黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ぶたぶた図書館』矢崎存美(光文社)

2013-02-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
本好きの女子中学生・麦谷雪音は、図書館の企画募集に「ぬいぐるみおとまり会」を提案する。
子供たちのぬいぐるみを預かり、夜の図書館での彼らの様子…本を読んだり、本を片付けたりする…を撮影するという企画。海外の図書館などで企画されていたのを知っていて、羨ましく思っていたのだ。
募集では落選するも、親しくなった司書の女性・三宅寿美子も同じ思いを抱いていたことから、協力して実現にむけて奔走するふたり。
プレゼンのポスター作成の為の撮影に、良いカメラが必要と知り、一眼レフのカメラを持っている人物を探すことにした雪音。
幸い親戚の知り合いのつてで借りる算段がつき、その相手がボランティアで撮影もしてくれるという。そんな彼女たちの前に現れたのは、山崎ぶたぶただった……“理想のモデル”、
カメラマンとして世界を飛び回っていた間宮秀は、半年前から実家に戻っていた。
帰国後、彼が連絡を絶っていた昨年に、ずっと実家で暮らしていた弟・栄が事故死していたことを知った間宮は、自分が弟のことを何にも知らずにいたことを悔いた。その穴を埋めようと考えるが、弟の内面を探る手掛りとなるのは、デジカメに残された画像と、つながらない電話番号がある携帯電話のみ。
そんなある日、時間つぶしに、図書館に立ち寄った間宮。併設のカフェでたまたま耳にした話と、栄が持っていたのと同じカメラバッグを目にしたことがきっかけで、図書館でのぬいぐるみおとまり会に一役買うことに……“何も知らない”、
娘の美帆は、何をするのもゆっくりでマイペース。母親である彩子は周囲の子供たちとの差と、娘との意思の疎通のはかれなさに悩む日々だが、彩子の妹・寿美子とは本好きという共通項もあり、意気投合している様子。
そんなある日、実家へ美帆と共に遊びにいった彩子は、寿美子が手がけることになったイベントの仲間たちと遭遇するが……“ママとぬいぐるみのともだち”の3編+プロローグ、エピローグを収録。

ぶたぶたシリーズ。タイトルが『図書館』なので、司書?と思ったら、カメラを貸しに行ったら、図書館で開催ようと思っているぬいぐるみイベントのポスターモデルにスカウトされるぶたぶたさんの巻(笑)。
本好きな中学生の女の子視点、それに関わることになった元カメラマン男性の視点、本好きな小さな女の子を持つ母(司書のおねーさんの姉)視点で、語られています。
それぞれにある悩みを抱えているけれど、ぶたぶたさんと関わることで解消するというか心境変化する感じかな。
それにしても、図書館業界で都市伝説化してるぶたぶたさんが楽しすぎる…(笑)。

<13/2/17>