黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『坂木司リクエスト!和菓子のアンソロジー』小川一水ほか(光文社)

2013-02-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
デパ地下に入っている和菓子屋で店員をしている、梅本杏子。
ある日、母に誘われ出かけた別のデパートの全国駅弁大会。同時開催だった和菓子のフェアに出ていた金沢の和菓子屋のところに、クレーマーめいた男性客がいるのを見かける。その客の呟いた<飴細工の鳥>という言葉の真意とは……坂木司『空の春告鳥』、
警察官ながら特別な任務を負う、財務捜査官・宇佐見圭は、藤吉という和菓子屋の月替わりでフルーツが替わるどら焼きに惚れ込み、たびたび通っていた。
やがて店主の妻・妙子に話しかけられ、警察官だということを明かすと、相談に乗って欲しいことがあると、詰め寄られた。店主には家業を手伝う長女の文子の他に、別の職についている次女の里香がいるのだが、その里香が、バーの韓国人のウェイターに入れあげて、金をつぎ込んでいるのだという……日明恩『トマどら』、
かつて日本料理店を営んでいた父。性格に軽薄なところがあり、そりが合わず、疎遠だった<ぼく>。やがて父は病で亡くなり、店を畳んだ。
ぼくは昔の友人にだまされて、多額の借金を負い、妻や高校生の息子も家を出てしまった
首を吊ろうと、今は人手に渡った父の店にやってきたところ、そこで父の幽霊に遭遇してしまい……牧野修『チチとクズの国』、
働きづめの日常に疲れ、モロッコへとやってきた<わたし>。
そこで、子供の頃一時期預けられていた、美しかった京都の祖母のことをよく思い出していた。
そんな中、道に迷った日本人森崎夫妻と遭遇して助けたわたし。その後、彼らから貰った和菓子は、子供の頃に食べた懐かしい和菓子・松露で……近藤史恵『迷宮の松露』、
百合が原高原で、カフェSon de ventを営む奈穂。
ある日、リリーフィールド・ホテルの場所を訊く美人が通りかかり、道を教えたが、その後、彼女がテレビで活躍する経済評論家の安西美砂だと知る。
そんな中、奈穂の店によく来る村岡涼介と、一緒にやってきた彼の先輩・井村。井村の実家は老舗の和菓子屋で、淡雪羹に懐かしい思い出があるという……柴田よしき『融雪』、
母親に連れられ、病院の精神科のひきこもり相談室にやってきた、引きこもり男・森田裕樹。
母にいらつき、駆け出したが敷地内で迷ってしまった森田。そこで出会ったのは、彼が憧れていた元アイドル・鴻島りりだった。彼女とその仲間たちと共に和菓子を作ることになり……木地雅映子『糖質な彼女』、
北の町で和菓子屋をしていた菓子職人父と共に、千二百年の王城の地・和菓子の宮古を目指して、途中で菓子づくりをしつつ旅をしていた工次。
やがてひとりの少女・チョコと遭遇。彼女も旅に加わるが……小川一水『時じくの実の宮古へ』、
戦地でたまたま遭遇した七尾と杉本。逃げ回りながら食べ物について語り合った。
杉本は、かつて長門渓谷に釣りに出かけた折に出会った、古入道という自然現象めいた不思議な妖怪と、世話になった老婆からご馳走になった夜船(おはぎ)の話を語る。
その後、会う事はなかった二人。生き残った七尾は……恒川光太郎『古入道きたりて』、
作家である<わたし>が世話になっている編集者・向井美菜子は、数年前に病で、高校の国語教師だった夫を亡くしていた。
新刊にサインする為、出版社に出かけた折の雑談の中で、その夫が病床で両親が好きだったという葛ざくらと黄身しぐれを所望したが、その包み紙に「しりとりや 駅に かな」と書き、空白部分に黄身しぐれを置いたのだという話を聞いた。夫の謎掛けの意味とは……北村薫『しりとり』、
新婚の伊藤と百絵のマンションに、大学時代からの仲間である友人たち…緒方、森、大塚が集まった。
同じく仲間だったが、しばらく疎遠になっている御岳智則から、伊藤の元に久しぶりに連絡が入った話をする。顔がよくて背も高く裕福な家に生まれた御岳。頭も良くて、今はある企業の研究職に就いているのだが、そんな彼に結婚を考える女性が現われたというのだ。相手は同僚の橘という女性。
試験も兼ねた婉曲な求婚方法として、上菓子七品(すすき・女郎花・蓮・萩・桔梗・撫子・菊)を贈ったが、彼女からの返事は、麦縄菓子と時雨羹、花のような上菓子二品だったという。その意味がわからずに悩んでいるという御岳から、一方的に謎解きを頼まれた伊藤は、それを皆に相談する……畠中恵『甘き織姫』の10編収録。

和菓子をテーマにしたという珍しいアンソロジー。
坂木さんが自分が書いて欲しいと思った作家さんをリクエストして、実現した企画だとか。
いろんな舞台で登場する和菓子が面白いです。松露がちょっと食べてみたい…(笑)。

<13/2/23,24>

本なお茶会・その21@古書真昼造船

2013-02-24 | おでかけ
 前回同様、ちょー悪天候(笑)。
 今回のテーマは「寒い日は、赤い本を持って集まろう」ということで、あらゆる意味において赤い本を持ち寄りました。参加人数は7名。

 ビジュアル的には絵本、怪談本、人形写真集など、内容的には革命本、吸血鬼本などなど。バラエティに富んだ内容でした。
 時間切れで途中で帰りましたが、その後1時間ほど続いたとか(笑)。


 わたしは『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ』(浅倉卓弥)、『薔薇の葬儀』(マンディアルグ)、『アナ・トレントの鞄』(クラフト・エヴィング商會)の3冊。ストレートに見たまま、真っ赤な装丁の本ばかり。

 おやつは、トゥジュールさんのなんらかのムース(おそらくフランボワーズ等ベリー系とバニラですが/笑)。