Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

パワーポイントが脅威だって?

2010-04-30 23:59:55 | Thinkings

 私の大学の最後の一年間・・・つまるところ卒業研究は、実質プレゼンの仕方を学んだと言っても差し支えないでしょう。変な話ですが、実際の研究よりも、毎週の内部プレゼン用資料を作る方に時間を費やしていた気がします。

 さて、そのときに本格的に触ったのがパワーポイント。プロジェクタを使ったプレゼンにおいて、何とも強力なツールだと思ったものです。ビジュアルってわかりやすくて便利なんですよ。
 しかしながら、このパワーポイントを代表とするプレゼンテーションツールには弊害があるという声もあるようです。例えば、Slashdotにはアメリカ軍指揮官の苦言が紹介されています。

敵はパワーポイントにあり ? パワーポイントの弊害、米軍大将らが指摘 Slashdot

パワーポイントの弊害に辟易しているのはビジネスパーソンだけではないようだ。アフガニスタン軍事戦略の複雑さを表わすものとして、昨年米軍が作成したというスライドがこちら。これを見せられた Stanley A. McChrystal 司令官は「これが理解できれば、戦いに勝てるという訳だ」と冷ややかにコメントしたという。

 原文で紹介されているリンク先のスライドはあまりにもひどい物ですが、あまりにもエフェクトに懲りすぎてしまったり、一枚に内容を詰め込みすぎてしまったりして逆にわかりにくくなると言うことは、ごく日常的に起きうる事です。また、凝ったプレゼン資料を作るために本来の仕事に支障をきたすこと、内容が断片的になりやすいことも問題です。
 イメージしやすいビジュアルと、テンポの良い進行によって、「分かった気にさせてしまう」ことも弊害の一つでしょう。

 このような問題から、「プレゼンツールはアメリカ軍の内なる脅威だ」と言っている訳ですけれど、確かにあのスライドを見せられては、そう思うのも無理はないかなあと思ってしまいますが。私も、幾度となくだらだらとしたプレゼンを見せられた経験があるので、ちょっと納得しかけてしまいました。

 しかしながら、その多くには使い方に問題があるのであって、やはりプレゼンツールは便利だと思うのです。
 最大の問題は、「プレゼンツールで全部を説明しようと思ってしまうこと」ではないでしょうか。先のスパゲッティスライドもそうですが、詰め込みすぎると逆効果。説明するのはプレゼン資料ではなくプレゼンターなのですから、あくまで限定的に、それこそ分かりにくい点、強調したい点を図示する程度と考えた方が良いのではないでしょうか?

 結局の所、どんな道具も使い方次第と言うことですけど、分かっていてもリッチなツールというのは、ついつい機能を使いたくなってしまうもの。そして、作り込んでいく過程で、徐々に客観視出来なくなっていくものです。リハーサルをやる、他人に感想を聞くなどして、効果的なプレゼンを心がけたいものですね。・・・自分も含めて。


HPがPalmを買収した理由

2010-04-29 23:02:06 | Thinkings

 私はかつて、Palmユーザーでした。正確に言えば、Palm OSを搭載したソニーのCLIEユーザーでありました。グラフィティという手書き入力による、素早い文字入力は、携帯電話大モバイルデバイスにおける、最適な文字入力方式の一つだと思っています。

 残念ながら、日本ではソニーの撤退と共に、Palm OSの火は消えてしまいました。(私はCLIEの代わりとしてiPod touchを買ったのです)本国アメリカにおいても、ブラックベリーやiPhoneに押され、もはや絶体絶命の危機に瀕していました。その時、起死回生の一手として用意されたのが、完全新作OSであるwebOSでした。その前評判はゼロに等しかったのですが、実際に触ってみたレビュアーの評価は総じて高く、「完全版iPhone OS」との声も高かったのですが・・・時すでに遅く、販売拡大には至りませんでした。

 そのPalmの身売り話が出たのは、以上の経緯を踏まえると不思議でも何でもありません。次の興味はその身売り先。スマートフォンメーカーのHTCやLenovoというアジアメーカーが噂されていましたが、結局はHPに落ち着いた模様。買収の意図は、もちろんwebOSのようです。

HP、webOSへの投資を拡大。スマートフォン以外にも採用 engadget

 HPは Palmの特許などIPを獲得するだけでなく、Rubinstein 率いる現Palmの開発チームのもと、R&Dへの投資をさらに拡大しwebOSの開発を続行します。Pre や Pixi といったPalmの現行製品ロードマップも維持し、さらにHPが持つスマートフォン以外の製品カテゴリ (タブレットなど) へ 将来のwebOSを「スケールさせる」ことが強調されています。
 つまり「webOSの先進性は評価されたものの資金難と販売に苦戦した Palmがとうとう吸収されて消滅」と表現するよりも、OS含むソフトウェア・ハードウェア・サービスを統合して提供できるPalmの優位と、HPの資金および製造・販売能力の相乗効果でスマートフォンやタブレットなど拡大するモバイル市場を狙うことが目的です。

 ところで、なんでAndroidではなくwebOSなんでしょうか?これまでパートナーとしてつきあいのあったマイクロソフトのWindows Mobileはどうするんでしょう?・・・と言うのが大方の自然な疑問だと思います。それについて質問があったようですが、なんというかはっきりと名言は避けた模様。ただ、webOSの開発を続けていく理由としては、「ユニークなユーザーエクスペリエンスを提供する事で、他との差別化を図っていきたい」ということ。確かにwebOSを扱える・・・いや、扱っているのはPalmだけですから、それを受け継いだHPが自社製品にのみ搭載するという戦略を採るならば、「webOSが使いたければHP」という形になります。その路線はiPhoneで実証されていますから、「型にはまれば」一連のwebOS製品群による独自のエコシステムを構築することで、市場を創り出すことが出来るでしょう。そこにしかない、というのは意外なほど大きなプレミアムです。
 近頃は、DellもASUSもタブレット事業参入に躍起になっていますけれど、HPはある意味、この上ない武器を手に入れたんじゃないでしょうか。

 今後、HPには「ソフトウェア開発者を囲い込む」「対応デバイスを用意する」「より魅力的なCMを打つ」など、webOSを広めていく上での課題が散在しています。それでも、そうまでするほどにwebOSというのは魅力的なOSなんでしょう。日本にはまだ影も形もないプラットフォームですから何とも言えませんけれど、これで日本にもwebOSが上陸する可能性が高まった訳ですから、結果的には喜ぶべき事なんでしょうね。・・・日本のメーカにもこういう動きが欲しいなあ・・・


今こそサウンドに投資するタイミング

2010-04-28 23:00:54 | Weblog

 こういう新製品の記事を見ると、変な話、まだ市場として成立しているんだと言うことを再認識している感じ。

クリエイティブ、PCIeサウンドカード「Sound Blaster X-Fi Titanium HD」 マイコミジャーナル

クリエイティブメディアは、PC用サウンドカード「Sound Blaster」のハイエンド向け新モデルとして、X-Fi Xtreme Fidelityオーディオプロセッサ搭載のPCI Express x1サウンドカード「Sound Blaster X-Fi Titanium HD」を発表した。発売日は2010年5月中旬。価格はオープンだが、同社直販サイトでの価格は19,800円。

 そう、サウンドカードです。このノートPC全盛のご時世にサウンドカード?なんていう感覚を、なんとなーく自分も持っていることに逆に驚きます。グラフィックカードだと全然そんなこと思わないのに・・・

 PCの設計をする上で、真っ先に削られるのがサウンド周りという勝手な印象があります。現に自作の世界でも、ビデオカードは別に買っても、サウンド周りはマザーのオンボードで十分という場合が多いようです。某自作雑誌においても、まれにサウンド周りの特集記事が組まれることがあっても、自作例にサウンドカードやユニットが含まれることはまずありません。

 と言うわけで、今更サウンドカードなんて・・・という事をちらりと思ってしまったわけですが、いやいや、逆に今こそサウンドカードなのかも知れません。

 別にUSBのオーディオユニットでもいいのですけど、iPodやウォークマンの”母艦”としてPCが使われる事が多々ある現状において、今あるPCの音質を上げることは、自宅の音楽環境をグレードアップさせることに直結するわけですよ。
 例えば、最近のテレビはPC入力を持つ物が多いですから、ノートPCをテレビに繋いで大画面でYouTubeやニコニコ動画を利用できますが、その時にテレビのスピーカー(>ノートPC内蔵のショボイスピーカー)もジャックできます。USBオーディオユニットを介せば、さらに音質を上げた状態で、お手軽なジュークボックスとして楽しむことも出来るでしょう。
 「据え置きのオーディオプレイヤーがPCしかない」なんていう家庭ももはや珍しくないでしょうから、今こそ音質に投資して、快適なオーディオ生活を満喫してみるのも良い選択肢ではないでしょうか。別にコンポを買い足すよりも、スペース効率も費用対効果もずっと高いはずです。

 1万円前後のちょっと高級なヘッドフォンが売れている今ですから、次に「ちょっと高級なサウンドカード&USBオーディオ」が来ても全然おかしくないはず。ノートPC用に「スピーカー+USBオーディオ」のスタイリッシュなセットを一万円前後で売り出せば・・・それこそiPod用スピーカーのノリで、むしろiPod用のドックも付けて・・・きっと需要はあると思いますが、どんなもんでしょ?Boseさんがやると高くなっちゃうでしょうから、オンキヨーさんが素直にやらないでしょうかね?


そのTwitterクライアント、使えなくなるかも

2010-04-27 23:02:35 | Thinkings

 Twitter、流行ってますね。調べてみると、結構な数のマンガ家さんとか経営者の皆さんも、日々せっせとつぶやいている様子。私も、知人が始めたのを機にこの間復帰しました。チェックする頻度は抑え気味ですけどね。

 さて、Twitterでタイムラインをチェックするとき、もしくはつぶやくときに、素直にTwitterの公式ページを使っても良いですが、やはり専用のクライアントソフトが便利です。私はiPhoneから主に利用していますけれど、ブラウザを立ち上げるよりも豊富にあるクライアントを利用した方が、タイムラインのチェックもツイートも楽々こなせます。

 しかしながら、そのクライアントソフトがもしかすると使えなくなるかも知れないというニュースが入ってきました。

Twitter APIの認証方法が6月末にOAuthへ移行、クライアント更新を INTERNET Watch

 米Twitterが2010年6月30日にTwitter APIの認証方法を変更することから、Twitterクライアントの利用者は新しい認証方法に対応したバージョンにアップデートしない限り、 Twitterを利用できなくなる可能性がある。

 要は、Twitterの認証方法が変更されるため、それに伴ってクライアントソフトのバージョンアップを行わないと、アクセスが出来なくなるという話です。人気のクライアントであったりすればバージョンアップは行われるでしょうが、そうではない場合、例えばすでに開発終了となっていたりするならば、そろそろ次のクライアントを捜し始めた方が良さそうですね。

 何でも、本国アメリカよりも、日本でつぶやく人が多くなってしまったとかいう話もあるみたいですが、やはり手軽さとユルさが受けているのでしょうかねえ。また、有名人のつぶやきを追うためだけにユーザーとなっている人も多いとか。
 このような状態でのセキュリティ強化はある意味必然であるとは思いますけれど、それに伴う混乱が最小限に抑えられると良いんですが。


こんどこそさよなら、フロッピー

2010-04-26 23:59:59 | Thinkings

 ガチャガチャというアクセス音と共に、フロッピーからゆっくりとMS-DOSが読み込まれる。飾りっ気のないワープロがこれまたのんびりと立ち上がって、一仕事終えたら今度は表計算ソフトを使うためにパソコンを再起動・・・なんていう時代もありました。その頃、私はそもそも仕事なんてしていませんでしたけどね。

 当時、メインストレージだったフロッピーは、恐らく今現在、店で最も手軽に買えるレガシーメディアでしょう。容量は実に1.44MB。ムービーは言うに及ばず、写真だって1枚、2枚程度入るかどうかと言う心許なさ。オフィス文書にしても、ちょっと凝ったエクセル文書だと怪しいですし、パワーポイントのプレゼン資料なんて絶望的です。
 しかし、かつては・・・いや、今でもテキストだけで埋めようと思うと、かなり広大な容量だったんですよ?

 そのフロッピーですが、国内最大手のソニーが撤退を表明。今後はフロッピー市場全体が一気に縮小する見込みです。

ソニー、フロッピーディスク販売から撤退 ITmedia

 ソニーは23日、パソコンやワープロの記憶媒体に使われるフロッピーディスク(FD)の国内販売を来年3月で終了すると発表した。同社は1981年に世界に先駆けてFDを発売して市場を築いてきたが、USBメモリーなど新たなデータ交換の手段が普及して需要が急減しているため、中国メーカーに委託しているFDの生産を打ち切る。

 実は、当ブログにおいて「フロッピー終了のお知らせ」を出すのはこれで二回目。前半の導入部分が今回とかぶるのはご愛敬と言うことで。前回のドライブに遅れること7ヶ月・・・正直ちょっと早かったな、とも思いますが、またひとつの規格がソニーの手を離れました。

 お手軽な大容量ストレージが市場にあふれる中、完全に行き場を失ったフロッピー。未だに使い続けている人、場所があるにせよ、その役割を終えたと言ってしまって良いと思います。そういうメディアをいつまでもサポートし続ける為のレガシーコストも馬鹿になりませんから、今後はメディアのサポートサイクルが短くなっていくのかも知れませんね。(例:HDDVD)となると、自分が長く使うため、後悔せずに使い続ける為、メディアの採用にはより一層、注意深くならなくてはいけないですね。

 こうして、ストレージの一時代を気付いたデバイスが終わりを迎えようとしています。・・・印象的には無理な延命を繰り返していたような感がありますけれど。


ネスカフェ バリスタを買ってしまった

2010-04-25 23:59:59 | Life

 コーヒーを飲みたいタイミングってありますよね。そんなときはそそくさと準備をするわけですけれど、コーヒーメーカーだと結構時間がかかりますし、うちの場合はドリッパーなのでさらに面倒。その手間を考えると、飲みたい気持ちがどっかに言ってしまうこともしばしばです。

 さて、そんなときに心強いのが、お湯を入れたらすぐ出来るインスタントコーヒーですが、そのインスタントコーヒーをおいしく飲むための専用コーヒーメーカー、「ネスカフェ バリスタ」を買ってしまいました。

ネスカフェ バリスタ

 インスタントコーヒーの粉を使って、普通のブレンドはもちろん、エスプレッソやカプチーノが簡単にいれられるという機械です。お値段も実売8,000円と、ミドルクラスのコーヒーメーカーくらいということで気にはなっていたのですが、アメトークの家電芸人の回で紹介されたりと、急にメディアの露出が増えたおかげで一気に品薄に。気付いたときには時すでに遅く、ネットでも手に入りづらくなっていたのですが・・・

 友人から、「コンビニで売ってたよ!」というメールが入ったときには目を疑いましたが、あるところにはあるものなんですね。家電ではなく食品流通みたいなので、コンビニでも入らないわけではないかな?と自分を納得させましたが、それ以上の詮索は野暮というもの。ちゃんと未開封みたいでしたし、保証書にもちゃんとコンビ二名ではんこを押してもらいましたしね。

 使ってみた感想としては、楽です。他のユーザーのレビューで、「コーヒーがプラスチックくさい」という声が出ていましたので不安でしたが、うちの個体は問題なさそうです。・・・私の鼻が鈍いという可能性も捨てきれませんが。ただ、初回のすすぎで出てきたお湯は、確かに樹脂というか合成ゴムというか、そんな異臭が強くてとても不安になったことは書いておきます。

 やはり、ドリンクバーのように「ボタンを押すと一杯ずつ出てくる」というのはすごく便利です。電源切った状態から使えるようになるまでも40秒程度ですし、とにかくお手軽です。カプチーノを作るときだけ牛乳を用意しなくてはいけませんが、量を量ってあらかじめカップに入れるだけですから、十分許容範囲です。

 洗浄が面倒という話を聞いていますので、その部分がちょっと怖いものの、今のところは非常に満足です。これからコーヒーの消費量が増えそうですが・・・夏が控えてるからなあ・・・


自作派もタッチ体験・・・ただし、タッチスクリーン限定

2010-04-23 23:59:59 | PC

 Windows7のウリの一つにマルチタッチへのディフォルト対応と言うものがあります。その特徴を生かすため、Windows 7への以降当初から、タッチパネル搭載の一体型PCやノートPCが散見されるようになりました。そして、まだマルチタッチ対応のソフトウェアが少ない現状を考慮して、マイクロソフトが同社のテーブル型プラットフォーム「Surface」用に開発していたソフトウェアを、「Touch Pack for Windows 7」として提供していました。地球儀や池のアプリのデモを見られた方も多いかと思います。

 ただ、これらのソフトウェアはあくまでタッチパネル搭載PCへのプリインストールのみが認められていまして、自作ユーザーがマルチタッチ環境を用意しても体験できる物ではありませんでした。しかしながら、今回マイクロソフトは、タッチパネルを後付けで準備したユーザー向けに、Touch Pack for Windows 7のダウンロード提供を開始した模様。漸く自作ユーザーにもタッチソリューションをめいっぱい体験できる場が開けた形になります。

マイクロソフト Touch Pack for Windows 7 一般提供開始、3ゲーム+3アプリ engadget

「将来的にはより広範囲への提供も検討」されてから約一年、マイクロソフトが マルチタッチ対応アプリ集 Microsoft Touch Pack for Windows 7 の一般向けダウンロード提供を開始しました。Touch Pack は Windows 7のマルチタッチ機能 Windows Touchをアピールするため、業務用のマルチタッチコンピュータ Surface 向けに開発されたアプリや技術を Windows 7 用アプリ 6本にまとめた製品。 従来はメーカー製マルチタッチPCの付属ソフトとしてしか手に入りませんでしたが、ようやく一般ユーザー向けに提供が始まりました。

 しかし、しかしですよ。このインストールには大きな落とし穴があったのです。

 私はWacomのマルチタッチ対応タブレットであるBAMBOOユーザーですので、すでにマルチタッチ環境は用意している形です。そこで、喜び勇んでダウンロードを試みたのですが。

 どうやらマルチタッチ「スクリーン」デバイスのみへ対応しているらしく、インストールすら出来ませんでした・・・。ディスプレイがマルチタッチに対応していないとダメみたいです。これは何とも寂しい結果。確かにスクリーンでないと楽しさ半減だとは思いますけれど、出来ればインストールくらいはさせて欲しかったところですね。

 今後はマルチタッチ対応のソフトウェアも増えていくとは思いますが、タブレットのメリットもあると思うのです。疲れにくいとか。是非とも見捨てないでやっていただきたいと思った次第です。


Adobe、iPhoneと決別

2010-04-22 23:59:59 | Thinkings

 とうとう、AdobeがiPhoneにFlashを対応させることをあきらめたようです。

FlashのiPhone対応、事実上断念へ ASCII.jp

「FlashのiPhoneアプリ変換機能は予定通り、CS5に搭載して出荷する。しかし今後はこの機能に投資しない」。 4月22日、東京都内で開かれた戦略発表会の席上、米アドビ システムズでCS(Creative Suite)製品を担当するジョン・ロイアコノ上級副社長はこう明言した。

 元々、iPhoneのブラウザはFlashに対応していませんでした。iPhone OS全体で対応しないので、iPadも当然対応しておらず、対応する予定もありません。大画面で穴あきが出るのは残念ですが、今回の件で完全に希望が絶たれた形になりました。加えて、FlashコンテンツをiPhone用のアプリケーションに変換でき、事実上の開発環境となると期待されていたCS5の新機能「Packager for iPhone」の開発終了も宣言。完全にiPhone OSからリソースを引き上げる形となりました。

 HTML 5が如何に優れていようとも、現時点でのシェアや開発環境もろもろ含めて、圧倒的にFlashの方が影響力が高いのは周知の通り。まだ各社の足並みが揃いきっていないHTML 5がFlashと拮抗するようになるにはまだまだ時間がかかるでしょう。iPhoneのようなモバイルメインのデバイスならともかく、iPadで「完全なウェブ体験が出来ない」と言うのはデメリット以外の何者でもありません。AppleはAdobeとのこの一件に関して、何とも意固地になりすぎたのではないかと思ってしまいます。

 今後、このままAppleとAdobeのいさかいが続いたとして、考え得るべき最悪なストーリーは「CS5がMacから離れる」ことでしょう。PhotoshopをはじめとするAdobeのクリエイティブツールがAppleを離れる時というのはあまり考えられませんが、そうなる可能性はゼロではない、と言ってもおかしくなくなってしまいました。

 以前にご紹介した「iPhone OSの開発環境はオフィシャルに限る」という話は開発者サイドに大きな衝撃を与え、今回のAdobeの発表はそれに対してさらに大きな波紋を加える事でしょう。開発者離れは望んでいないとは思いますけれど、結果的に多くの可能性を潰してしまったApple。今後の動向、具体的にはAndroidの動きとそれへの対応が気になるところです。


グローバルサービスを日本から

2010-04-21 23:59:59 | Thinkings

 現在自分が使っているウェブサービスの中で、日本で運営されているものがいくつ含まれているでしょうか。私は携帯電話のウェブサービスは使っていない(iPhoneを除く)ため、日常的に使っているのはこのブログサービスといくつかのメールだけです。後は、ツイッターにしろGMailにしろ海の向こうの企業が運営しています。

 言葉の壁という障害が大きいのかも知れませんが、日本製のサービスが海外でも使われている、という例はあんまりありません。・・・いや、アメリカ発のサービスにしても、使われているのはほんの一握りの有名どころだけなんですけれど、それらのサービスにリソースが集中していて、アジア発のサービスが表に出てこない現状に危機感が漂っているのです。

 それを憂いた・・・もしくはビジネスチャンスととらえた3社が、共同でグローバルサービスを手がけるスタートアップ(立ち上げたばかりのベンチャー企業)を支援するシステムを設立しました。

Open Network Lab―日本製“Y Combinator”は世界を目指すスタートアップを支援する TechCrunch

運営は日本の主要インキュベータの1社であるデジタルガレージ(Digital Garage)(伊藤穣一氏が取締役を務める)、カカクコムKakaku.com (商品の価格検索エンジンとして日本最大)、オンライン通販のネットプライス(Netprice)の 3社が共同で行う。応募者の中からONLが選定したスタートアップは3ヶ月以内にウェブ・サービスのプロトタイプ、ないしアルファバージョンを開発することを求められる。ただし、対象となるサービスは必ず世界的に競争力があるものでなくてはならない。つまり主たるターゲットは海外だ。

 Open Network Labは、支援するスタートアップに最大90万円程度の資金援助と、メンターと呼ばれる超一流のアドバイザーのアドバイスを受けることが出来るというメリットがあります。そして、最大のポイントがエンジェル投資家に向けてプレゼンが行える事。

つまり有望なサービスの開発に成功した起業家たちは一生に一度というようなチャンスに恵まれることになる。

 と言う事で、成功しさえすれば、正に世界に羽ばたけるサービスを立ち上げられるかも知れないシステムが、日本で本格的に動き出すことになります。うまく滑り出せば、日本初のサービスが世界中で使われるようになるかも知れませんね。


ここまでするほど魅力的? 3D視聴ガイドライン

2010-04-20 23:59:59 | Thinkings

 先日、公開されたばかりの「アリス イン ワンダーランド」を3Dで見てきました。以前に見た「アバター」の教訓として、「前の方は没入感はすごいけど疲れる」「字幕は疲れる」という二点を踏まえ、「やや後ろ寄りで吹き替え」です。うん、まあ確かに立体になる事で臨場感は増すかも知れないけれど、個人的には2Dでも全然かまわないけど・・・というのが正直な所。
 ですので、こういう面倒くさいガイドラインが出ると、ますます3Dテレビが時期尚早に思えてきてしまいます。

「映像酔い」防止は適正距離での視聴! 3Dコンソーシアムが3D視聴ガイドライン asahi.com

 電子情報技術産業協会(JEITA)と産業技術総合研究所、3Dコンソーシアム(3DC)は、4月20日、視聴者やコンテンツ制作者、製造者など、3D に関わる人を対象に、それぞれの必要最低限の知識やルールをまとめた「人に優しい3D普及のための3Dコンソーシアムガイドライン」をホームページで公開した。

 要は、斜めから見ると眼精疲労が激しいとか、映像酔いをしやすくなるので周辺環境に注意というユーザー側の心構えと、効果的な3D映像を作るための制作者サイドへの助言等がまとめられている物です。

 ・・・まあ、確かに3D映像は没入感を求める物ですから、正面からじっくり見る事が多くなるとは思いますけど・・・メガネをかけなきゃいけない上に、こんなに注意事項があっては、ちょっと「気軽に」とはほど遠い感じです。特に、子供の発達に悪影響がある可能性があるとか、子供が見るときは保護者同伴でというかなり不安げな情報もあり、例え3D対応の映像が増えてきたとしても、実際に3D機能を使う場面というのは大きく限られそうですね。

 正直な所、色々と面倒が多い3D対応テレビ。まだコンテンツも揃っていませんし、3D方式も各社によってまちまちです。この状況でむやみに飛びつくよりも、ミドルレンジのテレビにまで3D対応が降りてくるまで待った方が得策でしょう。
 3Dで見て迫力のあるコンテンツもまだまだ限られていますし、しばらくは全然困らないと思いますよ。