黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『雨の塔』宮木あや子(集英社)

2008-01-11 | 読了本(小説、エッセイ等)
陸の孤島のような岬に建つ全寮制の女子校……そこにはさまざまな事情を抱えた良家の子女たちが通っていた。
そんな学校に通うことになった少年のような外見を持つ少女・矢吹実は、有名デザイナーの娘・小津ひまわりと同室になる。
一方、同じ塔内に暮らす三島敦子と、同室の都岡百合子。三島財閥の妾腹の子ながら可愛がられて育ったわがままな三島に、ずっと付き従っていた都岡は、彼女の希望で共に入学していたのだった。
やがて矢吹は、三島に出会い、そこにかつて心中未遂を犯した同級生・黒川さくらの面影を見る。そして都岡は、小津が自分がずっと憧れていたモデル・リルファンだったことを知り……

籠の中の鳥のような生活を強いられている少女たちのお話。
ままならない心を抱えた少女たちの姿が切なく響きました。
登場人物たちを名字で呼ぶところが、何となく硬質で静謐な雰囲気を醸し出していて良い感じ。

<08/1/11>