黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ラブコメ今昔』有川浩(角川書店)

2008-08-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
習志野の第一空挺団の大隊長を務める二等陸佐・今村和久は、陸自の隊内紙『あづま』の取材をうけることに。やってきたのは新人の二等陸尉・矢部千尋。彼女が書くコラムのテーマは、“自衛官の恋愛と結婚について”。妻との馴れ初めを話して欲しいと迫られ逃げるが、結局話すはめになり……『ラブコメ今昔』、
会社員・桜木歌穂の年下の彼は、海上自衛隊の三曹・森下光隆。出張帰りに新幹線の中で疲れた彼女に席を譲ってくれたのをきっかけに知り会い、付き合い始めたふたりだったが、なかなか会えない。彼はさらにオタクで……『軍事とオタクと彼』、
“広報官には女たらしが向いている”と、言われつつも彼女のいない海上幕僚監部広報室所属の広報官・政屋征夫一等海尉。
そんな彼が現在関わっているのは、自衛隊が撮影協力することになった、大物軍事作家の作品を原作としたドラマの制作の仕事。そこで、王様なディレクター・安藤の下、けなげに働くAD・鹿野汐里に惹かれるが、撮影はトラブル続きで……『広報官、走る!』、
松島基地所属第四航空団第11飛行隊、通称・ブルーインパルスのパイロットである相田紘司の妻・公恵は、夫のモテっぷりに悩んでいた。そんなある日、松島航空祭のショーを観にいった公恵は、美人に勝ったように笑みを投げかけられ、現在の自分の姿を省みる。そんな中、紘司のユニフォームのポケットに“あなたにだったら、勝てそう”という紙片を見つけ、例の美人からの物だと確信する……『青い衝撃』、
明野駐屯地第10飛行隊の所属する手島岳彦二尉は、上官である水田章介三佐の娘・有季と2年前から付き合っていた。当時25歳で三尉だった彼は、水田から娘の自衛隊好きの友人・森島朱美を紹介され、敷地内を案内することになったのだが、彼女は暴走した上、別の隊員と意気投合。手島はむしろ残された有季に好感を抱き、付き合いはじめたのだったが、父である水田にはその関係を言い出せずにいて……『秘め事』、
基地内に展示されていた写真を見てそのカメラマンのセンスに注目した千尋。その後、写真が趣味の父が買ったカメラ雑誌で見た作品『ダンディ・ライオン』に惹かれた彼女は、それが件のカメラマン…広報の吉敷一馬二曹であることを知り、俄然興味を持つ。思わずそれを吉敷本人に告げるが、逆に避けられて……『ダンディ・ライオン~またはラブコメ今昔イマドキ編』の6編収録。

自衛隊を舞台とした恋愛物。
普段垣間見ることのできない自衛隊という世界の厳しさを描きつつも、ちゃんと恋愛も共存させている、実に有川さんらしい(笑)6編でした。

<08/8/13>