黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ひかりの剣』海堂尊(文藝春秋)

2008-08-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
医鷲旗…それは日本医科学生体育大会剣道部門の優勝旗の別称である。医学生の間では、その旗を手にした覇者は外科の世界で大成するという言い伝えがあるという。
1988年。昨年の第36代医鷲旗杯では、宿敵・帝華大を僅差で破ったものの、決勝で極北大に負けていた桜宮の東城大学医学部。その主将である速水晃一は、昨年の敗退を悔やみ、未だ剣道部に居続ける6年生・前園らと共に医鷲旗獲得に向けて、闘志を燃やしていた。
一方、東京の帝華大学医学部の剣道部で主将を務める清川吾郎は、昨年速水に負けていた。今年こそはと雪辱に燃える彼だったが、“阿修羅”と異名をとる顧問の高階が、東城大に招聘されることが決まる。高階が赴任先で剣道部の顧問になってしまっては速水との力に差が開いてしまうと危惧した清川は、夏まで稽古をつけないで欲しいと頼み込む。
そして春。清川の弟・志郎が、東城大剣道部へ入部。戦力の一翼を担う。
しかし帝華大はいまひとつ人材不足。そんな中、マネージャーとして入部した薬学部の朝比奈ひかりの機敏さに気づいた清川は、彼女を部員として誘うが、祖父の許しが必要だという……

ここであらすじを止めると彼女が主役っぽいですが(タイトルは“ひかり”の剣だし/笑)、あくまで速水と清川が主役のスポ根モノ。『ブラックペアン~』と同時期のお話です。
速水は云わずと知れた“ジェネラルルージュ”、清川は『ジーンワルツ』に登場してます。彼らが如何にしてその後の自分というものを確立していったかという、ターニングポイント的な部分も含む成長物語。
……ひかりちゃんは、今後どこかに出てきそうな予感が(笑)。

<08/8/29>