黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』森晶麿(早川書房)

2013-01-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
黒猫の渡仏から半年。元付き人はポオをテーマに博士論文に挑むが、つい黒猫のことを考えてしまう。
そんな時、耽読していた作家・綿谷埜枝の小説『星から花』に『アッシャー家の崩壊』の構造を見出した。世話になっている唐草教授が、彼女と知り合いであることから、直接インタビューできることになり、教授と共に…飛び入りで博士課程一年・戸影も加え、彼女の家を訪ねる。
『星から花』は、アイという女だけが住んでいた小さな惑星エボルグに、ある夜、飛行船に乗って、星から花を作っているという男・ユーがやってきたことから始まる寓話的恋愛小説。
その話は、埜枝自身の経験を元に書かれたものだという……“星から花を作る”男に出会い、恋をした。しかし彼から贈られた赤い薔薇は一夜にして、白くなってしまったという。
一方、パリで研究を始めた黒猫は、恩師ジャン・フィリップ・ラテスト教授の孫娘マチルドから、亡き父が愛していたCD『サイダー・サウンド』の作者であるリディア・ウシェールの作風が一変し、実験音楽めいたものとなってしまったのと時を同じくして、リディアの邸宅の庭に大規模な造園作業が行われ、天井庭園が出現した原因について相談を受け、その謎を調べることに……

シリーズ第3弾。日仏に分かれて、それぞれに謎を追うことになってしまった二人。
前作で終わると思っていたので、続いてて嬉しいです~♪
ちょっと切なくもあるのですが、最後はちょっと微笑ましかったり。

<13/1/17>