Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

コマンドラインをブラウザで復権させる試み

2008-08-31 20:48:18 | Technology

 コマンドラインというと、正直ピンと来ない方が多くなってしまったことでしょう。Windowsが普及してからPCに触りだした人にとって、よっぽどの緊急事態にしか触ることのない「レトロな操作方法」とみられても仕方がないですからね。逆に、Windows以前からPCを使っている人にとっては、真っ暗な文字だけの画面で、コマンドをキーボードから打ち込んで操作するコンソールスタイルはなじみ深いものでしょう。・・・私はすっかりGUIに飼い慣らされてしまいましたがね。

 コマンドライン入力方式というヤツは、なれてしまうと意外に便利。必要なコマンドさえ覚えてしまえば、キーボードの打鍵だけで素早く目的の操作が行えるようになるのですから、ネットワーク診断などは個別のツールを使うよりもこちらの方が楽で速いと思います。ただ、ファイルのコピーやフォルダの作成などは、複雑化しがちなフォルダ構成も相まって、今ではGUIの方が速いし楽でしょう。
 ですから、一般的な用途に関しては、コマンドライン入力方式を選択するメリットは薄くなりがちで、滅多なことではコマンドプロンプトも開かれることは無くなってしまいました。

 しかるべき場所で、しかるべき方法を採れば大変便利に使えるコマンドライン。それを今の利用シーンの中で、効果的に生かせる場所はどこか?Mozilaが出したのは「ブラウザ」で、しかも普段使いの中に組み込むことでした。

 ブラウザの新境地? Ubiquityが変える衝撃のブラウザ体験 ITmedia

Ubiquityはブラウザ上でのありとあらゆる操作をスマートにこなせるようにしてくれる、超強力なコマンドラインツールです。

 何はともあれ、元ネタ中のビデオを見てもらうのが一番速いですけれど、例えばGoogle検索や天気情報、地図と言ったブラウザを使う上での用件を、コマンドラインで使用できるようにするツールです。別に数クリックで済むような事ばかり、と思われるかも知れませんが、おもしろいのはコマンドを自分で作成できるところ。
 例えば、ニコニコ動画を検索するコマンドはこんな感じ。

makeSearchCommand({
  name: "niconico_douga",
  url: "http://www.nicovideo.jp/search/{QUERY}",
  icon: "/favicon.ico",
  description: "ニコニコ動画を検索します。",
});

 サンプルをいじってちょろっと作ってみたんですけれど、思った以上に簡単でした。使用するときはこんな風に打ちます。

 niconico_douga 検索語

実際にはオートコンプリートがついているので、コマンドの重複がなければ「ni 検索語」くらいの入力でも対応できてしまいます。各サイトが提供しているAPIにも対応していますので、うまく使えば結構複雑な処理もワンコマンドで使えるようになります。自分でコマンドを充実させていけば、とんでもなく強力なランチャとして活用できそうです。

 フォルダの階層やシステムなど、OSが複雑化の一途をたどった結果、コマンドラインは完全にGUIの陰に隠れてしまいました。しかし、「検索」が使用の軸になっているインターネットでの使用は、思った以上に「はまった」利用法に思えます。タブやマウスジェスチャに続く、新たな標準機能として根付いていく可能性も否定できませんが・・・やはり、キーボードメインの使用やコマンドの自作など、GUIから入った人にとっては非常に敷居の高いプラグインだと思います。マウスの方がボタンが少なかったり、画面で直接指定するなど取っつきやすいですし、コマンドと聞くだけでアレルギーを起こしてしまう人もいるでしょう。Ctrl+Cなどのショートカットですら、広く使われているとは言えないのですからね。

 そんなわけで、このまま大々的に普及とはならないでしょうが、使いこなせるならこれほど便利なツールもありません。私はFirefoxはサブで使っていますので、できれば、IEやSleipnirでもプラグイン実装してくれないもんですかねえ。


タイムカプセルで未来に情報を残すには?

2008-08-30 22:37:10 | Thinkings

 タイムカプセル、大概の人は一度くらい埋めたことがあると思います。私も10歳の頃と、後二回くらい埋めましたが・・・アレ、二十歳の時に掘り出すのではなかったかな?埋めたことをみんなに忘れられてるのか、私だけハブられているのか・・・前者だと信じたいものですが。

 さて、そのタイムカプセル、何を埋めたか覚えてます?・・・私はさっぱり覚えていませんが、その頃のもっともポピュラーな情報保存媒体は紙でしたし、そもそも学校でのイベントでしたので、作文かなんかを原稿用紙に書いて入れているのではと思われます。書いてある内容は・・・何でしょうね?知りたいような、そのままそっとしておきたいような・・・

 現在では、一般市民が扱えるデータ、メディアともに大幅な進化をとげ、何も紙でなくても情報が遺せる時代になりました。と言うわけで、タイムカプセルに入れるメディアについても、色々と選択肢が生まれたわけです。そこでこんな議論がスラッシュドットで出ているのですが・・・

タイムカプセルに入れるメディア、何がおすすめ? Slashdot

タイムカプセルは鋼製で、溶接して容器を密閉し、25年間地中に埋められる予定とのこと。本家タレコミ人はデータの保存方法として「CDとCD-ROMドライヴをカプセルに入れて、IDEが25年後にも健在であることを祈る」案や、その他DVDやハードディスク、USBドライヴなどを検討したとのこと。しかしどの案にも短所がある上、25年後にその技術自体が廃れている可能性も大いにあると心配している。

 ネタ記事を読んでもらうと色々な意見があっておもしろいですが、25年という微妙な期間が話に多様性をもたらしているようです。出ている意見としては、CD-R、USBメモリと言った意見から、紙、QRコード、木簡、タイル、マイクロフィルム、ゴールデンディスクなど様々ですが、「10年ならまだ良いが、25年だと再生機器の規格が変わってしまい、機器が保存されていないかもしれない」「メディアが25年の耐用年数を持っているか」というところがデジタル保存メディアの不安点みたいです。

 私は、一年くらい前に埋めたタイムカプセルには、声と写真を記録したCD-Rを入れておきました。10年後に掘り返す予定でしたし、これまでの20年以上にわたって使われてきた12cm光ディスクという規格が、今後10年で廃れるとは考えにくかったからです。保存方式は変わったとしても、下位互換で読み出せるに違いないでしょうから。
 25年だとちょっと不安ですけれど、今現在において一般に普及している保存メディア、CD-R、USBメモリ、SDカードの三種類に、プリントアウトした紙束を付けて入れておくのが安心できるのではないかというのが私の意見です。・・・無理に再生しようとせず、紙束をめくって満足してしまいそうですけれどね。

 タイムカプセル、考えてみればなかなかおもしろいイベントですよね。25年とはいかずとも、5年後、10年後に向けて何か残しておくというのは、週末の家族の団らんには良いアイデアかも知れませんね。


ネットサービスに全部任せる危うさ

2008-08-29 20:56:56 | Thinkings

 最近雷が多いです。中部圏では毎日のようにゴロゴロ鳴ってくれて、本当に怖くてたまりません。子供の頃は「本能から来る光と音への畏怖」がメインでした。しかしながら、今は「電化製品へのダメージ」が本当に恐ろしいです。

 特に、私の部屋はPCやネットワーク機器、モデムに10mクラスのケーブル、テレビやゲーム機など電子機器の見本市みたいな状態になってますので、雷が直撃したらウン十万単位で損害が出ることに・・・冗談じゃありません。直撃はしないまでも、近くに落ちるとケーブル内に誘導電流が発生し、ネットワーク機器に障害がでる事もあるとか。何にせよ、せめてタップくらいはサージ対応にしておきたいものです。

 さて、昨晩床につこうとしたところ、強烈な光と大音響が窓側から聞こえ、家がふるえました。どうやらごく近くに落ちた模様。停電はしていませんでしたのでそのまま寝入ってしまったのですが・・・
 朝になってみると、ケーブルテレビとネットが使えない・・・!モデムなどを再起動しても全然ダメで、「こりゃあ逝ったな・・・」とあきらめ気味で仕事に出ました。「フレッツでモデム交換すると、休日挟むから火曜ぐらいになるかなあ」などと今後の事を考えながら、帰宅してから宅内LAN回線とつながっている機器のチェックをしていたのですが・・・どうもおかしい。Vistaの天気ジェットが情報を拾ってきてる。まさかと思い、あわててブラウザを立ち上げると復旧していました。ケーブルテレビがダメだったんで、ネットワークもダメかと思っていたんですけれど、どうやら朝の内はNTTのサーバーがダウンしていたらしい、と勝手に納得することにしました。

 このネットが使えないという状況下でPC使用シーンを色々と考えていたのですが・・・いやもう、シャレにならないですね。如何に今のPC生活がネットに依存しているか、思い知った次第です。そう考えたときに、思い当たったのはこんな記事。

「Gmail障害」で浮き彫りになった、無料サービスを業務利用することのリスク COMPUTERWORLD.jp

 3度目となる今回の障害も、過去2回と同様、ユーザーが自身のGmailアカウントから閉め出されるログイン・エラーとして発生した。今回は、24時間以上にわたりアカウントにアクセスできないユーザーもいた。

 記事自体は雷などによるネット障害とは関係なくGoogle自身の問題ですが、本質的には「つながらなければ同じ事」。外部のネットワークサービスに依存していた場合、内的、外的、ハードウェア的、ソフトウェア的に関わらず、ネットワーク障害が起きた瞬間に、エンドユーザーにはなすすべが無くなります。そこに元気に動いているPCがあるにもかかわらず、です。

 確かに、ネットワークサービスは便利ですけれど、こういう事態に直面したときに危機管理の必要性を強く感じてしまいます。もしも仕事で使っていたならば、復旧までの間は完全に業務が止まってしまうわけですから・・・

 メールなどはまだ分かるとして、業務アプリケーションはやはりスタンドアロンのネイティブアプリがいいと改めて思った次第です。バックアップという選択肢ならば、ネットワークサービスも視野にはいるのですけれどね。


より「わかりやすく」 Windows XPの海賊版チェック

2008-08-28 20:15:25 | PC

 ソフトウェアの海賊版の被害をもっとも受けている企業と言えば、間違いなくMicrosoftでしょう。様々なソフトウェアのプラットフォームとなるWindowsは、その高い汎用性と機能から世界中でのディファクトスタンダードの地位を手に入れていますが、それ故に、ワールドワイドで海賊版の標的となっています。

 今はある程度改善されたかどうかは分かりませんが、中国においては海賊版の使用が当たり前。正規版を買おうとすると怪訝な目で見られたという逸話があるくらいのモラルハザードっぷりですが、その状況が続いているならば、ある日突然、真っ黒な画面がオフィスに並ぶ事になりそうです。

Windows XPの海賊版チェック,Professional版は目立つ警告表示に変更 ITpro

 新版は,従来通りMicrosoft Updateなどのソフト更新時にインストールされ,パソコン上のWindows XPが正規品かどうか検査する。従来と異なるのはProfessional版が正規品と認められなかったときだ。この場合,次回ログオン時にデスクトップを黒一色に変えると同時に,正規品検査をパスしなかったことを警告する画像をシステム・トレイの上に表示し続ける。

 これまでの、IE7やMediaPlayerの新しいバージョンがダウンロードできないと言う物に比べれば、見た目にもわかりやすく、且つ実効性も高い対策だと思われますが、何故Microsoftは、アップデートの完全停止や使用停止をかけないのかが疑問と言えば疑問ですが、こう考えてみました。

 海賊版へのアップデートを停止してしまうと、セキュリティホールを残したままネットワークに繋がれているコンピューターが誕生することになります。新たなボットネット候補を放置すると言うことは、海賊版ユーザーだけでなく、Microsoftの正規ユーザーにまで脅威をまき散らす事に他なりません。ネットワーク全体への影響も考えると、今後もアップデートは続けられていくことでしょう。

 使用停止に関しては、潜在顧客を失う可能性を畏れての処置ではないでしょうか。
 使用停止、もしくは著しい使用制限をかけることによって海賊版ユーザーがLinuxに流れてしまうことになると、海賊版ユーザーが将来的に正規版Winodowsを導入する可能性を自ら摘んでしまうことになります。それだけではなく、その海賊版ユーザーの顧客にまでそれが派生した場合、Microsoftの将来的な収益に対して大きな損失をもたらすことになるでしょう。

 以上の理由から、そこまで大きな対策を採らなかったことが推測できます。

 では、今後Microsoftにできることは何でしょうか?
 難しいですが、やはりコンプライアンスに訴えかけるネガティブキャンペーンという方法を推薦したいです。個人情報保護や法令遵守が叫ばれ、海外との取引も盛んに行われる中で、海賊版を未だに利用している程度の倫理観念しか持たない取引先はリスキーだ、という線で攻めていく訳です。幸い、今回のアップデートで判別はすぐにできるわけですからね。

 世の中がオープンソースばかりになると、確かにこういう問題は発生しなくなるかも知れません。しかし、ソフトウェアのビジネスモデルは大きく選択肢の狭められてしまいます。従来の方法を残した上で、海賊版と戦っていく。Microsoftには、そちらの方面からも頑張っていただきたいものです。


USBメモリでソフト流通

2008-08-27 22:26:20 | PC

 過去、8MBや16MB、32MBと言った小容量で、まさしくフロッピーディスクの代替として使われ出したUSBメモリ。当時はそれなり以上に高価で、ドライバを使用前には必ずインストールしなければならないなど、使い勝手も余りよい物ではありませんでした。もちろん、フロッピーディスクよりは読み書きも速く、信頼性もありましたし、容量も多かったので便利でしたけれどね。

 それが今や、1GBのものが、ノーブランドなら1000円程度で売られるようになりました。手軽さなどを勘案すれば、データ移動の手段としてのCD-RやCD-RWと完全に競合・・・というか取って代わりました。これだけの容量を獲得し、しかも安いとなれば、これもアリなんじゃないかと思えますね。

ソフトの販売、CD-ROMの次は同価格でUSBメモリへ--ソースネクスト、事業戦略を発表 CNET

 ソースネクストは8月27日、パソコンソフトをUSBメモリに収録する新たな販売戦略を発表した。ソフトウェアの販売は、かつてはフロッピーディスク。最近ではCD-ROMやDVD-ROM、ダウンロード販売などに変化してきた。
 <中略>
 いずれのソフトにも1GバイトのUSBメモリ(トランセンドジャパン製)を使用するが、CD-ROM版と同価格。

 店頭売りのパッケージソフトウェアが斜陽と言われて久しいですが、その中で、徹底した低価格攻勢と、販売イメージの統一により市場を維持しているのがソースネクスト。今回は、USBメモリをCD-ROMに変わるパッケージメディアとして採用しつつ、値段は据え置きという点がウリになっています。つまり、ソフトを買えばUSBメモリがついてくるという訳です。これまでもUSBメモリをメディアにしてソフトを売るという商品はありましたが、それをブランド展開まで含めてプロデュースするのは今回が初めてなんではないでしょうか。

 ついてくるUSBメモリの中のソフトウェアは別に隠されているわけではなく、自由に消せる状態で入っています。万一ソフトウェアを消してしまった場合は、インターネットからダウンロードできる「救済措置」があるとしていますが、インストールした後はソフトは消して、1GBのUSBメモリとして使ってくれと言う意図でしょうね。そういう意味では、USBメモリとソフトウェアライセンスのセット販売とみるのが正解かも知れません。

 今後はUSBメモリとCD-ROMの比率を7:3にもっていくそうです。ケースを捨てないならば、かさばり具合は一緒だろうし、そんなに何個もUSBメモリいらないしと思いましたが、そもそもソースネクストのソフトウェアを買うこと自体が滅多にないから、「どうせ買うならUSBメモリ付きを」という時に、出荷数が多いのはありがたいかも知れません。

 ・・・ふと、考えたんですけれど、これって返品対策も兼ねているのでしょうか?
 CD-ROMならば、一度生産すると商品入れ替えの時にゴミにしかなりませんが、USBメモリならば回収後、ソフトを入れ替えて再利用できます。典型的な薄利多売戦略を採っている以上、売れなかった商品を使い回せるのは、実は大きなメリットになるかも知れません。

 ならばもう一歩進んで、店頭でのUSBメモリへのダウンロード販売とかもおもしろいかも知れません。マニュアルもその場で印刷することにして。これならば、回線とPC一台、両面印刷対応のプリンタがあればいいですし、小売店もソースネクストも在庫を持つ必要がなく、顧客も店頭売りの手軽さを享受できるという素晴らしいシステムです。
 ・・・え、TAKERUですか?やだなあ、ディスクシステムですって?ニンテンドーパワーなんて知りませんってば。


激化する携帯電話市場・・・大丈夫?

2008-08-26 20:39:23 | Thinkings

 いやもうなんと言いますか、仁義なき戦いですよね。こう景気よくチャンバラをやってくれますと、ユーザーとしてはうれしいのですが、ちゃんと経営戦略として大丈夫なのか不安になってきます。
 もちろん、携帯電話の料金プランの話ですが、ここのところ各社・・・というか主にドコモとソフトバンクの競争が激化しているようです。

 今回最初にしかけたのはドコモのほうでした。auやソフトバンクと同じく二段階方式を採用し、お値段もちょっとお安くなっています。

 ドコモもついに、2段階定額を採用--「パケ・ホーダイ」加入者は変更手続きが必要 CNET japan

 パケ・ホーダイ ダブルは、国内iモード通信の月額定額料が利用量に応じて変動する2段階のパケット定額サービス。月額利用料は1029円で、1万2250パケットまで無料。その後、1パケットあたり0.084円の料金がかかり、5万2500パケット以上は月額4410円の定額となる。なお、iモードフルブラウザを利用した場合の上限額は月額5985円となる。

このあたりの価格設定は正に後発の強み。しかも、他社のプランが始まってから結構な時間が経っていますから、マーケット的にはかなり手堅い線だと思われます。

 これで済めば「やるなドコモ」で済んだ話なんですが、そのインパクトも、僅か数時間後には新たな話題で上書きされてしまいました。

ソフトバンクモバイル、「パケット定額フル」を1029円からに値下げ--NTTドコモに対抗 CNET japan

 パケット定額フルの月額定額料金はこれまで1695円からとなっていたが、27日からは1029円となる。現在パケット定額フルを契約している利用者は、新料金が自動的に適用される

 最低使用料金をドコモに合わせ、しかもプラン変更も必要なしというあからさまな対応ですが・・・一体ソフトバンクの料金体系の決裁事務はどうなっているんでしょうね。やっぱり強硬なトップダウンなんでしょうか・・・?

 まあ、競合他社がリサーチを重ねて「大丈夫」とした値段に合わせてきたわけですから、モデル的には問題ないという判断なのでしょうが。しかし、このような熾烈な競争を行うことで、通信品質の維持や施設保持に支障が出ると言った本末転倒な事はなんとしてでも避けて欲しいところ。まずは、ちゃんと通話できることが大前提ですから。

 ・・・と、ここまで書いてきたところで、どう考えてもauが蚊帳の外であることに気づいてしまいました。980円のシンプルプランを打ち出したときでも、他社に動きはありませんでしたし、今回もauからのアクションは無し。まあ、もともとそれくらいの値段設定だったこともありますけれどね。最近どうも元気がない、というか正に「一人負け」のau。ユーザーの私としてはちょっと寂しいです。


アクトビラで動画ダウンロード・・・って言われても

2008-08-25 22:20:50 | Technology

 そもそも、アクトビラって知ってます?

 実は、このブログでも過去に記事にしたことがあるのですけれど、簡単に言えばテレビを利用したネットポータルです。大きな特徴としては、既存のインターネットブラウザとは互換性がありません。つまり、インターネット端末ではなく、完全にクローズドな、「ネットを使ったテレビの機能拡張」を計ったサービスといえます。

 2007年2月に始まり、2007年9月1日からビデオのストリーミングサービスを始めたアクトビラですが、それに加えてダウンロードサービスも始めるようです。

アクトビラ、テレビで映画のダウンロードサービス NIKKEI NET

 テレビ向けネットサービスのアクトビラ(東京・港)は25日、今年12月以降に映画のダウンロードサービスを始めると発表した。ハードディスク駆動装置(HDD)内蔵のテレビやレコーダーに購入した映画を保存し、好きな時間に楽しむことができるようになる。

 アクトビラは現在、加盟しているメーカーのテレビでしか利用ができませんが、その中にBlu-Ray陣営に参加することを拒み続けている東芝の名前がありますので、もしかしたら、これこそが東芝戦略の答えになり得るか?と思ったのですが・・・それにはちょっと力不足かも知れません。

 現行のアクトビラのビデオ配信コンテンツは、「アクトビラ・ビデオ」と「アクトビラ・ビデオ・フル」。これらのビットレート、つまり映像ソースの情報量を比べてみると、

種類 解像度 ビットレート
アクトビラ・ビデオ SD(非公開) 4Mbps
アクトビラ・ビデオ・フル HD(非公開) 8Mbps
DVD Video 720×480i 9.8Mbps
地上デジタル 1440×1080i 16.8Mbps
BSデジタル 1920×1080i 24Mbps
Blu-Ray 1920×1080 40Mbps

ちなみに、ビットレートは全て映像のみの最高値を表しています。

 たぶん、ビデオ・フルの解像度は地デジと同様だと考えられますが・・・ビットレートはDVDにすら劣る残念な結果となっています。もっとも、エンコード方式がDVDのMPEG-2に対し、H.264を使っていますので一概に画質が劣っているとは言えないのですが、これをBlu-Rayの代替にすると言うのはちょっと無理があるのではないでしょうか?
 リビングにいながら手軽に動画配信を利用できるというのは、確かにメリットになると思いますけれど。

 ここで、ちょっとおもしろいデータをご紹介します。2008年3月のデータなので、アクトビラ・ビデオが始まってから半年くらいですね。

「アクトビラ」4割が知っているが、使ったことがあるのは… japan.internet.com

インターネットコム株式会社マーシュ が行った「アクトビラの利用に関する調査」によると、デジタルテレビ所有者の4割が「アクトビラ」サービスについて知っているが、利用したことがる所有者は1割にも満たないことがわかった。

 4割という比較的高い知名度を持ち、且つすぐに利用できる状態にあるにもかかわらず、利用者は6.8%・・・つまり、それだけ魅力とか必要性がないってことなんじゃないですか?今回の報道発表もそのような状況に対するテコ入れの匂いがぷんぷんします。

 ダウンロードサービスでは「Blu-Ray相当」のビデオを用意とかやるならばおもしろくなりそうですが、ユーザー側の設備の問題(一本50GB?)などが壁になって無理でしょうね。私もさっぱり利用していない・・・この前テレビを移動したときにLANケーブルも抜いちゃいましたが、はてさて、巻き返しはなるでしょうか?


iPodとPCとのシンクに「選択肢」を

2008-08-23 21:31:48 | PC
私がmp3ファイルを扱うようになったときに、初めて使ったソフトウェアはwinampでした。それからMediaPlayer 6 → Classicと移行して、iTunesを使い出しました。MediaPlayer 7がもうちょっとマシだったらそっちを使っていたのでしょうが、かくして、私の使用するポータブルプレイヤーの選択肢は一気に狭まってしまったのです。つまり、iTunesで販売してある楽曲をあきらめるか、iPodを使うかと言う二択です。

 かくして私はiPodを使い始めたわけですが、世の中の大部分はそうではない様子。つまり、「iPodを使いたいが、対応しているソフトはiTunesのみ」という私とは真逆のパターンです。
 このパターンで困るのは、iTunesが対応しているPC環境が必要だと言うこと。今更Windows98やMeは無いでしょうが、Linuxで使えないというのは・・・まあ大部分の人には関係ない話ですが。

 どちらにしろ、使えるソフトが一つだけというのは、例えば将来的にiTunesがMacにしか対応しなくなったり、とんでもなく理不尽で使いづらい仕様変更を行ったとき、乗り換えができず困ります。そこで、オープンソースプロジェクトから新しい「選択肢」が提供されたようです。

“オープンソース版iTunes”を目指すSongBirdのベータ公開,Linux版や日本語メニューも ITpro

 米Pioneers of the Inevitable(POTI)は2008年8月20日(現地時間),iTuneライクなオープンソースの音楽プレイヤー・ソフトSongBirdのベータ版,バージョン0.7を公開したと発表した。iPodとの同期も可能。Linux(i686およびx86_64),Windows,Mac OS Xで稼働する。多言語に対応しており,日本語メニューもすでに標準で実装されている。

 iPodと正式同期をうたう初めてのプロジェクト成果なんじゃないでしょうか?現状のiTunesに不満がある人は、一度触ってみるのも良いかもしれません。ただ、iPhoneとtouchにはまだ対応していないようなので、私にとっては無用の長物ですがね。

 少し残念なのは、せっかくの新しい選択肢なのに見た目がまるっきりiTunesとかぶること。せっかくなら見た目や使い勝手をiTunesと差別化して欲しかったところ。iTunes Music Storeが使えないのは仕方ないにしても、インターフェイスに関しては現行のiTunesユーザーが導入するメリットは薄そうです。やはり「LinuxでiTunes+iPodを使う」ことを第一に開発された物なんでしょうね。

 ところで、見た目はともかく、iPodとの同期について、Appleから何か言ってこないのでしょうか?権利関係云々でせっかくできた選択肢が潰されてしまったらちょっとイヤですね。


会津若松の職員の感想が残念な件について

2008-08-23 20:47:32 | Thinkings

 会津若松市がMS OfficeからOpenOffice.orgに段階的に切り替える件について、途中経過の情報公開をしています。

職員からの反応 会津若松市HP

 何か参考になれば、と思い研修時アンケート結果を覗いてみたのですが・・・

研修時アンケート結果(Excel)

 なんというか、「それ以前の問題」というか。一般事務員の方がソフトウェアに疎いのはまあ分かるのですが、文法がおかしかったり単に愚痴を書いていたり・・・とくに参考になるとも思えないので、これ、今からでも公開を止めた方が良くないですか?


インテルの新製品にみるSSDのメインストリームへの道

2008-08-22 20:02:24 | Technology

 PCが増えたし、PS3をメディアクライアントにも使えると言うことで、ファイルサーバーを組もうかどうか悩んでいる今日この頃ですが、色々と調べるにつれ、改めて驚くのはHDDの値段の安さですね。

 500GBで6千円台、1TBでも1万円強と、DVD-Rにバックアップを取るのがばかばかしくなる値段で市場に出回っています。ここまで安くなるならば、個人向けのRAID需要も増すというもの。1TBの製品を使うならば、別にRAID 1運用でも良いかな?とか思ってしまいます。

 さて、容量単価が下がり続けているHDDに比べ、こちらはなかなかメインストリーム・・・要するに一般人に手が出る価格帯にまで降りてきてくれないSSD。読み込みは速いものの書き込みが苦手。衝撃に強く省電力だけど、絶望的に容量単価が高いというキャラクターです。
 Eee PCに4GB SDDが採用されることで割と知名度が上がりましたが、これまでは一部の話題性重視ハイエンドノートPCに搭載されてきた高嶺の花でした。しかし、容量を増やすとともに徐々に普及への道を進んでいるようですよ?

インテルX25-M, X18-M 高速SATA SSD 正式発表 engadget

容量はメインストリームがX25-M / X18-Mともに80GBと160GB、エクストリームでは32GB2または64GBが登場します。メインストリーム版の仕様はシーケンシャルリード 250MB/s、ライト70MB/s。
またランダムアクセス速度が競合製品と比較して極端に速く、エクストリーム版では4KB読込みで35,000 IOPS以上、4KB書込みで3,300 IOPSととてつもない数値になっています。

出始めた頃は、それこそ1GBくらいから。それが、今回発表されたものでは最大で160GBと、2.5インチHDD並みの容量を獲得。さらに、読み込みはHDDの約二倍、書き込みでも勝負ができるくらいまでの速度向上を見せています。苦手とされるランダムアクセスにしても、読み込みで136MB/sec、書き込みで12MB/secと驚異的な伸びを誇ります。従来最速と言われていた物から考えると倍程度の性能アップに、「さすがインテル」と言ったところでしょうか。

 そんなわけでキャッチコピーも超強気。

競合製品との違いを印象づけたいインテルが採用した決め文句は「Better by Design」、"設計からして違います"。

 後に残る最大の問題、「価格」に関しては未発表ですが、これまでもずいぶんと値段がこなれてきた経緯から考えまして、すさまじい値段は付けてこないはず。まだまだ普通の人には手が出ないまでも、がんばれば手が届くくらいには降りてくることでしょう。

 システムドライブとしてはすでに十分な容量を持っていますので、もしかしたら来年の今頃は、SSD搭載機やHDDとのハイブリッド構成の機種が増えてくるかも知れませんね。PC自作にとってもおもしろい選択肢だと思いますので、今後の展開に期待です。