Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

Exifってなんなの?

2009-02-28 23:59:59 | Technology

 最近はめっきりデジカメを使うことも少なくなってしまいまして、以前に買ったIXYもすっかり放置状態です。元々写真を撮る方じゃありませんでしたので、携帯電話でたまーに撮るくらいの写真生活を送っていますけれど、これも一眼レフとかの高級機を買えば少しは意識が変わるかな?などと、何でも形から入る私としては思っています。

 そのデジタル一眼が流行り出す少し前あたりから、デジカメ写真の画像フォーマットとして「Exif」という規格をぼちぼちと聞くようになりました。何でも、撮影画像に様々な撮影時の情報を付加できるとかで、例えばこんな製品も出てきています。

ソニー、GPSユニット新製品 単体でデジカメ写真に位置情報付加 ITmedia

 ソニーは2月26日、デジタルカメラで撮影した写真などに位置情報を付加できる「GPSユニットキット」新製品「GPS-CS3K」を3月13日に発売すると発表した。従来製品よりGPSの感度を高めたほか、メモリーカードスロットを搭載。単体で画像データにGPS情報を付加できる。1万8900円。

 一定の間隔で今いる位置座標・・・緯度と経度を記録しておくという製品ですが、撮った写真の時刻と記録してある位置座標の登録時刻を照合し、Exif情報に位置座標をまとめて追記するという使い方をします。これがあれば、その写真がいつ、どこで撮られたものかが記録に残しておけるので旅行の記憶がより思い出しやすくなりますし、資料の整理や当たりをつけるのも楽になりそうです。

 では、Exifではこのほかにどのような情報が記録できるのでしょうか?・・・と言うことで、調べてみました。

撮影日時 ・撮影機器メーカー名 ・撮影機器モデル名 ・画像全体の解像度
 水平・垂直方向の単位あたり解像度 ・撮影方向 ・シャッタースピード
絞り(F値) ・ISO感度 ・測光モード ・フラッシュの有無 ・露光補正ステップ値
焦点距離 ・色空間(カラースペース)

列挙してみると、これだけでも十分多いような気がしますけれど、実際に用意されているタグはもっとたくさんあって、もっとたくさんの情報を入れ込むことも可能です。位置情報もここにはあげられていませんよね?

 ところで、Exifのファイル拡張子はなんぞやといいますと、これが普通のJPEGなんです。確かにデジカメ写真をメモリーカードから直接読み出しても、変換無しでそのまま読めますよね。Exifというのは、あくまで「JPEGやTIFF画像に、適切に情報を付加するための統一規格」。ただ、これがあるおかげでJPEGがただの画像ファイルの次にいけたことは事実ですので、日本発の割とすごい規格なのですよ?

 これらの情報の有効な使い方としては、撮影時の状況を判断し、最適なフォトレタッチを施すというソフトウェアが存在するらしいです。また、大量の情報が付加されていることから、Exifからの情報流出を防ぐために情報を削除するソフトウェアもあるとか。・・・便利になるというのは、一長一短なんですかねぇ。


とりあえず話すきっかけを提供するサービス

2009-02-27 20:21:09 | Technology

 初対面の人と話す、というのは、ビジネスでもない限りはなかなか難しいものです。エレベーターなどの密閉空間で二人きりになったりすると、なんとなーく気まずくなったりとか。友人の結婚式の二次会で相席になったときにも、お互い気を遣って仲間内の会話までよそよそしくなったりとか。

 そういう場合でも、案外「最初の一言」を掛けることができれば、スムーズに会話できることがほとんどです。そのタイミングをとったり、話題の選択が難しく感じるだけで、多くの場合はうまくいく場合が多いわけですが・・・現実問題として、その最初の一言を切り出すのには結構な勇気が要るもの。人見知りが激しかったりするとなおさらですが、そうも言っていられない時というのは往々にしてやってきます。

 そういう状況に置かれたときに、相手に話しかける手助けをしてくれるツールが名札であったりプロフィール紹介であったりするのですけど、参加人数が多い場合ではうまく機能しないことが多いです。そんなときに、それに変わる「お手伝い」として、とある面白いツールが開発されたようです。

NECと慶大、初対面でも話しやすい空気を作り出すシステムを試作 Enterprise Watch

 日本電気株式会社(以下、NEC)は2月27日、初対面でも話しやすい雰囲気を作り出すシステム「ActiveAvatar」を試作し、慶應義塾大学と共同で有効性検証を行ったと発表した。異業種交流会やオフィスの休憩スペース、セミナーやイベント併設の懇親会などで、初対面同士のコミュニケーションを促進するという。
 ActiveAvatarは、異業種交流会などに集まった複数の参加者それぞれに「アバター(利用者の分身として表現したキャラクター)」を設定し、「名前」「属性」「トピック情報」などを自動的にディスプレイに表示するシステム。

 事前に設定しておいたアバター情報を、名札につけた端末に入力しておくと、ディスプレイに近づいたときに情報が表示されるという仕組み。例えば、趣味や好きな食べ物、最近見た映画と言った「話題になる情報」を表示させることによって、相手により多くの「とっかかり」を与えて会話を促すことができる、というものです。

 最近では異文化交流が盛んに叫ばれていますけれど・・・ビジネスの世界においてもそれは同様で、自分とは違う「得意分野」を持った人と協力していくことで、新しい何かを生み出していくという、いわゆるコラボレーションが日常的に行われています。ただ、他分野の人とコミュニケーションをとるときには、やはり何らかの壁を感じるということはあるでしょう。別に文系と理系という大まかな違いだけでなく、同じ理系でも、ハードウェア屋とソフトウェア屋でも違いますし、ソフト屋の中でも、ウェブとローカルではまた違うわけです。そういう人たちが集まる場において、仕事の話も重要ですけれど、まずコミュニケーションが活発とられなければ前提すら気づくことができませんから、こういうコミュニケーション支援ツールが活躍する場というのは、今後ますます多くなってくると思うのです。

 ・・・まあ、ビジネスの場だけではなくて、「合コンでとりあえず使わせてくれよ。話はそれからだ」ということが真っ先に浮かんだのは言うまでもありませんが。


モバイルWiMAXサービス、新たにスタート

2009-02-26 20:27:05 | Technology

 今、流行ってますよね、E MOBILE。もちろんそれだけではなくて、DocomoもauもSoftbankも・・・もちろんWILLCOMもですけど、モバイル用途のデータ通信サービスが広く普及してきました。E Mobileはその中でも、自社製の端末だけでなく、他社製のPCにも値引き・・・というか分割支払いを肩代わりして初期投資を低く抑えることで、大きな存在感を示しているところ。これまで携帯電話やスマートフォンが中心的だったモバイルでのネット利用に一石を投じる形になっています。

 そして、もう一つ。今までに紹介してきた「携帯電話規格の延長」ではなく、これまでも来るぞ来るぞと言われながらも一向に来なかった通信規格が、ついに本格的な始動を迎えたようです。

「UQ WiMAX」スタート、ノートPC内蔵型も7月登場 ITmedia

 モバイルWiMAX(IEEE802.16e)技術を用いる高速モバイルデータ通信サービス「UQ WiMAX」が2月26日に開始。サービスを展開するUQコミュニケーションズのほか、主要株主や総務省の石崎岳副大臣らが集い、UQ WiMAXの開通イベントを行った。

 UQ WiMAXは下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの高速通信と月額4480円(2009年7月1日に商用サービス開始)の定額料金を特徴とするモバイルデータ通信サービス。当初はUSB、PCカード、ExpressCard型の計4機種で、東京23区と神奈川県横浜市と川崎市の一部エリア(2月 26日現在)を対象に展開する。サービスエリアは2009年7月に東名阪、2009年度末に政令指定都市まで拡大し、2012年末に人口カバー率90%の実現を計画する。

 今回の立ち上げでは、とりあえず都市部、しかもMobile WiMAXということで、E Mobileを始めとする携帯電話陣営と真っ向から対立する形になります。

 ・・・ところで、WiMAXとMobile WiMAXってそもそも規格から違うというか・・・同じWiMAXという名前がついていても全然別ものってご存じでした?私は恥ずかしながら今回調べて初めて知りました。・・・いや、もしかしたら以前にも読んでいて、忘れていただけかもしれませんけど。何でも、今の光やADSL、ISDN、ケーブルと同じように、固定機器向けの規格が無印のWiMAXでIEEE 802.16-2004。で、ノートPCやPDAと言った移動体向けの規格がMobile WiMAXでIEEE 802.16eらしいですよ。今回の立ち上げは後者ですね。

 田舎の方にも光が普及しつつある日本において、無印のWiMAXの普及は難しいみたいです。今回のUQ WiMAXにしても、首都圏の次は政令指定都市という手っ取り早く人口カバー率を稼げるところから普及して行くみたいですし。
 しかしながら、山奥やほんのちょっと運の悪かった地域では、未だにISDNしか固定回線を引けないと言うところはずいぶんあるわけで、その地域に向けてE Mobileや今回のUQ WiMAXという高速通信規格は救いの手になるはず。固定向けではなくてモバイル向けですけれど、下り5Mbpsで4980円固定なら、十分に固定向けの代わりになるでしょう。ですから、今回のUQ WiMAXにしても、自治体等を巻き込んで過疎地などのデジタルディバイドを少しでも解消する方向で動いた方が、より意義があると思うわけです。

 元々総務省も噛んでいる訳ですから、道路を造るのもいいですが、こっちにもよりお金を使って欲しいモノですね。


やっぱりバンドルソフトは強いという話

2009-02-25 20:50:08 | Weblog

 例えば、私が日常的に使っているPCのソフトウェアの中で、PCにバンドルされてきたモノと言えばせいぜいExploreくらい・・・というは私が使っているのが自作マシンで、そもそもプリインストールソフトが何一つ無い状態だったため。ただ、Windowsそのものについているソフトウェアにしても、せいぜいそれくらいしか日常的に使っていないのは本当のところです。
 ただ、富士通やNECといったメーカー製PCを買ったとしても、バンドルソフトは使いにくかったり必要なかったりする場合がほとんどなので、使わないか即刻アンインストールするのが常。メーカー製PCを買ってまず最初にすることはクリーンインストールだ、と言ってはばからない人もいますからね-。

 とはいえ、それはある程度詳しかったり、元々使いやすいソフトウェアを「知っている」場合のやり方であり、決して一般的とは言えないみたいです。

メールソフトを選んだ理由「最初から入っていた」が女性で過半数 INTERBET Watch

 現在利用しているメールソフト(複数回答)で最も多かったのは、「Outlook Express/Windows Mail」の40.1%だった。以下は「Outlook」20.0%、「Becky!」16.0%、「Mozilla Thunderbird」13.9%、「Apple Mail」4.6%、「EdMax」4.4%、「Shuriken」2.8%、「Eudora」2.6%、「秀丸メール(旧・鶴亀メール)」2.1%、「Opera」1.9%、その他が16.0%。
 現在利用しているメールソフトを選んだ理由(複数回答)は、「最初からPCに入っていたから」が最も多く全体の41.3%で、次いで「無料だから」が38.7%、「仕事での利用で慣れているから」が20.2%、「インターネット上での評価が高かったから」が17.6%、その他が13.0%。

 やっぱり最初から入っているソフトというのは、「インストール手順が減る」だけでも魅力的ってことなんでしょうね。また、無料だからという理由も上位を占めていますし、男性だけだと一位みたいですけれど、バンドルソフトにしても追加投資無しで利用できるわけですから、そういう意味でも魅力的なんでしょうね。

 いや、魅力的というか、「選択肢が無い」と言うことなのかもしれません。OutlookやWindows Mailなら最初から入っているし、ウェブ上にも書籍でも資料はたくさんありますからね。ユーザーも多いから人にも聞けますし。そう考えると、逆にここにあがっているそのほかのソフトウェアは大健闘していると言えるのではないでしょうか?個人的にはShurikenが意外にも大きなシェアを持っていることにはおどろきました。そして、Thunderbirdをしのいでシェアを獲得しているBecky!にも。

 ブラウザ上で扱えるメールサービスが増えている中、これからメールソフト自体の扱いがどう変わっていくかも注目ですが、意外にもばらけているメールソフトの使用状況も又注目に値するのではないでしょうか?日常的に使うソフトですから、ブラウザの次の戦争の駒として、Microsoftとそれ以外の戦いが今後激化していくかもしれませんね。


USBメモリでソフトウェア提供 JustSystemも参入

2009-02-24 19:23:10 | Thinkings

 近頃、コンビニエンスストアの店先でよく見かける白っぽいパッケージ。大きさはA6位の紙箱で、雑誌の棚の前あたりにぶら下がっていることが多いです。
 なんのことを言っているかと言えば、ソースネクストが販売しているUSBメモリ入りのソフトウェアの話です。思ったよりもずっと、すんなりと普及しましたね。今までUSBメモリを買ったときに、ちょっとしたサポートユーティリティが入っているというのはよくあったんですけれど、USBメモリをメディアとして扱うというのは珍しかったので発売当初は大きな話題になりましたが、今ではPCショップやショッピングモールの中の電気店でも陳列棚をよく見かけるようになりました。

 ネットブックが普及しだしてから、CDを媒体にしたソフトウェアは確かに導入に障壁がありますから、ネット決済をしたくない層にとってはありがたい存在でしょうね。

 その波に乗るかのように、一太郎を有するジャストシステムも、自社のソフトウェアの媒体にUSBメモリを使った製品をリリースし始めたようです。

「ATOK 2009 for Windows」などのUSBメモリ版を4月2日発売 INTERNET Watch

 ジャストシステムは、光学ドライブを搭載しないネットブック/UMPCでも手軽にインストールできるように、ソフトをUSBメモリ(2GB)に収録した製品を4月2日に発売する。ラインナップは、「ATOK 2009 for Windows ミニPC」「Kaspersky Internet Security 2009 優待版 ミニPC」「JustSystems ミニPCパック」の3製品で、各製品とも3000本限定で販売する。

 ただ、一太郎を有すると書きましたが、今回のラインナップには一太郎は入っていません。ATOKにKaspersky、そしてそれら二つにメーラーのShurikenをプラスしたミニPCパックの3ラインナップで、値段を見る限りではミニPCパックがとにかく安いという印象です。ATOKは、一年間の利用権+USBメモリ分というそのままな価格で、特に価格面での優位性は認められません。

 ミニPCでこれらのソフトウェアが必要か?と問われれば、ミニPCだからこそ必要なものである・・・と言えなくもないです。母艦よりも打ちにくいキーボードで少しでも快適に入力をするためとか、ネットメインのミニPCだから動作の軽いセキュリティースイートは必須、と言った具合ですね。そういう風に考えれば、ジャストシステムが一太郎をラインナップに入れてこなかった理由が見えてきます。

 今後、店頭売りのパッケージソフトウェアは衰退を続けていくと思われます。今回のように、CDでの導入が難しいネットブック向けにUSBメモリで売るという機転もあると思いますけれど、そういう需要が今後も続くというのは正直考えにくいですから。今後は、ネット決済をより安全に、お手軽に行う方法を模索して行かなくては、パッケージソフトウェアメインの会社はつらくなっていくのではないでしょうか。


持ち方認識で機能を選択 

2009-02-22 20:02:39 | Technology

 今、私の机の上には、液晶画面がついた四角い機械が置いてあります。これは今、液晶画面に気温を表示しているのですけれど、どの面を上にして使うかによって、カレンダー表示、タイマー、アラームなどの機能が切り替わるようになっています。いわゆる排他選択式の多機能デバイスですね。実際のところ、時計と気温は同時に知りたい、もしくは切り替えるのが面倒な場合も多いわけでそこまで使えるガジェットでもないですが、置き方によって機能を選択するというのは結構面白いアプローチだと思います。

 置き方ではないですが、様々なガジェットにはそれとなりの”持ち方”というものがあります。例えば通話時の携帯電話なら、後ろからかぶせるように持って立て、顔の横に持っていきます。画像・動画ビューワーは横から後ろを支えるようにして斜めに構えますし、ボイスレコーダーならマイクを持つように握り込むでしょう。最近の携帯電話のように多機能なガジェットについて、メニューから機能を選択するのではなく、持ち方によって自然に機能を選択”させる”という研究のレポートが報告されています。

多機能ガジェットをシンプルに使う「持ち方認識」技術 engadget

MIT Media LabのBrandon Taylor氏が考えたのは、持ち方認識という方法です。氏は「棒石鹸」と名付けた、表裏にディスプレイとセンサを持つガジェットを自作。「棒石鹸」をカメラ、携帯電話、音楽プレーヤと見立てた場合に、それぞれ被験者がどのように持つかを計測する実験をおこないました。用いたセンサは指の位置を認識するものが72個、そしてガジェットの動きを三次元で認識する加速度計が1つ。実験で得られた13人分の持ち方データを学習することで、持ち方によって機能を切り替えるガジェットが設計できる、という目論見です。

 つまり、何人かの使用方法のデータをとって最適化すれば、持ち方での機能選択を行える、全部入りのモバイルガジェットができるのではないかということだったんですが・・・非常にバッドなことに、この持ち方というのは個人差が大きく、すべての人に満足がいく精度で共通化することは難しいと言うことらしいんです。つまり、急ぎの電話に出ようと思ったらご認識されてボイスレコーダーが起動して余計な会話を録音してしまったとか、ここぞと言うときにカメラを使おうと思ったら、画面には音楽再生のリストが表示されてしまってシャッターチャンスを逃した・・・ということが考えられるわけですね。

 ただ、自分のiPod touchの使い方から考えると、状況に応じて適切な使い方を選択してくれるガジェットというのは非常に面白いし、便利そうなアイテムです。できれば、今後も研究を重ねて是非とも市場に出して欲しいところ。シーマンの音声認識の時もそうでしたが、人間の方が案外使い方に慣れてしまうものですよ?


ミニノートはノートPCからシェアを奪えたのか?

2009-02-21 19:31:36 | PC

 Eee PCが市場に登場して早一年。参入メーカーも多くなってきたこの時期、そろそろ具体的な結果が見えてくるものがあります。それは、

「果たしてミニノートPCはどれくらい売れているのか」

ということ。とはいえ、販売台数を単純に出したとしても、前例がない市場のことですから正直なところあんまり参考になりません。それよりも、もっと簡単なところで、「ノートPCからどれくらい市場を奪えたのか」というレポートが出ています。

 ミニノートはノートPCと食い合うか? ITmedia

 従来のノートPCがNetbookに奪われた市場シェアは、「多くの人が心配しているよりはずっと少ない――10~15%かもしれない」とシム氏は考えている。

 この数字に対しての感じ方は人それぞれでしょうが、ネット界隈および業界の参入速度、店の売り場面積等を鑑みたときに、この程度で済んでいるというのが大方の見方ではないでしょうか?

 元々、ネットブックはノートPCの「サブセット」として生み出された、という見方もあながち間違いではないでしょう。その名の通り、ノートPCからネットができるだけの能力を「切り出して」まとめている訳です。ですから、画面の解像度は低いし、CPU、記憶装置の性能も低く抑えられてきました。当初のEee PCなどはそれが非常に顕著で、今のハイエンドケータイ並みの画面解像度と記憶容量で、Windowsのサービスパックを入れたらいっぱいいっぱいという状態だったのはよく知られているところ。

 しかしながら、多くの人・・・主にライトユーザーが思い描くのはもっと別の、「安いフルWindows機」というイメージ。となると、使い勝手としてはOfficeやその他のアプリケーションを使えるように小容量のSSDではなく、HDDを搭載。画面解像度もより作業効率が上がるように横幅を広く・・・等という改変を行った結果、今現在売られているネットブックは、サイズこそ一回り小さいものの、従来のサブノートの劣化版といえる程度にスペックをあげ、同時に「相対的に」価格も上がりました。

 この相対的にというのは、ネットブックとまさに食い合うローエンドノートPCの価格が下がってきたからです。ネットブックの高機能化に伴い、従来のローエンドとスペック的にかぶる部分も必然的に多くなり、価格が接近してきたのです。となると、据え置きで使うというライトユーザーの一般的な用途の場合、あと1万円出してローエンドのノートPCを買った方が満足感が高い・・・という話になるのです。

 しかしながら、このような動向はノートPCに対して決してよいものではありません。大きくシェアをとられていない代わりに、価格の下落によって売り上げ自体は低下することになるからです。そして、ネットブックが作ってしまった「ノートPCの相場」を崩すことは現在の経済状況から見てもやはり容易ではなく、今後、長く尾を引くことになりそうです。

 私はいま、ベッドサイドで使うサブマシンとしてネットブックの導入を検討しているところですが、そういう局地的な使用をするサブマシンとして適切にマーケティングを行ってこれば、市場に与える影響もより小さくなりこのような状況にはならなかったはず。Eee PCが出てきたときに、販売側もマスコミもユーザー側でさえも、なにか「何でもできる」ような気がしてしまった、もしくは過剰な期待を掛けすぎてしまったのが今の現状を作り出してしまったんでしょうね。

 Windows 7の出現を節目に、ネットブックに対して、エディションの関係で大きな制限がかかる可能性も出てきましたから、今後はもうちょっと改善されるかもしれませんが・・・すべてはWindowsXPシンドロームから抜け出せてからに持ち越しでしょうかね。


みんなの”IME”

2009-02-20 23:09:35 | Technology

 私はMS IMEがどうにも苦手で、家のPCではここ何年もATOKを使い続けています・・・ということは以前にも書きました。月額版が始まったときに速攻で一年分の更新料を振り込んで、今はその恩恵を授かっています。

 さて、元々長文を書くことが多いことからIMEには常々興味がありまして、今回ネットニュースに取り上げられたSocial IMEも当然注目することになったのですが・・・

「キタ━━(゜∀゜)━━!! 」も登録済み、慶応大がユーザー参加型IMEを開発 ITpro

 「Social IME」は、多くのユーザーが単語を登録して作り上げた変換辞書をネットワークで共有。従来の辞書にななかったような芸能人名、漫画の名前、テレビ番組、新語などの変換がスムーズにできるという。

 なんでも、ウェブ上に全ユーザーが使える単一の辞書を持つことにより、これまでのIMEとは桁違いの登録単語を利用できるのが魅力となっています。例えば、顔文字や話題の人名といった、時事要素の強いものやネット上で使われる言い回しといった特殊な表現にもいち早く対応できるのが強み。Apple iTunesのCDデータベースみたいに、インディーズのCDでも”他の誰かが”登録しておいてくれるので曲名が入る、という感覚に近いでしょうか。

 もう一つは、ウェブ上の言い回しや単語の使用頻度を収集することで、変換候補に生かしているというところもエポックです。想定されている使い方として予測変換があるのですが、いわゆる、携帯電話方式の変換方法です。ある程度文字を打ち込むと、その文字で始まる変換候補が並ぶというやり方です。ものとしては単文節変換メインで使っていく感じで、短い言葉を打ち込んで変換していくというスタイルに一番合致していると思います。このあたりも携帯電話的ですね。ただ、ある程度長さの文章にも対応し、打ち込んでいくと割と正確な変換候補を選び出してくれます。

 ということで、こういうすぐに試せるものを、使わずに批評するのはフェアじゃないと思いますので、オフィシャルページからダウンロードして早速試してみました。

Social IME

 はっきり言います。現時点では使い物になりません。全然問題外です。MS IMEの方が100倍マシ。

 実は、ITproの引用のすぐ後の文章から使い始めたのですが、最初の三行を打ち終わる前に挫折しました。というのも、最大のウリである予測変換をONにすると、変換候補が出現するまでに数秒間待たされるのです。また、予測候補から適切な単語を選ぶ時にも、わざわざカーソルキー下を押して選択していく必要があります。スペースキーを押すと予測変換から通常の文節変換にシフトするんですよね・・・。

 ちなみに、この「変換候補が出現するまでに待たされる」ということについて、公式のQ&Aには、

通常の環境では0.1秒以内で変換する事ができます。あまりに遅い場合には、ネットワーク環境に問題がある可能性があります。また、プロキシは基本的に対応していません。

という回答がありました。テスト環境のネット接続はNTTのフレッツ光プレミアムで、実行速度は87M出ているのですが・・・それでネットワーク環境に問題があるというのなら、ADSL1.5MプランやAirH"はどうなるというのでしょうね?

追記:テスト時点ではニュースサイトに掲載されたことで大量のアクセスがあった模様。負荷が軽い場合はもう少し快適かと思われる。しかし、公開当初から「重い」という指摘はあるようで、ローカルの辞書に比べるとレスポンスが悪いというのは間違いない様子。

 とにかく、思考が中断される予測変換の待ち時間に加えて、候補選択の煩わしさ、余計なおまけがついてくると言った候補選択まずさが合わさって、全体的にもっさりとした動作で文章を打っていくことになり、非常にストレスがたまります。この、文章を打ってからのラグ込みで考えたときに、変換効率21%アップという売り文句はとうてい信じがたいです。個人的な感想だと60%減くらいじゃないでしょうか。それとも、テストに使った文章が、よっぽどネットスラングや固有名詞が頻出するような「普通の辞書には圧倒的に不利な条件が含まれているもの」ということならば別ですが。

 今後、サーバーが増強されて、もう少しタイムラグが少なくなるならばまだ考慮の余地があがるかもしれませんが・・・とりあえず今の時点では使う価値無し、と私は判断します。タイピングスピードについてこれない時点で、まず失格。そして、連文節を一発で第一候補に変換してくれないという使い勝手の時点でまた失格です。キーボードに慣れておらず、入力がおぼつかない段階では話は別ですが、ある程度の速度で入力ができる用になった場合はMS IMEの方が遙かに使いやすくなることでしょう。

 ・・・こういう入力にダイレクトに繁栄するものの場合、やはりローカルに辞書を置いてレスポンスを大事にした方が良いと思います。しばらくはATOKで安定でしょうねえ。


”自作なら”XPは年内中買えるかも

2009-02-19 20:01:32 | PC

 ビジネスユースでは、今でも圧倒的人気を誇るXP。個人ユースでもVistaを使いたくない人には根強い需要があるようです。・・・そんなに悪くないんですけどね、Vistaも。

 Windows7を控えたこの時期に、不慮の事故やHDDや電源の寿命といった要因でPCにお別れを告げる場合もあると思います。また、急に一台PCが必要になるときもあるでしょう。そんなときに悩ましいのがOSの選択です。これまで使い慣れてきたXPを継続して使っていくか、どうせ買うなら新しいVistaにするか。値段的にもそう変わらないですし、次のOSがすぐに出てくる可能性のある微妙な時期ですので、なおのこと難しい問題です。

 しかしながら、店頭で売られているメーカー製PCは、ネットブック以外はほとんどVistaに入れ替わってしまっていますので、XPの選択肢は非常に少ないのが現状です。となると、現行のスペックを持ったPC+OSを一度に手に入れるには、個別にパーツをそろえて自作というのが手っ取り早そうですが・・・

 果たして、自作パーツショップではいつ頃までXPを買うことができるのでしょうか?

Windows XPはいつまで普通に買えるのか? AKIBA PC Hotline!

 まず結論からいくと、「少なくとも、数ヵ月は普通に買えるのでは?」という状況だ。

 長いショップで「売れ行き次第だが、おそらくGW明け~秋まで売れる量の在庫がある」と話すほか、「店頭在庫は3月くらいまで」と話す短めのショップでも「二次代理店の在庫があるため、発注すればすぐに入荷してくる」という。

 というわけで、年内くらいなら何とか普通に手に入るのではないか、というが元記事の予想です。確かに、今でもWindows2000等を買おうと思えば買えないことは無いですしね。サポート切れてますが。

 とはいえ、XPにしても通常のサポートは2009年4月までで終了となり、今後、一般向けには2014年までのセキュリティ更新プログラムのみの提供になります。バージョンアップサービスやSP4以降のサービスパックの提供はありませんので、今XPを買うメリットはあんまり無いと思うのですが・・・それでもVistaよりマシと思うなら止めませんけど。

 マイクロソフト的にはWindows7にさっさと移行して欲しいというのが本音でしょう。ただ、メーカーの予想よりも世間様のOS移行の速度はかなり鈍く、Vistaという苦い例もそうですけれど、Windows98が予想外に長く使われていたことも記憶に新しいです。POSレジなどの組み込み限定で、ごく最近までWindows3.1ファミリが使われていたというものもありましたし。

 意外と長いOSのライフタイムですが、果たしてXPは後何年くらいインターネット上に存在するんでしょうね?


携帯電話の充電器を統一・・・ただし海外

2009-02-18 20:14:40 | Thinkings

 いざというときに、キャリアが合わずに充電器を借りられなかったり、店で売れ残っている自分の使っているキャリアの充電器だけがやけに高かったり・・・いざというときというのは、もちろん携帯電話の充電が切れたときの話ですが、そんなに数があるわけでもない携帯電話のキャリアごとに充電器の端子が違うというのはやっぱりおかしいと思う次第です。そのくせ、どのキャリアの機種でもUSB端子直差しで充電できるんですよね。

 例えば、日本の3社で協定を結んで、携帯電話の充電端子を統一してくれたなら、充電器の買い換えを相当減らるし、借りるときや購入するときに間違わなくて良いわけですよ。

 そういう事情は海外でも同じみたいで、業界団体が充電用端子の統一に向けて動き出しているみたいです。

GSMA、2012年までに携帯電話の充電規格を統一 ITmedia

 携帯通信事業者の業界団体GSM Association(GSMA)と大手モバイル通信事業者17社は2月17日、携帯電話の充電器と充電器コネクターの規格統一を目指すと発表した。充電器の規格を統一することで、重複する推定5万1000トン分の充電器の削減を目指す。また省エネ効果の高い充電器の普及により、待機時の電力消費量を最高50%削減できるという。

 ちなみに採用される端子形状は、Micro USBになるとか。カメラやPSP、PS3のコントローラーといった小型機器に採用されている非常に一般的な規格です。これが普及したならば、様々な接続ケーブルがそのまま携帯のUSB充電ケーブルになりますし、通信用にもそのまま使えそうですね。

 残念なことに、今回の規格統一へ賛同を表明しているメーカーのうち、日本でも大きく展開しているのはSony Ericssonのみ。もっとも、現在の携帯電話の充電端子も、それまで端末メーカーごとにばらばらだったものをDocomo、au、SoftBankが各キャリアごとにまとめてきたという経緯がありますから、日本の場合はなかなか統一は難しいかもしれませんね。

 何でもそうですが、充電器のような単機能かつ各機器に共通して使われるものを統一することは、環境付加的もユーザービリティ的にも大変有効だと思います。ですので、こういう試みは携帯電話以外でも是非いろいろとやっていただきたいと思うわけです。できればノートPCのACアダプタを統一してもらいたいものですが、そこまで無茶は言いません。
 ・・・例えば、DSとPSPのACアダプタを統一してみたりとか。