Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

充電器が合わない!が無くなる?

2006-08-31 20:30:25 | Weblog
 ふと気づくと、携帯電話の電源が落ちていて大変焦った、なんて事はありませんか?私はあります。
 そんなとき、身近に充電器を持ち歩いている人がいたとしても、まだ安心は出来ません。コネクタが会社によって、ひどいときには機種によって違うことがあるからです。私の場合もそうでした。
 ちなみに私は、泣く泣くコンビニで電池式の充電器を購入。いざというときの為に備えることにしました。まあ、結果的には良かったという事にしておきます。

 電池が無くなるのは仕方が無いとして、携帯電話の充電器がそれぞれ違うのは納得できない・・・会社が違うと言えばそれまでですが。ただ、すべての会社の充電器が一つに統一されれば、ユーザーの利便性は大きく向上するはずです。

 そう思っている人は経済産業省をはじめ携帯業界の中にもいたようで・・・
 たぶん、その人も私の様な目に遭ったのだろうと思いますけれど、携帯キャリアごとに違う充電器の規格統一をするという方針を固めたようです。

携帯の充電器、第4世代で規格統一…経産省が方針 Yomiuri Online

 実現すれば、携帯電話を買い替えても同じアダプターを継続して使えるようになり、資源の有効活用になるほか、関連製品の安全性も高まる。

 現在、NTTドコモとKDDI(au)が、それぞれの第3世代携帯電話で本体とアダプターの取り付け口の規格を共通化しているが、業界全体の規格統一は実現していない。


 Vodafoneは統一じゃなかったんですか?

 充電器に関しては、キャリアごとの料金やコンテンツサービスとは一線を引いたところにある根源的なものですので、「各社の特色を出す」のではなく、「統一規格に従う」ことが売りになる部分ですね。

 ここで経産省が示している利点としては、

1.規格統一、公開により、サードパーティー製アクセサリの安全性が向上
2.充電器が使い回せるため、資源の有効活用につながる

 1は、私も購入した様な、コンビニで売っている電池式の充電器や、車のシガレットやUSBコネクタにさして充電するケーブルなど、「純正でない」アクセサリが、企画の統一によって、より安全性の高いものが作れるようになると言うこと。
 今までは仕様書などのごく限られた情報から作成していたのに対し、規格書を正当に入手できるため、純正のものと全く同じ性能のものを製産できるようになるのです。また、電池式やUSBコネクタ式のものでも、規格に併せることで同様の安全性を持たせることが出来るようになるのです。

 2は、今まで携帯電話を交換する度に交換していた充電器を、そのまま使い回すことが出来るようになると言うことです。ナンバーポータビリティが始まったら、キャリアをより手軽に乗り換える事が出来ますが、そのときに充電器が使い回せたら、その分だけゴミが減ることになるのです。
 ここで、「充電器使い回し」の前提となるのが、「携帯電話本体と、充電器の別売」です。今後は携帯電話を購入したときに、充電器は付属品という扱いではなく、別売りのアクセサリとして店頭に並ぶことになるのでしょうね。その分、携帯電話の価格が下がればいいんですけれど、下がったとしても雀の涙か。

 この施策については、私にはこれと言った問題が見つかりませんでした。実に現実的な案であると思います。どうしても専用のものが使いたい場合は、その機種だけ専用規格とするのもまあ仕方ないでしょうし、そのあたりは購入するときに注意すれば済むことですしね。
 この施策が順調に進んだなら、もしかするとVodafoneを通じて、日本発の携帯電話充電器規格として世界的に広がっていくかもしれませんね。そうなると、海外に行ったときでも、携帯電話に関しては充電器に悩まされることは無くなるわけです。わざわざ日本で海外使用のものを買っていかなくても、現地のお店で購入すれば、そのまま向こうの電源に合ったものが手にはいるわけですから。

 とりあえず、導入は2010年頃発売される第4世代からとのこと。こういう”意外と便利になる”ことは待ち遠しいです。

災害時には職場は二の次・・・意識調査

2006-08-30 19:02:47 | Life
 もう何十年も前からずっと言われ続けている中部地区の懸念材料、東海地震。私たちの「すぐそこにある危機」であると同時に、危機が叫ばれてずいぶん経つことから、半ばマンネリ化してきており、あげく「オオカミ少年」の嘘のごとく、現実味が薄くなってきているのが現状ではないでしょうか。
 遅かれ早かれ、オオカミ少年の物語のとおりに、「最後には本物がくる」のでしょうけれど。

 さて、これらの「日常化による危機感の欠如」について、効果的に危機感の再喚起を行う・・・要するに、「やっぱり地震への備えは必要だ」と思わせるセレモニーとして、「防災訓練」があります。
 実際に災害を想定した訓練を行うことによって、いざというときの対応力を高めることが最大の目的だと思いますが、やはり、災害への心構えを思い出させるきっかけという側面も忘れてはなりません。

 これらの防災訓練は、だいたい今くらいの時期に集中して行われますが、これは9月1日が「防災の日」であるから。防災訓練のおかげで、この時期は市民の危機管理に対する関心が高まりますから、マスコミにとっても災害特集を組みやすい時期でもあります。

 今回紹介するのは、日経新聞がとりまとめた地震が起きたときの会社員の反応です。

大地震時の会社員「家族無事でも帰宅」41%・日経調査

 大地震の際、家族の無事が確認できてもビジネスマンの41%は「職場からとにかく帰宅する」と考えていることが29日、日本経済新聞の「地震対策に関するビジネスマンの意識調査」で分かった。「職場で業務の回復や同僚の救助に参加する」は51%で、企業は通常の半分の戦力で、業務の立て直しを迫られることになる。家族の安否が不明だと「帰宅する」は70%に跳ね上がった。

 職場よりもまずは家族の安全が先。特に所帯を持っている既婚者の皆さんはそうでしょうね。
 では、安全さえ確認できれば帰宅しないと答えた59%は薄情かと言いますと、これがそうも言い切れない。職場の復旧が遅れて倒産でもしようものなら、そのまま「地震からの復旧後の生活」が脅かされることになります。結果的に家族に思い負担を強いることになるわけですからね。
 また、もう一つの懸念材料として、「職場からとにかく帰宅」した場合、災害直後に移動するのは困難であろうということ。安全面での不安やトラフィックの混乱は必至でしょうから、しばらく様子を見るのも一つの手ではないでしょうか。・・・心情的には難しいと思いますけれど。

 私がどうするかは、実際に起きてみないと何とも言えません。まあ公僕ですから、一時帰れたとしても、その後「一週間は缶詰かなあ」とぼんやり思いつつ、空恐ろしくなっているわけでございます。
 やっぱり、「起きるのはわかっている」「でもいつかはわからない」というのは、何とも心持ちが悪いものですね・・・

ワイヤレスでUSB接続実現

2006-08-29 19:27:26 | Technology
 例えば、自分の部屋に、年に数回しか使わないプリンタが置いてあったとします。そのプリンタはUSBで接続されていて、ケーブルの届く範囲の一角を陣取っています。周辺の配置を換えようにも、そのプリンタは常にその範囲から動かせず、大変不便な思いをしていたとします。

 こんな線、無ければいいのに・・・実際、私も思いました。結局私は、プリンタを「必要なときだけ繋ぐ事にして、別の場所にしまうことにしました。繋ごうと思うと大変面倒です。

 最近ではプリンタにワイヤレスLANを内蔵し、配線を不要にしたものもありますが、もっと根本的なところで、「USBが無線になればいいのに」というものがあります。
 USBが無線になれば、周辺機器の配置の自由度は飛躍的に上がります。それこそ、プリンタとスキャナーは並べて別の机にとか、ミュージックサーバーからハブをのばして、自室にiPodのドックを、何て使い方ができるわけです。

 LANの次は周辺機器。実現すればPCの使い勝手はさらに向上するでしょう。そして、それは現実の物となったようです。

USBケーブルとサヨナラ、ワイ・イー・データからUWB採用のハブが登場 ITpro

 製品はUSB接続が可能な子機と、親機(ハブ本体)の構成。子機をパソコンのUSB端子に接続し、親機に外付けハードディスクやプリンターなどのUSB接続の周辺機器を接続。これにより、パソコンと親機間でのデータ転送がワイヤレスで可能になる。

 何て言いますか、ようやく来たか!という感覚です。速度的も480MbpsとUSB2と変わらず、ストレージでもストレス無く使えそうです。
 発売は11月頃と、思わず欲しい!と思ってしまいましたが・・・問題は価格。

実勢価格は2万円後半~4万円になる模様。

はちと、いや、かなり高い。経路を無線化するメリットと照らし合わせて、出せる金額かどうかと考えると、かなり厳しいというのが正直なところ。やはり最初はSOHOやオフィス向けなんでしょうかね。

 最初は256MBで1万円以上していたUSBメモリも3分の1以下にまで値下がりしたことですし、いつかこれも値下がりするはず・・・とりあえず1万円切るまで様子見です。

その記者はコンピューター

2006-08-28 18:55:52 | Thinkings
 日々投函される新聞。報道されるテレビやラジオのニュース。刻々と更新されるニュースサイト。これらで使われている記事は、出来事を元にそれぞれのメディアに適した形の記事を作成、編集され、読者や視聴者の元に届けられます。

 この「記事の作成や編集」という仕事はもちろん人間がやる仕事です。「ある情報を元に記事を構築する」というクリエイティブな仕事はやはり人間がやってこそ。と言うより、自然言語処理が関わってくるため、機械にやらせるのは難しいんですよね。
 しかしながら、機械化の波はこんな所まで押し寄せてきた、という驚くべき見出しが飛び込んできました。

人間の記者は不要?--記事をコンピュータで生成する米金融データ会社 CNET Japan

 決算発表を迅速に記事にして提供するという要望に応えるために、Thomson Financialはロボットの記者を導入していたことが明らかになった。

-中略-

 コンピュータは、企業の四半期における業績を判定するために、直近の四半期の財務指標を過去のものと自動的に比較する。さらに、Thomson FinancialがFinancial Times紙に語ったところによれば、コンピュータは、人間に比べて間違いがはるかに少ないという。


 機械が!機械がオラ達の仕事を奪ってゆく!

 とお約束のフレーズを置いたところで。
 金融データなどテンプレート要素の強い記事の場合は、確かに機械に任せてしまっても十分だと思います。それに加えて、膨大な数のある企業の決算結果と、その過去のデータを参照し、判断材料たり得る記事を作るなど、人間の手でやると大変に時間のかかる作業です。そこに個人の主観などは入る余地はなく、逆に人間の手でやった場合ケアレスミスが混入する可能性があるなど、かなり機械向けの仕事です。
 そういう意味では非常に適任、と言いますか、それほど騒ぐことなのかなあと思いますけれど。

 よく思い出してみると、一般的なニュースの9割くらいはテンプレートで対応できそうですね・・・例えば火事や車の事故、お悔やみ、天気予報・・・もしかしたら今後、ごくありふれたニュースに対しては、自動生成プログラムが活躍することになるかもしれませんね。
 ・・・などと言っていて気づいたんですが、その自動生成プログラムにパラメーターを打ち込む時間で、放送原稿が書けそうですね。特殊な分野をのぞいて、やっぱり記事を書くのは人間の仕事であり続けるのではないでしょうか。

ネット上のウソ発見器

2006-08-27 19:35:00 | Technology
 ネットには、ありとあらゆる情報が流れていると言っても過言ではありません。情報の流れ方も、マスコミ的な一方通行的なモノではなく、「口コミの拡大版」のような側面もあるため、もちろん信用に値しない情報もたくさん流れているわけです。
 これらの情報に惑わされないように「取捨選択」を行うことがネットでの情報収集を行う上で、ユーザーに求められる大変重要な「技術」になっています。

 しかしながら、自分にとって全く専門外である情報、例えば、私にとってのコスメや芸能関係については、それについての基礎知識や絶対的な情報の蓄積が不足していますので、うまく正否を判断できず、ガセをつかまされてしまう可能性がグンと高まります。
 個人的な事だったらあきらめもつきますけれど、仕事の際に思わぬ調べ物を依頼され他としたらそうも言っていられません。そんな正否の判断に困ったとき、将来はプログラムが相談に乗ってくれるかもしれません。

ネット情報「ウソ発見器」 総務省が開発へ asahi.com

真偽が見極め難いさまざまな情報が乱れ飛ぶインターネット。その中で、ウソや間違いらしい情報を自動的に洗い出し、ネットの利便性を高めるシステムの開発に総務省が乗り出す。ネット上にある関連深い別の情報を探し出し、比較参照することで、情報の「デマ率」などを示す。研究機関と協力し、2010年までの開発を目指す。07年度予算では、まず3億円を要求する。

 このプロジェクトが目指しているのは、その情報の信用度。ですから、通常の嘘発見器の様に、「その人がウソを言っているか見抜く」という「白か黒か」と言ったモノではなく、「この情報ソースは80%信用できる」というわりと「曖昧」なものであることを理解する必要があります。

 記事の内容をそのまま理解するならば、ある情報ソースについて、その情報ソースに関連があると思われるその他の情報と比較検討し、いわゆる「デマ率」を算出するモノらしいです。言ってみれば、専門家が自分の知識と経験を総動員し、真贋を見極める事をコンピューターにやらせようと言うのですから、相当に高度な技術が不可欠であることは言うまでもありません。しかしながら、完成すれば、そうとう便利な代物になるのは間違いありません。

 あくまでも、基本的な事が間違っていないかという確認という形で。

 結局、常軌を逸したこと、画期的なものなど、過去にデータが無いもの、あっても役に立たないものに対しては無力な訳で、最後に判断するのは結局それをつかう人間なのです。逆に言えば、それを使うことによって、ガセをつかまされる可能性もあるわけで。結局は、判断材料が一つ、増えることになるんではないかなあと思っています。

 そう考えると、初年度3億円というのは、高い買い物なんじゃないかなあ・・・

広島大断水はお粗末な対応に終わるのか

2006-08-27 00:44:58 | Thinkings
 もし仮に、復旧完了と同日程の3週間の間、2万6千世帯に対し断水をし続けるというならば、全くお粗末というか、お話にならないと言わざるを得ません。

 何の話かと言いますと、広島で起きた水道トンネル崩落による断水の事です。

一部工場の操業に影響も、広島の2万5000世帯で断水 Nikkei Net

 広島県営水道の送水トンネルが崩落、復旧工事のため同県呉市と江田島市で26日午後、計約2万5000世帯が断水になった。両市は対策本部を設置し給水車を出動させるなど対応に追われた。工事終了には約3週間かかる見通し。また工業用水の給水も停止されたため、呉市の日新製鋼呉製鉄所や王子製紙呉工場では生産設備の一部を停止した。

 現在、”送水トンネルの復旧工事完了に3週間程度かかる見込み”としてあるのみで、「断水はいつまで続くのか」については全く言及がありません。

 両市では9月1日から小中学校の二学期が始まるが、江田島市では給食の実施は難しく弁当持参とする方向で検討中という。

と言う報道があるということは、少なくとも9月1日までは水道から水が出ない状態が続くと言うことでしょうか。

 ちなみに、呉市の情報提供ページでは復旧について特に情報提供はなく、江田島市の方は、報道と同じく3週間の記述が認められます。

 この暑い時期に3週間も、風呂にも入るな、洗濯も控えめにと言うことなんですかね。

 また、このasahi.comの記事によると、

トンネルは厚さ約35~40センチのコンクリート製で、65年に送水を開始。水を止めて点検したのは79年が最後という。

と、27年間も点検してないという事実が明るみになっており、県公営企業部の事業の進め方についても、今後糾弾があるのは必至な状況です。 

 一度便利さに慣れてしまった人間は、なかなかそれが無い生活には戻れません。水道などのライフラインはそれの最たるモノです。
 両市は、一刻も早く広島県に働きかけ、仮設導水管を設置し、断水状態を解除できるよう努力すべきでしょう。

 とは言え・・・いくら何でも3週間の間も給水車で対応なんて、いろんな意味で馬鹿げていますので、代替案を模索している最中だとは思いますけれど。本当のところはどうなんでしょうね。
 うちでも中長期にわたる断水が起こらない・・・まあ規模の大小はあるにせよ・・・とは限りませんので、市民生活にちょっけるするライフラインの維持管理は、心してやっておかないといけないですね。全国のライフライン事業者に対しての良い教訓だと思います。

パソコンから出火、延焼が拡大中

2006-08-25 19:53:47 | PC
 以前にお伝えしたDellのノートパソコン出火事件ですが、懸念されていたとおり、そのノートPCで使われていた、ソニー製バッテリを使用している各社のノートパソコンに飛び火し、延焼を続けています。

ソニー製PC電池、アップルも180万個無償回収 asahi.com

 米アップルコンピュータと米消費者製品安全委員会(CPSC)は24日、アップル製ノート型パソコンに使われているソニー製のリチウムイオン電池180万個に発火の危険があるとして無償で回収、交換(リコール)すると発表した。米パソコン最大手のデルが14日にソニー製電池410万個の回収を発表したのに続く措置だ。

 デスクトップよりも省スペース、低消費電力で持ち運びができ、不意の停電にも強く、インターネットやオフィススイートなら全く問題なく使えるスペックから、近年出荷台数を拡大してきたノートPC。ここに来て思わぬつまずきが起きてしまいました。

 もっとも、これでノートPCの売り上げや、デスクトップとの割合に変化が起きるというのは別の話。たぶん、出荷や企画に関しては特に影響は無いものと思われます。
 となると、変わってくるのはバッテリーの調達先。
 今回の件でソニー製バッテリの信頼は大きく揺らいだわけですから、他のメーカーにとっては大きなビジネスチャンスが到来したと言えるでしょう。

 気になるのは、VAIOの動向。やはり今後も同社製のバッテリーを使用せざるを得ないでしょうから、仕入れ先を買えることで対応できるDellやAppleと違って、今後の売り上げに直接影響が出るかもしれませんね。

 ところで、私はClieとソニー・エリクソン製の携帯を使っているんですけれど、このあたりは大丈夫なんでしょうかね?もしこのような、携帯端末用セルまで対象になるとすると、PSPやウォークマンを含めて、未曾有の大火災になりそうなんですが。さてどうなる事やら。

太陽系8惑星に。冥王星は矮惑星に格下げ

2006-08-25 19:52:54 | Science
 このBlogでも連日話題にしてきた惑星の定義について、ついに結論が出ました。
 結果として、発見されているトランス・ネプチュニアン天体のすべては、惑星にはなれませんでした。すべてと言うことは、もちろん冥王星もその中に含まれていることを意味します。

【速報】太陽系の惑星の定義確定 アストロアーツ

24日21時(日本時間)から行われた国際天文学連合(IAU)の総会で、「太陽系の惑星の定義」が決定された。この結果、太陽系の「惑星」は水星から海王星までの8個となり、冥王星は惑星ではなく"dwarf planet"という新しい分類に入ることとなった。

 ここで決定された惑星の定義とは、

太陽系の惑星(注1)とは、(a)太陽の周りを回り、(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、(c)その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。

 となっています。現在において、この定義を満たす天体は水金地火木土天海の8つしかなく、今後エッジワース・カイパーベルトとオールトの雲の間にでも見つからない限りは、これ以上惑星が増えることは無いでしょう。

 今回の決定は実に画期的かつ歴史的なものです。惑星の定義が歴史上初めて決定され、さらに、この76年間惑星とされていたものが矮惑星に格下げされたのですから。こんな一大イベントは、人類の文明が続く限り、二度と起きることは無いはずです。
 この瞬間に立ち会えたことはものすごく貴重な事です。これを機会に、天文学に興味を持ってくれる人が増えるとうれしいのですけれど。

*注
 元記事中で、”エッジワース・カイパーベルト天体=トランス・ネプチュニアン天体”ととれる訳注がありますが、トランス・ネプチュニアン天体は、海王星より遠い天体すべてを考慮したものであり、エッジワース・カイパーベルト天体だけでなく、太陽系外周部にあるオールトの雲などを含めたものと想定されていると思われます。

開かずの踏切がなくなるという希望的観測

2006-08-24 18:47:50 | Weblog
 私の住んでいる町に通っていた鉄道が、二年ほど前廃線になってしまいました。そのころには、私は車に乗るようになっていましたので、単線各駅停車の、自転車と同じくらいの区間速度しか出ていなかったこの電車を使うことは全くありませんでした。
 しかしながら、途中に高校があったこともあり、市民の足として長らく親しまれていた列車がなくなったことは、インフラ的には間違いなく大きな後退でした。

 しかしながら、廃線になったことによって、改善された部分もあります。道路におけるボトルネックの解消です。
 その路線は、市を南北にばっさりと分けており、主要道路はほぼ、その線路を横切ることになっていました。私の住んでいる市は、周辺地域の交通の要的なところがあり、その主要道路は朝夕は常に混雑していました。その一要因としてあげられていたのが踏切です。これが廃止されることによって、市の道路事情は大幅に改善されることになってのです。

 私の地元では、せいぜい「1時間中5~10分程度」の閉鎖時間だった踏切。混雑中でなければ、閉まっていたらアンラッキーくらいの感覚でしたが、全国に目を向けてみると、「1時間中40分が閉鎖」なんていう、冗談みたいな開かずの踏切がそこかしこにあるようです。
 私も名古屋の神宮前駅脇の踏切で、そのような現状を見ていましたけど、とにかくひっきりなしに電車がくるので、大概は通行不可。通れる時間も1分あるかな?という有様でした。まだそこは歩道橋が付いていましたので、影響が出るのは車だけでしたけど、それすらないところでは、遮断機を無理矢理くぐって横断し、はねられるケースも多々報告されています。
 次はいつ開くかわからない、電車の姿が見えないのに遮断機はけたたましく鳴っている、遠回りはしたくないし・・・くぐりたくなる気持ちもわからなくは無いですが、きわめて危険です。

 そのような現状を鑑み、国土交通省が重い腰を上げたようです。

踏切1820カ所で対策急務 5年以内の解消要求 東京新聞

 国土交通省は二十二日、ピーク時に遮断機が一時間のうち四十分以上下りている「開かずの踏切」や、歩道が狭く危険な踏切など全国二千六百カ所を対象とした実態調査で、優先的に対策をとる必要があるのが岩手、宮崎、沖縄県を除く四十四都道府県、千八百二十カ所に上ったとする結果を発表した。

-中略-

 千八百二十カ所のうち、開かずの踏切が五百八十七カ所。交通量に対して遮断機が下りている時間が長く、自動車や歩行者が滞留しやすい「ボトルネック踏切」が千八十八カ所。歩道が狭く、歩行者が歩きにくい踏切が五百三十四カ所だった。複数の問題を抱える踏切もあった。


 全国には36,000箇所踏切があると記事には書いてありますが、そのうちの「問題があるかもしれない」と目星をつけた2,600箇所について、調査を実施したと言うことらしいですけれど・・・問題ありとされた踏切が1,820箇所、44都道府県に所在と言うことは、ほとんどの地域が対象になっているということです。具体的に言えば、100箇所に5箇所は危険だったり、なかなか通れなかったりするところがあると言うこと。先に問題になっていた「シンドラーエレベーター」くらいの遭遇率ではないでしょうか。

 これらの踏切の対策として、立体交差への切り替え工事、歩道の拡充、歩道橋の新設などで今後5年間で80箇所と、これまでの倍のペースで改修を進めるとしています。
 5年で80件だと、概算で年間16件ですか。現在報告されている問題のある交差点が1,820箇所ですから・・・ざっと114年かかる計算になりますね。こういう事を、昔の人は「焼け石に水」と言ってことわざに残しています。

 報道番組でもたまに特集が組まれる開かずの踏切。交通のボトルネックとして以前からずっと問題になってきていますが、今回の元記事からでも「行政だけの対応では限界がある」という事が容易に見て取れます。

 私たちは100年も待っていられません。

 鉄道各社は、国土交通省から問題のリストを入手し、積極的な対応をするべきでしょう。鉄道も陸上交通インフラの一つ。特権的に道路を遮断できるのですから、他の陸上交通手段に対して、その分の配慮をしなくてはならないと思いますけれどね。

冥王星、惑星の座から転落?

2006-08-23 19:17:52 | Weblog
 8月17日に発表されてから大きな反響を呼んでいる「惑星の定義」について、24日の決議の直前になって、新たな修正案が出されました。

 前回の案では小惑星セレスと冥王星の衛星とされているカロン、冥王星と同じエッジワース・カイパーベルト天体で、冥王星よりも大きい2003 UB313の3つを惑星に”昇格”させ、惑星の数は暫定12個、今後の発見次第ではさらに増えると言った形になっていました。

 ところが今回の修正案では、12個どころか、冥王星すら”降格”するらしいのです。

太陽系惑星「8個案」で調整…国際天文学連合総会 Yomiuri Online

 太陽系の惑星を9個から12個に増やすとする惑星の定義案を示していた国際天文学連合(本部・パリ)は23日、冥王(めいおう)星を惑星の地位から格下げし、8個にする修正案で最終調整に入った。

 前定義では今後も惑星の数が増え続けること、そして冥王星が惑星とされてきたことに対して批判が相次ぎ、修正を余儀なくされたということらしいです。また、冥王星族(Plutons)を定義することについても意義が集中したようです。
 修正前の案はアメリカ主導で作られており、惑星発見国の名誉を得るために、何とかして通したかったという話も聞こえてきており、それへの反発もあるのではと考えられますが、果たして。

 ところで、この惑星論争のはじまりとなった、2003 UB313を発見したブラウン教授は、「別に第十惑星にならなくてもいい」と言っているようです。

2003 UB313発見者、惑星の新定義に異議「第十惑星にならなくてもいい」 アストロアーツ

Micheal Brown教授は、今や「第十惑星」ともてはやされる天体「2003 UB313」の発見者だ。彼の発見が契機となり、国際天文学連合(IAU)の総会で「惑星の新定義」がまさに議論されている最中だが、Brown教授の反応は意外なものだ。原案に真っ向から反対し、「惑星は(冥王星を除く)8個でもいい」とさえ言い切っている。

 やはり惑星の数が増えすぎることを懸念しているようで、前回の案には否定的な立場を取っていました。

 私は、と言いますと、新定義には概ね賛成です。元々冥王星は、他の惑星の回る黄道面から傾いた軌道を取っていましたし、軌道自体が楕円です。何よりも月より小さいと、他の惑星に比べて非常に特異な存在でした。
 歴史上の経緯だけで惑星と呼ばれるなら、いっそのこと小惑星に降格されたほうが、後々の為だし、惑星という定義により統一性が高まるからです。
 太陽系以外の惑星について論じられ始めている時に、明確で例外を認めない定義は重要になってくると思いますよ。

 さて、このまま新定義が通るなら、日本時間の明後日には冥王星は惑星の座から陥落している事でしょう。となると、前回も書いた「水金地火木土天海冥」は、水金地火木土天海・・・うう、なんか物足りないような。