黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

黒砂糖のチーズケーキ@檸檬

2008-08-24 | スイーツ
 ベースは普通のシンプルなチーズケーキ。
 黒砂糖を使っているので、ほんのり褐色。
 甘さはほど良い感じで、しっとりしてます。

***** ***** ***** ***** *****

 檸檬洋菓子店:新潟(長岡)

 小さなケーキ屋さん。喫茶スペースもあります。
 全体的にシンプルなものが多く(チーズケーキ系が多いかも)、財布に優しい価格設定(笑)。
 先々週出かけた際には2時間ほど道に迷ってしまった末、たどり着けなかったのですが、今回はあっさりと到着(爆)。

『身代わり伯爵の脱走』清家未森(角川書店)

2008-08-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
リヒャルトの思いがけない行動に動揺したミレーユは、3日3晩厨房に閉じこもって、何かにとり憑かれたようにビスケットを作り続けていた。4日目にしてその怪異は解決したが、そこへカインが王宮からの使者としてやって来た。呼び出しに従い、フレッドとともに出かけたミレーユだったが、そこでジークから思いもかけないことを告げられる……ミレーユの存在が内外に洩れ、それを聞きつけたシアランの大公・ギルフォードから、妃に迎えたいとの政略結婚の話が舞い込んだという。それを断るのならば、今すぐ自分の後宮に入るかいずれかを選べ、と。
混乱したミレーユは、そのまま紅薔薇の宮殿の一室に留め置かれることになったのだが、自力で脱出し、そんな彼女を白百合の騎士たちも助ける。。
そんな中、リヒャルトがジークの元に現れ、今回の経緯について問いつめる。そこでジークの真意を明かされ、“ミレーユを花嫁にしてシアランに帰れ”といわれるリヒャルト。
そんな彼らの話を聞いてしまったミレーユは、彼の正体が、当時7年前に国を追われたシアランのエセルバート王太子であることを、そしてセシリアの兄であることを知る……従姉サラの殺害容疑をかけられ国外追放になっていた彼は、このアルテマリスで匿われていたのだった。
ジークの案が、リヒャルトの立場の為にも優位になる最善の策だったのだが、彼女を自分の事情に巻き込む事を恐れたリヒャルトはそれを拒否。彼は単身シアランへと向かう。その後を追うことにしたミレーユは……

シリーズ第5作。シアラン編の序章。
これまで仄めかされていたものが、ようやくいろいろ明らかに。
怒りのあまりちょっと壊れ気味だった(笑)フレッドが、どんな復讐を企ててるのか気になります~。

<08/8/24>

『黄泥街』残雪(河出書房新社)

2008-08-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
あの町のはずれにあったはずの“黄泥街”という通りを探しにいった“わたし”。しかし誰に訊いてもそんな通りは知らないという。
いつも空から黒い灰が降り注ぎ、その空はつねに黄ばんだ灰色、太陽だってちっぽけな黄色っぽい球でしかない。
店先に並んでいるのは腐った果物。しかもそれさえも嗜好品で、買える者も少ない。
ごみは堆積し、糞尿は撒き散らされ、悪臭が漂い汚濁にまみれたそこでは、およそ人が口にできないものを食べ、人々は悪夢の中にまどろむ。
“王子光”という者が街を調査しに来たと聞けば、その身分を疑う者、その存在を疑う者、それは誰々の兄弟だと、飛び交う憶測や虚言妄想ばかりで……

黄泥街という通りを探しにきた“わたし”が振り返る、在りし日の街の日常のお話。
特に展開に山場などはなく、ただひたすらにイカれた街(←だいぶ控えめな表現/笑)の光景のみが描かれています。
何しろ読んでいるだけで、悪臭が漂ってきそうな描写の数々が続くので、食前食後に読むのは止めておいた方がよさそう(笑)。

<08/8/23>

『うたうひと』小路幸也(祥伝社)

2008-08-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
“weeping in the rain.”というのが代名詞だったギタリスト。病院の中庭で彼にインタビューをする女性記者と、それを傍らで聴く彼のファンだという青年看護士を前に、自分の過去を…かつて愛した人との出会いと別れを語る。中学の先輩だった彼女・アンリと付き合い始めて10数年、彼女だけをただ一人愛し続けていたが、突然姿を消して……『クラプトンの涙』、
15年ぶりにステージに立つケントは、過去を振り返りつつ待っていた。
8歳の時からの幼なじみショウと、いつしかデュオを組み始めたケント。ケントは曲作りに、ショウはその声に天才的な才能を持ち、人気が出始めたものの次第にその仲に亀裂が生じて……『左側のボーカリスト』、
1976年。リーダーであるコーイチの下、結成されたホーンセクションがメインのバンド“ウルトラホーン”。しかし主な仕事は、アイドル歌手のバックバンドばかり。そんなバンドの一員である“僕”ゴトーこと五嶋匡一はトランペットを担当。他にはサックスのロールさん、トロンボーンのmash、ヒデさん、ギターの銀さん、ベースのケンタ、ドラムのリュウさん、キーボードのタカさんがいた。やがて、アイドル・伊藤ミキのバックバンドになった僕は、彼女と恋人になったが、その仲を社長に反対されて、バンドは解散の危機に……『唇に愛を』、
人気絶頂の盲目の女性ピアニストの突然の引退宣言。誰にもその理由を明かそうとしない彼女に、インタビューすることになった、作家である“私”。常々、人々の胸を打つバラードを作りたいと望んでいたが、なかなか作れずにいた彼女。そんな彼女に、やがて恋人ができたが……『バラードを』、
ロックバンド“ディローグ”のドラマー・ザキこと崎谷貫太には、その容貌から<笑うライオン>という異名がついていた。愛妻・晶と2人の子供・晶太と晶子に恵まれていた彼だったが、実家にいる厳しい母との折り合いが悪く、ほとんど勘当状態。そんな中、バンドメンバーから母が倒れたと聞かされ、10年ぶりに帰郷。思いもかけず、母が彼を応援していてくれたことを知り、関係が修復されたものの、今度は自分がうっかり怪我をしてしまい、3ヶ月の療養生活に。ところが、彼の代わりに代理のメンバー・シュミット飯田を立ててレコーディングしたシングルが、ダブルミリオンを記録してしまい……『笑うライオン』、
ある日、ジョーの経営するバーにピアノを弾かせて欲しいと現れたエリック。その才能を買われて、店に雇われることになった彼は、同じ店で働くミンディと恋仲に。やがて、プロのミュージシャンとしてデビューすることになったエリックは、2年後に彼女を迎えにくると約束して旅立った。そして、約束の日……2年後の彼女の誕生日。店には常連客たちが詰め掛け、彼を待つが……『その夜に歌う』、
地方のキャバレー回りなどの活動をしていた、しがないハワイアンバンド・デュークス。ひょんなころから、突然米軍キャンプでロカビリーを演奏しなくてはいけなくなった彼らだったが、土台無理な話。やむを得ず、ギャグでその穴を埋めた彼らは、会場を爆笑の渦に。それをたまたま見ていたテレビ関係者からスカウトされ、番組を持つまでになった彼らに、あるバンドへの前座の仕事が……『明日を笑え』の7編収録の短編集。

ミュージシャンたちを描いた作品集。
展開的にはベタなものが多いですが、やはり安心して読めますよね(笑)。
『唇に愛を』『笑うライオン』『その夜に歌う』あたりがお気に入り♪

<08/8/22>

『パコと魔法の絵本』関口尚(幻冬舎)

2008-08-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
両親の知り合いらしい堀米という老人の訪問を受けた青年・浩二。彼は、両親が東京の郊外に引っ越していった際に置いていった仏壇に用事があるのだという。そこに納められているのは浩二の大叔父。そして堀米老人は語る……彼らと、ひとりの少女と一冊の絵本をめぐる奇跡のお話を。
心臓発作を起こして、甥・浩一の妻・雅美が看護士を務める病院に入院することになった大会社・ルワールの会長・大貫。“お前が私を知ってるってだけで腹が立つ”……そんな言葉が口癖の彼は、常にすべての人を見下した態度で、我儘な偏屈じじい。
ある日、大貫は病院内で絵本を抱えた少女・パコに出会う。何故か毎日同じように絵本を読み、前日にもあったはずの大貫のことを覚えていない彼女。そんな中、大貫が大事にしていた純金製のライターを紛失。それを彼女が持っていた事から盗んだと思い込んだ大貫は、彼女の頬を叩いてしまう。
そこで浅野医師から聞かされたパコの事情……両親とともに乗っていた車で事故に遭い、唯一生き残った彼女だったが、その記憶は一日しか持たず、翌朝起きた時にはリセットされてしまうのだという。そして彼女が常に持っている絵本『ガマ王子対ザリガニ魔人』は、事故の翌日が誕生日であったパコへの、母からのバースデイプレゼントなのだった。
自分の行動を深く後悔した彼がパコの頬に触れた時、彼女は驚くべき言葉を口にする。“昨日もパコのほっぺに触ったよね?”と。それから彼女の心に残る為の努力を始める大貫。
そんな中、病院ではサマークリスマスを祝うことになり、そこで、元有名子役で自殺未遂を繰り返す青年・室町、ガラの悪い看護士・タマ子、“順平”の行方を気にするヤクザ・龍門寺、オカマ・木之元、消防車に轢かれた消防士・滝田、いたずらばかりする男・堀米ら入院患者の手を借りて、パコの絵本を題材に劇をすることに……

後藤ひろひとさん原作の舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』を元に、書かれた作品。
もちろん良いお話なのですが、先に舞台の方を観てしまっているので、差異(というか変えられている部分)がどうにも気になってしかたがなく……;
主婦だったはずの木之元さんをオカマにしちゃったら、その後出てくるザリガニ魔人とのキャラはかぶらないのかなぁと思っていたら、そっちが変わってるし(映画版もこのヴァージョンっぽい;)。
……他にもいろいろ変わってるのですが、個人的に、最後の最後の最後が、あれだけで終わってるのが残念かな;

<08/8/21>

『妃は船を沈める』有栖川有栖(光文社)

2008-08-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
大阪港の第4突堤から車が転落し、そこに乗っていた男・盆野和憲が遺体で発見された。彼は、催眠ダイエットを売り物にした美容サロンを経営している盆野古都美の夫で、多額の借金を抱えていた。目撃者の証言では、岸壁には人影らしきものはなく自殺か事故のようにも思われたが、何故か彼は睡眠薬を飲んでおり、さらに1億円の保険金がかけられていたことから、その受取人である妻に疑いの目が向けられる。さらに彼は、古都美の友人である三松妃沙子に多額の借金をしており、その養子である潤一とは死の直前に電話で話していたらしい。
投資で財をなした妃沙子は、恵まれない境遇の青年たちの世話をしており、彼らからは“妃”と呼ばれていて、潤一も元々そんな取り巻きの中のひとり。そんな彼女はジェイコブズの短編『猿の手』さながらに、願いが叶う猿の手のミイラを持っているという。
この事件の捜査に関わることになった火村とアリスだったが……第一部 猿の左手、
ひとりで出かけたアリスは、9カ月ほど前の事件後に朝井小夜子や火村と飲んだ店に立ち寄る。その折に、ソフィアとゲオルグ、ミハエルとそれぞれに外国名を名付けた、変わった女主人。彼女は先月、火村も来たと告げる。前回同様、物悲しいファドが流れ……幕間、
そして2年後、震度6弱の地震に関西が襲われたその日。震源に近いところに住む設楽明成の家に連絡がつかないことを気にした青年・日下部亮太が様子を見に行くと、ガラスが割れており、男が倒れていた。男は加藤廉。拳銃で胸を撃たれて死亡。そして設楽夫婦は睡眠薬入りのワインで眠らされていた。加藤には汐野亜美というストーカーめいた女性がいたが、彼女は地震により閉じこめられていたという。事件の捜査に乗り出す火村たちだったが、彼らがそこで再会したのは、設楽氏の妻となっていた、“妃”だった……第二部 残酷な揺り籠を収録。

作家アリスシリーズ。2つの事件を“幕間”で繋いだ長編。
1部は『猿の手』をモチーフにしたお話でしたが、わたしもアリス同様ホラーな感じでとらえていたので、火村(=有栖川先生)の解釈は新鮮でした。
2部では、火村の役職(?)が、助教授から准教授に変わってましたね(笑)。

<08/8/20>