Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

PCに”寄生”するAndroidマシン

2011-06-01 19:50:02 | Digital Devices

 PCは、その歴史的背景から、「使えるだけのリソースを最大限使って、いかに目的の処理をするか」という点に重点を置いて設計されていると言っても過言ではありません。最近のエコブームから低消費電力や静音性が重視されてきてはいるものの、高クロック・高消費電力のCPUをぶん回し、数GBのメモリを潤沢に使い、あらゆる周辺機器を従えて、人間の作業をいかに効率的にするかに注力されたハードウェア、ソフトウェア設計がなされているわけですから、当然そのエネルギーとなる電力消費についても、他の電子機器に比べれば贅沢な使い方をしてしまいます。

 対してAndroidやiPhoneといったモバイル勢は、「少ないリソースから、いかに最大限のパフォーマンスを引き出すか」という思想を持っているわけですから、電池の持ちであるとかOSの軽さに関しては、PCとは一線を画しています。

 役割が違う、といえばそれまでですが、PCのパフォーマンスとAndroidの軽さと駆動時間を併せ持つ製品を実現する為、かなりの変化球を編み出してしまった製品があります。

内蔵HDD型 ARMマシン " PunkThis " 、x86 ノートをデュアルアーキテクチャ化 engadget

ノルウェーの「ハイブリッドコンピューティング」企業 CUPP が、2.5インチHDD型のARMコンピュータ " PunkThis " を公開しました。 独立したプロセッサやストレージを搭載し、一般的なノートPCに内蔵することで x86 / ARMのデュアルアーキテクチャマシンを実現します。メーカーいわく、ネットブックのサブOSとして走らせれば20時間のバッテリー駆動が、低消費電力のPixel Qi ディスプレイ搭載機なら40時間駆動が可能。またWindows 7 と Androidなど、二つの環境を同時に動作させることもできます。

 通常のHDDの代わりにPCに搭載し、キーボードやディスプレイなどを乗っ取って使うという、正に宿主に寄生するかのようなミニマシンです。

 これまでも、起動の速いOSをWindowsとデュアルブートして使うという製品がいくつか発表されてきましたが、それらと一線を画すのは、HDD単体でマシンとして成り立っている点。これによって、Windowsを走らせながらARMマシンとして使うことも可能となっています。メーカーは、この点に注目して、長時間駆動出来る点だけでなく、ARMマシンのテスト環境としての使い方を提案しています。

 なるほど、キワモノとしては実に面白い製品です。かつて5インチベイに内蔵するPCを見たことはありましたが、この製品の様に完全にハックするものにはお目にかかったことはありませんから、そのギミックのおもしろさに引かれる人は多そうです。
 ・・・ただ、先の「起動の速いOSをWindowsとデュアルブートして使うという製品」、いわゆるインスタントOS群が成功したという話はとんと聞きませんので・・・売れるかどうかは価格次第じゃないでしょうかね?



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