黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『パコと魔法の絵本』関口尚(幻冬舎)

2008-08-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
両親の知り合いらしい堀米という老人の訪問を受けた青年・浩二。彼は、両親が東京の郊外に引っ越していった際に置いていった仏壇に用事があるのだという。そこに納められているのは浩二の大叔父。そして堀米老人は語る……彼らと、ひとりの少女と一冊の絵本をめぐる奇跡のお話を。
心臓発作を起こして、甥・浩一の妻・雅美が看護士を務める病院に入院することになった大会社・ルワールの会長・大貫。“お前が私を知ってるってだけで腹が立つ”……そんな言葉が口癖の彼は、常にすべての人を見下した態度で、我儘な偏屈じじい。
ある日、大貫は病院内で絵本を抱えた少女・パコに出会う。何故か毎日同じように絵本を読み、前日にもあったはずの大貫のことを覚えていない彼女。そんな中、大貫が大事にしていた純金製のライターを紛失。それを彼女が持っていた事から盗んだと思い込んだ大貫は、彼女の頬を叩いてしまう。
そこで浅野医師から聞かされたパコの事情……両親とともに乗っていた車で事故に遭い、唯一生き残った彼女だったが、その記憶は一日しか持たず、翌朝起きた時にはリセットされてしまうのだという。そして彼女が常に持っている絵本『ガマ王子対ザリガニ魔人』は、事故の翌日が誕生日であったパコへの、母からのバースデイプレゼントなのだった。
自分の行動を深く後悔した彼がパコの頬に触れた時、彼女は驚くべき言葉を口にする。“昨日もパコのほっぺに触ったよね?”と。それから彼女の心に残る為の努力を始める大貫。
そんな中、病院ではサマークリスマスを祝うことになり、そこで、元有名子役で自殺未遂を繰り返す青年・室町、ガラの悪い看護士・タマ子、“順平”の行方を気にするヤクザ・龍門寺、オカマ・木之元、消防車に轢かれた消防士・滝田、いたずらばかりする男・堀米ら入院患者の手を借りて、パコの絵本を題材に劇をすることに……

後藤ひろひとさん原作の舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』を元に、書かれた作品。
もちろん良いお話なのですが、先に舞台の方を観てしまっているので、差異(というか変えられている部分)がどうにも気になってしかたがなく……;
主婦だったはずの木之元さんをオカマにしちゃったら、その後出てくるザリガニ魔人とのキャラはかぶらないのかなぁと思っていたら、そっちが変わってるし(映画版もこのヴァージョンっぽい;)。
……他にもいろいろ変わってるのですが、個人的に、最後の最後の最後が、あれだけで終わってるのが残念かな;

<08/8/21>