黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『神去なあなあ夜話』三浦しをん(徳間書店)

2013-01-14 | 読了本(小説、エッセイ等)
横浜出身の俺(平野勇気)が、三重県中西部の山奥にある神去村へやってきて1年が過ぎた。20歳の誕生日も迎え、今年の春から晴れて「中村林業株式会社」の正社員となったが、相変わらず、先輩であるヨキ(飯田与喜)の家に居候しながら、林業に勤しむ日々。
ある日、繁ばあちゃんから聞いた昔話。それは、神去村の起源にまつわるお話だった。
むかしむかし、まだ村もなかった神去山には、大きな大きな池があり、半分ほど水に沈んでいた。
住んでいた人々は、池に住む神である大きな白い蛇に、池を動かしてほしいと頼む。その代わりに、族長の美しい娘を彼に嫁に出すと約束をして。人々はやがてそれを忘れたが、娘は覚えており、父が持ってくる数々の縁談を断っていた。
だがやがて、ナガヒコという若者と恋仲になった娘は、両親に内緒で夫婦になり……“第一夜 神去村の起源”、
思いを寄せる小学校教諭の直紀を車でデートに誘うべく、教習所に通った勇気。
もう少しで免許が取れそう、というのを報告しようと彼女の家に出かけたが、そこで同僚から車で送ってもらった彼女を目撃。嫉妬心を抱く勇気だったが、直紀に「ちっちゃい」と言われ、落ち込む。
そんな中、ヨキ夫妻の馴れ初めを聞く勇気。幼い頃からヨキが好きだったみきだが、なかなか恋愛対象としてもらえなかったという……“第二夜 神去村の恋愛事情”、
十一月にはいって紅葉する山。
若いのに村のリーダー的存在で、直紀の義兄でもある中村林業の社長・清一は、オオヤマヅミさんの祭りが近づき、忙しそう。
直紀との話の中で、清一は父を早くに亡くし、高校生で<おやかたさん>になったというのを聞いた勇気。しかし、口が重く、詳しい話をしようとしない彼女から、墓地に行くようにと示唆される。
そこで、二十年前の五月六日に十六人もの村人が亡くなっていたのを知る……“第三夜 神去村のおやかたさん”、
先に知った二十年前の件を、山根のおっちゃんに訊ねた勇気。
当時、観光旅行も兼ねて村人が大峰山に参る<大峰講>が行われていたという。その旅の途中、村人が乗っていたマイクロバスが転落したのだった。
オオヤマヅミさんの祭りの翌々日。祭りで使った栗の木を回収に出かけた勇気たち。ところが犬のノコを熊と勘違いして慌てた勇気は、足を捻挫。ヨキとともに山で一夜を過ごすことに……“第四夜 神去村の事故、遭難”、
足を捻挫し、家で留守番をしていた勇気。そこへ山根のおっちゃんがやってきて、彼が探しているオコゼの干物(お守り)を見つける為、村人が頼りにしているお稲荷さんに一緒に行ってお参りすることに。
後日、本当に戻ってきて驚く勇気だったが……“第五夜 神去村の失せもの探し”、
クリスマスに、直紀をデートに誘いたいが言い出せない勇気。そんな中、清一の息子・山太の為に、イブの夜にパーティーを催すことになり、それに便乗して、直紀を呼ぶことに成功する。
また、三郎じいさんが名古屋に出かけるのに便乗した勇気は、直紀や世話になっている皆にクリスマスプレゼントを選ぶことに……“第六夜 神去村のクリスマス”、
イブ。クリスマスパーティー当日。直紀がなかなか現れない中、パーティーは進む。
そして、直紀が車で送られ到着したのだが、またしても彼女の同僚に嫉妬してしまい、勇気は怒られてしまうのだった……“最終夜 神去村はいつもなあなあ”を収録。

『神去なあなあ日常』の続編(半年後くらい)。
引き続き林業に勤しむ若者・勇気と、それを取り巻く神去村の人々のあれこれ。恋愛もちょっと進展(笑)。
和風なクリスマスツリーが楽しそうで、ちょっとほのぼの(笑)。

<13/1/14>