Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

アドレス全部を日本語で トップレベルドメインに「.日本」追加

2009-04-30 18:42:51 | Thinkings

 インターネットのURLは、通常アルファベットと数字と記号・・・基本的に1バイト文字のみで表現されています。しかしながら、国ごとに使われている言語は当然違いますので、国内のサイトにその国の文字を使いたくなるのは当然・・・とは言えないかもしれませんが、出てくる要望ではないでしょうか。

 そのような声を受けて、現在では日本語2バイト文字を含むURLがいくつか登録されています。例えばこんなのとか。

http://総務省.jp

 ここは、日本におけるインターネット利用の元締めである総務省のサイト。早々と日本語ドメインを登録しているようです。そして、そして、今度はトップレベルドメイン、具体的に言うと、.jpとか.comとかと言った、サイトの最後につく大元のアドレス表記まで日本語が使えるようになるそうです。

日本語ccTLD「.日本」導入へ、「.大阪」などご当地ドメイン名も INTERNET Watch

 総務省は28日、情報通信審議会情報通信政策部会の「インターネット基盤委員会」が取りまとめた報告書「21世紀におけるインターネット政策の在り方~新たなトップレベルドメイン名の導入に向けて~(案)」を公表した。新たに導入する日本語を用いた国別トップレベルドメイン名(ccTLD)を「.日本」とすることなどを盛り込んだ。6月3日までパブリックコメントを募集する。

 先の総務省の例ならば、”http://総務省.日本”となるわけですね。

 ただ、これによってわかりやすくなるかと言えば、効果には疑問が残ります。と言いますのは、二バイト文字を使うことで他言語のユーザーからはアクセスできなくなる事がひとつ。これは総務省にアクセスしてもらうと分かるとおり、今のところはhttp://www.soumu.go.jp/にリダイレクトを掛けているだけですのでそこまで大きな問題にはならないかもしれません。そしてもう一つは、URLを直接入力する事がすっかり無くなってしまったことです。

 必要な情報を探すときには、とりあえず検索すれば高確率で目的のページが見つかります。極端なことを言えば、先の総務省にしても、Googleの検索窓に”総務省”と打ち込むだけで良いのですから、たぶんURLが日本語になるよりもずっと簡単にアクセスできるでしょう。

 最終的にどれくらいまで普及するか分かりませんが、私は別に普及しなくても良いんじゃないかなあ、と思ってます。検索エンジンが十分機能している現在、URLを日本語にすることにそこまでの意味を見いだせないのですね。そりゃあ確かに、必ず目的のページにたどり着けるという事は言えますけど。
 なんだか、検索エンジン黎明期に、ありそうなURL(NASAとかwhitehouseとか)をぽちぽち打ち込んでウェブページを見ていた頃を思い出しましたよ・・・


ネットブックに求めるもの

2009-04-29 22:26:45 | Thinkings

 日本においてのネットブックの位置づけを考えてみると、やはり「縦方向に解像度がちょっと足らない、激安フルスペックWindowsマシン」ではないでしょうか。前半部分は要らないかもしれませんが、一般的にネットブックというカテゴリの製品ではなく、安いノートPCという認識なのではないでしょうか。

 このような傾向になりがちである理由として、ネットブックの製品のキャラクターがはっきりしないという点が挙げられると思います。元々はモバイルでのインターネット使用に特化したコンパクトなラップトップというコンセプトに乗っ取っていたのですが、下手にWindowsが動くものだから、Officeスイートがバンドルされたり、メディアプレイヤーとして使われたりと、ノートPC的な側面が強調されている部分が大きいのではないでしょうか。

 まあ確かに、日本においては整備された3G網と通話以外にもてんこ盛りに機能強化された携帯電話がありますので、「手軽にネット」という本来のコンセプトだけでは弱い、というのも頷けます。そして、ノートPCとして見られていたから売れたという事もあると思うのです。これが本当にネットだけしかできない端末だったとしたら、ここまで一般受けすることはなかったでしょうね。

 だからこそ、真の意味でのネットブックに求められるのがなんなのか、現行世代のネットブックが認知された今だからこそ、「その次」を考えてみるのも良いかもしれません。

 ちなみに、インテルが考えたのは「起動の早さ」でした。

インテルの次世代ネットブックOS、電源ONからネット接続まで、わずか2秒! GIZMODO

もうMoblin v2が搭載されてるネットブックでは、スタンバイだのサスペンドだの、まったく必要なくなるわけですよ。どこでも使いたいなって思った時に、スイッチを入れると2秒後にはネットにつながっちゃう…! こりゃぁ、もう最高ですよね。

 Vistaなどは、時間がかかる一からの起動をあきらめて、現在の状態を記録して省電力モードに移行するスリープを提案してきましたし、携帯電話がすぐ使えるのは常に電源が入りっぱなしになっているから。しかし、持ち運ぶネットブックに対して、常に電力を消費する方法で起動時間を短縮するというのはいかにも諸刃の剣。だったら、起動を爆速にすれば電源切るのも苦にならないんじゃない?というまっすぐな発想です。

 しかし、電源入れて2秒で起動完了なんて・・・WindowsじゃなくてLinuxだと言われたって、にわかに信じられないくらい早いですね。今日日、携帯電話だって30秒は待たされるのに、ですよ?未だにVistaのデスクトップも毎回シャットダウンしている私的には何とも興味深い話ですね。

 先日紹介したCrunch PadやSmart Q5のような「ピュアネットブック」とも言える製品が増えてくる中、Moblinが”どっちより”の製品なのかはまだ未知数ですが、非Windowsのネットブックが増えてくる→普通のノートPC的な使い方ができないネットブックが増えてくるにつれ、世間のネットブックに対する見方も変わってくるんではないでしょうかね。

 ・・・日本で受け入れられるかどうかは、全く別にして。


Blu-Rayの20倍 ホログラフィックメディアをGEが開発

2009-04-28 20:41:36 | Technology

 容量は、力だ。

・・・とは誰かが言ったかもしれませんが、電子機器に記憶装置がついてからこっち、扱える容量は加速度的に増えています。そして、その扱える容量に見合ったコンテンツもまた、次々と生まれてきているのです。

 例えば、フロッピーがコンテンツのパッケージとして最盛期の時には、当然映像や録音された音楽などはPCではまともに扱えませんでした。持ち運べる容量だけでなく、それを扱うPCもパワーが足りなかったのです。それが、CDになって納められる情報の上限が爆発的に増えてから世界が変わり始めました。その後に高品質な映像を映画一本分納められるDVDになり、そして、世の中の映像機器の半分以上がもてあますような、高解像度コンテンツを扱えるBlu-Rayへと進化を遂げたのです。

 しかしながら、容量への欲求はまだまだとどまることを知らないようです。

CDサイズに500Gバイトを記録 GEがホログラフィック技術を開発 ITmedia

 米General Electricは4月27日、CDサイズのディスクに500Gバイトのデータを格納できる次世代光ストレージ技術を開発したと発表した。DVDなら100枚分、単層Blu-rayディスクなら20枚分に当たる。

 GEのディスクは、ホログラフィックストレージ技術を利用している。DVDやBlu-rayがディスクの表面のみにデータを格納するのとは違って、ホログラフィックストレージは、情報を3Dパターンで表してディスク全体に記録する。GEのホログラフィックディスクは容量を大幅に拡大しているが、 Blu-rayまたはDVDプレーヤーと似た装置で読み取り・書き込みできるようになっているという。

 ホログラフィックストレージ技術自体に対しては、これまで幾度となく話が出てきていますので特に書くことはないですが、ようやく実用化の兆しが見えたことはすばらしいです。Blu-Rayが実用化されてから6年・・・これが長いか短いかはさておき、今後の4Kとかスーパーハイビジョンと言われるフルHDの次の映像コンテンツを扱うためには、テラバイト級のメディアは不可欠。それを扱う機器の整備が終わり、民生用に降りてくる前にはBlu-Rayの次が無ければお話になりませんから、いいタイミングだったのではないでしょうか。
 あとは、GEだけではなく、日本勢の作る新しいメディアの開発も楽しみです。

 映像以外の用途となると、個人が作るデータの使い道としては全く思い浮かばないほど途方もなく大きなメディアですが、普及すれば普及したで、なんだかんだ言って「足りない」って意見が出てくるんでしょうね。ストレージなんてそんなもんです。


Windows7に仮想化でXP互換機能

2009-04-27 23:01:19 | Technology

 OSの進化というのは過去の清算の歴史でもあります。

 コンシューマーゲームハードの様な極端な代替わりほどではないですけれど、例えばBASICがOSを兼ねていた(!)ころのソフトは今では軒並み動きませんし、Mac OSでも世代を重ねるごとに以前のバージョンのソフトを切り捨ててきました。Linuxだって環境によってはコンパイルをし直さないと動かないなんて事は日常的な話ですし、MS-DOSのソフトなんて過去の遺物以外の何者でもありません。

 それらは「ビジネスツール」として位置づけられており、後方互換性の高さを求められるWindowsも同じ事で、Windows3.1から9xカーネルへの移行時、そして9xカーネルからNTカーネルへの移行時にはある程度の不良債権が発生したものです。もっとも、DOSの頃に比べればずいぶんと緩やかな移行なんですが・・・VB6.0のソフトなど、今でも98の頃の資産がVistaで動いちゃったりしますからね。

 さて、それまでは比較的短いスパンで代替わりしてきたWindowsは、XPで長い・・・具体的に言うと5年ちょっとの停滞の時期を迎えます。そうなると、そのシェアの高さも相まって、PCを取り巻く社会全体がXPに最適化されてしまったわけですね。Vistaが出て二年、もうすぐ7も出るかって時にまだXPを求めるユーザー層がいることからもそれが伺えます。いきなりあがった要求スペックに、大幅に刷新されたインターフェイスもさることながら、業務アプリケーションなどがVistaに対応しない、もしくは動作確認をメーカーが取らないといった互換性の面での整備の遅れが移行に歯止めを掛けていたのは想像に難くありません。

 マイクロソフトはVistaの時と同じつてを踏まないよう、Windows 7を非常に慎重に飛び立たせようとしており、テスターの反応を見る限りではおおむね成功していると見ても良いでしょう。そして、いい加減ロートルになったXPに見切りを付けられるよう、新たに取った戦略はXPとの互換性の確保・・・それもより完全な形で、です。

Microsoft,Windows 7で「Windows XPウインドウ」を実現するVirtual PC新版を準備 IT Pro

 米MicrosoftはWindows 7におけるWindows XP互換機能を強化することを明らかにした。米国時間4月24日に公開した同社公式ブログの記事によると,同社のクライアント仮想化ソフト「Virtual PC」に「Windows XP Mode」を追加する。これにより,Windows 7のデスクトップ画面に,Windows XP仮想環境で動作するアプリケーション・ウインドウを合成して表示できるという。

 最初に記事を読んだときには「なんのこっちゃ」と思ったのですが、どうして、非常に面白い機能です。要するに、「XPのソフトを仮想環境で動かし、同じ大きさの7のウインドウに重ねる」ことができる訳です。つまり、見た目的にはWindows 7上でXPのソフトがそのまま動いているように見えて、その実、裏ではXPそのもので動かしているので互換性は高いということです。・・・まあどんなシステムを構築しても100%ではないと思いますけどね。業務アプリケーションのような「それほど特殊な処理をしていない」ソフトはほぼ動くことでしょう。これの搭載により、企業におけるリプレースの障壁は大きく下がることになります。

 ・・・そうは言っても、見た目や些末な操作性が変わると言うことは、大きなアレルギーを起こすことになるのではないでしょうか。未だにOffice2007に慣れてくれない人も結構いることですしね。これを払拭し、速やか且つ平和的なWindows 7へのリプレースに向けて、マイクロソフトは今後も定期的にキャンペーンを打っていく事になるんでしょうねえ。さすがに今回は、ある程度順調にいくとは思いますが・・・


ウェブサービスが使えなくなったら

2009-04-26 20:39:48 | Thinkings

 私が使っているウェブサービスを改めて確認してみますと、Gmail等のメールにこのブログ、ホームページにネットストレージ・・・思うに、結構な数のサービスに登録しています。有料、無料といろいろありますが、まあほぼ無料ですよね。

 これらの中には、例えばGmailやこのブログのように、使用頻度が高く、且つサービスへの依存度も高いものが含まれています。ですので、今回のDoblogの様にサービス終了となってしまうと、乗り換えやデータのバックアップ、今後の周知など、後々の対応に非常に困ってしまうのですが・・・

2月に障害発生の「Doblog」。5月30日をもってサービスを終了 INTERNET Watch

 NTTデータは24日、2月8日に障害が発生したブログサービス「Doblog(ドブログ)」について、5月30日にサービスを終了すると発表した。これに伴い、ユーザーによるブログ移転先周知などを目的として、24日にサービスを一時的に再開した。
 Doblogは、2月8日10時頃に2つのHDDで発生した障害の影響で、サービスが一時停止。その後、2008年8月4日未明から2009年 2月8日朝まで記事のうち、一部を除いて記事の復旧を完了した。また、並行して復旧した記事や画像のダウンロード機能も提供を開始している。

 Doblogは、サーバーのHDDが故障したことでいったんサービスを停止し、復旧はしたものの今後の継続を取りやめるとのこと。今回の措置として、5月20日までと期限をやや先に設定していること、記事や写真などのダウンロードサービスを提供していることから、終わり方としてはある程度円満であると言えるでしょう。ある日突然つながらなくなってそれっきり、と言うのも無い話ではありませんからね。

 まず、ブログは非常に提供側にとって負荷が高いサービスであること、そして基本的に無料で提供されていることから、今回の様なサービス終了の憂き目にあってもあまり文句を言うことはできません。
 しかしながら、このような大手ブログサービスが終了すると言うことは、内容的には毒にも薬にもならないページがほとんどだとしても、大量のナレッジベースが消えてしまうと言うことと同意ですので、書いている人もそうですが、それ以外の人にとっても結果的に大きな損失になります。そこでブログを書いていた人が今後どこかで継続するにしても、それまで掲載されてきた記事の大部分はネットから消えてしまうことになりますから。
 また、今回のDoblogだけでなく、アメリカではGeoCitiesも消えてしまうようです。日本ではまだその動きは無いようですが、これまで右にならえで開始されてきたサービスが収縮に向かっているような感じもしますので、今現在管理が行き届いていない情報を中心に、ネットが大幅に整理される可能性が高まってきたように感じます。

 と、ここまでは人ごとの話。ここからは自分も含めた話で、今後、自分の使っているサービスにこのような事態が起きないとは限りませんし、無料で使っている以上はそうなることを常に覚悟しておかなくてはなりません。メールに関しては、捨てアドではなく、メインのアドレスを複数に振り分けて使用するなどの対策を取ったり、ブログやHPに関しては、いざというときのためにバックアップを取る方法を確認しておいた方が良いでしょう。ついでに、飛び移る枝も準備しておくか、品定めておいた方が良さそうです。

 コスト無しで利用している以上、リスク管理は自分の役目。足跡が全部消えてしまうのがいやならば、覚悟と準備はしておかないと・・・なんて、まるっきり防災の心得ですよね。「備えよ常に」ってのはボーイスカウトのスローガンですけれど、リアルもネットの中もそれは変わらないって事でしょうかね。


デジタル名刺って流行ってるの?

2009-04-25 23:59:59 | Thinkings

 元からあるものをガジェットに置き換えたものに「デジタル」って付けるのも安直なような気がしますけれど、あんまりそれ以外のネーミングも思い浮かばないんですよね。バーチャルとか?

 私は日頃から、名刺なるものは持ち歩いていない失格社会人な訳ですが・・・あ、いや、今の部署は仕事の内容上、あんまり名刺をばらまくのはよろしくないのですよ・・・主に社内で仕事をしている人は私と同じようにさっぱり使う機会もなく、引き出しの肥やしになっていると思いますけれど、営業さんの様に外回りが多いと派手になくなっていきますよね。取引先に置いていったり、先方と交換したり、送った書類にクリップで留めておいたりと、連絡先を知らせるという本来の役割以上に、その人そのものを表すようなビジネスツールになっています。

 そういう大切なものだからこそ、使い切ったらすぐに補充しなくてはいけませんし、異動があったりしたときにはストックを全部破棄して新たに刷り直し・・・と、枚数が多くなればなるほどコストがかさみます。

 また、名刺というのはたまる一方で、整理しないとまともに活用できません。サイズも小さいし、意外にかさばりますので、対応に苦慮されている方も多いのではないでしょうか。

 これらの「更新が面倒」「追加コストがかかる」「管理が面倒」という紙の名刺を一気に解消するのが、いわゆるデジタル名刺ガジェットなんですが・・・流行っているんでしょうか?Pokenとかって。さらにこんなものも出てきましたが・・・

デジタル名刺ガジェット「E」 GIZMODO

さて、Eです。デジタル名刺です。
E同士をただ重ねるだけで、名刺交換が一瞬でできます。名前や電話番号だけでなく、自分の共有したいプロフィール、さらにSNSまで自動でつないで一瞬で情報交換してくれます。
USBとしてパソコンにつないで情報整理、充電ができます。バッテリー駆動時間は72時間。

 便利だと思いますよ、渡す方ももらう方も。一瞬にしてすべてが終わるし、物理的なものでもないですのでかさばりませんし。でも、こういうガジェットの常として、「必ず双方とも持っている必要がある」ことが最大のネックになります。「名刺の裏書きができなくなる」なんて些細な問題ですが、自分だけが持っていても、取引先が持っていなくては話になりません。また、Pokenは、お友達に配れるようにセット販売も行っていますが、仲間内で名刺交換なんてしなくても良いですしね。

 まあ、本気でデジタル名刺を普及させようと思ったら、おサイフケータイやスイカみたいにFeliCaを使うか、みんなが持っている携帯電話と組み合わせるか、QRコードが書かれたマスターだけを持ち歩いてメールで名刺情報を送付するようにするとか・・・少なくとも、ベンチャー企業規模で頑張るぞ!では全然ダメでしょうから、いわゆる大企業や官公庁が、はやりのエコの名の下に大改革を行わないと無理でしょうね。

 まあ、当面は紙の名刺は無くならないでしょう。私はむしろ、紙の名刺にQRコードを付けるのが当たり前になるとか、URLにアクセスすると、規格化されたXMLをダウンロードできるとか・・・そういった方向性の進化の方がありそうな気がしますね。作るのは自分ですけれど、整理するのはお客さんなんですから、先方に配慮する方向で。


ソフトバンク、総務省から指導を受ける

2009-04-24 21:25:27 | Thinkings

 今の日本の携帯電話ビッグ3と言えば、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの三社ですが、この中でももっとも急速にシェアを拡大させてきたのはソフトバンクです。それ故かどうか分かりませんが、ここ半年ほどの間に大規模な通信障害が立て続けに起こっていますが、やはりシェアの急拡大にインフラ整備が追いついていないと言うことなんでしょうか?

 そして去る2009年4月19日、なんと全国1576万人に影響が及ぶ大規模通信障害を引き起こし、とうとう通信事情を管轄する総務省も黙っていられなくなったようです。

総務省、ソフトバンクの通信障害で文書指導 ケータイWatch

 総務省は、4月19日に発生したソフトバンクモバイルの通信障害に対し、「必要かつ適切な措置が十分になされていなかった」として、再発防止策などを求める文書による指導を行った。
 今回の指導の対象となる事故は、4月19日に東日本(一部サービスは全国)で発生していた通信障害。同日の9時9分~15時58分にかけて、 3Gサービスでインターネット接続が利用できなかったり、2G/3Gサービスでメールが利用できず、最大で約1576万人に影響が及んだ。

 私もソフトバンクユーザーなので影響を・・・とくに受けませんでした。というのは、私が契約しているiPhoneはメールアドレスが独立でして。また、家の中にいたため無線LANで通信ができており、全く影響はありませんでした。逆に、ソフトバンクユーザーの友人にメールが全く届かなくて不思議に思っていたくらいです。

 ただ、いくら影響が内からと言っても、ソフトバンクのインフラ管理の脆弱さが分かったわけですから、あんまり良かったとも思えませんね。音声通話に影響が無かったのは良かったのですが、最近の携帯電話サービスはメールとウェブサービスを含めて成り立っている部分がありますので、決して見逃されるものではありません。また、

2008年10月15日、2009年1月20日、2009年2月9日の3回、重大な事故が発生している。

と言うように、短いスパンで頻発させるという点も気になります。

 上位三社についてはカバーエリアには差が無くなってきましたし、料金プランは手札は出そろった感があります。機種の魅力についても似たり寄ったりですし、そろそろサービスについての議論が本格的になされる頃ではないでしょうか。となると、こういう不祥事をたびたび起こしているところは選ばれにくくなるかもしれませんね・・・

 ま、私は二年ほど変えられないんですけどね!


Wikipediaが手に入れた”広告収入”

2009-04-23 21:48:43 | Thinkings

 今、ネットにアクセスしている人の中で、Wikipediaを一度も利用したことがない、と言う人はたぶん少数派になるでしょう。現在、世界最大の非営利ナレッジデータベースとなっているWikipediaですが、その運営費がどこから出ているか知っている人も又、少数派ではないでしょうか。

 Wikipediaには広告が表示されません。これは、Wikipediaの運営元であるWIKIMEDIA財団の方針であり、今後も変わることはないでしょう。その理由は特に書いてありませんが・・・たぶん、記事に対してバイアスが、正の方にも負の方にも、かかることを良しとしないと言うことでしょう。結果的に、Wikipediaの運営上、広告収入には頼れないことになりますので、WIKIMEDIA財団は世界中に山ほどいる利用者の人たちの善意に収入をゆだねています。要するに、「寄付」によって運営のほぼすべてを頼っている形です。

 しかしながら、リーマンショックの後、世界経済は悪化の一途をたどりました。Wikipediaも例外ではなく、個人はもとより、企業などの大口の寄付提供が落ち込む事で、大きなとまでは行きませんがダメージを受けているようです。

 そこで、Wikipediaは大きな決断をすることになります。・・・つまり、広告収入を受け取るというのです。もっとも、かなり特殊な形で。

フランスの携帯大手OrangeがWikipediaとコンテンツ提供と広告展開で契約 TechCrunch

ヨーロッパ最大の携帯電話企業の一つであるFrance TelecomのOrangeが、Wikimediaと提携して、Orangeの携帯電話とWebサイト上の、両者共同ブランドのチャネルからWikipediaのコンテンツを提供する。両者間の利益分配契約により、非営利団体のWikimediaは広告収入の一部を取得する。

 要するに、Orengeという携帯電話会社の提供するサービスの中で、Wikipediaの記事を見られるようにすると言うもの。広告が入るのはあくまでOrangeのサービス内だけで、Wikipedia本体は今まで通りです。Wikipediaにしてみれば、コンテンツを提供することで広告収入の一部を手に入れることができ、Orengeは、Wikipediaの豊富なコンテンツを借用することで、自社のサービスをより魅力的にすることができます。ユーザーにしてみると、わざわざ携帯電話から検索をしてWikipediaにアクセスをしなくても、携帯電話のメニューがWikipediaのゲートウェイになってくれるため、省力化ができるというわけです。
 そういえば、iPhoneのアプリでも同様のアプローチをしているものがあったみたいです。私はインストールしていませんが。

 PCをメインで使っているユーザーにはあんまり関係ない話ですけれど、携帯電話からWikipediaに手軽にアクセスできるというのは、やはり魅力的だと思うのです。一般的な事を調べるのにわざわざGoogleを使うよりも、Wikipediaで最初から調べられた方が良い場合もありますからね。そして、なによりもすばらしいのは、Wikipediaにも収入が入ると言うこと。サーバーの維持にも人件費にも、やっぱりお金は必要ですからね。「活動を阻害しない程度」の収入手段の拡充は、今後も考えていった方が良いと思いますよ。

 ・・・筆記用具とかネクタイピンとかの非電気系ノベルティを作ってくれたら速攻買うんですけどねえ。


個人名検索でプロフィールを表示 Googleの新サービス

2009-04-22 23:59:59 | Thinkings

 日本において、ネットでの実名による活動は非常に特殊なケース以外では推奨されていません。例えばニュースの記者であるとか比較的名前が売れているライターやコメンテーターである以外では、基本的にハンドルネーム、もしくは匿名での活動が一般的。これは、実名を出すリスクに重きを置いた、日本におけるネットリテラシーです。

 実際のところは、実名を出したところでほとんどの人にとっては関係ないと思われるでしょう。しかしながら、実際のところはどのような経路で情報が漏れているか分かりませんし、自分の書いた何気ない一言がきっかけで訴訟に発展する可能性もあるわけで・・・そうでなくても、マーケティングの道具になったりすることはあるでしょう。

 それとは逆に、実名でのネット活動が当たり前なのがアメリカです。ブログにSNSはもとより、YouTube投稿用のビデオが売れに売れているところからも分かるように、顔出しについても抵抗が少ないようです。Googleの検索窓に自分の名前を書いただけという「続きはネットで」名刺なんてのも作られていることからも分かるように、ネット上でプロフィールをさらすことはビジネスでも盛んに使われているようです。
 そういえば、アメリカ式の経営方針にどっぷりつかってしまい、「人に会う前に必ずその人の名前を検索し、ブログやプロフィールに目を通す」ことをし、「検索で引っかからなかった人には会いたくない」とか無責任にほざいていた人がいましたが、今の日本において・・・というか、今のネット社会で実名をさらすメリットはほぼ皆無だと思いますが。

 プライベート抜きで、完全に仕事のツールとして使うのなら別ですが、顧問弁護士にも所属組織にも守られていない一個人が、プライベートにおいてネットで自分の意見を実名で発信するというのはリスキーすぎる。私なら、そんなことを無配慮に一般人に求める彼らにこそ会いたくないです。

 そんな訳で、日本では全く浸透しないと思いますけれど、実名でのネット活動が一般的になっているアメリカにおいては確かに流行るかもしれないGoogleの新サービスが発表されました。

Google、米国で人名検索の結果画面にプロフィール表示を追加 INTERNET Watch

 Googleでは、人名での検索結果には、当人が他の人に見てもらいたい情報ではなく、学生時代の陸上競技会の記録といった情報が表示されることがあるが、プロフィール情報を表示できれば、本人がプロフィールを編集して正確な情報を表示できるメリットがあるとして、ユーザーにGoogleプロフィールを作成するよう勧めている。

 要するに、自分の名前で検索されたとき、自分の望む情報をプロフィールという形で表示させることができるサービスです。本人にとってはメリットがあるかと思いますが、その人の事を知りたい人にとっては良し悪しかもしれませんね。本人に取って都合の良い事しか書いていない可能性が多いわけですからね。

 日本でこれを展開するとしたら・・・まあ、実名じゃなくてハンドルネームがそれに代わる事になりそうです。ただ、アルファベット圏の人名と同じく、大量の同名の人をどう処理するかというのは割と切実な問題かもしれませんね。写真も使えませんから。


MySQLが無くなるかも? ORACLEがSunを買収

2009-04-21 20:42:29 | Thinkings

 なぜNECや富士通と言った日本のサーバーベンダーの名前が一回も出てこなかったんでしょう。いや、場違いだと言うことは分かっていますよ?

 一時期IBMとの買収交渉が佳境にさしかかっていた、Javaなどのオープンソース+サーバー事業で名を馳せるSunですが、IBMとの価格の折り合いがつかずに破談になってから、あっさりとORACLEへ買収される事が決定してしまいました。HPへの身売り話も出ていたようなのですが・・・

米オラクル、サン買収-ハードウェア市場へ参入 IBTimes

 米オラクルは20日、サン・マイクロシステムズを70億ドル(約6,800億円)以上で買収し、ハードウェア市場に参入する計画であると発表した。
 この買収により、オラクルは世界サーバー市場でシェア第4位となる見通し。

 今回の買収話の効果については、私には当初、何が起こるか予想もつきませでした。せいぜい、データベース屋のORACLEが自前のサーバーを手に入れたと言うことは、セット販売や保守ライセンスのラインナップが増えたりするんだろうな・・・位のことが脳裏をよぎったくらいです。

 私にとって、ちょっとだけ(精神的に)助かったこと言えば、アナリストによっても大きく意見が分かれていること。この買収劇に対して「オープンソースプロジェクトについてもORACLEならきっとうまくやるさ」と肯定的な見方をする人もいれば、「サーバー分野で第4位になったところで、市場で大きな影響力をふるうには及ばない」という否定的な意見を述べる人もいます。

 そういった意見の中で、単純に、それこそ短絡的に利害関係を考えた結果として、非常に共感できる意見がありました。すなわち「MySQLは終わり」というものです。

OracleはSunの輝きを永久に奪う ITmedia

OracleはOpenOfficeをどうするのだろうか? Oracleのラリー・エリソンCEOは、大喜びでLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Python/Perl)の息の根を止めるつもりなのだろうか? Oracleがうるさい競合製品であるMySQLを生かし続ける理由はない。MicrosoftだけでなくOracleにとっても、このオープンソースデータベースは迷惑な存在なのだ。

 たしかに、ORACLEの主要な製品であるデータベースにとって、オープンソースのMySQLは邪魔な競合相手以外の何者でもありません。機能を取り込まれることはありこそすれ、今後積極的にリソースを指すことはしないでしょうし、息の根を止めることさえ不思議ではありません。ORACLEはある意味、Microsoft以上に反オープンソースの大御所であり、オープンソースプロジェクトが狙う企業顧客の競合相手でもあります。

 言ってみれば、ORACLEにとってSunのハードウェア事業は欲しいけれど、オープンソース事業は邪魔な訳です。Javaなどの一般まで広く浸透している・・・要するに仕事の邪魔をしない分野は残すかもしれないけれど、MySQLなどの競合分野は明日にでも凍結が発表される可能性だってある、ということです。

 まあ、そこまで露骨なことはしないと思いたいですが、ORACLEのSun買収の最大の目的が「成長株のMySQLの未来を摘むため」でサーバー事業は口実に過ぎない・・・と語られてもたぶん驚かないかなあ。

 果たして、ORACLEはSunのプロジェクトをどれだけ残すつもりがあるのか?徐々に明らかになっていくと思いますが、要注目ですね。