Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ChromeにFlash Playerが統合

2010-03-31 23:59:59 | Thinkings

 ウェブページを見る上で、少なくとも現時点では、AdobeのFlash Playerというのは非常に重要な位置にいます。というのは、メニューをクリックするとページ遷移無しで画面が変わったり、動画を流したりといったウェブページに、非常に高いシェアで使われているからです。

 ですので、今回のGoogleの決断は、元々のChromeの思想から考えるならば、ある意味当然かも知れません。

Google、ChromeブラウザにFlash Playerプラグインを統合 ITmedia

 Adobe Flash PlayerをGoogle Chromeに統合することにより、ユーザーはWebブラウザと別にFlash Playerをインストールする必要がなくなる。また、Google Chromeの自動更新システムを通してFlash Playerの最新版への更新も行えるようになる。Adobeと協力して、将来的にはFlashコンテンツを含むWebページをChromeのサンドボックスに対応させることで、さらにユーザーを脆弱性から保護できるようにする計画だ。

 Chromeの最大の特徴は、タブごとに独立したプロセス管理にあります。一つのタブが落ちても、動作中の他のタブは保持されることで、ウェブアプリケーションのマルチタスク化に対応する事と、タブごとにセキュリティ管理出来るというのが主なメリットになります。インタラクティブコンテンツのディファクトスタンダードとして使われているFlashをタブ管理に入れ込むことで、Chromeのメリットを最大限教授する=Flashに想定外の動きをさせるような権限を与えないという、管理上の理由での措置であると考えられます。

 裏を返せば、Googleは、ウェブ体験にとってFlashが必要であると判断したわけですから、「HTML 5があればFlashはいらない」として、iPhoneやiPadへの対応を拒んでいるAppleとは対照的な動きです。

 私は、Flash対応というのは非常に重要なファクターであると考えています。HTML 5がいくら普及しようとも、現状ばらばらの対応状況では効果は半減以下ですし、これほど普及しているコンテンツをいきなりすべて置き換えるのは不可能です。ですから、HTML 5を推進しているGoogleがこのような動きに出ても全くおかしくはないですし、むしろ誠実な対応とさえ思えます。

 今回の件からみても、HTML 5とFlashは共存していく、という未来予測が一番自然なんでしょうね。果たしてSilverlightは生き残っていけるのか、そっちの方も気になってきました。


タッチパネルの「質感」を変えるアプローチ

2010-03-30 23:59:59 | Technology

 SFの世界では一般的なバーチャルキーボードやそれに類するデバイスですが、空間に浮かび上がるとか机に投影されるとかを抜きにすれば、世間様に普及しつつあるといえます。・・・机に投影するキーボードはすでに売ってますけどね。
 具体的には、iPhoneを初めとするタッチパネル製品や、Wiiのようにリモコンなどのポインティングデバイスを使うものです。ただ、これらは、物理的なスイッチの固まりであるキーボードに比べると、入力の正確性や速度に関しては、どうしても一段以上劣る物でした。

 その問題の一因としては、やはりキーを触る感触、押した感触が無い為、補正が出来ない点にあります。Wiiはリモコンを振動させるというフィードバックを行う事で多少の改善を図っていますが、タッチパネル製品は携帯電話大の物が多いこと、触れる=押すというUIを採用していることが多いことから、なかなか同じようにはいきませんでした。

 そこで、「タッチパネルに触感を持たせる」ことで、それを解決しようというアイディアが登場した模様。

人工筋肉で押し返す触感タッチスクリーン、年内に製品化 engadget

カリフォルニア州Suunyvale の" Artificial Muscle "社 (AMI)では、社名そのままの「人工筋肉」で触感フィードバックを与える技術 Reflex を開発しています。AMI が開発する人工筋肉はプラスチックの薄膜状で、電圧をかけることで収縮・弛緩を制御することが可能。タッチスクリーンの下に貼れば、UIの状態や場所によって数分の1mm単位で振動することで触った感覚を与える仕組みです。

 触ったときに「押し返す」ことで、指先にかかる負荷を再現するわけですね。元記事によれば、細かく制御をすることよって、素材の質感すら変えたようにみせることが出来るとか。指でなぞってキーの凹凸を確認するなんて事も可能みたいです。

 ・・・実は、これと全く同じようなコンセプトを以前見たことがあります。もう何年も前になりますので、記事を見つけることが出来ませんでしたが、指の位置をトラッキングし、ブラウン管自体をモーターで上下させることで触感を実現するという、割と乱暴なアプローチでしたが、位置さえ正確に拾えればかなり大きな効果が得られたみたいです。今回はこれと同じことを、よりコンパクトにした形ですね。

 人間は、頼っていないようで、案外5感すべてを使って、日々の作業を行っているもの。指先のフィードバックが無ければ卵を持つことすら難しいのですから。ですので、この触感を保管するアプローチは、実の所とても効果的だと思っています。ただ、振り幅が小さいので、個人差が結構出そうな感はありますが・・・なんにせよ、一度触ってみたいですね。


ソフトバンクは何故フェムトセルを導入するのか

2010-03-29 23:59:59 | Thinkings

 iPhoneを使っていて気になることと言えば、やはり最大の不満点として基本動作がもっさりしていること。3GSでは多少改善されたみたいですけど、メモリが足りなくなってきたときには電話をかけるだけでもイライラします。

 このじらされる感じは、サファリでウェブページを見ているときにも存分に味わうことが出来ます。そう、3G回線は決して通信速度が速いわけではないんです。スペック上優れていても、その辺はやはりベストエフォートサービス。回線が混み合っている場合はそれなり以下の速度しか期待できません。
 そして、今後スマートフォンが普及するにつれ、そして普通の携帯でも今以上にデータ通信が増えてくるにつれ、今ある3G回線だけでは対応できなくなると言われています。

 そんな未来に対抗すべく、ソフトバンクが用意したカードは、「基地局倍増」と「フェムトセル」でした。

基地局倍増、フェムトセルを無償提供――ソフトバンクが電波改善宣言 ITmedia

 ソフトバンクモバイルが、携帯電話のエリア改善計画を発表した。同社は2010年度中に基地局を倍増するほか、5月からフェムトセル(小型基地局)を一般ユーザーや店舗に無償提供する。

 基地局倍増は分かりますが、何故ソフトバンクはフェムトセルを、無償にしてまで提供するのでしょうか?もちろん背景にあるのは顧客満足度を高めるため、カバーエリアを少しでも広げるためと言う目的があるでしょう。しかし、それだけでは無いはずです。

 フェムトセルの基地局は、家庭やオフィスのLANに繋いで利用します。と言う事は、フェムトセルを利用することで、3G回線の負荷をADSLや光と言った有線ブロードバンド網へ移動させ、負荷を分散させることが出来る訳です。むしろ、カバーエリアの拡大よりも負荷分散の方がメインじゃないでしょうか。

 iPhoneを発売した当初から、3G回線の高負荷運用について頭を悩ませてきたソフトバンク。フェムトセルがうまく普及すればその状況を大きく改善できるかも知れませんね。自分は・・・えーと、とりあえず様子見で。


はやぶさ、帰還へ

2010-03-28 23:59:59 | Science

 昨日は友人の披露宴に出てきました。新郎の友人代表と言うことで、新郎をボーカルに据えてバンド演奏を余興にやったのですが・・・。
 今回楽器を初めて買ったという人間が5人中4人、しかも全員いい年ですから当然働いているわけで、年度末という時期的に仕事も忙しい・・・と言う事で曲の選定から練習に至るまで、本当にトラブル続きでした。

 トラブルと言えば、小惑星探査機「はやぶさ」も本当にトラブル続き。目標としていた小惑星「イトカワ」に無事着陸は出来たものの、イオンエンジンの故障に何度も見舞われ、一時はミッション失敗も危ぶまれてきましたが、大幅に予定を遅らせること3年、ようやく帰還の目処が立ったようです。

小惑星探査機「はやぶさ」搭載イオンエンジンの連続運転による軌道制御の終了について JAXA

 「はやぶさ」は、平成22年6月に計画中の地球帰還に向け、平成21年2月から搭載イオンエンジンの連続運転(第2期軌道制御)を実施してきました。
 本日午後3時17分(日本時間)、第2期軌道制御を終了し、地球の中心から約2万kmの位置を通過する軌道への誘導に成功したことを報告いたします。

 小惑星への着陸、(成功していれば)小惑星表面サンプルの採取、イオンエンジンの連続稼働実証実験など、様々な歴史的偉業を成し遂げたはやぶさ。とくに、宇宙空間の長距離航行における有望株として期待されているイオンエンジンの運用結果は大きいのではないでしょうか。過程はどうであれ、有終の美を飾れそうで本当に良かったです。

 ところで、冒頭で紹介しました我々のバンドの本番ですが・・・ご両家のご家族及び参列者の皆様には、多大なるご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びいたしますと共に、暖かい笑顔とご声援をありがとうございました。
 ・・・酒って怖いですよね。


アイ・トラッキングで読書体験を変える Text2.0

2010-03-26 23:59:59 | Technology

今現在、Kindleがぶっちぎりで独走する電子ブックリーダーの世界。今後、ソニーの追い上げやiPadの発売によって、それらの勢力図が塗り変わるかもしれない、なんていう非常にエキサイティングな分野です。・・・海の向こうでは。残念ながら、日本ではそんなに盛り上がっていないんですよね。やっぱりコンテンツの流通や価格設定がこなれてこないと、中々日本では普及が難しいでしょう。

さて、普及云々は置いておいて、電子ブックリーダーが提供する読書体験は、単純に紙の本を置き換えることを目的にしています。すなわち、如何にして紙の本に近づけて、かつコンテンツをかさばらず、手軽に読めるようにするか・・・という物です。逆に言えば、可搬性とか流通以外の点、ことさら「目で文字を追う」というインターフェイス周りに関しては、紙の本への準拠がもとめられると言っていいと思われます。少なくとも、これまではそうされてきました。

しかしながら、そこから一歩進もうという気概がある人達というのはどこの世にも存在します。

読者の “目”が制御するeブックリーダーText 2.0, 狂気かそれとも天才の作品か? TechCrunch

このシステムは、本を読んでいるときの人間の目の動き…今どの文字〜言葉を読んでいるか…を正確に追尾し、それに基づいていくつかの対話的なアクションやサービスをリアルタイムで読者に提供する。視標追跡(eye-tracking)技術*は、非常に新しい分野だが、人間の目の動きという情報を正しくとらえて、システムがそれに正しく反応することは、とくに実用アプリケーションにおいては、このデモビデオが示唆しているほど簡単容易ではないだろう。

元記事では「先取りしすぎ」と散々批判をされていますが、コンセプトは私は非常に面白いと思います。Youtubeのコンセプトビデオを見る限り、これがそのまま実現したら、確かにすごいかも知れないと思わせる内容です。

ただし、視線トラッキングは確かに難しいだろうし、コスト的な問題もあるでしょう。何より、視線という半能動的なアクションに対応する思わぬアクション、えーと、お節介なシステムを長く使い続けるのは本当に快適かという根本的な問題もあります。システム云々については、まだ誰もやっていないことなので分からないですけどね。

ただ、この分野は本当に面白い、今後も伸びしろのある分野だと言う勢いは、ここからだけでも伝わってきます。果たして10年後、どんな読書体験をしているのでしょうか。


GMailの不正アクセス警告機能はかの国への牽制

2010-03-25 23:59:59 | Technology

 メールは、TwitterやSNSが発達した今となっても、有用なツールであることは変わりありません。相手の都合に関係なく、まとまった量のテキストや添付ファイルを送ることが出来るため、様々な情報の通知ややりとりに今後も利用され続ける事でしょう。

 しかしながら、重要なツールであると言うことは、悪用されたときのダメージも大きいと言う事です。メールに載る情報には、ウェブサービスのID、パスワードやクレジットカード情報、個人情報など様々な物が含まれる可能性があるわけですからね。
 そこで、最も使われているメールサービスであろうGoogleのGMailサービスは、不正アクセスへの対策を始めた模様です。

あなたのアカウントに不正アクセスの疑い、Gmailに警告機能を追加 INTERNET Watch

 米Googleは24日、ユーザーのGmailアカウントへの不正アクセスがあったことが疑われる場合に、警告(アラート)を表示する機能を追加したと発表した。
ー中略ー
 不正アクセスのアラートが表示されるのは、疑わしいIPアドレスからのアクセスがあった場合だ。Googleは、ユーザーが世界のどこにからアクセスしているのか知らないため、完全に正確な警告を発することはできない。しかし、物理的に大きな距離が離れていながら、数時間後に別の国からのアクセスがあった場合に、警告が表示される可能性が高いとしている。これらの国の情報はIPアドレスから大まかに割り出しているという。

 つまり、「疑わしい国」からアクセスがあった場合、不正アラートを出すと言うことですね。確かに、不正アクセスは他国のサーバーを踏み台にして行われることも多いですので、有効な対策だと言えます。

 とは言え、先日Googleが中国から撤退したことを考えると、かの国からの報復に対する牽制という側面が最も強いんじゃないかとしか思えないんですよね。不正アクセスの割り出しの根拠として使っているのが「国」単位であることが、すなわちその理由であるわけですけど、色々と不正アクセスに関しては前科があるだけに、ユーザーにまで飛び火しないようにという配慮なのかも知れませんね。

 GMailのやり方がベストとは思いませんけれど、ウェブサービスの不正アクセス問題というのは、決して他人事ではありません。その中で何らかの対策を施した事は大きく評価できることです。今後、GMailとは又違ったやり方で、他のウェブサービスも不正アクセス情報を搭載していったなら、ウェブサービス全般としてより安心して利用できるという環境作りができ、結果的にユーザーの増につながっていくかも知れません。ユーザーにしても、少しでも安全に利用できるのならそれに越したことはないですから、このような動きは歓迎すべき事ですよね。


電気自動車は家電?

2010-03-24 23:59:59 | Thinkings

 社会全体のエコ意識の高まりの中、自動車という個人用途から商業用途まで幅広く使われ、かつ化石燃料をダイレクトに消費する、ある意味非常にわかりやすい交通・流通手段が対象になるのは、ある意味必然的な流れです。

 自動車のエコ化ですが、現在は従来の自動車と全く同じ補給手段、つまりガソリンスタンドのみのインフラで維持が出来る物が主流です。例えば、単純に低燃費で運用できるように設計された車や、エンジンでの発電に加え、回生ブレーキ等で効率的に充電をし、モーターも動力として利用するハイブリット方式が上げられます。
 今後は、燃料電池やプラグイン式の電気自動車が普及してくると予想されますが、現在・今後数年の間に販売される自動車のライフサイクルが10年程度は確実にあるでしょうから、社会的なガソリン式自動車のエコシステムの規模も勘案すると、目に見えて電気自動車が普及してくるのには、「少なくとも」今後10年はかかるのではないでしょうか。

 とは言え、電気自動車の社会進出は間違いなく増加します。すでに三菱や韓国メーカーから市販が開始されていますが、新たに参戦するベンチャー企業も現れてきた模様。

米子で電気自動車生産 京大発VB、JT工場閉鎖後に 日本経済新聞

 今月末に閉鎖する予定の日本たばこ産業(JT)米子工場(鳥取県米子市)跡で、京都大学発ベンチャーのナノオプトニクス・エナジー(京都市、藤原洋社長)が電気自動車の開発・製造に乗り出す。

 中国では、安価な部品を組み合わせて電気自動車を販売する町工場が林立し始めているという話もあり、実の所、ただ乗って走るだけの電気自動車の製造は決して難しい物ではないようです。製造にノウハウが必要なエンジンと違い、モーターと電気的な制御機構を組み合わせればすぐに出来る電気自動車は、家電メーカーならすぐにでも参入出来る、言わば「家電」だというアナリストもいるほどです。

 しかしながら、私はそうは思いません。そんなに簡単に参入ができるなら、グループ内で電車や重機の実績を持っている日立などがもっと早くから参入してこないはずがないでしょう。
 確かにモーターなどの駆動部分についてはノウハウがあるかもしれませんが、家電メーカーには空力や衝突安全性を考慮したエクステリア、快適かつ安全なロングドライブを実現するインテリアなど、それ以外の部分の開発は一からです。それこそ、他の自動車メーカーを吸収したり、技術者を大量に引き抜いてこない限り、消費者が納得する自動車作りを一朝一夕で始めるのは難しいでしょう。

 逆に言えば、自動車メーカーと家電メーカーが、共同で電気自動車専門の開発・製造企業を立ち上げたり、それぞれから技術者がスピンアウトしてベンチャー企業をスタートする可能性はあるわけです。そういう例はたぶん少ないでしょうが、電気自動車というカテゴリを急速に持ち上げるには、そういう新しい風が必要かも知れませんね。


ニンテンドー3DS(仮称)とうとう発表へ

2010-03-23 23:38:21 | Thinkings

 2004年12月2日、ゲーム業界に革命をもたらした携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」が発売されました。それから早5年が経ち増すが、未だにゲーム機としてはトップシェアを誇る、日本で最もスタンダードなコンシューマーハードウェアとなっています。

 ソニーのPSPが従来路線のゲーム機の進化形と言えるなら、ニンテンドーDSは、2画面、そしてタッチパネルというこれまでに無かったゲーム体験をコンシューマーの世界に持ち込みました。その結果、カジュアルゲーマーやこれまでゲームにあまり触れてこなかった層のハートをつかみ、それまでのゲームの楽しみ方やラインナップすら変えてしまいました。

 そのDSも発売から5年と言う事で、昨年あたりからちらほらと次世代機の噂が立ち上るようになってきました。移り変わりの激しいPCの世界とは違い、コンシューマーハードはだいたい5年スパンで新ハードの立ち上げがありますので、時期的にもちょうど。
 そして、それらの噂を肯定するかのように、任天堂から正式な発表がありました。

新携帯ゲーム機の発売に関して 任天堂プレスリリース

発表と言っても、「ニンテンドー3DS」という仮称であること、発売時期は2011年3月・・・今から一年後であること、6月15日のE3で詳細が発表されることくらいですが・・・最大のポイントは「裸眼で3D映像が楽しめる」点でしょう。今までにあった噂としては、NVIDIAのTegraを搭載し、HD動画も再生できるというようなものでしたから、まさしく予想の斜め上を行くものです。

 裸眼で3Dと言えば、富士フイルムのFinePix REAL 3D W1が真っ先に思い浮かびました。ただ、さすがに2.8インチではないでしょうから、新開発のモニタを搭載してくるとは思いますけれど、おそらく富士フイルムと共同開発ではないかと思うのですね。というのは、ニンテンドーDSの後継機に3D液晶が搭載されるのは、富士フイルムにとっても悪い話ではないはずだからです。

 富士フイルムにとって、ニンテンドー3DSに自社の3D液晶が搭載されると言うことは、それだけ3Dコンテンツのビューワーが増えることになります。となると、自社の3Dカメラが活躍する場が増えると言うことにもつながります。これまでの世界初・単独路線から大きく飛躍できるため、知名度、そして普及にも大きく貢献すると考えられるのではないでしょうか。

 おぼろげながら方向性が見えてきたところですが、細かいディティールはまったく見えてこないのはこれまでどおり。しかしながら、とりあえずE3で詳細発表という道筋は見えました。バーチャルボーイでは早すぎた3D対応ゲームが、どのような体験をもたらすのか、これから実に楽しみです。


やっぱり・・・PSP go苦戦

2010-03-22 23:59:59 | Thinkings

 2009年の11月、ある意味コンシューマーゲームの世界を変える”かも知れない”携帯ゲーム機が発売されました。その名はPSP go。UMDスロットを搭載せず、ソフトウェアはすべてダウンロード提供されるという、ゲーム販売形式の変革を見据えた戦略的ハードウェアです。

 とは言え、これまでのUMD資産が一切使えないこと。UMDで購入したソフトウェアを移行することが出来ないこと。これまで支えてくれていた小売店に対して著しく配慮を欠く事などから、販売当初より売り上げを疑問視されてきた経緯がありますが、今回発表された資料により、ほぼ予想通り・・・よりだいぶん悪い実績が出ています。

ソニーのPSP go、もくろみ外れ苦戦 ITmedia

 ソニーの「PSP go」が2009年11月の発売以来、苦戦している。同社はこの製品が2009年度中に約100万台売れ、デジタルダウンロード推進戦略の先兵になると期待していたが、その目算は外れている。2010年に入ってからのPSP goの販売台数は合計2万3000台だが、PSPの販売台数は週平均で7万台だ。3月の第1週は、PSPが約6万台売れたのに対し、PSP goは1275台となっている(メディアクリエイト調べ)。

 これまでに、PSP goは2万3000台売れているらしいですが・・・これを多いと見るか少ないと見るかは人によると思いますが、経営陣的には大失敗の部類に入るのでしょうね。何せ、11月・12月の二ヶ月で100万台売る計画だった用なのですから・・・

 敗因としては、ソニーは「携帯ゲーム機市場の競争激化」を上げているようですが、姉妹機であるPSPが普通に売れていることを考えると、単にPSP goをユーザーが評価していないと言う事なんでしょうね。

 やはりUMDが使えず、ダウンロード販売のみという販路の狭さや、ダウンロード販売ソフトウェアの価格の高さ、通常のPSPに比べてgo自体の販売価格の高さなど、複合的な要因を持って「価値無し」という判断を下しているのでしょうね。ちなみに私もその一人です。

 iPhoneのような「ほぼカジュアルゲーム」「1000円以上のソフトは珍しい」状況とは違い、「ゲーム屋で買えるクオリティのゲームをオンラインで」「しかも安売りはしない」という、ある意味流通の革命をもくろんでいるとも言えるPSP goの戦略ですが、やはり色々と早すぎたように思います。PSPから事実上UMDを除いただけという、出来ることが減ったハードウェア構成も良くなかったと思いますし、ダウンロード販売自体がそこまで浸透していなかった背景もよろしくなかったのでしょう。

 今後は、やはりPSPの次世代機に合わせて、UMDらしき物を搭載した機種と、スロットを省いた廉価機種という二本柱を発売と同時にそろえると言った方法が良いのではないかと思うのですが。
 ・・・もちろん次世代機も気になりますが、PSP goの97万台の在庫を今後どのように捌いていくか。その当たりも激しく気になりますね。


特定看護師に願いを

2010-03-20 21:34:41 | Life

 医療現場は今、大変切迫しているようです。都市部では人材不足により、医師の長時間労働など、人の命を守るべき医師の健康が脅かされている状況です。

 さて、その医師の負担を軽減するために、以前から看護師が医師の処置を肩代わりすることがありましたが、昨今は訴訟や報道といった、別のリスクも増えてきました。つまり、看護師に処置をさせるというのは法のグレーゾーンで、もしそこでミスが起きた場合、あまりよろしくない事態が発生するということです。・・・まあ、どんな場合でもミスは良くないのですが。

 そこで、そのようなリスクを抑えるために、「医療処置がある程度認められた看護師」というカテゴリを作ることが求められてきましたが、それがようやく法整備にこぎつけたようです。

解説:特定看護師 日医、押し切られ 毎日jp

 看護師に認められる医療行為は、医療の高度化に伴って「グレーゾーン」が拡大している。合法と違法の線を引くには、さまざまな養成課程がある看護師の能力差がネックだったが、経験豊富な看護師と一般の看護師を区分し、それぞれの果たす役割を明確にするのが、特定看護師導入の目的だ。今後、救急医療や在宅医療などの現場で、看護師はより重要な役割を担うことになる。

 現場サイドはともかく、日本医師会や日本看護協会は導入に慎重だったものの、厚生労働省検討会の導入の提言に対して日本看護協会が賛同し、日本医師会が押し切られた形で実現した模様。

 ちなみに、特定看護師が行える医療行為としては、簡単な傷の縫合や処方された薬の選択など、合併症リスクの低いもの。それでも大きな前進となります。

 在宅医療や訪問介護、夜間の対応など、医師の作業を少しでも低減出来るこの制度は、今後の高齢化社会において大きな意味を持ってくるでしょう。先の岐阜大学のたらい回し対策のソフトウェアもそうですが、医療現場は今、確実に変わって要っているようです。

 ・・・とりあえず、次は医療技術の承認プロセスが何とかなれば・・・