黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『星星の火 御算用日記』六道慧(光文社)

2013-02-11 | 読了本(小説、エッセイ等)
文化八年四月。幕府御算用者生田数之進の姉たち…冨美と三紗が暮らす長屋の木戸のあたりに、乳飲み子が捨てられていた。一緒に置かれていた守り刀や品の良い着物からして、何か事情がある様子。その子を自分が世話すると言い出した冨美。
そこへ、金魚屋を営む太助とおふでの夫婦が、数之進の千両智恵を頼りにやってきた。金魚問屋のしんちう屋に奉公に行ったが、主とうまくいかなかったらしい太助。そんな訳で、ちゃんとした知識も得ずにいきなり金魚屋を始めた彼らは、金魚の色揚げ(色をよくする方法)などを知りたいのだという。しばし時間をもらい調べるという約束をする。
昨年暮れ、江戸家老を始め、御用人と勘定頭三人の重職が相次いで不審な死を遂げ、さらに藩主太田紀伊守信親も病に倒れているらしい越後春海藩が、次の数之進たちの潜入先に決まった。その話を両目付鳥海左門の屋敷で聞いている最中、直訴に来たものの途中で何者かに襲われ、数之進の腕の中で力尽きた少年が、その春海藩の者であったことが分かり、不穏な空気を感じ取る数之進たち。
二日後。早乙女一角とともに江戸藩邸へ赴いた数之進。そこでは家老職を継いだ、まだ十代の穂高勝之助を中心とし、子供たちばかりで七人で二歳の若君・民治丸を守っていた……

シリーズ第九弾。冨美が子供を育てたり、金魚の相談を引き受けたり、五瀬さまからもらった楓の鉢植えが盗まれたりという騒動と、幼い若君を守る少年たちの奮闘やら偽御算用者を名乗る者の登場やら、老中松平信明との直接対決があったりと、いろいろ。
今回は国元が越後ということで、鮭とか錦鯉とか新潟的なモノににやりとしたり。

<13/2/11>