私』(道子)。
しかし厳粛さの欠片もない一行。祖母への報告の為、証拠映像を撮りまくる私……“佐渡の三人”、
それから二年後。弟曰く、祖母はもう墓も買い、自分の戒名を決めて彫ってあるという。しかし最近になってその文字数が足りないことが判明。誰かに聞けば防げたかもしれないミスだが、ワンマン気質の祖母らしいエピソードだ。どう墓を修正すべきか、話し合う姉弟……“戒名”、
長らく寝たきりだった祖父長節が、99歳9ヶ月で亡くなった。大学の医学部の教授と病院長を務めた人物だった。
そんな祖父の納骨の為、再び、佐渡へ出かけることになった私。今回は、父と言語学の教授である伯父ヨツオが一緒で……“スリーナインで大往生”、
それから一年。夏に隣のおじちゃんと、三月に祖母が亡くなり、佐渡へ納骨に行くことになった。
今回は、おじちゃん納骨組のおじちゃんの長男リュウ君、おじちゃんの長女クミさん、クミさんの娘カナちゃん、祖母納骨組のヨツオ奥さん、私と弟という面子。京都でトークイベントを終え、佐渡行きに合流した私だったが……『旅人』の4編収録。

祖父の代に佐渡を出て東京に暮らす一族。その大叔母や祖父母の骨を、佐渡にあるお墓に納骨に行くお話の連作。亡くなってるヒト山盛りですが、重過ぎず(むしろ不謹慎なくらい)、ちょっとのほほんとした雰囲気。
最初、アラーキー氏の題字はインパクトがあるものの、シンプルな白地に青のラインの入った装丁だと思っていたのですが、本を広げてみたら…これは佐渡(横から見たというか、日本海側から見た)なんですね(笑)。しかもただの白だと思ったところも、濃淡があって、よく見ると佐渡の(いわゆる地図に載ってる)形!さすが名久井さん、凝ってるなぁ(笑)。

<13/2/3>