Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

東京大停電に思う災害時の脆弱性

2006-08-15 20:07:45 | Weblog
 2006年8月14日、東京を大規模な「人災」が襲いました。
 午前7時40分頃から午前10時44分の間、東京都と千葉、神奈川において139万世帯にも及ぶ大停電が発生しました。

 首都圏で大規模停電 東京新聞

 直接の原因となったのは、河川での作業を行っていたクレーンが高圧線に接触、バックアップもろとも損壊させてしまったことが原因です。作業員の不注意による典型的な人災ですね。

 この人災によって様々な被害が出ていましたが、15日になってそれをまとめた記事が掲載されていました。

首都圏大停電 住民に怒りの声も 東京新聞

電気が、信号が、電車が-。首都圏で十四日起きた大停電は、県内でも大混乱を招いた。

 具体的な被害としては、エアコン使用不可、テレビによる情報収集不可、エレベーター停止、信号停止、電車運休、商売用冷凍庫などの給電停止・・・と枚挙にいとまがありませんが、総じて言えることは、普段の生活が一気に崩壊してしまったと言うことです。
 わずか2時間の停電、しかも昼間に起きて、ここまでの大混乱を引き起こす停電。いかに私たちが電気に依存した生活をしているか思い知らされる瞬間です。

 それと同時に、この人災は、いかに災害に対して都市機能が脆弱かと言う問題を浮かび上がらせた事例でもあります。

 天災、いわゆる自身や台風の際には、今回の様に停電だけでは収まりません。ガスや水道、道路など複数のライフラインが一度に寸断され、復旧にも時間がかかります。その際の救援活動、経済波及効果、パニック行動など、「実際に起きてみなければわからない」部分がまだまだ多数あると思わざるを得ません。災害対策において、今回の件は少なからず参考になったのではないかと思います。有効性は不透明ですが・・・

 今、突然停電になったとして、使えなくなる機器を頭に思い浮かべると、あまりの多さにぞっとします。首都圏ではこれを、多くの人が「都市単位で体験」したわけです。この突然の教訓が、災害への備えを啓発することになってくれれば、少しは災い転じて福となすことも出来るのではないでしょうか。