黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『雪沼とその周辺』堀江敏幸(新潮社)

2008-01-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
かつて妻と始めたボウリング場・リトルベアーボウルを、今日で店じまいすることに決めた男は、たまたまトイレを借りに来た若い男女に、ボウリングをやっていくように勧める……『スタンス・ドット』、
50なかばで東京から雪沼にやってきた小留知先生。その後も独身を通し、レストラン兼料理教室を営んでいた彼女が遺した最後の言葉“コリザ”の意味とは?……『イラクサの庭』、
製函業を営む田辺さんは、使っている裁断機が右に傾いているような気がして、40年以上のつきあいになる青島機械製作所の青島さんに、点検してもらうことに……『河岸段丘』、
母と二人暮らしをしていた絹代さんの家を書道教室の為に借りた陽平さん。ふたまわりほども年の離れた2人は、やがて結婚し、自転車好きなひとり息子・由が生まれたが……『送り火』、
東京の大型レコード店で働いていた蓮根さん。客が欲しがる曲を読む能力に長けていたが、CDが出るらしいという頃から歯車が狂いはじめ、母の世話をしなければいけないこともあり、故郷にほど近い雪沼の長山レコード店を居抜きで買い取って、蓮根音楽堂を始めることに……『レンガを積む』、
安田さんと妻の聡子さんが営む中華料理店。その常連で、信用金庫に勤めている相良さん。ある日、麺類が苦手なはずの相良さんがワイシャツにつゆが飛んだらしい染みをつけてきた。聡子さんが理由を尋ねると……『ピラニア』、
勤めていた会社が倒産し、幼なじみの小木曾さんの紹介で防災用具を扱っている会社に世話になることになった香月さん。やがて小木曾さんが急死、それから10年以上が経ち、3つだった小木曾さんの息子・大助くんは中学2年に。昔、香月さんたちが子供の頃に作った凧がまだ残されていたという話を聞いた香月さんは……『緩斜面』の7編収録の短編集。

ちょっと寂れた感じの町・雪沼とその周辺に住む人たちを描いたお話。
町の雰囲気と懐古的でちょっと寂し気な内容とがマッチして良い感じです。

<08/1/24>