Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

携帯電話の充電器の共通化 欧州で合意に

2009-06-30 23:00:45 | Thinkings

 以前から話が出ていたことですけれど、携帯電話の充電器を共通化しようという動きがここに来てずいぶんと高まっています。と言いますのも、機種ごと、メーカーごとに異なる充電器は、機能的には一緒なのにもかかわらず、携帯電話ごと交換しなくてはいけませんでした。それは、いわゆる「エコではない」からと言う訳ですね。

 今、日本では各キャリアごとに充電器の統一化がほぼ完了していますので、キャリアごと機種変更をしなければ、充電器はそのまま使い続けられます。それを、EUでは一歩進んで、キャリアについても統一しようという合意がなされました。その充電端子に採用されたのは、大方の予想通りUSBなのですが・・・

欧州で携帯電話の充電器を共通化,Apple,Nokia,RIMなど大手10社が合意 ITpro

 欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2009年6月29日,携帯電話機の充電器の共通化に関して大手10社が合意に達し,覚書(MoU:Memorandum of Understanding)を締結したと発表した。Micro-USBをインタフェースとする共通の充電器で各社の端末を充電できるようにする。対応端末は欧州で2010年から登場する見込み。

 今回採用されたのは、周辺機器の接続でおなじみのMini-USBではなく、もう一回り小さいMicro-USB端子になります。今のところMicro-USB端子はそれほどお目にかかることもありませんので、ケーブルを一本買い足す必要があるようですね。もちろん、USB端子を搭載した機器や汎用ACアダプタなんて世の中にあふれていますので、当初の「ACアダプタのダブりをなくす」というのは容易に達成できそうですね。

 ただ、ここで気になるのは、覚書を締結した企業の中にAppleの名前があること。Appleの携帯電話と言えば、言わずとしれたiPhoneしかないわけですが、iPhoneに搭載されている充電用端子はもちろん、iPodシリーズ汎用のユニバーサルコネクタのみ。まさか、Appleは、自社のポリシーを曲げてiPhoneにmicro-USB端子を搭載するのでしょうか・・・?
 その答えは、2010年以降の本格導入に併せて明らかになるでしょうが、案外、「ユニバーサルドックにMicro-USB端子をつける」とか「すでにUSB給電だ」とか逃げを打つような気がしますけど。

 なんにせよ、携帯電話の充電端子が統一されるというのは良いニュースです。このまま日本にも流れが来ると良いのですけれどね。


たかがフォントされどフォント

2009-06-29 21:08:13 | Thinkings

 たぶん、今回の記事は、多くの人にとってはどうでも良いことなんじゃないだろうか、と思います。思うだけではなくて実際にそうでしょう。フォントの話なんて、PCを普通に使う大方の場合、どうだって良いことです。
 でも、実は結構すごいことなんですよ、これ。

 今回の記事を書くきっかけとなったのは、この記事。

「秀英体」フォントをモリサワが販売 初の一般向け ITmedia

 大日本印刷(DNP)は6月29日、書籍などで親しまれているオリジナル書体「秀英体」の明朝4書体をモリサワにライセンス提供すると発表した。モリサワはフォントとして今年秋から販売する。

 秀英体はDNPが明治時代から開発を続けているオリジナル書体。利用はDNPが手がける印刷物などに限定されており、「一太郎 文藝」(ジャストシステム)などへの提供があった程度。出版社やデザイナーなどからDTPで使いたいという声が多数寄せられていたという。

 「大日本印刷で印刷されている書籍と同じフォントが使えるなんて!」と言うように、「一部には」かなりエキサイティングな記事であります。フォントというのは、同じように見えてその実、並べて見ると独特の味があります。全く同じ体裁、同じ明朝体でも、フォントが違うだけでずいぶんと受ける印象は違ってくるものですが・・・まあ、ウェブを使っている間にお目にかかるのは、大概「MSゴシック」か「MS UI GOTHIC」もしくは「メイリオ」に限られますよね。いや、それすら意識されていないかもしれませんが。オフィス文書を作る場合でも、大概はMSゴシックかMS明朝、もしくはそれのプロポーショナルを使っているのがほとんどじゃないでしょうか。

 そう、無難な文章を作ろうとすると、もしくは特に意識をしなければ、フォントなんて数種類しか使わないんですよ。でも、例えばパワーポイントでのプレゼンの時に、ちょっと変わったフォントを使ってみるとか。社内告知などとチラシにいつもは使わないフォントを使ってみるとかすると、とたんに「画が」変わってくるんです。そういう意味で、使えるフォントが増えると言うことは、単純に表現の「引き出しが増える」ということです。しかもそれが実際に商業印刷に使われている物なんですから、今回のニュースはとてもエキサイティングなんです。

 私は大学時代にフォトショップを始めて使ってグラフィックデザインにはまり、フォントのおもしろさに惹かれました。この記事をきっかけに、「いつもと変わったフォントを使ってみようか」そして、「フォントって面白い」と思ってくれる人が増えたら本望です。


ペーパークラフトでオリジナルスピーカーを

2009-06-28 23:59:59 | Thinkings

 iPodを始めとするポータブルオーディオプレイヤーは本当に一般的なアイテムになってしまいました。大概の場合、機能を絞るなどした激安品が出回るようになると、価格競争の極み=市場が飽和しだした証拠と考えられますので、UFOキャッチャーの景品にもなっている現状を考えると今がまさにそのときだと言えるのではないでしょうか。

 さて、これらのポータブルプレイヤーが普及するに従って、にわかに注目されだしたのがヘッドフォンやポータブルスピーカー。この中でヘッドフォンは、デザイン云々も確かに重要ではあるのですが、「付属の物よりも高音質であること」がほぼ絶対条件と言えますので、全体のベクトルもほぼそちらよりとなっています。
 しかしながら、スピーカーはむしろその逆です。と言いますのは、スピーカーの音質はほぼサイズに比例します。サイズを克服しようとすると、それだけ設計に時間を掛けたり、部品に高品質な物を使ったりと、ある程度お金がかかります。普及価格帯の物にはそれは望めませんので、音質はそこそこで押さえ、デザインや使い勝手などの機能面で差別化を図っていく必要があるのです。そういう意味では、「ガジェット的に」面白い物が現れやすいと言うことでもありますので、非常に面白い状況になっているわけですが。例えばこんな製品の様に。

プリンストン、ペーパークラフトで作るアンプ内蔵スピーカー マイコミジャーナル

PSP-NXT1/2/3は、ペーパークラフトで作るスピーカーケースとNXTテクノロジーを利用したスピーカーの組み合わせ。スピーカーは1Wのアンプを内蔵したモノラルタイプで、USBからの給電で動作する。平面スピーカーの一種で、貼りつけたものを振動板として利用することが可能というもの。

 ものの原理的には、これと同じような物だと思います。要は、振動させられる「箱」とか「板」があれば、それをいわゆる「スピーカーのコーン」として利用できるものです。今回の製品の面白いところは、その箱がペーパークラフトだと言うことです。詰まるところ、振動する物に取り付ければなんだって言い訳ですから、それこそただの紙箱やペットボトルでも良かった物を、あえて組み立てる要素を残したところが良いですね。他との差別化という意味では十二分にインパクトのある物だと思いますよ。

 また、価格的にも1,980円と低く抑えられており、平面振動スピーカーユニットを単純に手に入れたい場合でも有用なキットになるのではないでしょうか。そういう使い方を想定してか、発売元のプリンストンテクノロジーでは、このキットを使ったオリジナルのペーパークラフトスピーカーの作品コンテストを開いているようです。使い方とアイディア次第で面白い事ができそうではありますね。

 いま、スピーカーとか音響関係に、ある程度注目が集まっているのは良いのですが、やはりスピーカーの本質は音楽を再生することであると思っています。ですので、このような色物ばかりではなく、まっとうなスピーカーも注目されるようになるといいと常々思っているのですが・・・今のAV界隈の中心は映像ですし、音楽方面もプレイヤーそのものの話題が中心です。それが落ち着くまではまだ難しいのかもしれませんね。


KDDIの「DVD Burning」サービス終了

2009-06-27 17:38:30 | Thinkings

 そもそもの話なのですが、KDDIが行っていた「DVD Burning」というサービス自体については、知名度はどれくらいあるのでしょうか?たぶん、ほとんどの人は知るよしもないと思いますが・・・。

 DVD Burningサービスとは、KDDIの提供していたDVDの「特殊な物販」による流通方式。内容としては、DVDコンテンツをダウンロードし、CPRM対応のDVD-RWメディアに書き込む形で販売すること。通常のストリーミングと違い、CPRM対応のプレイヤーでなら通常のDVDと同じように再生できるため利便性が高いことと、手元に物理的なものが残るため、所有欲も満たせるという新しい形の販売方法でした。実はこのブログでも紹介しているのですが、そのサービスが、このたび終了することになりました。

KDDIのDVD配信サービス「DVD Burning」終了 ITmedia

 KDDIは6月26日、映画などのセルDVDをPCにネット配信し、DVDに直接書き込める「DVD Burning」を9月25日に終了すると発表した。「映像視聴スタイルの多様化によって利用者数が減少したため」で、直近の利用者は月に500人程度だったという。

 直近の利用者は月に500人・・・なんというか、全国区のサービスにしては驚愕の少なさです。逆に、よく続けていられたな、と言うのが正直なところですね。

 こうなった原因は、ひとえにマーケティングの悪さにあると思います。ウェブ系サービスの悪い点ですが、サービスを始めるだけ始めておいて、あとのコマーシャルにお金を掛けない傾向があります。いわゆる、結局いつの間にやら始まっていて、いつの間にやら終わっていたという具合に。今回のケースはそれの典型的な例でしょう。mixi等のように口コミだけで広がっていく例もありますけれど、どんなに便利なサービスでもある程度広報にお金を掛けないことには普及するはずがありません。物珍しいサービスは、始めはメディアも飛びつきますが、継続的に話題に取り上げてもらえるような施策を打つとかしないことには、このサービス方の時代に生き残るどころか、目にとめてもらうことも難しいのではないでしょうか。

 私は、このサービスについて個人的に期待はしていたのですが、このような形になってしまって非常に残念です。願わくば、同業他社が同じような事をやってくれると良いのに、とか思うのですけどね。今度はしっかりとコマーシャルに力を入れて。


Windows 7の価格が発表に Vistaよりも割安

2009-06-26 19:41:39 | PC

※追記:2009年6月27日の朝の時点で、早期予約キャンペーン対象商品のうちHome Premiumはほぼ全滅。Microsoftの直販店に至っては26日23時時点ですでに売り切れ状態。発表から一日持ちませんでした。

 マイクロソフトに取って、Vistaはすでに忘れ去りたい過去なのかもしれません。Windows 7が著しい高評価を得ている今、もっとも大事なのはこのタイミングを逃さずにWindows 7の評価をさらに上げること。

 と言うわけで、評価を上げるための重要なポイントである「販売価格」が、ついに発表されました。

「Windows 7」の価格発表、Vistaからの移行キャンペーンも開始 INTERNET Watch

 価格はすべてオープン価格だが、マイクロソフトでは各製品の参考価格を公表した。参考価格は、「Windows 7 Ultimate」が通常版3万8800円、アップグレード版2万6800円。「Windows 7 Professional」が通常版3万7800円、アップグレード版2万5800円。「Windows 7 Home Premium」が通常版2万4800円、アップグレード版1万5800円。

 単純に価格だけ見ると、どう位置づけのエディションが5,000円程度安くなっている模様。なお、Vistaと推奨スペックが変わらないためか、あの悪名高い「Vista Capable」などのキャンペーンは行われない様子。その代わりに、発売日までにVista搭載PCおよびパッケージ製品を購入した場合、3,000円でアップグレードができるという優待キャンペーンを打つとか。値段的にAppleのSnow Leopard(アップグレード29ドル)を露骨に意識したものと思われますが、購入期間限定という所が悔やまれます。

 また、個人的にはこっちの方が大注目だったのが、6月26日~7月5日の10日間に指定のオンラインショップで予約をすれば、Home Premiumが7,777円、Professionalが14,777円になる早期予約キャンペーン。こちらは誰でも対象になるもので、実に市価の半額という価格設定がウリです。ちなみに、私はすでに申し込みました。期間限定に加えて本数も限定みたいなので、気になる人はお早めに。

 正直なところ、7はVistaよりも高くなるだろうと思っていましたので、この価格設定には単純に驚きました。「Home Basicとの間を取った」という説明には納得しかけましたが、少しでも早く普及させたいという思惑が見て取れます。Home Premiumが9,800円、Professionalが19,800円とかいう価格だともっと良かったのに、とかは普通に思いますけれど、なんだかんだ言ってこれくらいがいっぱいいっぱいなんじゃないでしょうか。

 私は自作の人なので、むしろこちらの方が気がかりなDSP版の値段はまだ発表がありません。フル版のくせにアップグレード版並の金額で手に入るのが魅力ですが、今回もそうなるのでしょうか。

 さて、後は発売日が決まれば・・・元記事によれば7月7日には発表となるとか。米国では10月22日だそうですが、これまでの傾向と対策から1日遅れくらいになると予想されています、が。今になって口を閉ざしていると言うことは・・・

 果たして、Windows 7はVistaの汚名を返上し、強いマイクロソフトの名誉を挽回することができるのか。これから半年間、いろいろと楽しめそうですね。


Sugar on USBメモリ OLPCプラットフォームをあなたのPCで

2009-06-25 21:04:42 | Thinkings

 このブログで執拗に追いかけ回していた100ドルPCことOLPCですが、日本での発売は未だ無く、Windowsが走る「実用的な」ネットブックが台頭してきたことも相まって、今ではその話題もすっかり下火になってしまいました。

 一時期「古いPCの再利用」というお題目を掲げて、Windowsユーザー(主に自作界隈)の間でLinuxの「インストール」が猛烈に流行った時期がありました。現在でもubuntuなど新しいディストリビューションが出てはいるものの、大局的に見て結局は一過性のブームで終わってしまいました。

 そういう経緯がありますので、今回のニュースを見て真っ先に思ったのは「何となく懐かしい」であったりします。

“100ドルPC”をUSBに――「Sugar on a Stick」公開 ITmedia

 米Sugar Labsは6月24日、One Laptop Per Child(OLPC)に搭載されているSugarプラットフォームのUSB向けパッケージのダウンロード提供を開始した。Sugar Labsのサイトから無料でダウンロードできる。

 この「Sugar on a Stick v1 Strawberry」を1GバイトのUSBメモリにロードしてPCに接続すると、古くて性能の低いPCやNetbookなどでもSugar環境を起動できる。OLPC XO-1版もあり、秋に発売予定のXO-1.5には標準で搭載される予定だ。

 簡単に言えば、自分のPCがOLPCになるってことですかねえ。手回し発電とかがついているとはいえ、OLPCも本質的にはスタンダードなPCなのですから、そこで動いているプラットフォームが使えれば、ほぼその使い勝手を見ることができるといえるでしょう。

 本来は、学校でのOLPCの学習の後、宿題用に家でもOLPCを使えるように、という子供への配慮から作られたようですが、これまでにもあったLive CD版に比べてもお手軽ですし、OLPCに興味がありつつも手に入れられていない、もしくはちょっと試してみたい大人にも有用なパッケージですね。

 たぶん、「ちょっと試す」だけで終わりになってしまうとは思いますけれど、いわゆるWindowsライクのUIとはかなり趣の違う、独自のUIを一度試してみるのも一興かと思います。記事の向こうの話題だけで、未だに日本ではまともに触れないOLPCを触ってみる良い機会になるのではないでしょうか。


ACアダプタが無くなる日

2009-06-24 19:42:02 | Technology

 ノートPCがどんどん小さくなり、ネットブックが現れるなど、PCを持ち運ぶ事がより手軽になるにつれ、Air-Edgeのような老舗に加え、E-MobileやWiMaxなどといったモバイルデータ通信端末が大きく普及してきました。また、携帯電話やDS、PSPと言った携帯端末も世の中にあふれています。

 これらの大きな成功の影には、充電池の大幅な小型化と大容量化が上げられます。一昔前の充電池は扱いも面倒でしたし、起電力も物足りず、充電スパンも短いものでした。それに比べると、現在使われている充電池は大幅な進化を遂げ、今なお続く新製品の開発に寄与しているところです。

 しかしながら、それらを充電するため、もしくは充電池の助け無しで端末を動かすために一般的に使われているACアダプタは、ここ何年か目に見えた進歩はありません。携帯電話やゲーム機用のものはまだ本体よりやや小さい程度に収まっていますが、ノートPC用となるとそれなりにかさばる大きさです。ちなみにモバイル機器ではありませんが、XBOX360のものはネタになるくらい大きかったですね。

 そんなモバイルにとって邪魔者のACアダプタですが、今よりも劇的に小型化し、ノートPCの中に納めてしまえる日が来るかもしれません。

新型トランジスタ:電力ロス抑制、ACアダプター不要に 富士通研が小型化技術 毎日jp

 同研究所基盤技術研究所のチームは、現在シリコンで作られているトランジスタを、青色発光ダイオードにも使われている「窒化ガリウム」で作ることに成功した。窒化ガリウムは高電圧への耐性がシリコンの10倍で壊れにくく、電力ロスをシリコントランジスタの3分の1以下にできる。電極間が短くて済むため小型化も可能だ。

 この新しいトランジスタを使えば、ACアダプタがノートPCに収納できるくらい小さくなるとか。また、電力ロスが大幅に抑えられるため、交流電流を直流に変換して利用しているすべての電気機器・・・つまりデスクトップPCもサーバーも、テレビもゲーム機もエアコンも、要するに照明など一部を除いて電力効率を大きく引き上げることができると言うことです。
 電力効率が引き上げられると言うことは、それだけ消費電力が下がることが見込めますから・・・これって実は超画期的な大発明なんじゃないですか?

 とはいえ、このトランジスタの量産の問題とか、今ある電化製品の置き換えもありますので、劇的に電力が低減できる、と言うことにはならないでしょうね。しかし、この技術は、利便性と環境性を兼ね備えた実にすばらしいものなんじゃないでしょうか。一般への普及は5年以内と言うことで、できるだけ早くお目見えすることを祈りましょう。


ネットブックって安いPCじゃないの?

2009-06-23 20:08:43 | Thinkings

 相変わらず売れているみたいですね、ネットブック。私も、今のノートPCを購入する前にAspire Oneがでていたら、たぶん買っていたような気がします。今だと中古で3万円を切る機種なんてざらにありますから、ボーナスを待たずとも必要ならばサクッと買えてしまいそうな勢いです。

 二台目のモバイルマシンとして。

 そう、ここが重要なんですが、あくまでネットブックはネットを見るためのモバイルデバイス。確かにWindowsが動くフルスペックノートPCではあるのですが、いろいろと割り切りが必要なのは相変わらずです。IONプラットフォームのものは多少なりともマシになっているようですけど・・・

 と、そんなことはEeePCが日本に上陸してきたときから分かっていたことでしたが、一般ユーザーの間では未だに誤解があるみたいです。

多くの消費者がネットブックとノートPCを勘違い? 米NPD調査 INTERNET Watch

 多くの消費者が、ネットブックとノートPCの機能・性能を同程度と勘違いしているとの調査結果が22日に公表された。米大手調査会社のNPD Groupが行ったインターネット調査によるものだ。
-中略-
 この調査結果を受けて、NPD Group業界分析担当バイスプレジデントのStephen Baker氏は、「我々は、消費者がしたいと思っていることにぴったりのPCを買えるようにすべきだ」とした上で、「小売業者とメーカーは、ネットブックがノートPCの代わりになると消費者に思わせてしまう、PCに似た能力や一般的機能をあまりにも強調しすぎないようにする必要がある。その代わり、モバイル、持ち運びやすさ、コンパニオンPCの必要性などについてマーケティングし、消費者が購入したものを自分で理解し、購入したことに満足できるようにするべきだ」と、現状の販売手法の問題点を指摘している。

 アメリカでの調査ですけれど、日本でも対して変わらないでしょうね。現に、中古市場にはネットブックがあふれています。マーケティング手法も、当初EeePCが入ってくるときのキーノートからすでに間違った方向性を示唆していました。

日本だけの3大特典とは?――ASUS「Eee PC 4G-X」説明会 ITmedia

 Eee PC 4G-Xの解説を担当した同社アカウントマネージャーコンシューマープロダクト担当の謝青陵氏は、同製品を「デジタル環境やデジタル体験の世界的な格差を埋める架け橋」であり、「ビギナーでも“学ぶ”“働く”“遊ぶ”が簡単かつ手軽にできる革新的な製品」と紹介。

 うん、まあノートとは言っておらず、MIDと表現しているのですが、ビギナーにも優しいと言っている時点で甚だしくミスリードを招きますね。また、大手が差別化のためにOffce搭載モデルを続々とリリースしたのも、「安いミニノート」という認識を広めるのに一役買っていると思います。その結果、ノートPCの市場に大きく食い込むことに成功してしまった、と。

 私もEeePCを始め、ネットブックが出た当初からさんざん記事に書いてきましたが、ここまで一般ユーザーに広がるおもちゃになるとは思わなかったです。自分自身、「早く日本のベンダーもネットブックを作らないと」的な発言もありましたけど、今となって思い返せば、ネットブックが出始めたときにマーケティングの仕方を間違えたんだと思いますよ。ノートPC的なアピールが成功を収めてしまった結果、必要以上に勢いを恐れ、大手ベンダーにまでその波が広がってしまったのは完全に誤算だったんじゃないでしょうか。そのおかげで、肝心の「一台目のノートPC」の値段まで下落していくことになりましたし。その意味ではEeePC のSSD4GBモデルは、「人を選らぶ・使い方を選らぶ」と言う意味では、正しいネットブックだったのではないかと思います。

 Windows 7が控える今、今後、さらにネットブックが勢いづく可能性もありますけど、今度はもっと明確な差別化を持ってマーケティングに望んでもらいたいです。でないと、ベンダーとユーザー、双方にとって不幸なことになりますからね。


ウイルスへの危機感はまだ希薄

2009-06-22 20:27:26 | Thinkings

 新型・・・と言うにはもう時間がたっちゃいましたけど、インフルエンザの流行がまだ収まらないみたいですね。日々、感染者発見のニュースが続いており、収束まではまだしばらくかかりそうな予感です。さすがにマスクの着用者はだいぶ減ったみたいですが、やはり、健康問題とか感染症という現実的な問題には皆さん関心が高いようですね。

 ところが、これが仮想的なもの、詰まるところウイルスはウイルスでも「コンピューターウイルス」となると、とたんに関心および危機感は希薄になってしまうみたいで、こんな報告がでています。

店頭持ち込みPCのうち半数以上がウイルス感染、ヨドバシのPC診断 INTERNET Watch

 ヨドバシカメラでPC相談カウンターを運営している株式会社パステムセゾンは22日、店頭持ち込みPC約2500台のうち、半数以上がウイルスやスパイウェアに感染していたことを明らかにした。

 パステムセゾンは、PCの初期設定やトラブル診断を行うコーナー「PC DOCK」をヨドバシカメラ各店に設置しており、「100円ウイルスチェック」サービスを2008年12月から提供している。これまで約2500台のPC をチェックし、そのうちの半数以上がウイルスやスパイウェアに感染していたという。

 まず、調子が悪くなってからの店頭持ち込みである点をさっ引いても、この割合はずいぶんと高いと言えそうです。店頭持ち込みサービスを利用している事から、持ち込んだ人のPCスキルはそれほど高くないと考えられ、そのような層のユーザーの実に50%がウイルスに起因するトラブルに見舞われている=セキュリティソフトの導入や、定期的なパターンファイルの更新を行っていないと言うことが、かなり限定的ですが考えられそうです。

 一時期に比べてだいぶんセキュリティソフトの導入が進んだとはいえ、一度入れたらほったらかしになってしまって、期限が切れた後も更新を行っていないユーザーがかなりの数存在すると言うことは分かっていましたが、どうやらその比率は思ったよりもずいぶんと高そうです。企業ユーザーはさすがにそんなことはないでしょうが、個人ユーザーに対しての問題提起や改善は、現状難しそうです。
 やはり、Windowsの元締めであるマイクロソフトや、実際に回線を占有されているプロバイダや回線事業者が抜本的な改革とかPRを行って行く必要があるのかもしれませんね。すでにある実例として、フレッツ光プレミアムに契約すると、ウイルスバスターのOEM品がついてきます。NTTにとっても、ボットネットからの自己防衛の手段として、ある程度効果的なんじゃないでしょうか。

 そういう”お上”がやることはさておいて、確実に言えることは、少なくとも自分の周りの人たちだけでも、ウイルスの脅威を知ってもらい、対策を立ててもらうよう努力することは、無駄じゃないって事。ウイルス感染PCが少しでも少なくなれば自分にも利益が還ってきますからね。PCに詳しい人たち全員がやればかなりの成果が上がるはずです。・・・ウイルスバスターやノートンのライセンスが、一契約に付きなぜ三台分も存在するのか、改めて考えるときが来たようです。