世間様では今、年の瀬真っ盛り。2000年代最後の一桁年もあと数日で終わってしまう・・と言う事とは一向に関係なく、例年通りのバタバタした年末が過ぎていっております。
この一年のGoogleの動きは、この年の瀬に負けないくらいバタバタしており、ChromeにWAVE、Android、Gearsなど様々ななプロジェクトで大きな動きがあった年でした。
中でも、アナリストの注目の的になったのはChrome OS。とうとうGoogleがPC向けOSまで手がけるようになった、と大きな注目を集めたプロジェクトとなりました。ただ、現在は各ニュースメディア他の動きは沈静化しているようです。概要が明らかになるにつれ、ほぼネットブック専用であること、ローカルのストレージ(データ)にアクセスできないこと、利用できるハードウェアに制限がかかることなどの情報が出てきました。加えて、オープンソースプロジェクトとして公開されたことなど、だいたいのポテンシャルを測れる要素が出そろったことが要因でしょうか。
さて、Chrome OSを待つまでもなく、一時期のインスタント起動OSの流行に乗る形で、様々なネットブック用OSが登場しています。例えば、インスタントOSの先駆けとなったSlashtopが正にそれですし、gOSやMolineがそれに当たるでしょう。これらのOSは、ほぼ例外なくChrome OSと「かぶり」ます。というのは、これらのOSは、基本的にはブラウザを中心に据え、クラウドサービスを使うことを目的としているからです。
つまり、これらのOSが普及、もしくは名前が広く知られるようになるには、少なくともChrome OSに比べてメリットを持っていなければならないと言う事になります。例えば、こんな風に。
Jolicloudは、Chrome OSネットブックの世界を勝ち抜けるのか TechCrunch
私はLe Webの舞台裏で、CEOのTariq Krimと、パートナーシップ担当ディレクターのBrenda O’Connellを捕まえて、JolicloudがChrome OSとどう戦っていくのかを尋ねてみた。
Krimは、はっきりとした答えを持っていなかったが、答えの一部は、Dropboxのようなパートナーサービスに力を入れることだと語った。Googleは、Chrome OSを実行するうえで、その殆どあるいは全体をGoogleサービスに依存しているが、ウェブサイトのサービスを使えるようにはなる予定だ。
Jolicloudのネットブックは、ローカルのHDビデオの再生が可能で、これは現在ブラウザーでは行うのは困難だ。また、dropboxなどのサービスを使って、ファイルをネットブックのローカルディスクに保存し、かつクラウド上に同期できる。Chrome OSは動作中のPCでローカルにファイルを保存することができず、オフラインブラウザー経由のアクセスのみだ。
jolicloudの優位性を簡単にまとめるなら、他企業とのパートナーシップをとれること(クラウドサービスの選択の自由?)。ローカルのファイルを扱えること。この2点です。逆に言えば、ブラウザOSという性質上、ほぼインターフェイスは決まってしまいますので、他社にしてもこれくらいしか「明確な」優位性を示すことは難しいのではないでしょうか?
優位性を示すことが出来なければ、知名度のあるChrome OSが圧倒的に優位。ネットブック特化型OSをGoogleが選んだ時点で、すでに同業他社の運命は決まってしまったのかもしれません。