Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

進むSSDの大容量化とHDD

2008-05-31 14:29:50 | Technology

 ふと周りを見回すと、そこかしこにFlashメモリが散見されるようになりました。USBメモリは言うに及ばず、iPod touchもそうですし、携帯やPSPのメモリーカードもそう。Wiiに使っているSDカードもそうです。

 Flashメモリが世に出てきた当初といえば、256「KB」程度のコンパクトフラッシュでもとんでもない値段がしました。初代PSで使用したメモリーカードは128KBでしたし、デジカメについてくるメモリーカードも8MB程度の容量でして、現在の2GBなどの容量から考えると隔世の感がありますね。・・・つか、未だに32MBのメモリスティックをPSP用に売っているソニーはどうなのか。周辺機器のページで、それしか紹介がないですし。・・・PS2のメモリーカードは8MBでしたね、そういえば。

 要するに、「小さくて大容量」になってきたFlashメモリ。そうなると、次はHDDの替わりとしての需要が出てきまして、数年前からSSDという名前で世に出回っています。HDDに比べれば容量はそこそこだけれど、可動部分がないため衝撃に強い、低消費電力、読み込みが早い、省スペースといった特徴から、値段が高くても注目されている製品です。有名どころでは、EeePCに搭載されて話題になりましたね。

 そのSSDの、さらなる大容量化と価格低下への布石となる技術進展があったようです。

IntelとMicron、初の34nmプロセス製造による32Gbit NANDフラッシュ PC Watch

米Intel米Micron Technologyは29日(現地時間)、34nmプロセス製造による容量32GbitのNANDフラッシュメモリを発表した。6月よりサンプル出荷、2008年後半より量産出荷を開始する。製造は両社の合弁会社IM Flash Technologiesで行なわれる。

 なんでも、現在は4GB~128GBの製品が出回っているところですが、一気に倍の256GB以上の容量を実現できるとのこと。下手なHDD搭載ノートよりも記憶容量が増えますので、使い勝手や搭載機種の幅や、機種間のラインナップの差など、汎用性が増しそうですね。SSDだけでなく、メモリーカード全般や携帯電話などにも応用できる技術ですので、今後の展開に期待といったところでしょうか。

 EeePCを私が買わなかった最大の理由が「SSDの容量がない」という点です。さすがに「4GB-XP等の使用容量=1.2GB程度」では厳しすぎるという事だったのですが、容量を抑えてあるのはコストダウンの為ですので、容量単価が安くなってこればこういう問題も解決してくるでしょう。
 とはいえ、容量単価的に見るとHDDとは未だ雲泥の差がありますし、画期的なブレイクスルーが無い限り、絶対的な容量もしばらくはHDDに分があり続けるはずです。となると、映像分野やサーバーではHDDの優位は変わりそうにありません。やはり、このあたりも棲み分けが進んでいくんでしょうね。

 SSDが本格的に普及する布石として、2桁GBの容量がある低価格ノートが市場での存在感を示すようになることが上げられます。現在のEeePCも、インパクトはありますが、実際に使う段階では力不足が目立ちますので、一般層には売りにくい製品です。
 せめて、「ニコニコ動画」などのWebサービスが満足に見える程度の処理速度と、最初から用途を限定しなくても良い程度のSSD容量があれば、他のノートの「廉価版」として格段に売りやすくなります。そういう製品が増えれば、SSDの値段も徐々に下がり、且つ市場にも出回りますので、置き換えが進んでいくのではないですかねえ。

 そういう未来が来るのは来年か、再来年か・・・HDDができてから52年、フラッシュメモリは28年と歴史は浅いのに記憶媒体はすさまじい進歩ですねえ。ところで、HDDを初めて開発したのはIBMですが、フラッシュメモリ(NAND型NOR型ともに)の発明者は日本人の舛岡富士雄さん何ですって。知ってました?


ケータイに接続できるキーボード、リュウド(株)以外からも登場

2008-05-29 23:59:59 | Technology

 携帯電話の主な使い道と言われると、通話とメールと答えます。最近はメールの比率がますます増えています。そして、PCと携帯電話、どちらの使用頻度が高いかと言われると、間違いなくPCです。

 こういう使い方をしていると、気になるのは入力方法。ずいぶんと以前からこのブログでも言っていますけれど、私はテンキーでの文字入力がいかんともしがたいほど嫌いなんです。しかし、半即時性のコミュニケーションツールとして、いつでも手元に置いておける携帯電話のメール機能は、すでに手放せない物になっていますから、「仕方なく」使っているわけですよ。

 まあ、スマートフォンやソフトバンクのインターネットマシンに乗り換えれば済むことなんですけれど、携帯電話でQWERTYキーボードが使えたならばどんなに便利なことでしょうか。そういう夢を見て、これまでにも何回か、携帯電話用のキーボードを物色したことがあるのですが・・・ものすごく値段が高かったり、すでに古いので使っている機種に対応していなかったり、そもそも生産終了していたりと、良いニュースにはなかなか出会えませんでした。

 とりあえず現時点では一社、携帯電話用のキーボードを売っている会社があるようですが→リュウド(株)、今回は別の会社もその市場に参入してきたという話です。

アイ・オー・データ、PCライクにケータイを使いこなすための「ポータブルキーボード」発売 CNET

 アイ・オー・データ機器は、「携帯電話用ポータブルBluetoothキーボード(CPKB/BT)」を6月11日より随時出荷する。価格は1万5700円。

 Bluetoothに特化してはいるものの、紛れもなく携帯電話用のキーボードです。何とも小さい筐体を採用していますけれど、テンキーよりは遙かにマシな入力環境が期待できそうです。
 ただ、高いよ!アルミ素材やデザインに魅力を感じないならば、リュウド社の製品の方が値段分だけ訴求力があるような。

 この製品にしてもリュウド社の製品にしても、需要が見込めないからか、それとも単純にコストが高いのか、気軽に買えるような値段ではないところがネックですよね。仕事で長文を打つ必要があるというのなら、そこまで高くない買い物になりますが、個人的にちょっと欲しいとなると躊躇する微妙な金額設定が悩ましいですね。

 以前、このブログを出先で書こうとしたときに、やはり携帯電話での文字入力がネックとなりました。そう考えると、こういう製品は魅力的なんですけれどね。

 今回は、確かに値段も高いし、ユーザビリティも決して高いとは言えなさそうなデザインだし・・・しかし、今までほぼ一社独占だったこの市場に入ってきたことを評価したいです。今後、アイ・オーに続く業者が現れたなら、飛躍的に価格が下がるかも知れない。たくさんのバリエーションから好きな製品を選べるようになるかも知れない・・・それよりなにより、アイ・オーというある程度名の知れたメーカーが参入したことで、携帯電話用キーボードが世の中にもうちょっと知られるかも知れない。今後の動向に期待しましょう。


Windows7お披露目

2008-05-28 18:36:23 | PC

 iPhoneが出てからこっち、操作方法のトレンドの一つとして急速に研究開発が進んでいるのが「マルチタッチ」技術。その名の通り、二点以上のポイントを触るなりなんなりし、より直感的な操作を実現するという物。iPhoneのインターフェイスが有名ですが、既存の技術の組み合わせであり、且つ導入効果も高いため、他社でも色々と研究がされているというわけです。

 Microsoftもその一員で、iPhoneが発表された直後、テーブル上の筐体にて「Surface」というマルチタッチインターフェイスを発表しました。多人数でも使えるようにした、なんとも汎用性の高そうな物でしたが、それがどうやら、Windows7に搭載されるようです。

ゲイツとバルマー、Windows 7を披露 マルチタッチのデモを公開 engadget

現在開催中のDカンファレンスにて、マイクロソフトのゲイツ会長とバルマー CEOがWindows 7のデモを公開しました。Vistaの後継となるWindows 7はこれまでコードネームと開発プランが明らかになっていたものの、公の場で実際のデモが披露されるのはこれが初めて。

Windows7の初めてのデモがSurfaceということで、視覚的にわかりやすく、且つ効果的なだけでなく、多分、目玉の一つとして強調したかったんではないでしょうか?AppleはノートPCにもマルチタッチ技術を搭載し始めていますので、それへの対抗という意味もあるのでしょうね。

 そんなところよりも気になるのが、Windows7について。

 公開されている画面写真及びムービーを見る限りでは、Vistaとそんなに変わらないデスクトップでした。それもそのはず、Windows7のカーネルはVista及びServer2008の改良版となるということで、一からの作り直しではないということらしいです。

 個人的な関心事としては、NTFSからWinFSへの移行や仮想フォルダの実装がありますけれど・・・その辺は又の機会のお楽しみということでしょうかね。

 気になるWindows7の発売時期は、2010年の1月下旬とのこと。2009年後半というのは無いらしいですよ。


原油高にアメリカ政府は介入すべきではないか

2008-05-27 23:59:59 | Thinkings

 物の価格が実質的な需要と乖離するのは本当に良いことではありません。
 需要と供給の関係で説明できる物の価値以上に「取引で儲けるため=投機的理由」によって価格をつり上げられ、価値が不当に高く取引されている状況を、俗に「バブル」と言います。

 有名どころでは、オランダにおける「チューリップ」、日本における「土地」、そしてアメリカの「住宅価格の先行き」によるサブプライム問題と、我に返った後は大概悲惨な目に陥ります。

 今の世界におけるバブルとは、なんと言っても原油です。サブプライム問題で市場から引き上げられた投機資金が原油市場に流入しており、日に日に価格がつり上がっています。日本政府が試算したところ・・・

原油高の要因は投機資金流入、30~40ドル押し上げ YOMIURI ONLINE

 白書は、財団法人「日本エネルギー経済研究所」の試算結果を紹介した。同研究所は、代表的なテキサス産軽質油(WTI)の値上がりについて、92年第1四半期(1~3月)から2007年第4四半期(10~12月)を対象に推計し、平均価格(1バレル=90ドル)のうち30~40ドルは原油市場への投機資金の流入などによると分析した。

 さらに、現時点においても1バレル60ドル程度が適正価格と言われていますから、130ドルを超える現在、投機要因による価格の上昇により倍近い価値にまで押し上げられている計算になります。

 企業の株や土地、チューリップの球根とは違って、流通、発電、工業製品など、一般市民の生活に多岐にわたって影響している原油価格の高騰は、社会生活に与える影響が大きすぎます。また、影響が大きい=バブルがはじけたときの被害も巨大な物になりそうです。何もないところから70ドルの価値がポッと出てきたわけですから、それが急に消えてしまったとしたら、原油の資産価値が半分以下に・・・石油卸などへの影響はとんでもなさそうですね。

 もっとも、「影響が大きいから」それだけバブルがはじけにくいとも言えますけれど、今の状況が良くないことは誰の目にも明らかです。アメリカ政府は、サブプライム問題の教訓を元に、この問題に対して何らかの介入を行うべきではないでしょうか。すでに、事態は市場が制御でき無くなってきているのでは?

 本音を言えば、「一部の投資家のために振り回されるのは本当におもしろくない」というところですが・・・「金儲けをして何が悪い!」と言っていた村上ファンドの代表、村上世彰氏の言葉が思い出されましたが、金儲けにも道義とか倫理観とか・・・それこそ「社会性」が求められると信じたいですね。

(寝落ちしたため翌朝書いてます)


ありそうで無かったUSB機器の共有

2008-05-26 23:59:59 | PC

 USBというのは、何とも便利な規格です。

 マウスやキーボードのような入力機器に加え、USBメモリやUSBハードディスクといったストレージ、プリンタや音源といったIOデバイス、ネットワークポートにまでという幅広い用途に使用でき、しかも手軽に抜き差しができるという汎用性に加え、そういった特徴を生かすための豊富な対応機器の存在が、今ではPCの一番手軽且つ有効な周辺機器の接続方法になっています。

 かく言う私も、家のデスクトップは文字通りUSB機器に囲まれています。キーボードにマウス、音源にタブレット、スキャナにiPodにカードリーダー・・・しかし、これらの中で常に使っているというのはマウスとキーボードくらい。他の機器は必要なときに動きさえすれば良いのです。特にスキャナとかプリンタなんてのはそれの最たる物で、2台目のPCを買ったときなどは、わざわざ買い足すより共有してしまった方がマシという物。

 ただ、それがプリンタだけとかだとちょっと寂しい。いっそのことそれをもっと進めて、「USB機器を共有する」という製品が発表されました。

USBデバイスをネットワーク共有するUSB Net ShareStation engadget

IOGEARから発売されたUSB Net ShareStation はローカルネットワーク上でUSB機器を共有する製品。つまり、

  • 手のひらサイズ(5cm角ほど)の本体の一方にイーサーネットポート、反対側にUSB 2.0ポートがついています。
  • イーサネットポートを(無線) ルータに接続、USBポート側にUSB機器を接続します。
  • ネットワークに接続した複数のコンピュータでUSB機器を共有できます。

というデバイスです。

 つまり、USB接続のプリンタをネットワークプリンタに変換する小型のプリンタサーバの「プリンタ以外も可」な製品です。これを使えば、プリンタだけでなく、HDDやフラッシュメモリ、USBカメラなどが共有可能となります。こういうのって意外に無かったように思うんですよね。切り替え機は山ほどあるんですけれど、こういう「どちらでも使う」コンセプトのは新鮮です。

 ただ、その共有という性質上、キーボードやマウスは、別々のマシンに同じ情報を与えてしまいますので対応しないようです・・・多分、さすと動いてしまうとは思いますけれどね。 

 USB機器に埋もれている身としては、二台目のPCが来たときに、差し替えの手間が無く、そのままUSBデバイスを使えるというこの製品は大変魅力的です。また、数台のローカルネットワークに、使用頻度の低いインクジェットプリンタ(通常は白黒レーザーを使用)を増設したいときなどに便利ではないでしょうか。

 今のところ、輸入でしか買えないみたいですけれど、早いところ日本でも発売するか、日本のメーカーさんで同じような物を作ってしまうというところを期待しましょう。


後部座席、シートベルトします?

2008-05-25 20:07:55 | Life

 私はプリウスに乗っていますけれど、助手席に人を乗せて10秒ほどで、けたたましくブザーが鳴りだしたらおきまりのセリフを。

「シートベルト締めてください。この車うるさいんで」

 もちろん”この車がうるさい”というのは詭弁であって、うるさくない車でもシートベルトは締めさせます。車の性にすればトウが立ちませんから。こんな事で点数引かれたくないですし、何より事故やったときに危ないですからね。
 と言いますか、何で助手席に座ったときにシートベルトを締めませんかねえ?他人に命を預ける訳なんですから、最低限自分のできることだけでもやっとかないと。

 とはいえ、これが後部座席だととたんにそういう意識が飛んでしまうんですよね。シートベルトなんて無いものとして普通にくつろいでいる自分がいます。

 さて、そういう乗り方も5月中で終わり。6月1日からは後部座席でもシートベルトを付けることが義務化されます。めんどくさくなりますか?いやいや、ちょっと待ってください。それに先だって、警視庁がおもしろいことをやったみたいですよ?

後部座席ベルトないとこうなります 警視庁が実験 asahi.com

 後ろの座席に2人のスタントマンが座り、1人はシートベルトを着用、もう1人は着用せず、時速40キロで別の乗用車に追突した。着用者は衝撃に耐えたが、非着用者はフロントガラス部分を抜けて車外に放り出された。

 ダミー人形を使ってやれば良いところを、わざわざスタントマンを使ってやるところが・・・いや、実際見ていた人にとっては、生身の人間が後部座席からフロントガラスを突き破ったわけですから、ダミー人形よりもずっと衝撃的な画として印象に残ったのではないでしょうか。元記事の写真もかなりショッキングですもの・・・

 やっぱりシートベルトとかの安全器具は、命を守るためについていると言うことを思い知らされる公開実験ですよね。うん、私もシートベルトを付ける気になりました。

 元々、運転席及び助手席のシートベルトにしても、法規制や車会社の努力によって、「付けないのが当たり前」から「付けて当然」まで持ってこられたんです。今付けてない人を見つける方が難しいですが、きっと後部座席もそうなりますよ。面倒とか窮屈と言うだけで、誰にも不利益が降りかかるわけではないんですからね。

 シートベルトは命綱。その意識を元に、そして頭の片隅に「違反、罰金、減点」を置いて、ドライバーも乗る人も気をつけていきましょう。6月1日からですよ!


私見:WILLCOM D4の延期の理由はバッテリーではなかろうか?

2008-05-24 19:34:41 | PC

 EeePCから始まった、小型で安価なノートPCの販売競争。これまでの機種はインテルのCeleronもしくはVIAの省電力CPUを使ってきましたが、今後の本命は、なんと言ってもインテルのAtomプロセッサでしょう。

 ダイサイズ(CPUの大きさ)を小さくすることで省電力、低発熱を実現し、且つ価格の大幅な低下を達成したAtomプロセッサは、UMPCに最適な選択肢ということで、発表段階から大きな注目を集めてきました。そのAtomを世界初で搭載する量産UMPCが、WILLCOM D4です。

 開発は、Willcomのスマートフォンを手がけてきたシャープが行っており、正に鳴り物入りでの登場でした。

 しかしながら、発売直前になって突然の延期が発表されてしまったのです。

ウィルコム、「WILLCOM D4」の発売を7月中旬に延期 CNET Japan

 ウィルコムは5月23日、同社の次世代通信端末「WILLCOM D4」の販売時期について、6月中旬から7月中旬に延期すると発表した。「より高いパフォーマンスを出すためのチューニングに時間がかかっている」(ウィルコム)というのが理由。

 発表当初から、確かにおかしな部分はありました。このスペック表にあるように、発表当初からバッテリー駆動時間の項目には、

現在測定中につき、測定でき次第順次ご案内します。

という一文。小さな筐体でフルスペックWindowsが動いて、且つ電話内蔵というのが最大のウリではあるのですが、それを「現実的なバッテリー駆動時間」で実現したAtomに世間的な注目は集まっているわけです。となると、D4のスペック表に置いてもっとも注目されるべきところが曖昧にされていると言うことに他なりません。

 普通のノートPCなら2時間~7時間でも問題ありませんが、D4の場合はそうはいきません。なぜなら、通話機能がWindowsアプリケーションとして実装されているため、Windowsが起動した状態でないと着信もままならないわけです。つまり「バッテリー駆動時間=待ち受け時間」となるわけですから、重大事なのですよ。

 私は、今回の延期の理由は、思ったよりもバッテリー駆動時間が稼げなかったための調整であると考えます。世界初のAtom搭載製品と言うことで、ある程度使い物になる駆動時間が示せなければ、Atomを提供しているインテルの面子が丸つぶれ。今後、UMPCに力を入れようとしているマイクロソフトの思惑にも影響が出てきます。Willcomはより直接的な売り上げに響いてきますし・・・すでにWillcomとシャープ2社の問題ではなくなっているのです。

 思ったほどAtomの消費電力は低くなかったか。もしくは、駆動時間を延ばそうとするとVistaのレスポンスが致命的に悪くなるとか・・・何にせよ、7月中旬には何らかのアナウンスが出ることでしょう。無事発売されるとは思いますが、決して安いわけではないのですから(12万くらいだそうですよ)、皆に望まれた形での発売であると良いですね。


ケータイをPCの外部端末に

2008-05-23 23:59:59 | Technology

 最近は、極力ケータイでのネット閲覧を控えています。ケータイのブラウザで調べ物をするよりも、机にいるならPCで、無線LAN圏内ならばiPod touchで見た方が、インターフェイス的にもレスポンス的にも楽だし早いですからね。・・・まあ、一番大きい理由はネット閲覧するのとしないのでは、月々の支払い料金が5,000円くらい違うという事なんですが。

 YouTubeやニコニコ動画を見るようになってから、動画を持ち歩きたいという需要が少しですが出てきました。とりあえず、ケータイで動画が見えることは分かっていましたので、片っ端から変換してSDカードに突っ込んでいました。最終的には変換が面倒だったり、コピーが面倒だったりと、iPod後は全てそっちへ移行してしまいましたが。ただ、外部スピーカーがついているのは便利ですよね。

 情報端末として便利なのは分かっているんですけれど、PCとかiPodを利用している身としては何とも中途半端な印象がぬぐえないケータイですが、「これなら活用できるかも」と思わせられるサービスをドコモが始めるようです。

ドコモ、自宅PC内のコンテンツを携帯電話で視聴できる「ポケットU」を発表 マイコミジャーナル

NTTドコモは22日、自宅のPC内にある動画・音楽・画像・文書といったファイルをFOMA携帯電話・モバイルPCなどから視聴・閲覧できるサービス「ポケットU」を、6月6日から提供すると発表した。

 簡単な利用イメージとしては、「ドコモとVPN接続する専用ソフトウェア」を起動したPCをサーバーとして、ケータイでサーバー内の動画や文書を閲覧できるというもの。外出先で見る可能性があるコンテンツを登録フォルダに入れておけば、いつでもケータイから閲覧ができるというサービスです。

 ただ、もちろん制約もありまして・・・

 サーバーとなるPCを起動させておくこと。文書ファイルはPDFに変換されたものを閲覧することになるので、変更はできない。動画はあらかじめ変換しておく必要があり、10MBまでの動画しか扱えないので、長いものは分割が必要になる・・・と言ったところ。便利さ加減で言えば、SDメモリにコピーするよりは楽かなあ・・・?と言った程度でしょうか。

 レスポンス等の関連で、下手するとSDメモリとカードリーダーを使った運用の方が便利かも知れませんね。

 ただ、ドコモが強調しているような「動画」や「文書」メインでの使用ではなく、「音楽」メインの使い方ならとたんにこのサービスは化けます。何故って、PCをジュークボックス替わりに使っている人はiPodの利用者と同じくらいいるわけです。その管理ソフトであるiTunesで音楽を保存しているフォルダを、このサービスで共有かけてやるならば、いつでも家のライブラリを丸ごと持ち運べるということになります。

 iPodの売れ線ややはりnanoやshuffleでしょうから、ライブラリを全て持ち運ぶというのは難しいでしょう。iPodに移し損ねた曲が聞きたくなったとき、ふと思い立って古い曲を聞きたくなったとき、iPodの電池が切れたときや、そもそも持ってきていないときなどにこのサービスはとても有効に働きます。それに、動画と違って音楽ファイルなら容量の制限も問題ないでしょうし、環境故のクオリティの劣化も抑えられそうです。わざわざケータイに音楽データをコピーする必要もありませんし、すでに持っている楽曲なら着うたフルで買い直さなくてよくなります。

 結論として、メインは音楽で使用し、文書や動画はおまけ程度に思っておくならば、かなり便利なサービスではないでしょうか?

 とりあえず、二週間はただで「お試し」ができるようです。色々とハードルの高そうなサービスですので(導入時のパソコン関連知識的な意味で)、「使えそうだ」と思われたなら一度やってみることをオススメします。残念ながら、私は人柱にはなれませんので使用感のレポートとかはできそうにないですが。・・・ええ、使用キャリアがauですからねー。


OLPCの新たなる挑戦

2008-05-21 23:59:59 | PC

 相変わらずミニノート界隈に話題は尽きません。本日もhpの日本法人から、アメリカで先行販売されていたミニノートの正式受注が発表されました。液晶解像度が1280×768でメモリも1GB~2GB、HDDを120GB搭載と、Eee対抗製品の中ではもっとも実用本位なスペックです。・・・つい先日、ミニノートを回避して同じhpのタブレットPCを注文した身としては、この魅力的な製品と比較できなかったことが悔やまれますが。いや、多分私の判断は間違っていなかったに違いないのですよ。

 さて、そのミニノートPCブームの火付け役というか、当初のコンセプトを作り上げたプロジェクトとして、ニコラス・ネグロポンテ氏設立の”One Laptop Per Child”が開発しているXOノートPCがあります。
 「全ての子供ノートPCを」をスローガンに邁進していた同協会ですが、Eeeなどの競合製品にシェアを奪われ、搭載予定だったSugar OSに加え、結局Windowsの搭載がアナウンスされる等、当初の理想や構想からすると「負け続けている」状態です。ですが、次期モデルがコンセプト通りで量産できるなら、過去の事業展開の甘さなんて吹っ飛ばせるんじゃないでしょうか?

OLPC、XOノートの次期モデル"XO2.0"のイメージを公開 engadget

20日に開催された OLPC's Global Country Workshop でのネグロポンテ氏の講演で、XO ノートの次期モデル "XO 2.0" のイメージが発表されました。新しいモデルではタッチパネル式の液晶画面を2面搭載、片方をキー配列可変なキーボードとして使うこともできるし、見開きにして電子ブックリーダーとして使うこともでき、さらには二人で対面しての使い方も提案されています。

 二つ折りの筐体の内側二面を全面タッチパネルにするという斬新すぎるアイデア。えーと、Nintendo DSとiPod Touchを合わせたみたいな?コンセプトマシンです。元記事でも触れられていますけれど、コンピューターの父と言われるアラン・ケイ氏が構想した”Dynabook”(”GUIを搭載したA4サイズ程度の片手で持てるような小型のコンピュータで、子供でも扱える低価格なものである。”Wikipediaから引用。東芝のノートではない)を目指したかのようなデザイン(外見もコンセプトも)となっており、従来のXOの持つ「安価な教育用コンピューター」とは一線を画すものという印象を受けます。

 これまた実現するのに難儀なものを考えたなあ(コスト的な意味で)という印象ですが、個人的には今のXOノートよりも断然こっちの方がかっこいいし、欲しいです。2010年頃のリリースとのことですが、今度は最初から、商業ベースでの流通も考慮した上でのプロジェクトにしてもらいたいですね。

 ところで。
 Dynabookと言えば、ゼロックス・パロアルト研究所で開発されたAltoが有名ですが、それに載せるソフトウェア開発環境であるSmalltalkも忘れてはいけません。現在もっとも手軽且つ様々な機種で試せるのは、アラン・ケイ氏自らがブラッシュアップした「Squeak」がありますけれど、Dynabookを目指す方向性ならば、世界初のネイティブSmalltalkマシンになるかも知れません。・・・実社会で役立つコンピューターからは隔たるわけですけれど、そういう試みがあるならばおもしろいかも知れませんね。


データを税関で総検閲?

2008-05-20 23:59:59 | Thinkings

 アメリカに旅行する時に、注意すべき事がまた一つ増えそうです。

 これまでも入国者の指紋を全て採取とか、テロからこっちずいぶんと神経質になっているアメリカですが、さらに信じられないような施策を行うようなのです。

米国税関が新制度を近くスタート、入国者が所持するPCのデータを丸ごとコピー technobahn

国税関が外国から米国に入国する全ての人が所持するPCに保管されているデータを入国審査時にハードディスクごと丸ごとコピーするという新制度を近く導入する方向で準備を進めていることが15日、英ガーディアン紙の報道により明らかとなった。

 要するに、PCに入っている様々な個人情報や社外秘の機密情報等を全部ひっくるめてよこせ、と言っているわけです。そんな無茶な・・・、って話ですが、どうやら本気でやるみたいですね。

 100GBのデータをコピーするだけでも数時間待たされそうですし、もし怪しげなファイル名をシャレで付けていて、それに税関が食いついたりしたらとか、考えるだけで面倒です。

 時間や手間だけでなく、コピーされたデータの扱いも気になります。自分のPCから個人情報を全てなくせ、というのはなかなか難しいですし、多かれ少なかれ、仕事用のPCには外に出せないデータが入っているものです。税関でコピーされたデータが流出してしまった場合、責任の所在は一体誰にあるんでしょうね?

 取り得る対策としては、

・重要なデータをPCに保存しない

・あらかじめ重要なデータをメール等で送信しておく

・機密データに暗号をかけておく

・アメリカにPCを持って行かない

等が考えられますが、個人的には4番目ですね。オススメ。

 ちょっと、最近度が過ぎるように思うアメリカの入国審査。まあ、今回の件については一度やってみて、データコピー時間のロスやデータの扱いについて、色々と痛い目に遭ってみると良いと思いますけれどね。
 締め付けも大事ですけれど、今回の件はちょっとやり過ぎ。というよりも無駄というか何というか・・・世界はネットの海でつながっているんですからね。