黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』歌野晶午(光文社)

2008-01-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
浜倉中央署の刑事課の刑事である舞田歳三は、兄・理一の家を訪れ、小学5年生の姪・ひとみの相手をするのを楽しみにしている。そんな彼女との会話からヒントを得て事件解決する連作短編集。
金貸しをしていた須永キミ子が焼死体で発見された。現金や有価証券がなくなっており、金銭を巡るトラブルかと思われたが……『黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?』、
クラスメイトの兄が、先の焼け跡で宝物が発見したという話をひとみから聞いた歳三。そんな折、中学3年の広重和哉が電柱に宙吊りになって亡くなっているところを発見される。どうやら友人・波多野大洋の家に侵入しようとして失敗したようなのだが……『金、銀、ダイヤモンド、ザックザク』、
市議会議員・大喜多要三が、飯盛八幡神社の真下で死体となって発見された。彼は、スケートボードが禁止されている史蹟公園で、夜間にスケートボードをする若者たちをたびたび注意していたことから、そのいざこざから事件に発展したのではないかと思われたが……『いいおじさん、わるいおじさん』、
浜倉市内で大学生・谷口明良が誘拐され、空き地に放置されていた業務用冷蔵庫の中から発見された。一方、先に亡くなった市会議員・大喜多の家に、脅迫の手紙が届いているという相談を受けた歳三は……『いいおじさん? わるいおじさん?』、
歳三の姉・ふたばが旅先で知り合った小松川亮介氏の、日本百名山完登、フルマラソン百回完走、百カ国渡航を祝うパーティーに出席していた、ふたばとひとみ。ところがそこで事件が発生…市議会議員補欠選挙に立候補していた仙崎紫乃が毒殺された死亡した。その妹・薫子はパーティー会場で毒を飲まされたのだと主張して……『トカゲは見ていた知っていた』、
ひとみの通う小学校の、4年3組のクラス全員の靴が盗まれた。一方、犬吠峠付近で乗用車が事故を起こし、放置されていた車のトランクから浜倉大学農学部の海外留学生の死体が発見された。車からは、パチンコ景品交換所を襲撃した犯人と同じ指紋が発見され……『そのひとみに映るもの』の6編収録。

タイトルから、ひとみちゃんが探偵役なのかと思いきや、そういう訳ではなく、推理するのはあくまで歳三。
ちょっと生意気で可愛い彼女との会話がほのぼのとしてますが、『いいおじさん? わるいおじさん?』あたりのひっくり返し方や、舞田家の秘密に関する叙述トリック(?)は、さすがに歌野さんだなぁと思ったり。

<08/1/15>