黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ランボー・クラブ』岸田るり子(東京創元社)

2008-01-14 | 読了本(小説、エッセイ等)
不登校中学生の生駒川菊巳は、稀だという後天性の色覚障害者。そんな彼がある日、自分の病気をキーワードに検索をかけ、たどりついたのは“ランボー・クラブ”というサイト。そこにはランボーの『母音のうた』というフランス語詩がトップに掲げられていたのだが、フランス語など習ったことのないはずの菊巳に、何故かそれが読めてしまい、記憶のない自分の過去に不安を感じる。カウンセリングを受けているカウンセラー・小林の協力を得つつ、過去を調べ始めた菊巳の前に、父だと名乗る男・荒井徹三が現れる。
一方、亡き夫の後を継いで弱小探偵事務所を営む三井麻理美の元に、失踪した妻・美由紀と息子・条次を探して欲しいという医師・川端誠司がやって来た。11年前に姿を消した彼女たちの姿を、偶然彼の妹が京都で目撃したのだという。美由紀は当時、ある占い師に傾倒しており、夫は悪魔だというその占い師の言葉を信じていたらしい。早速調査を開始した麻理美たちだったが……

自分の過去を調べる菊巳側の話と、失踪の母子を探す麻里美側の話が交互に語られています。
若干強引なところがないわけではないですが(笑)、双方が迫っていく感じは面白く読めました。

<08/1/14>