Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

iTunesってすげえ

2005-07-31 17:15:29 | PC
 私のPCでの音楽再生ソフトはもっぱらiTunesです。とくにCDからのリッピングやMP3の管理などは任せっきりな状態です。iTunesでリッピング、エンコードは音が悪いとか言われますが、そのへんはあんまり気にしない方向で。

 で、タイトルのすげえってところですけど、以前からAppleのCDDB(CD情報データベース)はマイナーどころまで押さえていてスゲエなあ、と思っていたんです。
 具体的に言うと、任天堂のカービィのCDの様に非売品の物や、ファルコムレーベルみたいに正規の販売ルートで回っていない物、インディーズはもちろんとして、同人CDに至るまでカバーしていると言うことで、リッピングしながら脅威に思ったものです。
 そして、本日新たな衝撃が。

 うちの祖母に頼まれて、某お経のCDを焼いたときのこと。もちろんバックアップ目的なんですけど、試しにiTunesに探させてみたんです。すると・・・

 うわ、出てきた!ちゃんと出てきた!
 まさしくそのCDが、きちんとタイトルまで間違いなく出てきたんですよ。まさかお経みたいな激マイナー、且つ普通の人は一生リッピングなんてしないであろう物までカバーしているとは・・・恐ろしい。

 するってえと、やっぱりコーラン朗読とか、聖書の朗読はあったか、その他カルトっぽいものまでしっかりラインナップされているんでしょうかね・・・リスト一回見てみたいものです。

太陽系第10番惑星?

2005-07-30 16:21:48 | Science
 山奥とはいえ本当に暑かったですよ、キャンプ。朝方は凍えるほど寒かったですが。何事も・・・ちょっとはありましたけど、とにかく無事に全員帰ってこれて有り難かったですね。

 さて再開一発目のネタは、実に75年ぶりとなる・・・かも知れない「太陽系の新惑星発見?」のニュースです。

 新惑星発見と言えば、昨年発表されたセドナという準惑星(小惑星より大きく、惑星より小さい天体。この呼び方はまだ確立されていない)もありましたが、今回の発表はその時とはちょっと状況が違います。
 その天体は冥王星よりも大きかったんですから。

 太陽系惑星:「最も遠い10番目」を発見 NASA研究所 msn毎日

 【ワシントン和田浩明】米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は29日、冥王星の外側の軌道を公転周期約560年で回る冥王星(直径約2300キロ)より大きな天体をカリフォルニア工科大などの研究チームが発見したと発表した。JPLは「太陽系で最も遠い10番目の惑星だ」としている。新惑星と確定すれば、1930年の冥王星発見以来となる。同チームは03年にも、太陽系最遠の惑星状天体とされたセドナ(同約1700キロ)を見つけている。

(中略)

 直径は2700~3000キロと見られる。地上からの観測では、地表にメタンが存在しており、表面温度は氷点下243度程度と推定された。


 ちなみに月の直径は3,476キロメートルと冥王星よりも大きかったりします。今回発見された新惑星?も月より小さいですね。木星、土星には、さらに水星よりも大きい衛星が存在しますから、この辺は特に問題ありません。

 そんなことよりも、何で冥王星よりも大きな天体が今まで発見されなかったのか?と言いますと、今までは技術的に難しかったと言うことです。
 現在の光学観測については、高感度CCDの開発やコンピューターによる画像解析精度の向上、高速化と言った、様々な観測技術の進歩が見られています。デジカメの進歩でもそうですけど、ほんの数年前までは、100万画素なんて高くて買えなかったんですけど、今では携帯にも付いていますよね。
 このページで見るとわかりやすいんですけど、冥王星って本当に遠くにあるんです。具体的に言うと、太陽からの距離が最大で地球の50倍くらいはなれています。そして、今回発見された惑星がさらにその2倍くらいはなれていて、大きさも月より小さいと言うのですから、観測は本当に難しいんです。
 惑星や小惑星は自分では光りませんので、さらに観測は困難になりますね。

 こうして発見された新惑星?ですが、実は本当に惑星になれるかどうか怪しい所なんです。
 冥王星から先には”エッジワース・カイパーベルト”と言う、火星と木星の間にあるような小惑星帯があります。さらにその先には、"オールトの雲”と呼ばれる彗星の巣が太陽系の回りを囲んでいると言われています。
 実は、冥王星を含めて、セレスや今回発見された新惑星?もこれらの小惑星帯の一部ではないかという説があり、それはおそらく真実であろうと言われています。となると、冥王星クラスの天体が、これからも続々と発見される可能性も捨てきれず(今回の新惑星?の様に!)今回の新惑星?を”惑星”と認定してしまえば、太陽系の惑星が、今後すさまじく増えてしまうことになりかねないからです。
 逆に、この新惑星?を惑星と認定せずに、冥王星を惑星から降格させるという考えかたもでてきています。(実際に惑星からの降格は今までにも存在している)

 現実的な案としては、冥王星までの9惑星を惑星として固定し、今後発見された天体は、例え冥王星よりも大きくても惑星として認定しないという案がセレスの時に提案されています。

 何にせよ、今後もこういう発見は続くでしょう。個人的にはこういう”新発見!”なニュースは歓迎なんですけど、惑星が増え続けるのはちょっと勘弁して欲しい(憶えられない)ですかな。

キャンプに行ってきます

2005-07-27 01:10:20 | Thinkings
 そうはいっても仕事です、キャンプ。
 毎年のこと何で慣れっこと言えばそうなのですが、今年は初めての場所なのでちょっと不安です。

 毎回思うのですが、荷造りがとにかく大変ですね。カバンの容量は限られていますし、かといって、減らしすぎると必要な物が使えなくて余計困ったりするし・・・今回みたいな二泊三日くらいなら、本当ならば荷物は凄く圧縮できるはずなんです。キャンプなんだから、ほとんど着替えないはずなんですよ。せいぜい下着くらい・・・のはずなんですけど、着替えを予備まで詰めているうちにやけに多くなってしまいました。相変わらずへたくそです。

 とにかく雨があんまり降らなくて本当に良かった。台風さん、それてくれてありがとうです。川の増水は命に関わりますからね。

 と言うわけで、これから2、3日間ブログの更新ができません。あしからずご了承下さい。再開予定は最速で金曜、そうでなければ土曜です。

石綿の恐怖

2005-07-25 19:44:45 | Thinkings
 石綿(アスベスト)が最近問題になっていますね。
 昔から危険視されていながら、何で今頃?という疑問は最もで、私もそう思いました。どうやら石綿が体に取り込まれてから、病気が発症するまでの潜伏期間に関係があるようです。

 石綿を肺に吸い込むと癌になると言いますが、癌になるまでに20~40年かかるそうなのです。
 今から20年前と言えば高度経済成長期の終わり頃。石綿の製品加工最盛期ですよ。そのころに、石綿の加工や解体に携わっていた人たちが、次々に中皮腫や肺ガンに倒れているのです。

クボタ旧尼崎工場でも死亡/80人目、中皮腫で

 このようなニュースが全国的に広がっており、自治体や政府では、公共施設におけるアスベストの使用状況をチェックしだしたようです。

 石綿、公立校14%で使用

 ・・・自分の働いている建物も、ちょうど30年ほど前に建てられた物ですので、断熱材にアスベストの吹きつけを行ってないはずがない・・・と思うのですが・・・そう思ったら不安になってきましたので、

 「じゃあ、どれだけアスベストって危険なのさ?」

と思い調べてみました。

 Wikipediaによりますと、・・・ええと、どこにも致死量とか書いてないっすよ?
 どうやら、因果関係は証明されているけども、どれくらいだとまずいのか?というのはいまいちつかみ切れていない様子。
 けれど、一応の環境基準があります。

 日本における大気中アスベスト環境基準値は10本/L(全石綿として)である。

 そして、アスベストの飛散量を調べた調査結果。

アスベストを全く使用していない事務室・・・0~0.10本/L

アスベストを含む建材を使用した事務室・・・0~0.50本/L

アスベストを含むタイルを使用した事務室・・・0.31~0.58本/L

アスベストを吹き付けた空調機を使用している事務室・・・2.08~5.00本/L

壁にアスベストを吹き付けた空調機・・・1.40~1.70本/L

壁にアスベストを吹き付けた空調機(工事直後)・・・3.34~22.99本/L

(木村ら 1987)


 ありゃ?・・・最後の工事直後みたいないかにもな場合でもない限りは、ほとんど基準値を下回っています。

環境学者の中では室内や空調にアスベストを使用していても、大気中のアスベスト濃度とさほど変わらない(基準値を超えない)という見解でほぼ一致している。

 そうだったのか!・・・って過信していてもしょうがないですが、どうやら現状維持でも「さほど」怖がる必要はなさそうです。それどころか、

しかし、アスベスト吹き付け工事直後や解体工事時には多量のアスベストが飛散するおそれがあり、一連のアスベスト騒動で心配になったからといって、性急に除去工事を行うことはリスクを増大させる恐れがあり熟考すべきである。

これじゃあ、触らぬ神にたたり無しって事じゃないですか・・・
 いくら「基準以下」とは言っても「絶対安全」ではないというのが常ですので、早いところ、効果的な撤去方法が開発される事を望みます。先延ばしにしたとしても、いつかは撤去しなければならない物ですから。
 とにかく、現状では要らぬ恐怖感に駆られず、慎重に対応しようってことでしょうか。

 これから20年ほどで、アスベストの使われている建物の寿命が次々にやってくるため、かなりの量のアスベストが飛散する恐れがあるそうです。アスベストは他に類を見ないほど便利だったため、(耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価)たくさん使われ、今になってその便利さに見合うだけのお返しをもらっています。まるでフロンガスみたいな話ですが、うまい話には裏があるって事ですかね。

携帯がキーボードになる日

2005-07-24 20:38:05 | PC
 確かに、Qwerty配列のキーボードは慣れないと使いこなすのは難しいと思います。
 私も、使い始めた頃は、「何でこんな訳の分からない文字配列なんだ!」と、マイコンベーシックマガジンのプログラムを打ち込みながら悶えたものです。しかしながら、いったん慣れてしまうと、ひらがなやアルファベットが順番通り並んでいるキーボードは打ちづらくて仕方が無くなりましたが。

 キーボードに替わる入力機器としては、ペン入力、音声認識等があります。しかしながら、日本語における”漢字変換”とか、”認識率”の問題で、いまだキーボードを越えることはありません。
 変わり種としてtagtypeなる物もありますが、普及には時間がかかりそうです。

 しかしながら、”今の日本”には、日常的に日本語を打ち込むためのデバイスが、PCの他にもう一つ存在します。
 そして、その入力デバイス方式を使った、今のキーボード事情を一変させるかも知れない製品が発表されました。

クイックサン、携帯電話をキーボード/マウスにするUSBアダプタ

 携帯電話、リモコンの赤外線出力を利用して、PCの入力デバイスにしてしまおうという、ある意味画期的な製品です。なんと言っても、今や携帯電話でのメールの利用は一般的な事となっており、PCのキーボードより携帯で打った方が文字入力が早いという人が、少なからず存在するからです。
 確かに、Qwertyキーボードより、携帯のキーの方がボタンが少なく、なじみやすいような気がします。さらに、実現すれば「扱う機械によって、文字入力の方法を変えなくてすむ」という利点もあるでしょう。
 値段も、

発売は9月頃を予定しており、単体の価格は未定だが1,000円~2,000円程度で調整中という。将来的には500円を切る価格にしたいとした。

と十分現実的・・・というかちょっとお安い値段です。これならば、下手すると普及するかも知れません。

 もっとも、私は携帯のキーでの文字入力が大嫌いですので、使うことは無いでしょう。・・・前から言っていますが、携帯にQwertyキーボードが付かないですかな・・・

時計を買いました

2005-07-23 20:52:53 | Dialy
 今日の記事は日記です。たまにはいいですよね。

 さて、私は来週の水木金の3日間、関市板取まで子供達の指導者としてキャンプに行きます。
 結構いい所なんですが、携帯が全く通じません・・・私の携帯は、ですが。AUだと大丈夫みたいなんで透けど。そうなると、携帯をただの時計として持って行くのもシャクですし、水に濡らして壊してもおもしろくありません・・・ていうか困ります。激しく。
 去年はそう思って腕時計を買っていったのですが、コンビニで買った1980円の時計はさすがに安っぽく・・・防水機能も付いていなかったので、やけに気をつけて3日間を過ごすことになりました。はじめは壊れてもいいくらいの気持ちで言ったんですけどね。
 
 さすがに今年は、去年の教訓を生かさねばなあと考えまして、ちゃんとした防水の時計を買うことにしました。できれば、会議中とかにもつけていられるような、まともな奴を。

 アウトドアで使えるタフな時計と言えば、真っ先に浮かんだのがG-SHOCKです。ブームは去ったとは言え、使える時計であることには変わりありません。と言うわけで、選択肢はG-SHOCKのアナログ表示の奴となったのですが・・・いかんせん高いでやんの。
 年に数回のために3万は出せないよなあ、とソーラー電波時計を見つつ指をくわえていました。デジタルだと買える値段なのですが・・・やっぱりアナログの方がいい。となると、電波とソーラーが付いていない奴なら何とかいけそうでした。

 しかし、普段は携帯で時計を全てすましている私。腕時計はやっぱりAppenndix的な物になるわけです。1万円も使っていいのか、私・・・とずいぶん悩みましたが、結局買いました。

 それにしても色々な機能が付いていますね。私が使うのは多分アラームとストップウォッチくらいでしょうけど・・・
 せっかく買ったんです。有効に使っていきたいと思います。

 さて、まずはカップ麺の時間計測から・・・
 

ひまわり枯れて・・・

2005-07-22 23:51:18 | Weblog
 静止気象衛星5号(GMS-5)「ひまわり5号」の運用終了について

 個人的には「まだ動いていたんだ」と思いましたが。
 設計寿命を越えて働き続けた気象観測衛星「ひまわり5号」が、ついにその役目を終え、天寿を全うしました。10歳でした。
 思えば、MTSAT-1の打ち上げに失敗した後、GOES-9に観測を引き継いだときに、「ああ、”ひまわりからの画像です”というお天気キャスターの言葉を聞けなくなったのだな」と、変に寂しかったものです。
 あれからすでに丸2年が過ぎたのですが、その間もひまわりは働き続けていたんですね。

 7月22日つまり本日、ひまわり5号は全ての通信をシャットダウンし、静止軌道から外れて地球の周りを回り続けます。無機物に言う台詞でも無いですが、まさに「お星様となった」訳で。

 元の記事には、ひまわり5号の成果として、以下の2点が上げられています。

5.「ひまわり5号」によって得られた成果
(1)社会的な貢献
 打上げ後設計寿命を大幅に越えた8年間、画像を取得し、我が国のみならず世界の気象業務に大きく貢献した。
 また、待機運用に移行した後も情報配信の運用を行った。
(2)技術的な成果
 設計寿命の2倍を超える期間の運用によりバッテリの管理技術データを取得した。


 2番目のは全てが順調に進んでいれば得られなかったデータですから、不幸中の幸いと言ったところでしょうか。1番目のは、日本だけでなく、周辺のアジア、オセアニア諸国にも気象データを送っていた功績ですね。この記事にも書いてありますが、ひまわりの衛星画像は周辺アジア、オセアニアでも気象観測に利用されており、MTSATの打ち上げ失敗はかなりシャレにならない事態だったようです。

 老体にむち打つようにしてぎりぎりまで働いたひまわり5号。せめてゆっくり休んで欲しいものです。
 願わくば、ひまわり7号への移行の時も、こんな事態が起こりませんように。

Googleで月世界へ

2005-07-21 17:33:54 | Weblog
 最近は、ストレスの原因になるくらい例の問題について考えていたので、こういう話題の話をできることは喜ばしいです。

 「Google Moon」で静かの海に降下する ITmedia

アポロ11号の月面着陸から36年後、「Google Moon」が公開された。将来はGoogle Localで月面地域検索もできるようにする、という……。

 Googleが地図検索サービスをはじめたのですが、これはそれの”月面版”。一体どんな需要があるのか分かりかねますが、静かの海に立てられたアポロの着陸マーカーを見て、月に思いを馳せるなんてのは何ともロマンチックです。
 
 考えてみれば、こういう詳細な「月の写真」を見るなんてことは、普段はそうもありませんので、暇つぶしに2度3度、訪れてみるのもおもしろいかも知れませんね。

 しかし、記事中の
欧米では「月はチーズでできている」という伝説があり
といって、拡大するとチーズの画像になるというのは何ともおもしろいというか・・・道理が分かっている大人相手ならまだしも、ちっちゃい子供にこういうお遊びを見せるのは、その回りがまじめであるだけに戴けないなあと思ったりしました。

「月はチーズでできてるんだよ。だってGoogle Moonでちゃんと見たんだから!」 

税金についての認識

2005-07-21 00:27:50 | Thinkings
 以前、「増税、増税、また増税」というタイトルで記事を書いたのですが、コメント欄が長くなってきたので、もう一度記事を書くことにします。
 ぴえとろ氏とのやりとりの中で、私自身いろいろと思うところもあったので、その辺のフォローも含めて私の税金に対する考え方をまとめて書き記しておきたいと思います。そんなわけで、考え方に対して以前と相違する点もあるかと思いますが、そのあたりはご容赦下さい。

 まずは、最も基本的なスタンスについて。

・税金の公平性は課税に対してであって、それぞれの「生活レベル」「収入」を公平にする物ではない
・税金は、あくまで国、地方の収入源である。そしてその使い道は自治体に委ねられる
・公平性は崩れる場合がある

 1番目。税金に対して公平性は重要です。しかし、原則としてあるのは「同じ収入レベルで公平な課税」「収入に応じた段階的比率の課税による収入格差の吸収」。前者はそこそこ納得できますが、後者に関しては累進課税、もしくは固定資産税などの資産にかかる税金になりますので、累進課税に関しては収入1千万を境に機能が鈍くなり、資産に関しては現金で運用されたときに機能しなくなると言うことは明白です。
 
 先の所得税、固定資産税のように、受益者を名指しで来る税金を直接税と言います。簡単に言えば、直接税は万人に対して公平ではないと言うことです。しかしながら、資本主義を柱とする国家としては、これはさしておかしな事ではありません。
 生活レベル、収入レベルを公平にするために、最大限に税制が機能するならば、それは社会主義国家とさして変わらないでしょう。努力した分だけの対価を税金で持って行かれるのなら、結果は同じですから。

 それに対し、万人に公平なのが間接税です。これは明確に、「受益者が商品を買ったときに値段に含まれ、強制的に徴収される」税金です。受益者ではなく、物を売った販売者が納税の義務を負うため間接税と呼ばれます。
 先の直接税のうち固定資産税もそうですが、私の持っている税金のかけ方の基本理念としては、
「税金は受益者が負担するもの」
というものがあります。自動車重量税を例に挙げると、「重い車ほど道路を良く傷ませる」から「道路の補修費を払うべきだ」となります。つまり、受益を得たものが、税金という形で益に還元するというものです。
 しかしそれが怪しい例もあります。

 2番目は明快ですね。前半は。しかし後半は問題です。
 税金を大きく分けると、「目的税」と「それ以外」に分けることができます。
 目的税とは、使用目的が明確に決められている税金です。例を挙げると、「地方道路税」「電源開発促進税」「水利地益税」「自動車取得税」「軽油引取税」「入猟税」そして「国民健康保険税」もそれに当たります。
 それ以外とは、かみ砕いて言えば、「自由に使い道を選べる税金」です。これには「所得税」を始め、「固定資産税」「ガソリン税」「酒税」「消費税」などが含まれます。ですから、「消費税の半分は福祉目的に使われます」というのは、実は明確に法で決まっていることではなく、あくまでポーズであると考えることもできます。

 と言うことは、例えばガソリン税を医療目的に使うこともできるし(実際にはほとんど道路建設に使われますけど)、固定資産税を国民宿舎の建設に使うこともできるのです。これは大きな問題です。
 今回の増税を例に取ると、酒税として税金を取得しておいて、これを道路建設に使うこともできるし、国家公務員給与に当てることもできるわけです。本来なら、酒税は酒に関すること、こと医療関係に使われるのが適当かと思うのですが・・・そう言う訳にはいかないのが現状です。

 つまり、これらの目的税以外の税金は”使途の不明瞭性”をはらんでいるのです。

 さらに、先の公平性と絡んでですが、実は目的税以外は「根拠が法律だけ」で「何故税金をかける必要があるのか?」についてはまったく説明が為されていない場合が多いのです。つまり、税収をあげるためだけに訳も分からず税金を払わされている場合が多いと言うわけです。このページで片鱗が感じされるかも知れません。
 「たばこ税」「酒税」に関しても同様で、明確な根拠という物は存在しません。しかしながら、このページ等によると

 ・生活必需品ではない
 ・適量以上の消費は飲む人の健康や社会一般に悪影響を与える

と言った点が考えられるそうです。この大義名分から「取りやすいところから取る」税金であるとよく言われているようです。そのほか、生活必需品でないという考え方の元、税金を賦課された物にはゴルフクラブ(ホールの方)利用税などがあります。
 とは言え、生活必需品の個人個人の考え方はそれぞれであり、どこで線引きをするかも明確には規定されていません。また、酒税、たばこ税それぞれについても段階を設けてある根拠も明確ではありません。
 線引きが明確でないと言うことは、自由に範囲を広げることができることと同意です。今時「生活必需品でない」とこじつけることができるものはいくらでもありますので、「若者の社会進出を困難にする」と大義名分をつけて、エロゲーに税金をかけたりできるわけです。
 また、段階については、同じ酒なんだからまずもって分けることがおかしい。そして、分けてあるのにそれを有効利用しようとすると、理由を明確にしないまま税率を上げる事がある。これは何ともおかしな話です。
 これでは受益者がどうこう言うよりもまず、「何故税金をかけるのか」という問題があり、「同じようにお金を使っているのに、税金のかかりかたが全く違う」という不公平性を生みます。

 さて、ではここらでまとめていきましょう。

 ここまでのポイントは、

・税金には使途が不明瞭な部分が多々ある
・税金にはその掛かり方の根拠が無いものも多数ある

です。先に、「税金は受益者が負担する」と言いました。私はこれが全く自然な形であると考えますが、受益者が負担するまではいいですが、その還元の仕方が全くなっていないと考えています。

 ここであげた2つのポイントは実は表裏一体です。
 根拠が無いから、目的を不明瞭にできると考えればわかりやすいでしょう。たばこ税を受益者から取っていっても、大義名分のとおり健康被害や周囲へのケアのためにつかうならいいのですが、それを道路をはじめとする公共事業につぎ込んでいくならば、受益の対価としては実に不適当です。ですが、あくまでそれは大義名分であり、法律上は根拠をうたっていないので、何に使おうが問題ありません。

 これは誠に都合のいい解釈ですが、現在の税制ではこれがまかり通っています。

 この使い道というのが問題で、先の橋梁談合問題しかり、鈴木宗男しかり、こと公共事業に関しては事業の正当性に疑問符が浮かびます。また、一般会計だけでは見えてきませんが、特殊法人への補助金に関しても実に4兆円強の支出があります。
 日本には現在700兆円の負債がありますが、それだけの負債を負っているという自覚を持った経営を行っているとはとても考えられません。例えば、ここに公共工事への投資額の推移のデータがありますが、ピーク時の6割だとか言っていますが、アレはバブル期です。冷静な見方をすれば、緩やかに下降程度に収まっています。
 国債発行残高(つまり借金)は加速度的に増え続け、しかも恐ろしいことに、新規発行額はむしろ上がっているという状況です。

 つまり、現在の税金の使途をどうにかしようとは極力考えず、増税、費用負担増によって乗り切ろうと考える国の政策は私に取って理解し難く、税金の「資源の再配布」という公平性という面からも著しく反することだと考えます。
 歳出を減らすことをせず、安易に税収を増やす事はとうてい許容できることではありません。

 確かに、公共事業も必要でしょう。(高速作る金があるならもっと有効な道路整備も検討しなさいとか云々はあるが)しかし、現在国がやらなくてはいけないことは債権の償還であり、新たに借金をすることではない。景気の回復のための方策であり、特殊法人に金を落とし、天下り役人を肥えさせることではない。
 借金を償還するためにはまず、新たな借金をしないことだし、そのためには現在行われている公共工事やその他の事業を見直す事も重要でしょう。

 景気を回復させるためには、末端の消費を促進するために減税を行うことも有効であるはずです。
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 今回の酒税の増税によって税収は結果的に減る可能性が高いでしょう。価格の上昇によって、消費者の買い控えが増えることが予想されます。ですが、発泡酒、ビールから第3のビールへと流れ、その分の税収が落ち込むことを考えるならば、下がり幅は小幅に抑えることができるはずです。
 この改正案の主な目的は「ビール類の税制格差の均衡化」が筆頭とされますが、税収減に歯止めをかけることが一番の目的であることは明確です。

 私は、酒税が目的税であった場合ならば、使用用途が明確であるため何も問題は無いと考えます。また、酒税自体に関しても、大義名分が共通認識として広まっている以上は正当性があると考えます。
 しかし、酒税は目的税ではありません。ならば、税金という形で還元をしなくても、一般消費という形で市場経済への還元をした方がいいとも考えられませんか?そう言う意味で、酒税が減収になっても私は一向にかまわないと考えます。
 ちなみに、国民健康保険は目的税ですので、医療負担用途に使われます。酒税が医者にかかったときの医療負担に直接使われることはありません。
(正確に言うと、難病治療や乳幼児医療など、特殊なケースにおいて、一般税の一部として使われることはあります。ガンは不可)

 様々な方策がある中で、「企業努力を踏みにじり、末端消費を抑制させる」という点で、先の酒税は容認できません。さらに言えば、これは明らかに「特定の企業、業種」をねらい打ちにしたものであり、「その他酒類の増税が無い」ことを考えると「明らかに公平性を欠く」と思われますがどうでしょうか。
 ちなみに清酒は政治家の支持基盤に酒蔵が多くあるため、ワインはブドウ農家と外圧という政治的問題で回避・・・何ですかそれ?

 こと税制は制度自体が複雑で、且つ影響範囲が多岐にわたるため、個人個人異なる意見を持つのは自然だと思います。と言うよりも、これが正解というかけ方なんて、これからずっと出てこないでしょうし、何か改正される度にごたごたが起こるのでしょうな。

 ・・・まとめるとは言ったが、長くなったのとぶっつけで書いているのでかなり読みにくい文章になってしまいました。趣旨が伝わりづらいかも知れませんが、ちょっと疲れました・・・

教育について新たな認識

2005-07-20 00:18:00 | Thinkings
 以前、塾について記事を書いたときに、「このままだと公立の学校って全然意味無いよなあ」などと、実はぼんやり考えていたものですが、今晩、なかなかおもしろい話を聞いてきました。

 とあるPTA会長がプライベートすれすれで話してくれたことなんですけど、
「学校というのはコミュニケーションを教える場だ」
 まあ、ここまではぼんやりと分かってたんですけど、おもしろかったのはここからです。
「学校で習う勉強のほとんどはコミュニケーションの要素だ」
 国語、英語あたりは分かりますけど、後は一体?と面食らっていたんですけど、彼曰く、
「科学科目は観察力を養うためだし、社会は人生のチャンペラだ」
なんて言うんです。

 歴史で年号や人の名前を列挙して「憶えろ」では全然意味がない。その人物が何を考えて、どう動いたのか。その人物が動いたために、どんな人たちに影響を与えたのか、等という「思考と関係」を見るようになれば、自分の人生にも役立つし、何より歴史がおもしろくなると言うのです。確かに、数字と名前を覚えるよりも、「何でこの事件は起こったのか」と言った内容を考えた方が、確かにずっとおもしろいです。

 こんな話の中でも、一番納得できたのが数学について。
「数学とは段取りを組み立てる力をつけるためにやってる」
 言われてみれば、証明問題なんか確かにその通り。別に計算力をつけるためではなく、公式を憶えるためでもなく、どうやったら問題が解けるかという「道筋」を立てる事が数学の中で一番重要だとのこと。
 じゃあ私なんか、数学のうわべだけをずっと見てきたことになります。悲しいことです。

 そして、最後に「古文とかもおもしろいよ。結局は人間の色恋とか、隣三軒でごちゃごちゃやっている事を書いてる。言葉が違うだけで、結局現代の小説と何にも変わってない」とのこと。
 結局人間だもの。おもしろいと思うことにそんなに変わりなんて無いですものね。

 ああ、推理小説作家は苦労しますね。携帯電話のおかげで密室が作りにくいったら・・・